23 保田圭のあくなき挑戦
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:39
- 23 保田圭のあくなき挑戦
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:40
- 今日は12月31日。大晦日である。
誰もが新年への期待を膨らませる中、一人部屋で悶々としている女がいた。
保田圭、31歳。
おばちゃんおばちゃんと言われ続け、ついにリアルなおばちゃんになってしまった保田が一体何を悩んでいると言うのか。彼女が一心不乱に凝視しているPCのモニターを覗いてみよう。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:40
- 第三十回オムニバス短編集 お題「デート またはDATE(日付)」
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:40
- う、保田はm-seekの企画に投稿しようとして悩んでいたのだった。
これじゃ締切日まで間に合わないじゃない!
大体デートが企画のお題とか何なのよ、書きにくいったらありゃしない。お題なんてクリスマスとか雪とか使用上の注意とか、何でもあるじゃない。それを、よりによって…支配人のバカ、アホ!!
皆さんもご存知の通り、保田は三好と只ならぬ仲であった。美しすぎるヤスス、美しすぎるミーヨ、美しすぎるハードレス、ヤスペロスだ。であるからして、保田がデートを題材にして文章を書こうとするとどうしてもそっちの路線になってしまうのだった。股間はジュンジュンリンリンしても筆は一向に進まないのだった。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:41
- 時計を見ると、既に9時を廻っていた。
スレを立てるか。しかしそれは一か八かの勝負。間に合わなければ、書きかけ伯爵上海2世というありがたくない称号を入手してしまうことになる。
とは言え、今からストーリーを練るにはあまりにも時間が無い。
ふと、ドリームモーニング娘。の同僚である安倍なつみの顔が浮かぶ。そうだ、ナスはトマトになれなきゃぬっちすればいいじゃない。保田は狛犬顔を邪悪に歪めた。
適当に過去の企画を洗いだし、名前だけ保田と三好に変える。
たったこれだけでやすみよの最高傑作の完成だ。
そうと決まれば話は早い。保田の筆は、毎晩保田のパンツの中でバタフライをしている三好の指のように滑らかに動き始めた。
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:41
- ○
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:41
- 「赤いね」
保田は振り返りもせずに、空を見上げたまま呟く。
「知ってる」
三好が耳元で囁く。保田はフェンスにしがみついたまま、胸から舞い上がり
続ける蝶たちの撒き散らす鱗粉に、目を細めた。
「だって、おまんまんの色だもん」
急に、眠気が襲った。怖い夢はもうおしまい。そう思った。
「何を言ってるんですか。夜はこれからじゃないですか、ぐへへ」
三好が保田の体をまさぐり始めた。
「みーよぉ…やすすの圭ちゃんから蟻がいっぱい出るよぉ…」
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:41
- ○
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:42
- あれ。
おかしいな。
ここから先は圧倒的な描写と感動が読者を襲うはずなのに。
そうだ、きっと元ネタがいけなかったんだ。今更愛亜弥だなんて、譜久村が聞いたらプッw愛亜弥だってwwwwと嘲笑されること請け合いだ。
じゃあこれはどうだ。
保田には自信があった。最初に彼女がこれを読んだ時、泣きながら一気に読むという世界の中心でなんちゃらみたいな推奨文まがいのことをしてしまったからだ。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:42
- ○
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:42
- エリカは月の顔へ歌いながら、見もしないあたしの手を、迷わず一度で握った。
あたしは、泣くなと叱るより、歌いながらその手を握りかえした。
歌い終えて、もしもまだ動くなら、痔のことを、エリカに話そうと思った。
話の終わりには「しあわせに」と言い、「ありがとう」と言い、「さようなら」ときっと言わない。
心に決めた。
「さようならどころか、保田さんの大事なところがこんにちはしてますよ」
「え、ちょwいつの間にwwww」
あたしはいつの間にかエリカに下半身を丸出しにされていた。エリカの解体部仕込みの指テクが、あたしの大岩みたいなおまんまんを濡らしてゆく。
「ああああっ、やすすの圭ちゃんが歌っちゃうぅ…」
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:42
- ○
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:43
- 何だこれは。
やすすの圭ちゃんが歌っちゃうって何だよ。潮でも吹くのか。
そう自分に突っ込みを入れざるを得ない。
でもまああやみきだし。ミキティが犬に乳首を舐めさせただけで勃起するような男を選んだ時から、あやみきなんて永遠の幻なのだ。
気を取り直そう。
もしかしてカップリングがいけないんじゃないか、と保田は気づく。
女二人集まれば百合のかほり、じゃあ人数が多い話ならそういう展開にはならないに違いない。こんな時に飼育wikiは便利だ。保田はほまんまんとか言う作者さんに心から感謝した。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:43
- ○
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:43
- 私は、野原に広がるタンポポを見た。
数え切れないほどのタンポポは、きっとそれぞれが私の大切な思い出だ。
そして、これから作る、大切な未来。
「ありがと」
「どーいたしまして」
私は、みーよに向けて笑顔を見せた。
みーよも、私に向けて微笑み返す。
野原のどこかで、わたげが舞った。
永遠に続いていくサークル。
あの日の思い出に、一つずつ未来を乗せながら、いつまでも続いていく。
いつまでも、続いていく。
「おやこんなところにオマンポポが」
「こ、ここはタンポポじゃないよ!!」
「じゃあタンポンかな」
そう言ってみーよは楽しそうに私のマンポポに挿入されているタンポンを抜き差しした。
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:44
- ○
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:44
- ダメだ。
どうしてもそっちのほうに走ってしまう。欲求不満なのかしら。毎晩みーよに愛されているというのに。それともみーよという登場人物が作品の世界をエロへと導くのだろうか。恐るべし三好エロカ。
保田は自らに原因があるのでは、なんて毛ほども思わなかった。
こうなったら何が何でも非エロを書いてやる。
最早保田は意地になっていた。
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:44
- ○
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:44
- それからは、まえとおなじようにたのしいまいにちがつづきました。
あたらしい保田さまとなかまのれず仲間たちは、力をあわせて、
いまよりもっとやらしい仲になれるようにとがんばりました。
おかげでおみせはいつも大はんじょう。たべにくるおきゃくさんも、たべてもらう天ぷらたちも、
みんながしあわせな気もちでいっぱいになって、一日がおわります。
でも、保田さまはひとりになると、そっとにしのほうをながめます。
そうして、はなればなれになってしまった、まえのみーよさまのことをおもいだすのです。
「いつかきっと、またあえるよね」
あたらしい保田さまは、にぎやかなまちのまん中で、いまもそうしんじています。
ふたたびあえる日がくるようにと、そっと目をとじ、ねがっているのです。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:45
- ○
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:45
- だめだめだめっ!!
これじゃ私とみーよが離れ離れになっちゃうじゃない!!
保田はうたばんでカメラにかじりついたように、目の前のPCに熱い視線を送る。危うくPCがハングアップしそうになった。
そう、やすみよはあくまでもハッピーエンドが基本。悲恋であってはならないのだ。
そう、もう少し格調高そうな文章を選ばなければならない。
そうすれば、必然的にエロ要素は薄くなるのだから。
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:45
- ○
- 23 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:45
- 三好が再び目を覚ましたのは早朝のことで、保田はまだ眠っていた。光が薄く、判然としないが、
顔が油でてかってている。三好は肺の中の澱んだ空気を吐き出してベッドから抜け出した。足元に
溜まっていた冷気に身を震わせ、窓際に立った。ちょうど、ぼんやり漂っていた靄が、街の方角
から差してくる朝陽に霧散していくところだった。ぐんぐん力を増していく陽光に、しんと静まり
返った夜の名残が溶けていく。庭先で光が跳ねた。久住は、おやと目を凝らした。萎んだビニールの
プールの淵が、鈍く輝いている。久住にはそれが、双頭ディルドのように見えた。
- 24 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- ○
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- ちょっと、明らかにこの後みーよが私にその双頭ディルドをぶち込む展開じゃない。
それで私が悶絶して「ああん、やすすの車輪がフル回転〜!!」とか言ったりなんかして。ああそうですか、どうしてもエロですか。保田はもう諦めた。自分と三好が綺麗な世界など描けるわけ無い。人間は汚いものを見て、初めて綺麗なものの価値が分かるのだ。窓から差し込む朝日がそう教えてくれたような気がした。朝日。もう時間切れじゃない。
- 26 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- さよなら、企画。でも、まだエロフリースレがあるわ。やすす、諦めない。
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- 企画
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- 30回
- 29 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:46
- おめでとう
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/31(土) 23:47
- いえーい、やすみよやすみよ
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