10 とうせき
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 22:54
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10 とうせき
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 22:57
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ひろい野原につめたい 風がふいて空は 白くかすんでいます。
すきとおったほう石がその 色とりどりのかげを くすんだ木目のぶたいに たくさんひからせています。
ぶたいは高い高いやぐらの 上にあってたくさんの ひとがさわさわと見上げています。
おんなのこがひとり ぶたいの上にたっていて ひとびとはそのほう石の おこぼれをまっているのです。
それなのにおんなのこは ちっともほう石をひろわないで とんちんかんなことばかりしているのです。
やっと手をのばしたかとおもえば ぶたいにあるほんの小さなはしらに しがみついたりするので
みんなやきもきしているのでした。
それらのほう石はどこからきて いったいだれがおいたものなのか いやどうせせっかくおちているのだから
わざわざまっているのだから ぶたいの上のにんげんは みんなにわけあたえるべきだ。
いくらまってやってもほう石を こちらによこしてこないおんなのこに ひとびとはすっかりはらをたてました。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 23:00
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やぐらの上はひえるのか じっさいこまかな雪がおんなのこの 白いみみたぶや小さなゆびさきを
赤くそめてもいましたが はしらに身をよせるばかりで やっぱりほう石はころがったままでした。
とうとうひとびとは足もとの 石をひろってなげはじめました。
おんなのこは小がらでしたが ほそいぼうきれのようなはしらでは 身をかくすことはできませんでした。
石つぶてはおもしろいように おんなのこにあたるので あとからあとからなげ入れられました。
やがておんなのこが うごかなくなるとひとびとは やぐらをのぼってゆきました。
ぶたいの上はすっかり 石ころだらけでした。
つめたくなったおんなのこの かみをつかんでかおをのぞきこむと ひとびとはがっかりしました。
そこにめのたまと べろがなかったからです。
おんなのこは はじめからまっくらやみのなかで たすけもよべないやくたたずだったのです。
そして もっとがっかりしたことには いくら石ころをかきわけてさがしても
どうしてだかほう石は ひとつもみつからないのでした。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 23:00
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- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 23:01
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- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/03/28(水) 23:01
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