14 勝馬投票券
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 13:51
- 勝馬投票券
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 13:52
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中山競馬場の第12レースが終わったとき、男はちょっとした大金を手にした。
万馬券を1000円買っていたのだ。久しぶりの大勝利に思わず顔もほころぶ。
普段なら喜んでいる他人を見ると腹が立ち、それがどう見ても未成年の見た目
ならなおさらであるのに、今度ばかりは誰がなにをどのように喜んでいても気に
ならないのだった。だから馬券の払い戻しの列に並んでいる女性の買い方が、
自分と全く同じだと気づいて声をかけ、彼女が明らかに未成年と気づいたときにも
なんにも嫌な気持ちにはならなかった。
「あ、同じ買い方じゃないですか。ほらほら。」
「え?」
「ほら。全く一緒。お嬢さん僕の買うとこみてたんじゃないの?」
「まさか。ちがいますよー。」
「ははは。でも良かったよね。あそこでローゼンスマイルがつっこんできてさ。」
「そうそうそう。私どうなるかと思いました。」
「だよねぇ。ほんと最後はもう来いー、って感じでさ。今日もかなり勝ったの?」
「いえ。今日はこれが初めてです。」
「そうなんだ。僕もそうなんだよ。でも馬券強そうな顔してるよ。美人だけど顔が馬に似てるもの。」
「えー、そうですか?よく他の動物に似てるって言われるんですけど。」
「そう?おじさんの友達には、女性はみんな猫に見えるってやつもいるけどね。」
「えー。」
「あ、ところで、お嬢さん。未成年でしょ。」
「!」
「あ、そう言うことじゃないよ。かわりに換えてきてあげようかって。」
男は人差し指をたてて唇にあてた。じゃあ、お願いしますと馬券を手渡す女。
男は2人分の払い戻しを済ませ、女に現金を渡す。
「もう来ちゃだめだよ。」男は複雑に笑って言った。
「ウインズははまるとやばいんだぜ。」
−完−
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 13:55
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- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 13:55
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- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/17(木) 13:56
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