12 さわらないでよ

1 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:42
12 さわらないでよ
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:44

粉雪の舞う2005年の大晦日。
ひらひらと薄く細かな雪にけむる暮れの空はどんなに美しいことでしょう。
NHKホールの中にいると、ちっとも関係ないことですけどねっ!

夢にまで見た晴れの舞台で、鼻の穴まで広げて熱唱する亜弥ちゃんに見惚れる美貴ちゃんには、もっと関係のないことです。
森の妖精に悪態ついて蹴っ飛ばしまでしていた℃-uteな子たちがいなくなってからは全開です。
「ねえ、気がつけばそこにあなたがいた、のあなたってそれ美貴のことだよね?」
どこか威圧的に同意を促そうとする美貴ちゃん。
話を振られたれいなちゃんは、気まずそうに顔を伏せます。

「ねえ! 絶対あなたって美貴だよね!?」
鼻息荒くせまってくる美貴ちゃんに困ったれいなちゃんは、たいへんだ、と呟きました。
大変なことなど何もないのですが、大変なことが起きて事がうやむやになってほしい、そう願ったのです。
そして、そんなれいなちゃんのちっちゃな願いは現実のものとなるのです。
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:47
あー、マメが鼻血だしたー!
そんなこんちゃんの素っ頓狂な声が、救いのベルでした。
新旧そろったモーニング娘。に誰よりも、純なヲタよりも興奮していた里沙ちゃんリミットぶっこぬけ。
とろりと垂れるような甘っちょろい鼻血ではありませんでした。
ポップコーンよりも激しく飛び散る、気合の入った鼻血でした。

あーぁ、こんちゃんのスカートに鮮血が……
しゅんとしたこんちゃんを見た麻琴ちゃん、何故か大笑い。
里沙ちゃんは鼻から血が噴きだしていることにパニック。
女の子のお花からは血が出ないものなのっておかあさんが言ってたもん、とかほざいてます。

「あ、れいなも行かんと」
しかし美貴ちゃん、騒ぎの中心に行こうとするれいなちゃんの細い腕をがっちり掴みます。
「いいっていいって。どうせ衣装、赤なんだしわかんねーって。それよりあなたって美貴だよな?」
美貴ちゃんのしつこいくらいに切実な本気に、れいなちゃんひいてしまいました。
すっと蒼褪め、怖いくらいに冷静な真顔で藤本を睨みつけます。
「亜弥ちゃん亜弥ちゃんってバカじゃね? いい加減、気付けよ」
抑揚なく吐き出された真実に、美貴ちゃんは恋する乙女のようになってしまいました。
正確にいうと、恋に恋して恋にやぶれた自分がかわいいと思ってしまう可憐な乙女の設定の中にもぐりこんでしまいました。

「もういいよ、ふともも出してこうぜ!」
鼻血のあたりでは、麻琴ちゃんがこんちゃんのスカートをビリビリやぶいています。
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:47
あ、リリック。
美貴ちゃんの中で現実と夢設定がリンクしました。
よくわからないけど、美貴ちゃんの中では、美貴はやぶれてねー、ってことらしいです。
「つーか終わっちゃったじゃねーかよっ!」
美貴ちゃん、声を荒げます。
れいなちゃん、ビクンとしました。
気がつけばステージでは忌々しい後藤真希が、大好きな亜弥ちゃんと歌い踊っていたのです。

「美貴ちゃんお願い、今日だけ、今日だけでいいから楽しくしよ?」
今日というスッペシャルを気持ちよく終わらせたい。
そう願ってやまない里沙ちゃんが鼻をおさえながら言いました。

そうだ、今日は亜弥ちゃんと過ごす2005年最後の日なんだ、
われに返った美貴ちゃんが、亜弥ちゃんを最後までしっかり見届けようとステージを向きます。
しかし時すでにおそく、好きすぎてバカみたいが終わり、ステージは暗転していました。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:48

そのときです。

行ってらっしゃ〜い、と亜弥ちゃん。
おう、と真希ちゃん。
テレビには映らない舞台装置の影で、親しげに笑みをかわしあって。

美貴ちゃんは誰も気付かないような一瞬のできごとを目撃してしまったのです。
亜弥ちゃんが大好きだから。
もはやすでに美貴ちゃんは不機嫌の塊。

れいなちゃんが見えるはずのない雪空を見上げます。
灰色が美しい福岡の冬の空を思い出してため息まじりに言います。
「ああ、本当に大変なことになってしまった……」
れいなちゃんはごとーさんを見ていたのです。
ごとーさんはれいなのものやないけん、誰と仲良くしとってもいーんやけど……
ほぼ確定されためんどくさい予感に、れいなちゃんのかわいい胃袋がきゅうっとなりました。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 00:49

「ていうか、ほら、もう出番だから」
状況がわからない麻琴ちゃんが普通のことを言います。
涙とはさよならしたこんちゃんも、開き直って笑顔でうなずきます。

「うっせーな、わかってるよ、行けばいいんだろ!」
そんな美貴ちゃんの精一杯の強がりも、さっきどっかで聞いたことあるのは気のせいでしょう。


───
──

7 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 01:31


がやがやがやがやもりぞーときっころーがやがやももがいっちばーんがやちがいますぅあたしがいちばんなんですぅがやがやがやちょっとめぐためしにいってきてよがやがやあらまありさこちゃんったらがやがきぃぇぇぇぇがやがややばいってせんぱいがたいるのにみやせんべいもってきてよがやがやまいみはしゃぎすぎてのうごきがなんかきもいがやがやがやがやくまいちょーもそうおもうでしょががやがやうんとねうんこーがやがやがやごっちーんけーたりんぐいくならじゅーすかってきてよおがやがやがや


「行け、小春、なんでもいいからくっつけ」
不機嫌を撒き散らす美貴ちゃんを見るに見かねたよっすぃが小春ちゃんに命令しました。
よっすぃには梨華ちゃんが絡みついて剥がれないから仕方ないのです。

「はぁ〜い」
小春ちゃん、なんだかいろいろとかけらもないような笑顔で、中澤さんにきゅっ!
そっちじゃねーよ!
楽屋のがやがやが、妙に唇を尖らせた梨華ちゃんのつっこみに吸い込まれるように沈黙しました。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 01:31
なんだよ石川このやろー、と美貴ちゃんの苛々は頂点に。
椅子でも蹴り上げたい気分です。
でも、そんな大人げないことはできないので、矢口をキック。
便乗したあいぼんも矢口をキック。

いつもなら助けてくれる圭ちゃんは、どっか人脈作りに行っていません。
何があっても味方の中澤さんは、小春にぶちゅ〜。
中立を忘れない圭織さんは、臆病だから……

矢口だって必死に生きてんのよー!
そう出かかったなっちの前にはのんちゃん。
濡れたジト目でなちみを見上げます。
「オケラじゃねぇんだからよ」
かわいらしいおめめとは正反対に位置するような、乱暴な言い方です。
のんちゃんの言った意味がわからないなっちは、きょとんと目をまるくさせて首を傾げました。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 01:31
「あれやって安倍さん、ミミズだってオケラだってアメンボだってって意味やって」
ほとんど呟きに近い声色でのんちゃんの言葉を説明した愛ちゃんに、さゆちゃんが説教します。
なんでかっていうと、台無しになっちゃったからです。

しかしなっちはほほうと顎に手をあてました。
「そっかぁ、虫ねぇ、虫。うまいこと言ったわねぇ、のの」
そして、あっはっはー。
あっはっはー。
雅ちゃんも千奈美ちゃんも、あっはっはー。
あっはははっはー。
あーっはははははははー。

そう、嫌なことや気まずいことがあったなら、笑い飛ばしてしまえばいいのです。

10 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 01:32
 
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 01:32
 
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 02:05

って、なんか笑って円満みてーになってんじゃねえよぉぉぉぉ!!!
こういう青春的なオチのようなものが嫌いな美貴ちゃん大激怒。
矢口の足首をむんずと掴んで亜弥ちゃんに放り投げ
絵里ちゃんの鼻をぐいとつまみ友理奈の純真を穢し
キッズのまいちゃんつかんでふりまわしおらおらメリーゴーランドだーっはっはー
小春もろとも中澤を撃破
恐怖に涙する梨沙子ちゃんをひきずりまわし
強気な顔で前に立つ桃子ちゃんのプライドを打ち砕き
勢いで辻っ子を泣かせあいぼん蹂躙なっちをしだく
さゆの前髪を燃やし圭織さんの服を引きちぎり舞美を股裂き
愛ちゃん茉麻にかぶりつく
佐紀ちゃんなでなで
舞波のえくぼつんつん
いししのれいなを張り倒し
よっすぃの鎖骨をなめ梨華ちゃんの腋毛を齧りこんちゃんのほっぺをつねる大事なものを壊すって気持ちいい
ああもうめんどくせー、お前らみんな大嫌いだー!!
美貴ちゃん、叫びました。
ちっともすっきりしません。

「ジュース買ってきたよー」
松浦亜弥ちゃんに言われた通りジュースを買ってきた真希ちゃん。
こいつだ、こいつのせいなんだと美貴ちゃんはさらに逆上します。
小突きます。
力強い弾力。
そしてぱーんと破裂音。

ありゃりゃ。
真希ちゃんは散らばったぼーちょーを拾い集めます。
「ちょっとミキティさわらないでよ」


13 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 02:07
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 02:07
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2006/01/05(木) 02:07

Converted by dat2html.pl v0.2