15 久住さんの観察日記
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:39
- 15 久住さんの観察日記
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:39
-
♪
「よっすぃ〜」
「あーもうなんだよ!」
吉澤さんはうんざりした表情で石川さんを見ます。
石川さんはやっと見てもらえた!と歓喜の声を上げました。
正直この暑い季節、アニメ声は耳障りです。
「私ねぇ」
「はいはい」
「聞いてよー、免許取ったの!」
「………は?」
「だから免許」
「三輪車の?」
「自動車!」
吉澤さんの表情がだるい→ムカつく→驚愕→恐怖へと移り変わります。
その様は分かりやすすぎて、5年も芸能界にいると違うな、と思い知らされました。
「何かの間違いでしょ?ね?梨華ちゃん何した?教官となんかいかがわしいことしでしょ!
」
「なんもしてないよ!実力!だから今からドライブ行こ!」
「嘘ー」
吉澤さん、矢口さんよりは長かったリーダー就任、おつかれさまです。
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:39
-
♪♪
休憩所に設置されている自動販売機でジュースを買って飲んでいると、
廊下を亀井さんが忙しそうに通り抜けていきました。
何故かスタッフさんと一緒にダンボールに詰め込まれた荷物を運んでいます。
偉いなぁ、熱心だなぁ、
と感心してしまった私は、気づくと亀井さんの後を追いかけていました。
「亀井さん!」
「あ、小春ちゃんはおはよー」
えへへと笑う亀井さんはとっても印象的で、
スタッフさんを手伝っているその姿は私にとって立派な先輩でした。
亀井さんもスタッフさんも急ぎの仕事だったのか、すぐに行ってしまいましたが、
数分ほどして戻ってくると、なるほど。
亀井さんが何故手伝っていたのか、なんとなく分かりました。
「えへへ」
ダンボールを手に嬉しそうに笑う亀井さん。
一体どうやって中に入るつもりなのでしょうか。
冷静にそう思ってしまいましたが、
亀井さんの笑顔を見ているとなんだかそれでいいかな、と思いました。
- 4 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:39
-
♪♪♪
撮影の合間、スタジオの隅で休んでいると
なにやら難しい本を読みながらぶつぶつと呟いている高橋さんを見つけました。
見つけた、というよりも発見した、というほうがふさわしいのかもしれません。
人目のつかなそうな隅っこで体育座りをして黙々と本を読み続ける様は、
悪いですが少しだけ不気味にさえ思えました。
そんな高橋さんの横を、新垣さんが何も知らずに通りすがります。
次の瞬間、高橋さんの目が爛々と輝き、
体育座りで収まっていた足が一気に伸びました。
新垣さんは「うぉぉ!?」と声を張り上げて
面白いリアクションの例を私に示してくれました。
「あ、愛ちゃん!なにすんの!」
「ガキさん偶然やのう」
「偶然も何もさっきまで一緒に撮影してたから」
「これも何かのえんやし、ああしがガキさんに本を読むやよ」
「なんで!やだよ!」
田中さんもこれくらいプライドを捨てればいいのに、
なんていけないことを考えてしまいました。
- 5 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:40
-
♪♪♪♪
テレビをつけました。
どっちの料理が食べたいか、を芸能人が選ぶ番組でしたが、
出演者の中に、見てはいけない人だよと先輩達に教えられた小さな女の人が出てきて、
私は言いつけどおりテレビを消しました。
数日後、またテレビをつけました。
アキバ系オタク青年と美女のラブストーリーでしたが、
俳優の中に、見ては(ry
- 6 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:40
-
♪♪♪♪♪
今日もあの声は聞こえます。
メイク室、廊下、スタジオ、至る所で魔法の言葉が。
「うん、今日も可愛い!」
私の教育係の道重さん。確かに可愛い。今日も可愛いです。
でもそんな可愛い道重さんだから、
たまに意地悪をしたくなることもあるんです。
後輩がすることではないのですけれども。
「うん、今日も……?」
「どうしました?道重さん」
私は心の中で少しだけ笑いました。
鏡にペンで落書きをして、ひげを書いたのです。
道重さんがどう反応するのか、少し楽しみでした。
「可愛い!」
「…え?」
「猫みたいで可愛いの!」
この人はやっぱり道重さんだ、そう思い知らされた瞬間でした。
- 7 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:40
-
♪♪♪♪♪♪
「あ、紺野さん」
「あ、小春ちゃんおはよー」
ほんわかした笑顔で返してくれた紺野さん。
のほほんとしていて、先輩なのに癒されました。
なんかこう、何にも考えていなそうなところが癒されるんだろうな、と思いました。
「写真集好調らしいですね」
「ありがとー。小春ちゃんもいつか出すよ」
「えー恥ずかしいですよー」
楽しく会話をしていると、背後から気配を感じました。
新潟の気配。確かに同郷の気配を感じました。
「おーす!何の話?」
二人同時に振り向きました。
元気よく登場した小川さん。紺野さんの顔色が一瞬にして変化しました。
「あ、そうだ麻琴これ食べる?」
「食べるー」
素早すぎる対応に、私の紺野さんのイメージが180度変わった気がしました。
- 8 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:40
-
♪♪♪♪♪♪♪
藤本さんの瞳はいつだってどこか冷めています。
吉澤さんと話しているとき、それはそれは楽しそうに喋るのですが、
私と話すときの瞳は怖くて怖くて仕方がありません。
私のことが嫌いなのかもしれない、と不安になります。
「小春ちゃん」
「は、はい」
突然話しかけられて、体が震えてしまいました。
正直、怖いです。どうしていいのか分かりません。
藤本さんは掌をすっと私の顔の前に掲げると、
思い切り頬を叩いてきました。
一瞬、何が起こったのかわかりませんでした。涙が出掛かりました。
私は一体、何もしたというのでしょう。
「……蚊。とまってた」
「……はい?」
藤本さんは自分の掌についた蚊の死骸を見せると、足早に去っていきました。
あとから通りかかった吉澤さんは「不器用なんだよ」とだけ言っていました。
- 9 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:41
-
♪♪♪♪♪♪♪♪
楽屋に入ると、部屋の中心にあったはずの机がなくなっていました。
代わりに置いてあったのはダンボールで、
ガムテープがしっかりとつけられていました。
なんだろう、と思いつつも、私はその横を通過しました。
でもその時。
カタカタカタ……!
「ひっ!」
動きました、今確かに。中でバイブのごとく振動しました。
あ、バイブって言っても携帯ですよ?これだから大人は困るんですよ…。
ダンボールは保田さんのような奇怪な動きを細かくしながら蠢いていました。
一体何がしたいのか、第一これはなんなのか。
ドッキリのつもりなんでしょうか。
私は数秒ほど悩んだ末、
「もう仕事終わったし帰ろう」
先輩達は先に帰りました。私が帰ってもなんの問題もないはずです。
ダンボールに手を振りバイバイ、そのまま帰りました。
- 10 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:41
-
数日後、衰弱した田中さんがテレビ局で発見されたというニュースを耳にしましたが、
あまり興味が沸きませんでした。
なんでも田中さんは何度も「襟…襟が」と呟いていたそうです。
- 11 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:41
- お
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:41
- わ
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/08/22(月) 23:41
- り
Converted by dat2html.pl v0.2