01 娘。怪談

1 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:04
01 娘。怪談
2 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:06
[オープニング]
 健全な娘。ファンのみなさん、私たちをオナペットにする不健全なみなさん、
いい歳をしてニートになって、両親に迷惑をかけてる救いようのないみなさん、
昼夜逆転してるヒッキーのみなさん、キッズヲタのロリータ愛好家のみなさん、
そして何より私たちの胸チラやパンチラで喜ぶ変態のみなさん、久住小春です。

 これから小春がお話しするのは、モーニング娘。にまつわる怪談です。どう
ぞみなさん、最後まで小春の体験した恐怖のお話しを聞いてくださいね。それ
では小春の『娘。怪談』全七話の始まりです。 
3 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:06
[妖怪テッテケ]
 それは小春が初めて娘。のみんなと合流した日のことでした。そうです。レ
コーディングが終わったときの話ですね。レコーディングっていうのは、ひと
りで録音するときと、みんなで録音するときがあるんです。つんく♂さんにダ
メ出しをされて、小春は最後までスタジオに入って歌っていました。
 何度も何度も歌って、ようやくつんく♂さんにOKをもらったのは、もう日
付けが替わるころだったと思います。一発でOKをもらう先輩もいる中、小春
は自分の不甲斐なさに少しだけ欝な気分になっていました。マネージャーさん
にタクシーを呼んでもらって、うす暗い控室の中、小春はひとりで帰る用意を
していました。
 小春はロビーに出てタクシーを待つことにしました。それで控室の電気を消
したときのことです。ドアの外の廊下を誰かが歩いていました。カタンカタン
と硬い底のサンダルを履いてるような足音です。マネージャーさんが履いてる
のは動きやすいパンプスですから、この足音が誰なのか小春にはわかりません。
そういえば、このスタジオには怨念が渦まいているって話を聞いたことがあり
ました。でも、そんな非科学的なものなんて小春は信じません。
「だ、だれ?」
小春はバッグを抱きしめて、おもいきってドアを開けてみました。すると、そ
こには髪が茶色の小柄な女の人がいたのです。その人は小春の声に立ち止まり
ました。後姿なので誰だかわかりませんが、娘。にこんな人がいた記憶が小春
にはありません。すると、その人はゆっくりとふり返って、長い髪の間から不
気味なサルのような薄笑いを浮かべたのです。
「テッテケテー!」
「キャー!」
小春は必死で逃げました。逃げて逃げて、ようやくロビーにつくと、その女の
人はいなかったのです。小春はイスに荷物を置いて、その横に座ろうとしまし
た。座ろうとして後ろを向いたとき、そこに女の人が立っていたのです。マネ
ージャーさんに声をかけられるまで、どうやら小春は失神していたようでした。
しかし、その『妖怪テッテケ』がミュージカルでサファイアの役をするとは。
4 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:07
[黒い点]
 それは小春にとってデビューシングルになる『色っぽい じれったい』の振
りつけをしていたときのことです。先輩たちはすごいスピードで憶えていまし
たが、小春はついていけませんでした。なにがわからないのかがわからない。
そんな状態で頭の中は真っ白です。あのダンスには自信のある『妖怪テッテケ』
ですら、余裕なんてない緊迫した雰囲気のスタジオの中でした。
「小春ちゃん、こうだよ」
さすがに大検を受けるだけあって、紺野さんはだれよりも早く振りつけを憶え
ていました。いくらがんばっても小春には憶えることが山のようにあって、な
かなか頭に入っていきません。眠いし足も痛い。小春はもうクタクタになって
いました。たしかに甘えもあったと思います。小春はつかれて座りこんでしま
いました。そんな小春の前に巨大な白熊が出現したんです。
「ちょっと」
小春が白熊だと思ったのはリーダーの吉澤さんでした。吉澤さんは小春をスタ
ジオの隅に連れてくると、ものすごい形相でにらんだんです。いくら『熊に注
意』の看板がある村出身の小春でも、こんなに大きな人ににらまれると怖くて
しかたありません。
「ねえ、どういう常態かわかってる?」
小春は怖くて怖くて、思わず吉澤さんの顔の斑点。いや、ホクロの数をかぞえ
はじめてしまいました。4個までかぞえたとき、吉澤さんはつづけました。
「こんなんじゃ、いっしょにできない! やってく自信ない!」
「はい」
小春は首もまぜて11個までホクロをかぞえていました。とにかく怖くて泣きそ
うです。それでも小春は必死にこらえて、ようやく12個目をみつけました。や
っと開放されると、小春は筆記用具をだしてノートに「吉澤ひとみ・ホクロの
数は12個」って書いてみました。するとどうでしょう。これまで憶えられなか
った振りつけも、どんどん頭にはいっていくじゃないですか。
 それからというもの、小春は「吉澤ひとみ・ホクロの数は12個」を心の中で
念じながら振りつけを憶えることにしたのでした。
5 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:07
[合わせ鏡]
 小春の教育係になったのが道重さんでした。どうして小春のまわりには大き
な人が多いんでしょう。小春的には紺野さんか亀井さんだったらよかったんで
すけど。あ、『妖怪テッテケ』はダメです。やっぱり日本語の通じる人じゃな
いと意思疎通に困りますよね。それと○中さんや□本さんみたいなヤ△キーは
困ります。どうしても小春には清純派のイメージがありますから。
 あれは初めての地方公演でした。どうしても小春と教育係の道重さんはホテ
ルで同室になります。ユニゾンでハモれる道重さんは、ほとんど天才的な音感
のもち主だといえるでしょう。小春にはマネできません。
「それじゃ小春ちゃん。うさちゃんピースをやって寝ようね」
「はい。うさちゃんピ〜ス」
正直なところ、かなり迷惑なことでした。でも、教育係には逆らえません。小
春は「歌やダンスじゃ、あんたに勝ってるよ!」なんて心の中でつぶやきなが
ら眠りにつきました。
 どのくらいたったでしょう。小春はふと夜中に目をさましました。明日も公
演があるので眠らないといけません。小春は毛布の中で寝返りをうちました。
そのとき、小春の横のベッドが見えたのですが、そこに寝てるはずの道重さん
がいなかったんです。小春は起きあがって部屋の中を、ぐるっと見てみました。
すると、バスルームのドアが半開きになってて、中からうす暗い明かりがもれ
ています。こんな時間に道重さんは、いったいなにをしてるんでしょう。小春
はベッドから出てバスルームをのぞいてみました。
「みみみみみみ、道重さん!」
そこには頭にはちまきをして、それに火のついたロウソクを2本さした道重さ
んがバスルームの鏡に向かっていました。そして、その手には住宅街にあるパ
ーマ屋さんで持たされるような大きな手鏡があります。道重さんはそれを使っ
てあらゆる角度から自分の顔を見てはニッコリしていました。道重さんは小春
に気がつくと、この世のものとは思えない表情でふり返ったのです。
「み〜た〜な〜」
「キャー!」
小春はそのまま気を失ってしまいました。道重さんって、とにかくすごすぎる。
6 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:08
[恐怖の洗濯]
 小春が生まれたときから、家には全自動の洗濯機があります。だから、下着
なんかは全て洗濯機で洗うものだと思っていました。それはハロモニの収録後
だったと思います。辻さんが小春に話しかけたのが始まりでした。
「昔は洗濯板で洗ってたんだよ。小春、知ってる?」
昭和生まれの人は、ほんとうになんでも知ってると思いました。小春が洗濯板
なんて知ってるわけがありません。板でどうやって洗濯なんかできるんでしょ
う。草津温泉の湯揉みみたいにするんでしょうか。洗濯機の回転だけ回すとな
ると、かなりの重労働です。
「センタクイタってなんですか?」
「知らないの? だったらミキティに聞いてみなよ」
なんで藤本さんなのか小春にはわかりませんでした。できれば違う人のほうが
よかったんですけど、大先輩の辻さんにさからうことはできません。小春はメ
イクを落としてる藤本さんのところへ行きました。
「あの、藤本さん」
「なあに?」
よかった。今日は機嫌がいいみたいです。藤本さんって機嫌がわるいと岡田さ
んを人間サンドバックにするんで、小春は怖くてしかたありませんでした。で
も今日は機嫌がいいみたいなんで、思いきって聞いてみることにしたんです。
「質問があるんですけど」
「ん? どんな質問?」
「洗濯板ってなんですか?」
そのとき、藤本さんの手が止まって、ひたいに青筋が浮かびはじめました。で
も笑顔なんで、小春は藤本さんの回答を待ちます。すると藤本さんは小春に新
しいコットンをくれました。どういう意味なのか小春にはわかりません。
「小春ちゃん、ちょっといいかな」
藤本さんは小春を楽屋の外につれてきました。人に聞かれては困る話なんでし
ょうか。もしかすると藤本さんと洗濯板には因果関係があるのかもしれません。
「ケンカ売ってんのかゴルァ!」
藤本さんのパンチが小春の顔面に炸裂しました。小春はそれっきり気を失って
しまったのです。気がつくと道重さんが小春の鼻にコットンをつめていました。
藤本さんの怖さは痛感しましたが、いまだに洗濯板の正体はわかっていません。
7 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:09
[大阪怪猫伝]
 あれは大阪で公演があったときだと思います。とにかくライブっていうのは、
ものすごく体力をつかうんです。2時間のライブだけでもヘトヘトなのに、1
日に2回もやると、ホテルに帰っても寝ることしかできません。会場でシャワ
ーを浴びたからお風呂は省略して、小春はそのままベッドにGOしました。事
務所の気配りで今日は個室です。ナルシス道重さんにつきあわなくていいと思
うと、とっても幸せな気分になりました。
 どのくらい眠ったのでしょう。小春は視線を感じて目をさましました。ここ
は個室ですから、だれも入ってくるはずがありません。それにまっくらなので、
気のせいだと思って寝がえりをうとうとしたときです。どうしても寝がえりが
できません。これが金しばりというものなんでしょうか。
「こわいよー」
なんとか右手が動きました。とりあえず枕もとの電気をつけてみます。そのと
き小春の目にとびこんできたのは、猫耳カチューシャをつけた田中さんでした。
田中さんは小春の上にのって、うつろな目で見つめていたのです。田中さんは
オートロックのこの部屋に、どうやって入ってきたんでしょうか。
「たたたた、田中さん! どうしたんですか?」
「ニャーゴ」
田中さんはふざけてるんだと思いました。ところが田中さんは小春の顔をペロ
ペロとなめ始めたじゃないですか。くすぐったいのもあって、小春が抵抗した
ときです。田中さんは耳まで裂けた大きな口をあけて小春をにらみました。
「フー!」
「キャー!」
小春はそのまま気を失ってしまいました。
 恐怖の一夜が明けて、小春は泣きながら道重さんにの部屋にいきました。そ
して抱きついて昨夜の怖い体験を話したんです。あれは田中さんの姿をした化
け猫にちがいありません。ほんとうの田中さんは化け猫に食べられちゃったん
でしょうか。
「れいなが? うーん、たしかに寝ぼけるけど」
田中さんにピッキングの技術があるって知ったのは、ずっとあとになってから
でした。
8 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:09
[仄暗いお湯の底から]
 ハロコンは単独よりつかれないし、とっても楽しいんです。小春の近くには
梅田さんと熊井さんがいて、いろいろとハロプロのことを教えてくれました。
それにしても小春の近くには大きな人が多くて、なんだか埋まっちゃいます。
あれは名古屋で公演があったときだったと思います。ホテルの大浴場は24時
間入れるので、チェックインがおそい小春たちには、とってもありがたいこと
でした。小春は夜中になっちゃいましたけど、のんびりお湯に入るために大浴
場にいきました。「カポーン」という桶の音がして、だれかが入ってるようで
す。スリッパの数からすると小春の前に3人が入ってるみたいでした。
「あれ?」
大浴場に入ったのはいいんですけど、そこにはだれもいません。湯気で視界が
わるかったのですが、どこにも人の姿はありませんでした。小春はおかしいと
思いながらも、とりあえず体を洗って湯船に向かいます。そのときでした。仄
暗い湯船の底から、顔をまっ赤にした海イグアナと金魚がとびだしてきたんで
す。その恐ろしい顔に小春は気を失ってしまいました。
 小春が気がつくと、そこには後藤さんと紺野さんがいました。海イグアナと
金魚だと思ったのは、後藤さんと紺野さんだったんです。
「おどろかせてごめんね」
小春はなにがなんだかわかりません。後藤さんがいうには、紺野さんとどちら
が長くもぐっていられるか競争してたそうです。それにしても小春が体を洗う
のに5分はありましたから、2人ともすごい肺活量ですよね。胸が大きい人は
肺活量もあるんでしょうか。小春はまだこどもですからわかりません。
「あれ? でもスリッパの数が合いませんよ」
「そういえば、あたしたちが入る前からありましたよね。後藤さん」
これはたいへんです。だれかが浴槽で溺れてしまったのかもしれません。小春
が浴槽をのぞきこむと、仄暗いお湯の底から人がうかんでくるじゃないですか。
その人はなにごともなかったように「暑い」といって浴槽からでてきました。
小春だけじゃなくて後藤さんと紺野さんも失神寸前です。飯田さんのスッピン
を見るのが初めてだったせいか、すぐにはだれだかわかりませんでした。とに
かく飯田さんが変わった人だということを勉強した日のお話しです。
9 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:10
[リング14]
 小春はよく怖い夢をみます。いきなりテレビがついて、そこには古い井戸が
うつってるんです。そこから髪の長い女の人が出てきて、どんどん迫ってくる
んですね。そして、ついには画面から部屋の中にまで入ってくる夢でした。ほ
とんど『貞子』といってもいい夢でした。
「またこわい夢みたよー」
怖い夢をみた日は、どうも気分が憂鬱になってしまいます。そこで小春はテレ
ビを買い換えて、14型の小さなものにしたんです。これだけ小さければ、いく
らがんばっても画面から出てこれないでしょう。それと、その髪の長い女の人
はハロプロメンバーだと思うことにしたんです。
「これでよし」
小春は安心して眠りました。はじめに夢にでてきたのは岡田さんでした。でも、
岡田さんは胸がひっかかって出てこれません。「ざまーみろ!」もう小春は怖
くありませんでした。つぎにでてきたのは大谷さんです。大谷さんはお尻がひ
っかかって画面から出ることができません。後藤さんや石川さん、紺野さん、
加護さんも胸がひっかかっていましたし、目がわるくて運動オンチの中澤さん
なんか、画面とちがうほうに行ってしまいました。
「今日も気分爽快!」
それからしばらく怖い夢はみませんでした。ところが、ある晩のことです。小
春がベッドの中で夢をみてると、14型の小さな画面からスルスルと出てくる人
がいるじゃありませんか。「そんなバカな!」小春は怖くてどうしようもあり
ません。こんなに小柄でスレンダーな人なんかハロプロにいましたっけ? 小
春は脳内で検索をかけてみました。すると、たったひとりだけ該当する人がい
たんです。
「新垣さんだー!」
それから小春の部屋からテレビが消えました。テレビがあるからいけないんで
す。どうしてもテレビを見たいときは、居間の大画面で見ることにしました。
10 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:10
[エンディング]
 いかがでしたでしょうか。最後まで小春のお話しにつきあっていただいてあ
りがとうございました。ほかにも怖いお話しはいくらでもあります。それをお
話しするのは、また別の機会にしましょう。

 お風呂場での小春たちを想像して息を荒くしてるみなさん、田中さんにナメ
ナメされたことを想像して興奮してるみなさん、これからは健全に久住小春な
らびにモーニング娘。を応援してくださいね。ばいばい。
11 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:11
E
12 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:11
N
13 名前:01 娘。怪談 投稿日:2006/08/10(木) 00:11
D

Converted by dat2html.pl v0.2