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03 ハーフパンツ

1 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時44分12秒
03 ハーフパンツ
2 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時44分55秒
僕は、断固反対だ。
どうしてハーフパンツなんだ?
絶対それは良くない。
体育の授業における我々いたいけな男子生徒の目当ては、あの少々俗っぽい響きを持つブルマというものだと言うのに。
どうなってるんだ?最近の学校教育は。
3 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時45分31秒
「ちぃーす、久保ぉ。」
「お、ちぃっす。」
「また女子見てんのか?」
「うるさいなぁ。ほっといてくれよ。」
「ほ〜今日は辻もいるんだな。」
「あ、ああ。
 何か午後から抜けるっぽい事、三崎らが言ってたけど。」
「へぇ、さすがアイドルは忙しいみたいだなぁ。」
「…て、何お前まで座ってるんだよ。
 お前のクラス、1000メートルまだ測ってないんじゃねぇの?」
「何言ってんだよ。
 それより辻のハーパンだろ。
 今度いつ拝めるか分かんねぇんだから。」
「…変態め。」
「お前もな。」
4 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時46分04秒
「次ー、田辺と辻。」
「はーい。」

「おっ。次、辻じゃん。」

佐倉の声に促されるようにして、クラウチングスタートの構えを決めてる辻の方に視線をやる。
ずいぶんと離れてるからはっきりとは見えないけど、ちらっと、背中が覗いてるみたいだ。
おいおい大サービスじゃん。そーゆーとこ、無頓着だよなぁ。

「…やっぱ辻って可愛いよなぁ。
 あの分だと男いるんだろうなぁ。
 誰だよ、その羨ましい野郎は。」
「…ちょっとは黙ってろよ。」

スタートの合図のフラッグが上がった。
飛び出すようにして辻が駆け出す。

「あれ?意外と速いな。
 ああ、田辺が遅いだけか。」

なんて佐倉のヤローはのんきな事言ってる。
けど、僕の目は釘付けだった。
どこにって、そりゃあ勿論、辻の足に。
お子様体型のくせに、何かこう、来るんだよなぁ、辻の足って。
5 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時46分40秒
「…うぉーい、久保ー。
 どこ行ってるんだー?戻って来いよー。」
「…あ、いや…別にどこにも行ってないって。」
「よく言うよ。
 そんだけマジに辻の事見つめちゃって。
 何?もしかしてお前、辻に惚れてるのか?
 よせよせ。相手は高嶺の花だぞ。」
「な、別に惚れてねぇよっ。」
「またまたぁ。
 ムキになっちゃって。
 素直になれよ。男だろ?」
「ボケっ。
 僕が見てるのは辻の足だ。足。」
「何だよ。あんな小学生みたいな体つきのどこに見とれるとこがあるっていうんだよ。
 足?足て。足フェチでもない限り見とれないだろ、あんな足に。」
「分かってないなぁ。
 いいか?よく考えてみろよ。」
「な、何だよ。」
「確かにハーフパンツから覗く足は色気ない。
 いや、味気ない。
 けどな、もしそれがブルマだったりしてみろよ。
 絶対あーゆー体型の奴の方がそそるって。」
「…そーかー…?」

僕の言葉を半信半疑に受け取りながら辻を凝視する。
6 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時47分15秒
「そうだって。
 ちょっと肉っぽい足の方がブルマの価値が上がるってもんだ。
 つーか細い足だと色々問題が、な。」
「何だよ、問題って。」
「お前はほんとに駄目だなぁ。
 分かってないよなぁ。
 いいか?ブルマの醍醐味とは何ぞや?」
「…すいません。自分にはちょっと分からないです。」
「仕方ない。
 今日は特別に教えてやろう。」
「はい。ありがとうございます。」
「ブルマの醍醐味。
 それは…。
 食い込みを直す時の指遣い、そして何気ないふりをした不自然なまでに自然を装った表情だっ。」
「うぉぉ、久保君、マニアックぅ〜。」
「細い足じゃなっかなか食い込まないんだよなぁ。」
「な、なるほど。勉強になります。」
「ブルマの食い込み直しは男のロマンだ。」
7 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時47分54秒
いつの間にか僕は右手を高々と突き上げ、立ち上がり、熱弁を奮っていた。
そして、いつの間にか周りにはヤローどもが何人も集まっていて、変な宗教の変な儀式のようになっていた。
「教祖さまっ」みたいな。

「すげー、さすが久保。
 学校切っての変態野郎っ。」
「いやいやいや。まあまあまあ。」

僕は選挙演説のように両手を振って声援に応えた。
男子生徒の羨望の眼差しに、これまでにない達成感を感じていた。
しかし、世の中そんなに甘くない。
僕の声はとんでもなく大きかったらしく、女子はつめたーい視線を向けている。
勿論辻も。
そして、聞こえてしまった。

「久保、最低。」

これで僕のこれからの高校生活におけるあだ名は決まったな、と悟った。
そう、これからの2年半、僕はブルマ久保と呼ばれ続けるんだ。

おしまい。
8 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時48分30秒
9 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時49分04秒
10 名前:03 ハーフパンツ 投稿日:2003年07月17日(木)23時49分40秒

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