14 R17
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:41
- 14 R17
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:42
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「悪の十字架」
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:47
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むかし昔ある村に、一人の貧しい青年が住んでいました。
一見普通の青年でしたが、その瞳には暗い情念が宿っていました。
そんな様子から、村の人々は口々にあいつは黒魔術にでもはまっているに違いない、
そういえばこの前うちのヤギが一匹いなくなったけどあいつの仕業か? などと陰
で噂していました。
そんなある日のこと。嵐の吹きすさぶ朝に青年は人目を避けるように家を出て行き
ました。目指すは村はずれの教会、青年はぶつぶつと何かをつぶやくように黙々と
人気のないあぜ道を歩いてゆきます。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:49
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あー、それ知っとるたい。教会が開くの十時か、って話っちゃろ?
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:50
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「恐怖の味噌汁」
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:54
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今日はいつもと違っておかあさんの様子がおかしいようにまさお君には思われました。
本能的な何か、と言っていいのかもしれません。とにかく、おかあさんの顔を正視す
ることができませんでした。
1階のリビングにいることすら憚られて、まさお君は自分の部屋で布団を頭から被っ
てがたがた震えていました。
それでも避けることのできない、独特の不快な臭いが夏の暑さと布団を被ることで生
まれた湿気によって鼻腔に運ばれてきます。
まさお、できたわよ。おかあさんの声が冷たく響き渡りました。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 20:56
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それも知っとうばい。今日、麩の味噌汁よって言うっちゃろ?
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:06
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「何で先に話のオチを言っちゃうのー?」
さゆみが思わず非難の声をあげました。
さゆみより前に話を潰された絵里は怨めしそうにれいなのほうを睨
んでいます。
さゆみ、絵里、そしてれいなの3人は暇を持て余すあまり楽屋で怪
談話をはじめていました。折りしも時はうたばんの言うところの消
灯時間、怪談をするにはもってこいのシチュエーションです。
しかしながられいながことごとく話のオチを先に言ってしまうので
にっちもさっちもどうにもブルドッグな状態に陥っているのでした。
「ええっ、れいなはたまたま話の内容を知ってたけん……」
親切のつもりが大きなお世話に、というのはよくある話ですが彼女
はただのマジレッサー。大体この手の話はオチのしょうもなさを笑
い飛ばすためにあるようなものなのに、そのオチを途中で奪い取っ
てしまったらしょうもない話以下の存在です。
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:14
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「もういいよ。さゆ、行こ」
「うん」
とうとう二人はれいなに愛想を尽かしてしまいました。れいなは眉
を8の字にしてうろたえるばかりです。
「ご、ごめん! これからはオチの手前でネタバラシするように気
をつけ……あっ」
バタン。ついにれいなはひとりぼっちになってしまいました。敢え
て言うならそのはるか昔かられいなはひとりぼっちでしたが。
れいなの目の前を、季節には少し早い秋風が吹きます。
何でやろ。何でれいなは二人を怒らせたと……?
れいなは考えます。(●´ー`)<嫌われてるんだよ と言う簡素
な答えを黙殺し、代わりにどうしたら二人は自分のことを許してく
れるのかに頭を切り替えました。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:25
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素直に謝ろう。
時間をかけて考え出した結果がこれでした。さすがいろんなものが
直結してるO型です。そんな甘い考えでAB型やA型に立ち向かお
うなんて10年早いんだよ、とまるでヤンキー漫画さながらの引き
つった表情をしたくなりますが、まあ我慢。人間をたった4つの分
類で分けてしまうなんてナンセンス、今宵はそっちの方向で話を進
めましょう。
とにかく一度結論が出たらあとは猪突猛進に相手にぶつかる。これ
はれいなのいいところです。そのうざいほどの情熱にこれまではた
びたび「しょうがないよね」と許してきたさゆえりコンビですが、
今回は真夜中の怪談という夏を語る上で一大イベント、これをぶち
壊された恨みはエベレストよりも高く日本海溝より深いに違いあり
ません。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:32
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仕事が終わり、当然のようにれいなを避けながらスタジオを出て
ゆく二人をれいなは追いかけます。
待って! 待ってさゆ、絵里!!
3人の思い出が走馬灯のようにれいなの中を駆け巡ります。パン
がひとつならわけわけねです。ただ記憶の中ではパンをさゆみと
絵里がわけわけしてれいなはパンの耳を泣きながらかじる光景だ
ったように思えますが断じて気のせいです。そしてれいなのまっ
すぐな思いが、彼女の足を二人に追いつかせることに成功しまし
た。
「さゆ!! 絵里!!」
大声を上げるれいなに、思わず二人は振り返ります。
さゆみ。絵里。そして、れいな。
三人の心臓の音が激しく高鳴り、複雑な三重奏を奏でました。
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:34
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ごめん、れいなが悪かっ……あっ。
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:43
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れいなは二人のもとへ駆け出そうとしたのですがあまりに必死だ
ったために足元の石ころに躓いて転んでしまいました。
さらにそこから先が108段の大階段。転がってゆく度にれいな
の形が変わってゆきます。さらに通りがかりの五寸釘運び業者と
衝突、ばら撒かれた五寸釘が体のあちこちに刺さりまるで血まみ
れのイシイのおべんと君ミートボール。ここまでで約58段を転
がり落ちています。蒲田行進曲なんて目じゃないです。
そこからさらに加速度をつけて転がる肉の塊。最早田中れいなと
は呼べません。その上運の悪いことに上から数えて大体70〜8
0段目の場所で地元のDQNたちが花火を嗜んでいました。花火
は人に向けてはいけません、なんて注意書きをDQNどもが素直
に読むはずがなく、「スーパーロケット花火・地獄龍(税抜19
80円)」が一斉に火を噴きます。哀れ火の玉になった肉の塊魂
は落下地点において暴走トラックの餌食になり、大空に血と肉の
花火を打ち上げたのでした。
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:47
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「きれいだね、花火」
「そうだね、さゆ」
二人は夜空に散った花火を見てうっとり気分です。そして、その
はるか向こうの空に広がる雲がれいなの顔の形に似ていることに
気づいたのはわずか3秒。次の瞬間には今度のお休みに二人でど
こへ行こうかという話題に切り替わっていました。
これで、これでよかばい。
天の声みたいに悟ってるっぽいけど、ぜんぜん良くないよ、れいな。
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:48
- れ れいなが
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:48
- い いないよ
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/08/18(金) 21:48
- な なんでだろう
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