18 class B heavens

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:51
18 class B heavens
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:51


大好きな、ヒトがいた。

3 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:52
「──不合格、か」
ポストに届いた、最早見慣れた三文字を手の中で握り潰した。
その動きには落胆も悲壮も一切の感動もなく、朝起きて顔を洗うのと同じくらい自然に流れた。

4 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:52
いつからだろうか。こんな風に感じるようになったのは。

最初のうちは滅茶苦茶頑張った。
大して太っているわけでもない体重を10キロは絞った。声を
出すために毎日、500回は腹筋をした。
食事も制限して筋肉を付けた。時には飯
を食べることすらやめて。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:52

店員の目を気にしつつ独りでカラオケに行ったりした。週3
も行けば顔は覚えられるが気にせず、気にして通った。


6 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:52

今の生活に不満?




「別に」


少しだけ空気を震わせた音は、誰にも届かず溶けた。


7 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:53

そう、ルックスも普通。
歌はカラオケに一緒に行った友達にはうまいと必ずいわれる
が、他人より少しうまい、といった程度だろうか。学生時代
勉強はできる方だったが、社会にでた今となっては昔とった
杵柄ですらない。楽器だってなにも出来ない。



8 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:53

──そんなこと、日常生活に関係ないことばかりだけれど。



そう、関係ない。
普通に飯を食べて仕事をして週2の休みに友達と遊んだりぼ
ーっとするのに不便なことは、何も。

不幸でないという幸せを持つ今の生活には。


9 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:54
部屋に戻りふと目に入った安っぽいブラウン管テレビ。


点けて、すぐに消した。
遠くて近いガラスの向こうに




大好きな、ヒトがいた。


10 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:55
三文字を、部屋の隅のダストボックスに落とす。
慣れたはずのその行為がなんだか苦しかった。



敵わない、叶わない現実に喉が締め付けられ、痛んだ。



11 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:56
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:56
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13 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:56
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14 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/19(土) 06:57
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