16 ヅラ

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:21
16 ヅラ
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:21
「それで?」
中澤の膝の上に無理矢理乗せられた 萩原に対して矢口が質問する

「私に怖い話を教えて欲しいんです!!」
萩原の目は真剣だ。


℃-ute内...梅田が怖い話をする役であるならば、萩原はいつも怖がる役である。
たまには、自分の話に恐怖するメンバーの顔も見てみたいと思うのも無理はあるまい
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:22
(いつものやつと違った。)
中澤は胸を撫で下ろした。

キッズのメンバーが中澤に聞いてくる事と言えば、
大抵は歴史の宿題で、東京オリンピックとか大阪万博とか、そんな事ばかりだ。
中澤自身、そんなものは全部自分の生まれる前の事なのであるが、
悲しいかな、キッズメンバーから見れば、昭和時代という時点で一緒くたなのであろう。

さすがに、嗣永が『空襲』について聞いてきた時は、殴ろうとした事もあった。
「まーまー中澤さん、悪気はないんですから」
「嘘や!! こいつ絶対、わざとや!!」
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:22
「じゃあ私が考えた とっておきの話を教えてあげるね」
笑顔でそう答えると安倍は、目を閉じた。

目を開けた安倍の表情は、先ほどまでの『笑顔のなっち』ではなかった。

「怨みの門...」
真剣な安倍の目に、萩原は完全に飲まれている
萩原だけでなく怖がりの矢口も同様だ


「ここを訪れた者には『三つの選択』が与えられる
 一つ、天国に旅立ち生まれ変わる
 二つ、霊となって現世をさまよう」

「おい」


「三つ、人を1人、呪い殺して...」
「おい、えー加減にせーや」


「え?」
「おどれはまた、同じ過ちを繰り返す気か?!」

元の『なっち』に戻った安倍を中澤が叱りつける

「あ!」
矢口もそれにやっと、気づいたようである



「...いや、ステキだなって」
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:22
「もーえーわ。今のなしな。」
「えーーー、聞きたいー」
安倍の創作だと思っている萩原には、なぜこのとっても怖そうな話を途中で打ち切るのか不思議でしょうがなかった。

「代わりにウチがえー話教えたるわ、ある日な...」
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:23
中澤の話が終わった時、萩原と矢口はショックと恐怖で泣いていた。

そして萩原は泣きながら思った。この話は使えると!!
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:23
℃-uteのメンバーに予想以上の効果があった事により、萩原はすっかり味をしめてしまった。

萩原は、Berryz工房、美勇伝と次々と戦果を上げ、
さらなる獲物を求めてモーニング娘。の楽屋に入っていった。

早速、メンバーを集め怪談をはじめる
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:23
「ある日の事です。とても古い小学校...」
怖がりの高橋は、既に新垣にしがみついている

萩原は、素早く周りを見回してから、登場人物その1を決定した
「そこで...道重さんは1人でトイレに行きました」

「え?さゆ?さゆなの?」

この話は、話し手が身近な人物を3人、登場人物に置き換える。
その方が聞いた側が、よりわかりやすく、より身近に、恐怖を感じる事ができるからだ。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:23
「薄暗い中トイレに入ると、1つの個室から声が聞こえてきます
 ...『かみをください』」

この時点で道重は久住にしがみついていた

「道重さんは悲鳴をあげると、一目散に走って逃げ出しました
 そして、やっとのことでみんなのところに帰りつくと、今起こった出来事を必死に説明しました。

 しかし笑われるだけで、誰も信じてくれません。
 そのうち、亀井さんが言い出しました
 『もーさゆは臆病なんだから、私が行って確かめてきてあげるよ』」
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:24
「絵里、そんな事 絶対言わない!!」
(冗談じゃないよ!! 怖いのに!!)
亀井は話の中に登場する自分の行動を必死に否定した

それには構わず、萩原は話を続ける

「しばらくすると、亀井さんも走って戻ってきました
 道重さんの時と同じ事が起こったのです

 そして...」


「ちょっと待って!!...おいで、おいで!...これでよし...いいよー」
話を中断させてから、
小柄な田中を無理矢理膝の上に乗せ、亀井はクライマックスに耐えれるように準備する
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:24
田中を後ろから抱きしめ、亀井の準備が完了すると
萩原が話を続ける。

「そして、ついに藤本さんがあきれたように言いました。
 『あんた達、いいかげんにしなよ。
 そんなに紙が欲しいってんなら、紙持って行けばいいじゃん
 ..バカバカしい』」

「まー確かに、そんな事言いそうなのってミキティーくらいだよね」
そう言う吉澤に藤本も納得したようにうなずく
確かに自分ならそう言うかもしれない

「藤本さんを先頭にして、一向はトイレに行きました

 問題の個室のドアの前に藤本さんが立ちました。
 他のみんなは、その様子を少し離れて見守っています

 そして例の声が聞こえてきました
 ...『かみをください』

 他のメンバーが悲鳴をあげるより先に、藤本さんは言いました
 『全く、誰のイタズラだよ!! 紙欲しいなら、ほら紙』
 そう言いながらドアを開けると...

 そこには頭から血を流し、血まみれになっている亡霊がいました
 そして亡霊は言いました」


道重は久住の後ろに隠れている
また新垣の後ろに隠れている高橋も同様だ
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:25
萩原を囲むように座っているメンバーの中、
他のメンバーと違い、退屈そうに聞いている藤本の位置を改めて確認した。
(そんな余裕も今のうちだ!!)


 「『私の欲しいかみは...これだ!!!!!』」

そう言いながら萩原は、立ち上がって藤本の髪をつかんだ
この怪談話は最後にびっくりさせるものなのだが...


この後、一番恐怖したのは萩原本人であった。
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:27
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:27
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/19(土) 00:27
16 名前:関西人 投稿日:2006/10/06(金) 00:25
いやあ、一気に読みました。
状況が目の前に浮かんできました。
引き続き楽しみにしてます。
17 名前:Max 投稿日:Over Max Thread
このスレッドは最大記事数を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。

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