35 ING
- 1 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:10
- 「うん、今日もいい天気!」
朝起きてカーテンを開けて大きく伸びをする。
最近毎日天気がいい。
気温も暑すぎず寒すぎず、湿気も少ない。
こんな日がずっと続けば、日本も過ごしやすい国と呼ばれるようになったのだろうか。
靴を履いて学校に向かう途中、メールを送った。
送信完了の画面を見て自然と笑みがこぼれる。
最近よく言われるようになった。
「美貴ちゃん変わったね」と。
確かに一年位前までの自分では考えられないほど、今、毎日が楽しい。
学校も友達も全てが充実している。
だがあれだけ人生に嫌気をさしていた自分がここまで変われたのは、やっぱりあの人のおかげかなと思う。
あの人と出逢わなかったら今頃自分は全く違う人生を歩んでいただろう。
- 2 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:12
- 「ブー、ブー」
制服のポケットに入れてる携帯が震えた。
定期をだしたところだったので取り合えず先に改札を通り抜ける。
人の行列の後ろに並んでからゆっくりと携帯を取り出し、あけてみた。
『おはよう』
いつも通りの題名で始まっていた彼女からのおはようメール。
藤本美貴は思わずニヤニヤしてしまいそうな唇を必死で固定させ、大好きな恋人からのメールを何度か読み返し、また返信した。
藤本にとって今の人生は幸せの一言につきた。
これまでの17年間の自分の生き様を思い出せば、同情した神様がやっとの幸せを与えてくれたんだと思う。
あれだけ底に落ちていたんだから、少しくらい自分が他の人間達より幸せでも全然申し訳なくなどなかった。
寧ろもっともっと幸せになりたかった。
そんな藤本の今の夢は、恋人であり自分を暗闇から救ってくれた安倍なつみと一緒に住む事だった。
- 3 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:12
- 「藤本先輩」
突然背中から声がかかり、藤本は我に返った。
「あぁ、あさ美ちゃん、どうしたの」
「いえ、次、藤本さんの番ですよ」
紺野あさ美は一人分の空白がある陸上のトラックの上を指差した。
他に並んでる部員達も何をしてるんだという顔でこちらを見ている。
「ごめん、これ持っといてくれる?」
藤本は、部活中なのにこっそり持ち出した携帯を紺野に押し付け、笑顔で走っていった。
紺野は渡された携帯から伝わる藤本の温もりをぎゅっと握り締めた。
- 4 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:13
- その晩、藤本は安倍の家にいた。
安倍の家で、安倍の上に乗っていた。
軋むベッド。
肌と肌の擦れあう音。
絡む唇。
藤本は安倍を執拗に抱いていた。
「君のこと、好きだなあ」
まだ安倍の名前さえ知らなかったような頃。
その頃つるんでた仲間が煙草を買いにいくと行って席を外した時。
今まで何度か顔は見ていたが一度も喋った事などなかった安倍が話しかけてきた。
不思議な魅力。
彼女からは言葉に出来ないような不思議な魅力が発せられていた。
- 5 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:14
- 「あ…」
安倍の腕がいっそうきつく藤本の体を抱き締めたそのやおら、彼女の体から力が抜けた。
指から伝わる締め付けられるその感覚に藤本は快感を覚える。
笑顔になってから虚ろな瞳でこちらを見る彼女にキスをした。
「今日も…舐めてくれる?」
乱れた息を整えながら安倍が見上げがてらに言う。
そんな安倍の姿をよりいっそう愛しく思いながら藤本はまだ熱をおびた自分の指を口元にもっていった。
自分だけしか知らない安倍の味が広がる。
「…ありがとう…」
呟きながら体を寄せてくる彼女をまたぎゅっと抱き締めた。
藤本美貴は安倍なつみを愛していた。
- 6 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:15
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緊急事態発生。
陸上部顧問の先生が「大変だ」と言いながら部室の部屋に入ってきた時に頭に浮かんだ言葉がそれだった。
確かに最近部活を休んでいたから気になってはいたけど、昔を思い出せば別に不思議はなかった。
だがこれは緊急事態だ。
事情を話してる先生も結局何が起きているのか一つも把握してないらしく、とにかく「大変だ」を連呼している。
周りの生徒達も真新しい情報を誰も持っていないみたいだ。
ここは自分が動くしかない。
5日前の学校帰りにあの女と近くのファミレスで夕食をとっていたのは知ってる。
隣のマクドナルドでずっと出てくるのを待っていた。
出てきた後はいつも通り尾行した。
人目を気にせず女同士で手を繋ぐ二人を見て言い知れぬ憎悪が心から込みあがってきたが、今はそれを露にしてはいけない。
紺野は必死で理性を保ちながら二人の後を追った。
- 7 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:15
- 行き着いた先は思った通りいつもの場所だった。
藤本の家から電車で乗換えを含めて約40分。
自分の家からは約15分のあの女の家。
門限ぎりぎりまでいつもその出入り口が見える近くのバス停に座ってるのだが途中で二人が出てきたためしはなかった。
あの中で何が行われてるかなど、考えたくもなかった。
だが今となっては後悔する。
何故あの時藤本があの女の家から出て来るのを確認するまで待たなかったのか。
次の日から彼女は部活にこなくなった。
先生の話では学校にも来てなかったらしい。
藤本の家庭事情は複雑らしいからちょっとくらい無断欠席しても学校側は何も言わなかったらしい。
だがさっき、5日前から家にも帰ってないとの情報が学校に届いたそうだ。
きっとこの場にいる人間で最後に藤本の姿を見たのは自分だけだろう。
いや、あの女か。
いてもたってもいられなくなり紺野はその日の部活を早退した。
マネージャー一人抜けるのに誰も咎めなかった。
それより藤本だ。
- 8 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:16
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強い光を感じ目を覚ました。
眩しいと感じたのは太陽ではなかったようだ。
真っ白な部屋にいた。
他に何も見えない。
寧ろ壁があるのかも部屋に区切りがあるのかも分からないくらい全てが真っ白だった。
「…どこ…ここ…」
取り合えず立ち上がり当たりを見回してみた。
だがやはり何もない。全てが白い。
何か寒いなと思い腕を組んでみたら自分が何も着ていない事に気付いた。
「うっそ…全裸かよ」
藤本は呟きながら自分の体を見下ろすため下を向いた。
途端、ある事に気付いた。
藤本の乗ってる地面はガラスだった。
- 9 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:17
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久しぶりに目の前にする彼女の家のドアの前まで来ていた。
昔何度かピンポンダッシュを繰り返し、とうとう見つかりそうになった時以来だ。
休みの日などにどうしても藤本の顔が見たくなり度々紺野はこの家に訪れてはピンポンダッシュを試みた。
勿論、イタ電をしてわずかながらの確率で時々当たってくれる藤本の生声を録音して寂しい時はそれを聞いていた時もある。
結局あまりにも頻繁なピンポンダッシュだった為、しまいにはあの陸上部エースの足で追いかけられてしまった。
ただのマネージャーである紺野は間一髪の所で逃げおおせたがあれは本当に危険だった。
その時以来だ。だが今はきちんと真正面からインターフォンを押して相手が出てくるのを待っている。
とにかく今は情報だ。あまり気乗りしなかったが藤本の親本人に聞くのが先決だった。
暫くして古いインターフォンから低い声が聞こえた。母親のようだ。イタ電の時に何度か聞いた声だ。
- 10 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:17
- 紺野は自分の身分などを説明し藤本の失踪についてさりげなく情報を聞き出した。
母親の話によると、やはり藤本はあの女の家に行った日以来帰ってないらしい。
別に今まで何週間も帰ってこないのはざらだったので特に不審に思ってなかったらしいのだが、今朝妙な物が郵便受けに入っていたそうだ。
それは、ガラス細工で巧妙に作られた藤本の顔だったそうだ。
大きさは郵便受けに入るくらいだったがそれは藤本本人と酷似しており、とても丁寧に作られていたそうだ。
首から上の部分しか入っていなかった上に、一言「ありがとうございます」というメモが貼られていたので気味が悪くなって警察に届けをだしたそうだ。
一通り聞きだせる情報は全て聞き出してから紺野は次は駅へ向かった。
警察なんか当てにならない。いや、寧ろ当てにしていない。
藤本を助け出しその存在を認めてもらうのは自分だ。警察より何としてでも早く見つけ出さなくてはならない。
だが勝敗は見えていた。警察があの女の家に辿り着くまでには暫くかかるだろう。先に見つけるのは自分しかいない。
日が完全に暮れた頃には紺野は表札も何もかかっていないあの女の家の前まで来ていた。
- 11 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:18
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真っ白なその部屋を歩き回るうちに段々と今の自分が置かれている状況が分かってきた。
自分は真っ裸で真っ白な部屋に閉じ込められている。
息ができるという事は一応どこかに通気口があるのだろう。
だがこの部屋を覆っているこれ――この部屋の地面、壁、天井。
これは明らかに――。
「気に入ってくれました?」
無音だったその部屋に突然の声が響き渡る。いや、声?これは人間の声なのだろうか。
その疑問はすぐに解決された。
喋っていたのは誰でもない、この部屋を覆っている、壁――ガラスだった。
「アナタももうすぐこの一部となるのです。ねぇ?キレイでしょ?」
何の事だかよく分からなかった。が、妙な寒気がするような音声だ。
ただの雑音とも聞こえるのになぜだかそれは人間の言葉として藤本の耳に入っていった。
「ほら、そろそろシンショクがはじまる」
不思議な感覚だった。透き通った透明でいて白いようなそのガラスと自分の体が何らかの形で繋がろうとしている。
細胞が一度全て分裂しまた新たな細胞として、違う物体を取り込みそれと一体化してるような感覚だった。
げんに、壁から響き渡る音声は普通の人間の感覚だと完全に雑音にしか聞こえなかっただろう。
それが藤本の耳の中に入ってきた途端細胞分裂を始め「言葉」となって脳に伝達する。
溶けてしまいそうだった。
- 12 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:18
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不法侵入。その言葉が一番当てはまっているのかもしれない。だがそんなのに構ってはいられなかった。
今まで演じてきた優等生ぶりもこれで全て終わりになるのかと思ったが別になんとも思わなかった。
今はとにかく、藤本だ。
真正面から入る事は鍵がかかっていたので良策とは言えなかったので紺野は横に止めてあった路上駐車している車の上から壁によじ登った。
車に靴跡や指紋が残ってしまうと思ったがそんな事は言ってられない。
いざとなれば藤本さんの姿を見かけて一刻の猶予もないと感じたので入りざるおえなかったとでも言おうと考えていた。
壁をつたって地面にジャンプする。目の前にあの女の家があった。外から見るのと変わらず普通の家だった。
この中に藤本は監禁されてるのだろうか。それとも監禁などではなく藤本自らの意思でそこにとどまっているのだろうか。
紺野は首を振った。そんな事は考えたくなかった。
- 13 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:19
- 前々からインターネットで調べていたドアのピッキング方法で難なく中に進入する。
いつか藤本が家で一人で留守番する時にでも役立てようと思っていた技だ。
自分の家で何度か練習していたその成果がこんな所で発揮できるとは思ってもみなかった。
玄関は真っ暗だった。どこかの部屋から光が漏れてるという様子もない。人の気配もなかった。
紺野は取り合えず月明かりを頼りにゆっくりと足を進ませた。靴は鞄の中に入れた。
月明かりがない所まで来て仕方無しに小さなペンライトをつける。
無駄な光は外から目撃される可能性があるのでなるべくつけないほうがいいらしい。
それもどこかのホームページで読んだ。
10分ほど家の中を詮索した。勿論二階に行ったりもしてみたが一向に人の気配はない。
見当外れかと思い盛り上がった気持ちを沈ませていると下の方から微かに物音が聞こえた。
高鳴る心臓と共に早まる呼吸の音をたてないように暫くそこでかがみこみ様子を伺う。
- 14 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:20
- また音がした。
よく聞いてみると床の下から鳴っている様な気がする。紺野は緊張した面持ちで取り合えず立ち上がり物音のする方へと向かってみた。
音の発生源は畳の部屋だった。だがそこには誰もいないし何も動いている様子はない。
ふと先ほどチェックした時にはあまり気にしなかった壁掛けに目が止まる。
ただの壁になんともない壁掛けが飾られていた。何となく違和感を感じハンカチで手を覆いながらそっとめくってみる。
するとそこにはドアがあった。しゃがんででしか通れなさそうな小さなドアだったが人一人くらいは通れるだろう。
ここしかない。
紺野は確信に似た興奮する感情を必死で抑えながらノブに手をかけた。
- 15 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:20
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その様子は大好きなペットが自分の思うように動いてるように可愛らしかった。
画面の中で徐々に人間の意識をガラスと一体化させていく藤本の虚ろな顔は快感でしかなかった。
またこうして一人、人間をガラスにした喜びを、安倍は自らのそこを触って確かめていた。
しっとりと濡れたそこに指を這わせてみると自然と体がよじる。
画面の中の藤本の輪郭が動いている。細胞が動いているのだ。安倍は言い知れぬ快感を覚えた。
「ひっ」
その時だった。突然首に激しい違和感を覚えた。それは次第にきつく締まっていき安倍の喉元を締め上げる。
紐か何かで首を絞められているのだと分かった。完全に油断していた。一体誰が…。
もうだめだという時に紐の力が緩んだ。一瞬の隙に紐と首の間に指を入れて抵抗を試みたが思ったより力が入らない。
「藤本…先輩…?」
後ろから声がした。女の声だった。今だと思い安倍は勢いよく頭を後ろに振り上げた。
後頭部が女の体に当たったらしく、紐の力が一瞬緩んだ。その隙に上手くすり抜ける。
危なかった。一命をとりとめた安倍は地面に向けて激しく咳き込みながら突然の侵入者に顔を向けた。
そこには藤本と同じ制服を着た少女が立っていた。
- 16 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:21
- 「はぁ、はぁ…。あなた…誰…?」
暫く目を大きくして画面を見ていた少女だったが、気付いたようにこちらを向き、再び襲い掛かってきた。
「先輩に…藤本先輩に何をしたの!!」
肩をつかまれて上下に大きく揺らされる。尋常じゃない力だった。
この少女は正気を失っている。安倍は直感でそう思った。
「ガ、ガラスになっていってるのよ」
安倍は口元に見下すような笑みを浮かべながら言った。どうやらこの少女は藤本の事が好きみたいだ。
だが藤本は自分のものだ。他の誰でもない、自分の。
「ガラス…?どういう事なの?!」
「取り合えず、この手を離してくれる?」
状況を判断したのか少女はひとまず安倍から手を離した。目が血走っている。
だが安倍はマゾヒスト的なところがあるのでこういうのも悪くない、とその少女を見ながらまた微笑んだ。
「ガラスって厳密に言うと固体じゃないのよ。知ってた?知らないでしょうね。
ガラスは実は途方もなく粘度の高い液体なのよ。私はガラスのそんなところに惹かれてずっと研究していたの。
そこで行き着いたのが人間のガラス化よ。
詳しく話しても分からないでしょうから端折るけど、つまり美貴は今ガラスになっていってるの」
少し落ち着きを取り戻したのか少女の顔から血の気が消えた。だが同時に眉間に皺を寄せ全く理解を示していない様子だった。
それもそのはずだ。これは安倍しか知らない、安倍だけが開発した独自の技術だったのだ。
- 17 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:21
- 安倍はガラスを愛していた。幼い頃から透き通るその不思議な透明感のあるその物体に魅力を感じていた。
物心ついた安倍の部屋にはガラス細工やガラスでできた玩具が溢れかえっていた。
いつしか好きな物は全てガラスに変えたいという無謀な夢を持つようになっていた。
そこで安倍はガラスに最も触れられる職に就き独自で勉強をはじめたのだった。
「藤本先輩がガラスに…。よくわかんないけど、ダメ!そんな事、私が絶対にさせない」
「無理よ。もう手遅れよ。ほら、あの体を見て?美しい透明になっていってるわ。あぁ、なんて美しいの…」
「止めて!何で、何で藤本さんをこんな風にするの?」
「愛してるから」
安倍は即答した。
「私は美貴を愛してるから」
そう言った矢先だった。獣のような悲鳴が聞こえたかと思うと頭に激しい痛みを覚えた。
「うわあぁぁぁっっ!藤本さんは…藤本さんは私の…!!!」
もはや言葉じゃない言葉が頭から降りかかってきた。いや、自分の耳が瞑れていってるのだろうか。
頭から痛さは感じなくなっていた。意識が遠のいてくる。抵抗する力さえ入らなくなってきた。
最期に安倍はそれを見た。少女が安倍のお気に入りだったガラスの置物を振りかざしているところだった。
血しぶきと共に、安倍は安らかに微笑んだ。
- 18 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:22
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藤本美貴の捜索願いが出されてから2日後に別の捜索願いが届けられた。
紺野あさ美。藤本美貴と同じ高校に通う16歳である。
警察では藤本美貴の失踪と何らかの関連があるとして捜査を進めている。
だが1ヶ月が経ち、半年が過ぎ、一年過ぎても二人の姿は一向に見つからなかった。
- 19 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:23
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「ただいま、美貴ちゃん」
家に帰るなり紺野は愛しの藤本に口付けた。
安倍を殺害後、どうにかして藤本を助け出した紺野は安倍の財布を盗み取り、人がほとんどいないという南の島に来ていた。
始めは安倍の資金を使っていたがやがてはバイトなどをして自分も働くようになり、今は家計を立てている。
紺野にとって、幸せそのものでしかない理想の生活を送っていた。
「今日はね、シチューにしようと思うんだ」
台所に立ち、仕度を始める。
「…あ…ぅ…ぅ…」
「やっぱり美貴ちゃんもシチューが食べたかったって?そう思ったんだよね〜。もう、以心伝心かな!」
そこには舌にいくつもの短い針が刺され自由に物が言えなくなっている藤本の姿があった。
手足や首さえもベッドに固定され裸だった。その体には幾数もの傷がついていた。
- 20 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:23
- END
- 21 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:24
- Intermittent
- 22 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:24
- Nobble
- 23 名前:35 ING 投稿日:2004/06/27(日) 21:25
- Glass
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