19 ジュンゼルとリンリンテル
- 1 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:04
- 19 ジュンゼルとリンリンテル
- 2 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:05
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ハロープロジェクトは倒産の危機に瀕していた。
新ユニットはことごとく失敗し、どんなに宣伝費をかけてもCDは売れず、どんなに布面積を
小さくしても写真集の売り上げは伸び悩んでいる。
度重なるメンバーの不祥事でファンからも見限られ、数十人のメンバーを養っていく力は
もはやハロプロには残っていなかった。
これは3年前のことだったが、驚いたことに今でも状況はまったく変わっていなかった。
ピコーン!
「やっぱりリストラや! いらない奴らを捨ててまえばええんや!」
つんく♂先生のナイスアイディアは速やかに採用された。
事務所に不要と判断されたハロプロメンバーは富士の樹海に連れて行かれ、置き去りに
されてしまうのだ。
グッズ販売の売上の芳しくないメンバー、ファンサイトの数がいくら経っても増える兆
しのないメンバーが対象となる。
その斬新な政策は、“姥捨て山”にちなんで“娘。捨て森”と呼ばれた。
語呂が悪い。
- 3 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:05
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- 4 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:06
- ジュンジュン(22)とリンリン(19)は、深い森の中で、寒さに震えていた。
日も暮れて辺りは薄暗くなり、さらに不気味さを増している。
「寒イッ! ナンデ私ガコンナ寒いメに遭わナきゃいけないの?超腹立ちマーす!」
「少しハ我慢するよろし」
「何デリンリンは平気あルか!」
「こんなこともあろうかと、コレ持ってキたよ」
「オオっ、これは中国四千年ノ歴史が誇る高級ラオチュー、ジュンジュンに寄越すネ!」
「なにスるか!これリンリンのラオチューね!バッチリデース!!」
しばらく中国拳法を繰り出しながら争っていた二人だが、疲れたのか、リンリンは近く
の切り株に腰をかけた。ジュンジュンは懐からバナナを出し、食べている。
「それにしても暗くなってきたヨ。 マネージャーさん遅いネ」
「ハァ」
「ここデ待ってロ言ってどっか行ったきり、もう30分も戻ってコナイ」
「‥‥もしかしてジュンジュン、気づいてナイのか?」
「へ? ナニに?」
- 5 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:07
- リンリンは呆れた顔で言った。
「私タチ、お払い箱デース」
「ハァ?!」
ジュンジュンは咥えていたバナナを高速で吐き出すと、慌てふためいた。
「ナンデ?ナンデあるか!ジュンジュン、リンリン、これからネ!二人ソロってダブルユー
ね!!」
「残念アル。北京オリンピックも、上海万博も終わったヨ」
「アイヤー!!」
「私タチ捨てて、9期メンバー募集する言ってたネ。つんく、自慢げに言ってた」
「ノォー・・・・ツンク、殺ス!!」
ジュンジュンは懐からバナナを2つ取り出し、鎖の両端に繋げて振り回した。
中国人の約75%はブルース・リーの遺伝子を受け継いでいるのだ。
- 6 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:09
- 「ありエない! ジュンジュン捨てたら、コキントウが小日本に核、ぶちコムヨ」
「ジュンジュンの価値ナンテ、チベットの野グソ以下アル」
「ウルサイ」
「グループ内の人気モ上がらナいし」
「お前に言わレたくないヨ」
「鼻丸イし」
「シャクレは黙ってロ」
するとリンリンはため息をついて立ち上がり、思いがけないことを言った。
「さテ、じゃあ帰るアルよ」
「へ?」
- 7 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:10
- ジュンジュンは燃えよドラゴンの構えをとってリンリンを見る。
「いきなり何言い出すあるか? シャクレ過ぎて頭おかしくなたか。ていうかこんな樹海
簡単ニ抜け出せるわけない、バカあるか。テいうカ虎ニ襲われたらリンリンもあっトい
う間に人体標本ネ。アイヤァ、死にたくないヨー!!」
日本に虎はいないのだがそこは中華思想、その形相は必死だった。
まくしたてるジュンジュンの言葉を遮るように、リンリンが言った。
「ヘンゼルとグレーテルの話、知ってルか?」
「‥‥もしかシテ」
「ここに来るまで、気づかれないようにバナナの切れ端落としながら歩いてきたヨ」
ジュンジュンはリンリンの指差すほうを見た。
しかしどこにもバナナの欠片は見当たらない。
- 8 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:10
- 「どこニモそんなものネーじゃねーか! このウソツキ! インチキ中国人!!」
「オマエも中国人ダロ!」
「アイヤー、うっかりシテタね、バッチリデース」
「パクってんじゃないヨ!にしてもバナナはドコへ‥‥」
そこでジュンジュンが何かを思い出す。
「アッ、そう言えバ」
「何アルか?」
「歩く先々にバナナが落ちてたもんだから、拾って食べまシタ」
「アイヤー! なんてことスルあるカ!!」
「おなかが空いテテつい‥‥‥‥うぐっ!?」
リンリンは目を閉じ、うつむく。
「中国のバナナは農薬イッパーイ、毒イッパーイ。そんなの食べたら死ぬあるよ」
ジュンジュンは大きく目を見開き、喉をかきむしりながら倒れこむ。
「く、くるし‥‥ぐぁぁぁっ、げほっ」
その顔はどんどん青白くなっていき、最後に口から血を吐いて、ジュンジュンは動かなくなった。
- 9 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:11
- リンリンはジュンジュンの手首を取り、脈拍を確認する。
「アイヤー、死亡確認。南無南無」
しかし次の瞬間、ジュンジュンの両目がかっと見開かれた。
「まっまさか、キョンシーになたあるか?!」
全身をぶるぶると震わせるジュンジュンに、リンリンは常備している清めの塩を振りまくが
当然のことながらまったく効果はない。それどころか、ジュンジュンの体がどんどん大きく
なっていく。
木をなぎ倒し、大地を引き裂き、最終的にジュンジュンは300mを超える大きさになって
しまった。
「オー、樹海の向こうが、よく見えるあるね」
「何だかよくわからないけど、バッチリデース!」
三つ目の魚、四本足の鶏‥‥垂れ流しの化学物質、いや中国四千年の歴史はジュンジュンを
巨大生物に変えたのだった。
- 10 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:11
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- 11 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:12
- その足で二人は都内の事務所に戻った。ジュンジュンの足踏みで、事務所のビルは倒壊し、
マネージャーは卒倒した。
マネージャーは困ってつんく♂に相談した。
つんく♂が言った。
「あかん。こうなったら国外に強制送還や」
中国の広大な土地は、二人を暖かく迎え入れた。
- 12 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:13
- 川'・_o・)ソッカー
- 13 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:14
- 川*^A^)バッチリデース
- 14 名前:19 ジュンゼルとリンリンテル 投稿日:2010/08/29(日) 19:14
- 永遠に
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