9 いっせーのせっ!
- 1 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:51
- 「すずめよりは高く飛べるよね?」
そう言って彼女は、大空へ高くジャンプした。
- 2 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:52
- れいなはすぐに私たちの視界から消えてどんどん下に落ちていく。
さゆも、様子を伺っていたクラスメートたちも、呆気に取られた顔でそれを見送った。
当然私も引きつった笑顔のまま硬直して、その場から動けなかった。
- 3 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:53
- ◇
- 4 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:54
- 新しい女の子が私たちのクラスにやってきた。
自己紹介のときに「けんけん」言うのがおかしくて、みんなで笑った。
隣の席のさゆは普段とてもおとなしいのだけど、それでも楽しそうに笑っていた。
だけど、その子がギロリと睨むとみんなはすぐにビビッてしまったようで、
途端に教室のざわめきは収まった。
コホンと咳払いを一つして場をとりなす先生を横目に、
颯爽と自分の席へ歩いていくその子が、私の目には怖いほどキレイに映った。
彼女はれいなと言った。
- 5 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:55
- さゆはすぐにれいなになついた。
犬と猫みたいにあまり接点のないはずの二人なのに、
私には二人が一緒にいることがとても自然であるように思えた。
私の席はさゆとれいなのちょうど間だったから、さゆによく椅子を貸す縁で、
一緒に会話をするようになった。
「れいなれいな、トイレ行こうよ」
「そんなもん一人で行けばいいっちゃろ」
「れいなぁー」
「あーもう、わかったけん、腕つかむな!」
私はいつも二人の会話を笑って聞いていた。
れいなに甘えるさゆは同性の私から見てもとても可愛かったし、
一年間同じクラスで一緒に暮らしてきた私たちの誰にも見せなかった
そんな表情を引き出してしまうれいなを、私は本当にすごいと思った。
それに私も、れいなのきつい目つきが怒っているのではなく元々のものなのだ、
と知ってからは、不思議とその目の鋭さすら、キレイだと思うようになっていた。
- 6 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:56
- だけどさゆはれいなが来るまでクラスのお荷物のような存在だったし、
れいなはれいなであの性格だから、
クラスの中心の子たちの反感を買ってしまうのは時間の問題だった。
そんな私の不安は的中して、あるとき私は数名の女子に呼び止められた。
「ねぇ絵里、なんか最近アイツと仲いいみたいじゃん」
「アイツって?」
私は動揺が悟られないように微笑みを崩さずに言った。
「ほら、田中だよ。こないだ転校してきた」
「え、まあ席が隣だから普通に話してはいるけど……」
私が笑顔のままで言葉を濁していると、もう一人の子が割って入ってくる。
「ほらぁ、だから言ったじゃん。絵里が私たちを裏切るわけないし」
ね、と言われ私は曖昧に頷く。
裏切るの意味はわからなかったが、
大方れいなを自分たちへの反発分子だとでも思っているのだろう。
れいなにはそんな気はないのに。彼女たちのことを歯牙にもかけていない。
「だよねぇ。ごめんね、変なこと言っちゃって」
愛想よく笑う彼女に、私も愛想笑いで返す。
私はさゆとは違ってクラスで浮いたりはしていない。今みたいに笑えるからだ。
かわいいかわいいと友達によくほめられる笑顔が、何故だかひどく醜く感じた。
- 7 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 01:58
- 教室に戻ると、相変わらずさゆは私の席に勝手に腰掛けてれいなと話していた。
「えっと、今日のさゆのリボンはねぇ」
さゆはコレクションのリボンを一個一個れいなに見せて説明している。
付き合いがなかった頃は、そんなことをしているからクラスの輪に入れないのだと思っていたけど、
改めてそんなさゆを見ると、それはとても可愛らしく映った。
少なくともさっき私に話しかけてきた少女たちの行為に比べれば、
ずっとずっと愛しいものに思えた。
「あ、絵里、こいつうざいっちゃけど……」
私に気付いたれいながさゆを押し退けるようにして、声をかけてくる。
「ひどーい! 絵里も何か言ってよー」
漫才のようなやり取りに微笑みかけると、
不意にさっきのクラスメイトたちの言葉がよみがえった。
私の顔は笑顔を作るのに失敗し、ひどくあべこべな表情になる。
「絵里、どうしたの?」
さゆが心配そうに顔を覗き込む。隣のれいなも、訝しげな表情で私を見つめている。
「なんでもないよぉ、ほら先生来るから席つかないと」
慌てて笑顔を取り繕ってさゆを席に促す。れいなの視線が顔の左側にささった。
どこからかクスクスという女の子の笑い声が聞こえた気がした。
- 8 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:00
- 次の日学校に来ると、廊下で見知った女子の集団を見かけ、足を止めた。
そこにいたのは、昨日私にからんできた女子の集団で、
彼女たちとすれ違うこと自体は私にとってなんでもないことだった。
ただ、そのとき私が本当に驚いてしまったのは、その集団の中にさゆがいたからだった。
「絵里、おはよ〜」
その中の一人が笑顔でひらひらと手を振る。
私も笑顔で手を振り返すと、怯えた瞳のさゆが目に入った。すがるように私を見つめている。
それに気付いた一人が、にっこりと気持ちの悪い笑みを作って、さゆの肩に手を回した。
「道重〜、私たち友達だよねぇ」
「……」
そのやり取りを見て、私は事情を理解した。
いくらさゆが彼女たちと合わないにしても、
普通なら友達と言う言葉にこれほどまでに拒否反応を示すことはない。
恐らく、れいなと喋るなとでも言われたのだろう。
くだらない人たちだな、と思ったけど、私にはどうすることもできなかった。
「そうなんだ、よかったねぇ」
私はさゆの気持ちに気付かない振りをして、みんなに微笑みかける。
さゆが俯いてしまうのが視界の隅に映ったが、
私はまぶたをぎゅっと閉じ、教室への道を急いだ。
- 9 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:01
- それから、さゆはれいなを避けるようになった。
あまりにもわかりやすいさゆの行動にれいなも何かを悟ったらしく、
自分から私たちに話しかけてくることはなくなった。
それでもれいなは相変わらず私の席の隣で授業を受けているし、
私がキレイだと思った鋭い瞳もそのままだった。
ふてぶてしい態度のまま。少しの弱さも見せることなく。
れいなとは逆を見ると、さゆが不安そうに泣き出しそうに、れいなに視線をやっている。
だけど、れいなが少しでも視線を動かすと、慌てたように自分の手に視線を落とした。
- 10 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:03
- そんなことが一ヶ月近く続いた、ある日のことだった。
れいなが帰ったのを見計らって、例の女の子たちが教室に残っている全員に向かい口を開く。
「明日って学外授業じゃん。バス、誰が田中の隣に座るのぉ?」
途端、えーやだー、などという声が教室内に溢れかえる。
私が無理矢理笑みを浮かべながら隣をさゆを見ると、
さゆは誰とも視線を合わせないように俯いて、ぶるぶると両肩を震わせていた。
「道重もアイツの隣いやだよねぇ」
タイミングを計ったように、机の上に腰掛けた少女の、気持ち悪い猫なで声が聞こえる。
さゆが何も答えないでいると、ねぇ、と追い討ちをかけるように声をかける。
私には何もすることができない。
ただ、さゆが助かるようにと、無駄な祈りを捧げているだけだ。
彼女が机を降りる音がガタリと響いたとき、さゆはとうとう、涙をひとすじ零しながら、
彼女の言葉に頷いてしまった。
- 11 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:04
- その日の帰り道。
私とさゆは肩を並べ、ゆっくりと家路を辿っていた。
夕暮れに伸ばされた影の右手と左手が重なり合い、儚げに揺れる。
私たちがれいなと話さなくなってからも、私はさゆとよくこうして一緒に帰った。
実際、さゆは話してみるとすごくいい子で、
いつもバカ騒ぎをしているクラスの女子たちと付き合うよりは、ずっとほっとした。
それに、そのときの私には、れいなへの罪滅ぼしの気持ちもあったのだと思う。
あの日を境に私たちに一切話しかけてこなくなった、れいなの気持ちを無駄にしないように。
自分がはぶられてまで救ったさゆを、れいなの代わりに守れるように。
でも結局、私は何もできていない。
- 12 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:05
- 「明日、学外授業だね」
さゆがぽつりと口を開く。
「れいな、また独りぼっちになっちゃうのかな」
私はさゆの口から出た、れいな、という言葉にひどく動揺してしまった。
今までの私たちは、不自然なほどにその言葉を隠して、無理矢理笑顔で会話をしていたから。
「れいな、いつも寂しそうにしてる。何も言ってくれないけど、さゆにはわかるもん」
私は何も言えずに、ただ黙ってさゆの言葉を聞いていた。
茜色に照らされながら、真剣な表情で話すさゆは、ほんとうにほんとうに可愛くて、
キレイなれいなと可愛いさゆの漫才のようなやり取りを見れないことは、
とんでもなく間違ったことなのではないかと思った。
「絵里……」
さゆはその可愛い顔をぐしゃぐしゃに歪めて、私に向き直る。
「ごめんね、私が弱いせいで絵里までれいなと遊べなくなって。ほんとうにごめん」
涙声ながらしっかりとそう言い切ったさゆは、しかしそこまでが限界だったようで、
隣を歩く私の胸に顔をうずめ、声を上げて泣き出してしまった。
「ごめん…なさい」
ごめんなさいと何度も言いながら泣きじゃくるさゆを見ながら、
悪いのはいったい誰だったのかと必死で考えた。
本当にさゆが悪かったのだろうか。
れいなを嫌っていたクラスの女子たちが悪いのだろうか。
ただ一つ確かなことは、こうして謝ることのできるさゆは、
私なんかよりもずっとずっと強い人間だということだ。
- 13 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:07
- 学外授業に向かうバスの中で、れいなは相変わらず一人だった。
わざとらしくれいなを避けるクラスの女子たちを横目に、
れいなは窓の外へ、睨むような視線を送っていた。
私の中に、れいな、いつも寂しそうにしてる、という昨日のさゆの言葉がよみがえる。
まったく表情を変えずに、バスが目的地につくのを飄々と待っているれいなは、
私の目にも、すごく寂しそうに見えた。
バスが目的地に近づいた頃、ぼうっとれいなを見つめていた私の視界に、もう一人の姿が映った。
「れいな、隣いい?」
さゆは呆気に取られるクラスメイトを尻目に、れいなの横へ座った。
窓から車内に視線を戻したれいなも、何も言えずにさゆの行動を見守っている。
「なんか遠足みたいで楽しみだよね」
「さゆ……」
「なぁに?」
さゆは屈託なく笑う。
しばらく呆然としていたれいなだったが、不意にふっと笑うと、
いつかと同じいじわるな表情を作った。
「隣、いいなんて言っとらんっちゃけど」
「えー、別に平気だよー」
「平気の意味が分からん!」
そう言ってぷいっとそっぽを向いたれいなの口元に、ふてぶてしい笑みがこぼれる。
そんな笑顔の二人を見ていると、私は不覚にも泣き出しそうになってしまった。
すごく自然で、幸せな風景が目の前にある。
でも私は、そこにいることができない。
- 14 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:09
- バスを降りた後も、まるで今まで我慢してきた分甘えているかのように、
さゆはれいなにべったりだった。
当然そんな光景を、あの子たちがよく思うわけがない。
すぐ隣を歩いている彼女の顔が、ぎりぎりと醜く歪んでいく。
二人はとても楽しそうだった。
私たちが三人で笑い合っていた頃からもう一ヶ月以上も経っているのに、
その笑顔は何も変わっていなくて、あまりの懐かしさに悲しくなった。
手を伸ばせは届きそうなのに、多分もう触れることはできない。
- 15 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:10
- 小さな丘の上で昼休みが取られたとき、ついに女子の一人が動いた。
さゆは相変わらず楽しそうに、リボンの自慢をしている。
「道重」
自分の名前を呼ぶ声に、さゆの体がこわばる。
「ほら、あっちでご飯一緒に食べようよ。絵里もいるしさ」
そう言われたさゆの視線が私に向いた。
さゆは私と目が合うと途端に泣き出しそうな表情になり、それは私に、
昨日さゆが吐き出した気持ちの一つ一つを思い起こさせた。
私は咄嗟に目を伏せる。
そのことで決心したのか、さゆは首を横に振った。
今までの彼女からは考えられないくらいはっきりと。
「れいなと食べるから、いい」
「なっ……」
その言葉にクラスメイトの何人かが絶句する。
そして、カッとなった彼女の手が、さゆに向かって飛ぶ。
れいなも慌てて手を出すが間に合わない。
それでもさゆは咄嗟に交わしたらしく、彼女の手は空を切った。かに思えた。
恐らくその手がさゆの髪にかすっていたのだろう。
結びかけだったさゆのリボンが、風に舞ってゆらゆらと宙を舞った。
そのまま、川べりから伸びている木の枝先に引っかかる。
- 16 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:11
- それを見たさゆの表情は途端に崩れていく。
確かあれは、さゆがとても気に入っていたリボンだった。
私が気付いたのだから、当然れいなも気付いているに違いない。
クラスメイトの女の子と対峙するように立ち上がったれいなの表情は、
自分がはぶられたときにも見せなかったような、恐ろしい表情をしていた。
射抜くようなれいなの視線にビビッたのか、クラスメイトは、なによ…と言いながら後ずさる。
しかしれいなは、そんな彼女に一瞥すると、すぐにくるりと向きを変えた。
そして、丘の先まで歩いていく。
丘の先は小さな崖のようになっていて、その下には午前に私たちが通った川べりの道がある。
一羽のすずめが川べりから舞い上がってきて、
枝の直前で失速するようにまた元の場所へ戻っていく。
れいなは、さゆを振り返り、にやりと笑う。
「すずめよりは高く飛べるよね?」
その後はもう一瞬だった。
れいなは本当にすずめより高く舞い上がると、体をいっぱいに伸ばし、
枝の先にかかったリボンをすくい取る。
そしてそのまま、真下に広がる川へと落ちていった。
私もさゆもクラスメイトたちも、その場から動けず、呆然とその姿を見送る。
- 17 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:12
- しばらくすると、一部からクスクスという笑い声が零れた。
れいなのことを笑っているのだと思った。
でもそれは以前ほどに大きな渦を生むことはなくて、
れいなを嫌っていた一部の首謀者たちの間だけで、ひっそりと起こった。
私は笑わなかった。
何があっても笑顔を絶やさないように心がけている私でも、
れいなの笑顔や、昨日聞いたさゆの言葉を思い出すと、微笑むことすらかなわなかった。
さゆが笑っていた連中をキッと睨む。
それだけで黙ってしまう彼女たちも可笑しかったが、
それ以上に彼女たちを睨むことのできたさゆに驚いた。
さゆはそのまま、先ほどのれいなのように丘の端まで歩いていき、れいなが落ちた川を見つめる。
恐らくれいなと同じように飛び込もうとしているのだろう。
しかし、足がすくんでしまったらしく、それ以上先に進むことができない。
それに気を良くした少女たちの間から、再び失笑が漏れ出す。
いくつにも重なるその不協和音は、私にとって不快以外の何物でもなかった。
それでも私はギュッと唇を噛み、その笑いに耐える。
ここを耐え切れば今までのように暮らしていける、そう思った。
だけど、と私は思う。
このまま何も変わらず、いつも笑ってごまかして、
大好きな子たちと言葉を交わさずに暮らしていくのが、本当に大切なことなのだろうか。
- 18 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:14
- さゆは何とか飛び降りようと震える足を少しずつ前に出していく。
だけど、後一歩が踏み出せず、不快な失笑の輪は徐々に広がっていく。
「道重ぇ、無理しないでこっち戻ってきなよ」
間の抜けた声。誰かの笑い声。
さゆはきっと今も泣き出しそうなのを必死で耐えている。
れいなと私を気遣って泣いた昨日のように、優しい心を踏みにじられて、
それでも精一杯に拳を握り締めて耐えている。
気付くと私の足は、自然にさゆの元へと動いていた。
さゆは突然隣に来た私を見て、目をまん丸にして驚いている。
川を見下ろすと、私と目のあったれいなが、にぃっと微笑んだ。
私はクラスメイトたちを振り返る。
いつのまにか笑いは止んでいて、れいなが飛び降りたとき以上に
呆気に取られた顔で、私たちの様子を見守っている。
私は彼女たちに向かい、にっこりと笑う。
かわいいかわいいと友達によくほめられる、自慢の笑顔だ。
- 19 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:19
- 「ばーーーーーっか!」
私は精一杯に叫び、さゆの手を握る。
さゆと目が合った。
さゆは私の大好きな笑顔で、頷いてみせる。
私たちはクラスメイトに背を向けると、川面をまっすぐに見下ろした。
いっせーのせっ!
二人の体が同時に宙を舞う。
隣には、さゆの可愛らしい笑顔がある。
川を見下ろせば、キレイなれいなのふてぶてしい笑顔が、どんどんと近づいてくる。
私はそれが本当に嬉しかったから、二人にも負けない自慢の笑顔を、とうとう涙で濡らしてしまった。
- 20 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:20
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- 21 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:21
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- 22 名前:9 いっせーのせっ! 投稿日:2004/11/16(火) 02:21
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