27 超音速のブラックジャック
- 1 名前:27 投稿日:2004/09/29(水) 12:48
- 超音速のブラックジャック
- 2 名前:27 投稿日:2004/09/29(水) 12:48
- 「爆発マデ後5分」
そんな放送響く豪華客船クイーンナカジェリーヌ30世号。
逃げるは諜報部MM5の落ちこぼれ、猿似のマッツーと豚似のナッチ。
「爆弾は起動しちゃうし」
「敵キング取り逃がしちゃうし」
「その上マッキンガム宮殿の笑わん姫救出はこれから。MM5クビかもね」
「爆発マデ後4分」
「とりあえずでっかい船を縦横無尽に探し回ろ。姫ー」
「はーい」
船長室から声。開けるとドレス姿の魚似の少女が足を怪我して居た。
「何でここに?」
「私今日、1日船長なんで」
「爆発マデ後3分」
「あ、じゃあ機関室解る?多分爆弾そこだから」
「船底ですけど、きっと解除出来ないと思います」
「とりあえず行ってみる。マッツーは姫と待ってて」
「ゴッチンって呼んで」
「ゴマキ?」
「ゴマキ言うな」
ブヒブヒ走るナッチ、船底でどっさり山積みの爆弾発見。見るなり戻る。
「ざっと200個。1秒1個止めても無理」
海に飛び込むしかないと怪我魚担いてブヒブヒウキキと甲板へ。
「爆発マデ後2分」
「潮風が冷たいね」
「ゴッチンのスカート、長くて超邪魔だったんですけど」
海を覗き込むと真っ暗真っ黒。
ナッチもマッツーもそういう弱気な私にgoodbye出来ず飛び込めない。
「とりあえずゴッチン逃げなよ」
「私も怖くて飛び込めない」
魚似なのに怖いんだぁ、とマッツーもナッチも不思議顔。
「実は私、姫兼敵キングなの」
「えぇ!?」
ゴッチンの衝撃の告白。マッツーとナッチは鼻水が出そうになる。
「つまり倒したら姫も救えず」
「救ったら敵キングもみすみす逃がすこのパラドクス」
「爆発マデ後1分」
「仕方ない。この船の最期でも見届けるか。肝心要は好奇心なのさ」
「ナッチも丸焼きになる。さらなる探求心をおざなりにしないよ」
悩んでたのが嘘みたいに穏やかなマッツーとナッチ。ゴッチンは目を伏せた。
「手下は私を見捨てて逃げた。私は2人を見捨てない」
「明日が来りゃまた新たな出会いもあるって」
「明日は来ないってだって本能が叫んでる」
「ううん、私達は楽しい仲間。恋愛戦隊だもん」
その言葉がキィワード。輝き取り戻す3人の瞳。もう一度やり直したい。
次の瞬間、衝撃と熱と光がクイーンナカジェリーヌを包んだ。
「凄いね」
遥か上空でナッチ。頷くゴッチン。
吹き飛ばされた3人はゴッチンのスカートをパラシュートに降りて来る。
「見て」
マッツーの指差す先、水平線から希望の朝日が顔を出していた。
- 3 名前:27 投稿日:2004/09/29(水) 12:49
- 終
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