19 10分

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:26
19 10分
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:27
絵里が卒業して初めての冬が来た。
つまり卒業してそんなに時間は経っていないのだが
楽屋の風景は確実に変わってしまった。
愛ちゃん、ガキさん、さゆ、そして絵里でいつも一緒に座っていたのに
今はもう絵里は居ない。そこに座っているのは愛佳、光井愛佳。
ずっとこうして4人で輪になって話してましたやん。
と言う感じで楽しそうに会話してる。
そしてれいなの前には誰もいない。裏切ったのだあいつは。
3対2ならほぼ互角と考えていたのに裏切りやがったのだ。

ここで椅子を小脇に抱えて輪に入っていくのは簡単だ。
だがそんな事をすれば田中会はどうなる?
新メンバーが孤独で枕を濡らさぬように我が田中会は
たとえ会長ひとりになろうとも存続させなければならぬのだ。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:27
れいなはバッグから筆箱を取り出してわざと鉛筆を落としてみた。
ころころと鉛筆は楽屋のリノリウムの床を転がるように見えたが
残念な事に六角形の製品だったのでれいなから徒歩1歩あたりで止まった。
これではさりげなく輪に入れないではないか。

「10分で終わるのはどーなの」
ガキさんの声だ。見ると真剣な顔だった。真剣勝負だ。
愛ちゃんやさゆは非常に気まずそうな顔をしていたが
愛佳はにやにやしていた。それは愛佳からの合図だった。
おそらくれいな好みのえろ話に違いない。
彼女は田中会を捨てては居なかった。敵を騙すなら味方からだ。
愛佳はスパイとなって潜入し、その時が来るのを待っていたのだ。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:28
れいなは筆箱から赤鉛筆を取り出してまた転がした。
途中何度か蹴り飛ばしたがなんとかみんなの元へ転がった。
「ははは困った赤鉛筆やけん」
「あ、田中さん居たんですね。どうぞどうぞ座ってください」
愛佳がとてもさりげなくれいなに席を譲る。
椅子は愛佳の尻で生温かったが愛佳の心の温かさが身に染みた。
「なんの話をしとう?10分ってなんと?」

れいなは気になって気になって仕方なかった。
10分で終わるえろいものか。れいなは考えた。
まあ恐らくガキさんはホテルのペイチャンネルの
お試しで見れる時間が短いって事に憤っているのだろう。
なんだ10分も見れたのか。いつもすぐお金を払うので知らなかった。
だがガキさんが憤っているのはれいなの想像を超えたものだったのだ!
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:28
さゆは言っていいものかしばらく考えた。
だがここは遊び慣れて経験豊富なれいなに聞くのが早いだろうと思い
ガキさんと「いい?」「うん。いいよ」「じゃあ言うね」と
短い会話をしてかられいなに話を始めた。
「ガキさんに好きな人がいるの知ってる?」
もちろん知ってるよねという感じで言われたが
れいなはもちろん知らなかった。
その好きな人が自分ではない事はなんとなく察知できたのだが。
「その人とのプレイが10分で終わってしまうのだ」
プレイて。ガキさんは昭和だなあとみんな思ったが黙っておいた。

「あーなるほど。み、みんなはどう思っとう?」
ここで早いと答えるのは簡単だ。だがそんな事をして
もしもこの会話が盗聴されていたらどうだろうか?
「ははは。れいなちゃんは経験豊富だなあ」
「れいなはペタンコだし普通の人は勃たないよね」
「俺はれいなでしたらすぐ出るぞ。顔は見ないでするけど」
なんて感じでネットで何を言われるかわかったもんじゃない。
そこでみんなに話を振ったのである。あとはみんなに意見を聞いて
無難に返せば良い。ふふふ。れいなちゃんは策士だなあ。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:28
「10分は遅いですよねえ」
愛佳だった。その顔には自信がみなぎっていた。
私のいやらしい身体なら殿方の愚息も即昇天と言わんばかりに。

「さゆみわかんない」
さゆはカメラがまわってないというのに猫をかぶった。

「10分は早いよ」
愛ちゃんは素っ気なく言った。
「愛ちゃんはじっくりするのが好きだもんね」
何かわかったような顔でさゆが言う。
れいなの視線に気づいたさゆはだってこの前愛ちゃんの家に泊まって
と顔を赤くしてつぶやき愛ちゃんは下品な顔で笑った。
「新垣さん、どんな風にやってるか言うてみてくださいよ」
関西弁というのは下品に聞こえやすいものだが自然な響きがあり
ガキさんも自然な感じでそのやっている様子を語り始めた。
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:29
「まず最初にすぐ大きくなるじゃん」
鼻水が出た。ガキさんらしいストレートな言いようだ。
「なにが?なにが大きくなるの?」
さゆはニヤニヤしていた。知ってて聞いているのだ。
「…キノコ」
さすが昭和。れいなのテンションがあがってきた。

「で、最初に何を…」
身を乗り出してれいなはガキさんに質問する。
「クリを…なんていうのこう」
アッヒャーと愛ちゃんが奇声を発する。ハッスルハッスル。
「れいなの場合はどうなの?」
さゆがいきなりれいなに話題を振る。
ここでみんなを感心させるような事を言えばこの3人を
田中会に引き込む事ができる。
モーニング娘=田中会の時代が始まろうとしているのだ。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
「まずすぐ大きくなるような奴は駄目やけん」
いきなり否定されたのだ。誰が?ガキさんが。
ガキさんは怒りで頬を膨らませている。れいなは続ける。
「興奮していきなり大きくなるやつは素人やけん。
プロは小さいままでクールに攻めるもんばい」
「よくわかんない」
「れいなはそういう動画よく見てそうだよね」
「ど、動画じゃなか。実体験に基づくもんやけんね」
「あ、愛佳、そういう動画、今持ってますよ」
さすがは田中会ナンバー2。愛佳は携帯を取り出して
ポチポチとボタンを何度か押して真ん中のテーブルに置いた。

髭のおっさんが映っている。
ガキさんが「あーかっこいい」と頬を赤くする。
おっさんはクリなど相手にしないで土管に入ってコインも無視で
一気にゴールした。
「はやーい」
「これ何分の動画?」
「ワープありで5分でクリアです」
5分でマリオブラザーズクリアは凄いなあとガキさんは呟いた。
状況がよくわからないれいなは携帯バイブなら3分でクリアっちゃ
と言ってみた。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:30
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:32
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/12/19(日) 21:32

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