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16 プラチナ

1 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時55分00秒
16 プラチナ
2 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時56分25秒
なにげなく吉澤が携帯を持った瞬間、聞き慣れた着信音が一瞬だけ鳴って切れた。

「ワンギリ?」

「みたいだね。」

「最近多いよねー」
後藤も自分の携帯をぼんやり眺めながら小さくため息をつく。

「あ、ごっちんさっき言ってた話だけど」
「んぁ?」
「このあとカラオケ行くって言ったじゃん? あれ今度にしてもらえないかな?」
「いいけど。予定あったんだ?」
「あ、うん。ごめんねっ」
3 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時57分09秒

******


「よっすぃー、お風呂あいたで」
ガチャッと浴室のドアが開き、風呂上りの加護が体から湯気を上げながら、
ベッドに寝転がって携帯をいじる吉澤に声をかけた。

「ばかっ、ちゃんと髪拭かないと風邪ひくだろ」
ポタポタと濡れた髪から雫を落とす加護に吉澤は慌てて駆けより
肩に掛けられたタオルで加護の髪を拭いてやる。

「ほら、ちゃんと目閉じて。雫が目に入るよ。」
「ん。」
吉澤の言葉に加護は大人しくギュッと目を閉じた。
4 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時57分48秒
わしゃわしゃと髪を拭く吉澤の大きな手のひらに、
加護は子犬のようにふにゃぁ〜と気持ちよさそう目を細める。

自分の世話を焼く吉澤に加護は嬉しそうに唇もとを緩ませ、
吉澤の胸に甘えるようにギュッと抱きついた。

「あいぼん。そんなにくっついたらちゃんと拭けないだろ」

小さな体をすりよせるようにして甘えてくる加護のその柔らかな頬を、
まるでイタズラっ子のような笑顔で吉澤がプニプニと突っつく。
「おらおら〜」
「うぁ、やめぃっ。」
「ンじゃあ、ちょっと離れてくれる?」
「いや〜。」
5 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時58分26秒
「ホントいいかげんにしろよっ」
少し困ったように形の良い眉をしかめながら、吉澤はぐいっと加護の体を
引き離そうとするが、イヤイヤと首を振りながら加護はなおも吉澤に抱きつく。

「そんなにくっついたら、汗臭いのがうつっちゃうって」
「ええよ。よっすぃーの匂い好きやもん。」
耳まで真っ赤にして加護は熱くなる頬を隠すように吉澤の胸に顔を埋める。

真っ赤になる加護がかわいくて吉澤はその小さな体を抱きよせた。

「あいぼん。」
「わ、ひやっ…よっすぃー…くすぐったい……」
「ん〜。 あいぼんイイ匂いすんね〜。」
白い首筋に鼻先を擦り付ける吉澤に加護はくすぐったくて身をよじる。
6 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時59分08秒
風呂上りの花のように甘い加護の匂いに吉澤は目を細めてチュッとその首筋に
触れるだけのキスを落とす。

「んっ。」
「あいぼんの声、かわいい〜」
「よっすぃーのあほっ!」

恥かしがって真っ赤になりながら首を振る加護がカワいくて
更に吉澤の中にイタズラゴコロが湧きあがる。

「ここも甘い匂いすんね〜」
「ひゃっ!」
「感じてんの?」 
「ちが…」
7 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)20時59分44秒
「なんならもっかいお風呂に入る? 今度は一緒に。」
カプッと加護の耳たぶを甘噛みしながら吉澤は低い声で囁く。

その熱い吐息とともに囁かれた言葉に、加護がビクンと体を震わせた。

「いやゃ。よっすぃーと入ると…」
「あたしと入ると、ナニ?」
途中まで言って顔を赤らめて俯いた加護に優しく微笑みながら、
吉澤は濡れた髪に唇をよせる。

加護はその先が言えないのか、真っ赤になった顔を隠すように
再び吉澤の胸に顔を埋めてしまった。
8 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時00分21秒
「あいぼん。…あんま抱きつくとホントに襲っちゃうよ?」
「え、やっ、よっすぃーのヘンタイッ!」
「い、てっ! 冗談に決まってるだろ、あいぼん襲うほど飢えてないっつーの。
 てかマジそろそろ離れろっ。あたしもシャワー浴びてくるから」

「いやっ。」
吉澤の言葉に首を振ってギュッと吉澤の胸にしがみつく加護。

「ったく。」
吉澤はひとつ溜息をつくと加護を抱きしめたまま、ソファにもたれかかった。
そして膝の上に加護を乗せるようにしてその小さな体を抱きしめる。

「あいぼんの甘えんぼ。」
しがみついて離れない加護の体を左右に軽く揺らしながら、
吉澤はその柔らかくて暖かい抱き心地を楽しむ。
9 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時00分57秒
「…あいぼんまた成長した?」

吉澤の言葉に、黙って抱きついていた加護が不安そうに顔を上げた。

「…よっすぃーは膝の上に乗られるの、イヤ?」

その捨てられた子犬のような不安げに揺れる瞳に、吉澤は優しく微笑んで
キスをする。

「ンなわけないだろ? あいぼんがこうやって抱きついてくれるの
 スゲー嬉しい。」

「ほんまに?」

「ほんまに。」

いつもの冗談まじりの関西弁でふにゃっと笑いかける吉澤に
加護は嬉しそうに体をぴったりくっつける。
10 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時01分34秒
「で、あいぼんはどうなの?」

「…きや」

「ん? よく聞こえない〜」

「好きやからこんなに抱きついてるんやろっ。あほっ!」
照れ隠しにビンッと吉澤の鼻先をはじく。

「っいて! そういうことする奴はこうだぞっ!」
吉澤はそう言ってニヤリと笑うと、イタズラをする加護の体を
ギュッと抱きしめた。

「よっすぃ…」
上目遣いで自分を見る加護に吉澤は微笑み返すと、甘い香りのする加護の体を
さらに強く抱きめた。
11 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時02分20秒
「あいぼん…。体…少し冷えてんじゃん。ホント風邪引いちゃマズイから、
 とりあえずドライヤー…」
「ううん、いい。…もう一回お風呂に入る。」
「じゃあ待ってるから、早く入ってきな。」
「え、あの、…」
「なに?」
「……いっしょに入るんやろ?」

真っ赤になって俯く加護。
そして。そんな加護を見てニヤニヤと嬉しそうに微笑む吉澤。

「さ、行くよ。ハニー。 」
「ひゃぁ! ちょ、よっすぃ〜」
吉澤はそのまま加護の体をお姫様抱っこして軽い足取りで浴室へと向った。
12 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時03分00秒

******


浴室を出てふとベットの上の携帯に目をやると3件のメールが届いていた。

「メール?」
「あ、うん。」

吉澤はディスプレイを見ながらベッドに腰を掛けると、
加護もその隣にぴったり寄りかかるように腰をおろした。
13 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時03分38秒
「誰から?」
「秘密〜。って、ばか、見るなっ!」
吉澤の携帯を興味津々で覗き込む加護。
その少しも悪びれたふうのない加護に、吉澤は怒る気も失せてしまった。

「飯田さんの部屋にののが来てるから遊びにおいで〜、だって。
 あと梨華ちゃんが矢口さんと保田さんと焼肉してるからおいで、ってさ。」

「…で、行くん?」

「行かない、でしょ。」
14 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時04分14秒
吉澤の言葉に笑顔を浮かべる加護。

やれやれといった様子で吉澤が優しく髪を撫でると、加護は心地よい眠気に
誘われるように目を閉じた。

自分にもたれかかったまま軽い寝息を立てる加護を吉澤はしばらく眺めて
頬にひとつキスを落す。

「おやすみ。」

加護を起こさないようにそっと抱き上げてゆっくりとベッドに寝かせると
吉澤は静かに部屋を出た。

自分の部屋に向う途中。
吉澤はさっき届いた3件のメールを再び読み返しながら返事を打つ。
15 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時04分59秒
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よっすぃーなにしてるの?
のんちゃんが今部屋に遊びに来てるん
だけど、話してるうちによっすぃーも
呼ぼうってことになってさ。
ヒマしてるなら遊びにおいでよ。

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せっかくなんですけど
このあとちょっと予定が入ってるんで
無理っぽいです…。
というワケで、のののことヨロシク
お願いします(^-^)

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16 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時05分45秒
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この前の焼肉屋さんに矢口さん&
保田さんと、来てるんだけど、
よかったらよっすぃーもおいでよ。
お返事待ってま〜す♪ チュッはあとはあと

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キショ。マジで寒い。
悪いけど用事あるから無理だね…。
ホントごめん。
二人にもよろしく言っといて(^-^;)。
あ、何時でもいいから帰る前にメール
入れてくれる?
ほら、あんまり遅いと心配だからさ。
じゃあね、メール絶対忘れるなよ〜。

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17 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時06分54秒



自分のベッドに転がって2つ目のメールを打ち終わった頃、
聞き慣れた着信音が一瞬だけ鳴って切れた。




吉澤はディスプレイを見つめニヤニヤと顔を緩ませながら、
3つ目のメールを打ちはじめる。



18 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時07分47秒
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コラッ!エロメール入れるな〜!
よっすぃ〜のエッチ!!
今もあいぼんの部屋にいるの?
いつ終わるか分からないけど
終わったらまた電話するから
それまであいぼん襲っちゃだめだよ!

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おつかれさまです〜。
あいぼん寝ちゃったんで今は自分の
部屋にいます。あいぼん襲うなんて
ホントありえませんからっ。
今梨華ちゃん出掛けてるんで
今日は吉澤の部屋で会いませんか?

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最後のメールを送信するとほどなくして、新しいメールが1件届いた。
19 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時08分33秒
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いいよ。けど今日はナシね(^-^)。
コンビニによってからそっち行くから
なんか欲しいものある?

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ンじゃ、愛をください。
もちろんカラダ付きで(^-^)。
てか吉澤マジで限界なんですけど。
あれから1週間もしてないんですよ?
ただでさえ、ヤバイんですから
あんまりイジメないでくださいよぉ。
もう、吉澤ガマンできませんから。
…責任、取ってくれますよね。

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吉澤は送信ボタンを押すと携帯を置き、ベッドに寝転がって、
ぼんやり天井を眺めながらそっと瞼を閉じた―――。
20 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時09分34秒

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トントンッ。


しばらくすると部屋をノックする音が聞こえ、吉澤は勢いよくベッドから
起き上がり、玄関に向かう。


そして、ひとつ深呼吸をしてゆっくりとドアを開けた。


ふにゃ〜っと満面の笑みを浮かべる吉澤の前に立っていたのは―――。



end

21 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時10分29秒
e
22 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時11分06秒
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23 名前:16 プラチナ 投稿日:2003年03月11日(火)21時11分38秒
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