28 さんばガラス

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:34

28 さんばガラス
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:35
絵里とさゆは仲良し。れいなもそれなりに仲良し。
3人はいつでも一緒に居るけど時々喧嘩もする。

「さゆ!もう触らないでって」
絵里がくねくねとしながら逃げ回る。
絵里とさゆはまるで踊ってるみたい。

れいなはそれを見てるだけ。

そんな3人。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:36
昼休み。
お弁当を食べてぽかぽか太陽の下で日向ぼっこ。
絵里はなんだか眠そうで、さゆはなんだか夢見がち。

「このままずっとこうしていられたらいいね」
さゆはそんな事を言っているけど、
れいなにはそんな時間はない。

「聞いて。れいなには夢があるの」
「何?面白い話?」
うとうとしていた絵里が身を乗り出した。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:37
「れいなは歌手になるの。なりたいの」

昔から歌手になりたいとは思っていたけれど
絵里やさゆ、家族にも言った事はなかった。

言った瞬間なんだか顔が熱くなった。
ふたりにどんなふうに思われるのか心配だ。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:38
「歌手で思い出したけど昨日のマシュー見た?」
「見た見た。さゆもアイドルになりたいなあ」
「さゆったらまた変な事言ってる。・・・・れいな?」

なんだかとっても悲しかった。
涙がこぼれそうだったけど我慢した。
ここで泣いたら負けだ。れいなはふと口にした。

「なんかれいな達ってガラスみたいだね」


そうガラスみたいだ。
小さな事でひびが入るようなもろい関係だ。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:39
「・・・・」
「れ・・・れいなって詩人だね。ねえさゆ」

「そうなの?れいなの考えたなぞなぞじゃないの?
さゆわかったよ。ガラスってつるつるしてるもんね」

「ああ!なるほど。でもそれってれいなだけだよ。」

「そーだね。きゃははは」


れいなは初めて人を殺したいと思いました。
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:42
放課後れいなは理科室に居た。
ふたりを呼び出したのだ。
面白いシダ植物があると言って。

「れいなぁ来たよ。絵里はシダ植物なんてどーでもいーよ」
「えーそう?さゆはシダ植物が好き。」
「えーなんで?」
「なんか絵里っぽいもん」
「・・・・絵里はね。人体模型みたいだけどさゆが大好き」
「なんだかさゆ照れちゃう」
「絵里もだよ」

れいなはまた蚊帳の外。殺したい。
特にさゆはおっぱいが大きいから許せない。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:43
「さゆ死んで」
さゆに向かって準備していたガラス切りを突き立てる。

「きゃあああ」
「れいな落ち着いて!どうしたの?」

「もう何もかもムカつくのよ!」

ガラス切りを振りかざす。切りつける。
さゆは間一髪避ける。勢い余ってカーテンを切り裂く。

はずだったが切れない。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:44
「れいな。ガラス切りってあんまり切れないよ」

れいなはなんだか力が抜けて座り込んだ。
ガラス色の涙がぽろぽろとこぼれた。
「ごめんね。ごめんね」
「絵里も悪かったね。れいなの気持ち考えてなかった」
「さゆもだよ。ごめんね」

「絵里・・・さゆ・・・ありがとう」
絵里とさゆとれいなで輪になって握手した。
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:47
ようやく気持ちが落ち着いてきた。
絵里が笑顔でれいなに向かって言う。

「つまりれいなはつるつるなのが嫌なんでしょ?」
「れいなって顔は大人っぽいのにつるつるじゃね」

つるつるって言わないでよ!
叫びたかったけどそんな事大声で言えない。学校だし。


「れいな。これ入れたら大人になれるよ」
さゆは理科室の奥から試験管を持ってきた。
「さあれいな中に入れてみようよ」
絵里とさゆがにやにやとしながら囲んでくる。

試験管。なんて事を考えつくんだ。
「れいな・・・これで大人になれるかな?」
戸惑いながらゆっくりとチャックを下げる。

ふたりはますますにやにや。
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:51
「こんな事誰にも言わないでね」
「もちろん。だってれいなとさゆは友達だもん」
「絵里もそうだよ。3人だけの秘密だよ」

「ありがとう。なんだか嬉しい」

「ガラスだから中見えちゃったりして」
「そんなわけないじゃん。さゆってバカ?」

どうなるのか目をらんらんとしてれいなを見てくる。
「恥かしいからあんまりれいなを見ないで・・・・」
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:52
れいなは罪悪感と快楽に酔いしれながら入れた。
何度も何本も何回も入れた。気持ち良かった。

大人になれた気がした。
れいなは気が違ってるくらい入れまくった。


ガラスの試験管を。カバンの中に。
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:54
「はあはあ。せいこうしちゃったね」
3人だけの秘密。れいなはなんだかとっても楽しかった。

その後、近くの公園でみんなで輪になって
学校の備品窃盗成功祝いのサンバを踊った。


( ^▽^)<マンボ!
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/26(土) 23:55



    おしまい
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/27(日) 23:55


( ^▽^)

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