15 魔法の絨毯
- 1 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:05
- 15 魔法の絨毯
- 2 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:05
- 今日も僕は、みんなを楽しませるために働いています。
整備係のおじさんや、チケット売りのお姉さん。
みんなで僕を、大切に扱ってくれています。
今日は平日ということもあって、遊園地はガラガラです。
だから僕は、開園から1時間たっても、休んでいられました。
整備係のおじさんは、僕の磨耗した部品を交換してくれます。
でも、もうそろそろ、心臓部の基盤に限界がきてるみたい。
「新しい制御装置は、来月にならねーとなあ」
整備係のおじさんは、僕の心臓部を見ながら、ホコリを取ってくれました。
思えば、もう20年ちかくも、僕はこの遊園地で働いています。
チケット売りのお姉さんは、毎日のように、僕の頭を拭いてくれますが、
もう、あちこちのペンキが、ハゲかかっていました。
「こんどは、魔法の絨毯に乗ろうよ」
どこからか、若い女の子たちの声が聞えてきます。
僕は若い女の子に乗られるのが、いちばん好きでした。
だって、大声で叫んでくれるから。
それに、柔らかいお尻の感触は、とってもイイ!
- 3 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:06
- 「わーい。あたし、雅恵の横、とった」
どうやら、7人の若い女の子たちです。
よくみると、メロン記念日とカントリー娘。でした。
やっぱり、モーニング娘。以外は、ヒマなんでしょうか。
「大谷さん、お尻、入ります? 」
「みうな! てめー」
大谷さんは、お尻が大きいですからね。
でも、だいじょうぶですよ。僕は大勢を乗せて働けるんですから。
あ、まいさん。ちゃんとベルトしてくださいね。
村田さん、しっかり手すりにつかまっててください。
『それでは魔法の絨毯、スタートします』
お姉さんのアナウンスのあと、僕はスイッチを入れられて、静かに動きはじめました。
初めはゆっくり、そして低く行きます。それから、だんだん高くなるんですよ。
バイキングとはちがった感覚なので、いつも僕は大人気でした。
- 4 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:07
- 「ひゃー! 雅恵、怖いよー! 」
柴田さん、手すりを放すと危険ですよ。
たまに、手すりに顔面を強打するお客さんがいますから。
僕は鉄でできてますんで、人間の骨なんて砕けちゃいます。
そうです。あさみさんは、さすがに乗馬できるだけありますね。
ムダな力が入っていませんし、それだと最高に楽しめますよ。
「ゴーゴー! 」
斉藤さん。みうなさんじゃなくて、瞳さんの方。
楽しいですか? 僕も働きがいがあるってもんです。
個人的な好みとしては、大谷さんなんですが、
斉藤さんの大きな胸も捨てがたいんですよね。
大谷さんの大きなお尻、とても素敵ですよ。
「み、みうな。怖くないの? 」
まいさん。みうなさんは、若いんですから、このくらい平気ですよ。
いやー、でもうれしいです。今日は、メロン記念日とカン娘さんですから。
村田さんは、ちょっと細すぎますね。お尻の骨が当たりますよ。
「このくらいは平気ですよー」
ああ、みうなさんの笑顔、とってもさわやかです。
それじゃ、ちょっとサービスしちゃいましょうか。
モーターに使ってる変圧器、そろそろ限界なんです。
ちょっと電圧を上げると、高速で回転しますよ。
- 5 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:07
- 「わあああああああーん! 怖いよおおおおおおー! 」
柴田さん、泣かないでくださいよ。あれ? 変圧器、故障しちゃいました。
高電圧が、モロにモーターに伝わってるんで、スピードが出ちゃってます。
おっと、村田さん、顔色が悪いけど、だいじょうぶですか?
もうじき終わりにしま―――あれ? 完全に壊れたみたいです。
何となく、自動制御装置まで、ショートしちゃったかもしれません。
「と、止まらない! どうしよう―――」
お姉さん、こうしたときは、ブレーカーを下げちゃってください。
そうすれば、僕だって電動機械ですから、すぐに止まりますから。
―――ダメですね。お姉さん、完全にパニック状態です。
「おろしてえええええええー! 」
あさみさんまでパニックですか?
すいませんが、僕は止まれなくなっちゃいました。
それにしても、1秒で2回転くらい、しちゃってますね。
「うげっ! げろげろげろー」
うわあ、村田さん、もどしちゃいましたね。
横の大谷さんに、かなりかかっちゃってますよ。
ああ、これは掃除がたいへんですね。
- 6 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:08
- 「みうなあああああああー! だいじょうぶううううううー? 」
まいさん、みうなさんは若いんですから、このくらい平気です。
それに、毎日、あれだけ踊ってるわけじゃないですか。
ねえ、みうなさ―――鼻血、鼻血がでてますよ。みうなさん。
「こ、このくらいは、へ、平気ですよ」
みうなさん、ヤセガマンは、しない方がいいんじゃないですか?
それにしても、大谷さんは、どっしりして落ちついていますね。
やっぱり、下半身が安定してる人は、どこかちがうんでしょうか。
ねえ、大谷さん、大谷さ―――失神しちゃってますね。
「ヤッホー! ゴーゴー! 」
斉藤さん、ノリノリですね。このテンションで、ステージもやりましょう。
それにしても、もう1分以上、高速回転しちゃってますよ。
女の子が7人だけだから、アームの負荷なんて平気ですけどね。
このあいだ、お相撲さんが15人も乗ったときは、さすがにキツかったですけど。
- 7 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:08
- 「うわあああああああーん! お母さあああああああああーん! 」
「げろげろげろー! げーっ! 」
「みうなあああああああー! 」
「へ、平気―――ですよ」
「おろしてえええええええええー!」
「ゴーゴー! 」
ちょっと、サービスしすぎですね。
そろそろブレーカー落としてください。
これ以上は、命にかかわるかもしれませんから。
ああ、やっと整備係のおじさんがきました。
―――ガチャン!
ふーっ、ようやく止まりましたね。みなさん、おつかれさまでした。
あらら? みなさん、失禁ですか? これは災難でしたね。
失神した大谷さんは、担架で運ばれて行きました。
ほかの子も、係員に抱きかかえられて、救出されています。
さて、僕はしばらくお休みです。
ちゃんと治ったら、また楽しんでください。
では、その日まで、ごきげんよう。
- 8 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:08
- お
- 9 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:09
- わ
- 10 名前:15 魔法の絨毯 投稿日:2005/02/02(水) 19:09
- り
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