20 キラキラ海のシャークツアー
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:04
- 20 キラキラ海のシャークツアー
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:04
- 青い空。
白い雲。
初めてのハワイ。
私は太平洋の真ん中に放り出されていた。
周りにはお腹を空かせたサメ。
彼との睨み合いはかれこれ一時間近く続いている。
モーニング娘。のファンクラブツアー。
そのDVDに収録される企画の一つがこのシャークツアーだった。
参加メンバーは、新垣さん、亀井さん、道重さん、田中さん、久住さん、そして私。
お姉さんチームは『ハワイの夜を満喫』ということでお酒を飲みながらショーの観覧。
なんとも不公平な扱い。
だが、新垣さん曰く「モーニング娘。は年功序列なのでしょーがない」とのこと。
私も15期メンバーが入る頃にはきっと藤本さんのような立場になれるのだろう。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:05
- それは原因不明、不慮の事故だった。
ガタンという大きな音と共に檻は落下。
気がつけばボートは消え失せ、私たち6人はサメの海に取り残されていた。
「は?は?は?なに?なに?嘘でしょー」
慌てふためく新垣さん。
「やだー、怖いー。絵里死んじゃうよー」
涙ぐむ亀井さん。
「美人は長生きしないって本当だったんだ…。神様の意地悪」
天を仰ぐ道重さん。
「サメ!サメ!」
叫ぶ田中さん。
「いやーんいやーん、まだ死にたくなーい。やーんやーん、このままがいい」
泣き喚く久住さん。
その周りをグルグルと旋回する一匹のサメ。
彼の体当たりのせいで檻が壊れるのは時間の問題だった。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:06
- 「だから絵里は嫌だって言ったじゃん!ばかー、れいなのばかー」
「はあ?なんでれいなのせいになると?やってみたいって言ったのはさゆやろ!」
「さゆみはただサメさんにもさゆみのかわいさが通用するか試してみたかっただけなの」
「やだー、小春、死にたくなーい」
「ちょっとちょっとちょっとみんな落ち着いて!OKOK、考えよう。じっくり考えよう」
大騒ぎする先輩たちを眺めながら、私は頭の中でサメに関するデータを引き出していた。
そして、一つの結論を導き出した。
「あのぅ」
先輩たちが一斉に振り向く。
「サメは本来臆病な生き物なんです。だから人間を襲うことはありません」
「でも光井ちゃん。このサメ、さゆみたちのこと攻撃してくるよ?」
「はい。たぶん、このサメはお腹が空いているんです。満腹になれば逃げると思います」
「満腹ってなんか食べさせればいいってこと?…え?それって…」
田中さんが息を呑む。
他の先輩たちも発言の意図に気付いたのか、神妙な顔つきで黙り込んだ。
「それとサメは光に反応するんです。だからなにか光るものでおびき寄せて、そして…」
私もさすがにそれ以上は言えずに黙り込む。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:07
- 重苦しい沈黙の後、新垣さんが右手を上げた。
「私が行く」
その目には最年長者としての使命感が宿っているように見える。
「ガ、ガキさん、ダメだよ!ガキさんは娘。のためにも残らないと。…絵里が行く」
「絵里が行くならさゆみも行く。私は一瞬でも絵里と離れない」
「れいなもーれいなもー!」
「久住小春、行きます!」
5人が次々に手を上げる。
「ううん、ここは私が」
「ダメ、絵里が」
「さゆみが行くの」
「れいながーれいながー!」
「小春が行きます」
一歩も引こうとしない美しいグループ愛。
感動した私は、先輩たちに習い右手をゆっくりと上げた。
「じゃあ、私が…」
「「「「「どうぞどうぞどうぞー」」」」」
…え?
何が起きたのか理解できないまま、気がつけば私は檻の外にいた。
私が最後に見た光景は、まるでステージ上のように光り輝く5人の先輩の笑顔。
そして、最後に聞いたのは道重さんの一言。
「光井ちゃんは名前に『光』が入ってるからちょうどいいの」
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:08
- 川=´┴`) ノ
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:08
- 川=´┴`) …!
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/04/01(日) 02:08
- 川=´┴`) アウアウ
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