11 ウェディングベル
- 1 名前:ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:50
- 11 ウェディングベル
- 2 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:51
- 「ええーー 結婚式!!」
田中れいなの叫び声が部屋に響き渡る
「そうですよー!! なんで知らないんですか?!」
独特の甘い声でれいなに応えるのは嗣永桃子
だが、声とは裏腹に口調は真剣そのものである
「ぶっ壊す!!」
そう言うと立ちあがるれいな
この時、嗣永の口元がかすかに微笑んだのを気づくものはいなかった。
「こっちです」
駆け出す嗣永の後を追い、部屋を飛び出すれいな
- 3 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:52
- 廊下を走る
れいなは、石川梨華を愛していた。
テレビで見ていた頃から、ずっと好きだった。
石川の出演する番組は全部録画した、なけなしの小遣いを貯めて写真集も買った、
もちろんカントリー娘の振り付けも覚えた。
- 4 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:52
- 角を曲がると、小川が声をかけてくるが、構っている暇はない
石川に会うために受けた 小学校6年生の時の追加メンバーオーディション
予選を抜群の歌唱力で勝ち進むも、年齢制限で決勝目前に落とされてしまった。
あと1学年上だったなら...この時ほど悔しい思いをした事はなかった。
- 5 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:53
- さらに走ると、今度は新垣がいたが構う事なく走りつづける
そして1年以上たってようやくやってきた追加メンバーオーディション
発表のあったその日に応募した。
予選の相手は、この日のために歌唱力に磨きをかけていたれいなの敵ではなかった。
ベスト10に残る事ができたが国民投票の結果、れいなは下位の方だった。
- 6 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:53
- 扉を開き、矢口の横をすり抜ける
「ちょ、何する気なのさ!?」
その言葉も後方に掻き消えて行く
これまでかと思ったが、なぜか下位の自分を含めて3人が決勝に選ばれた
一人は、同い年
ルックスは良いが致命的な歌唱力の持ち主の彼女、そんな彼女も国民投票は下位であった。
しかしデビュー後に歌唱力があがった紺野の例もある、それだけで不採用となるとは断定できない
もう一人は、とてもそうは見えなかったが1つ年上
ベスト10に入っていなかったのが、不思議でならないルックスの持ち主
それでいてある程度歌えて さらにダンスが得意と言う彼女に
れいなは<シード選手>という言葉を思い出さずにはいられなかった
3人の中で合格するのは、このコなのでは?という恐怖に似た感覚すらあった
- 7 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:53
- 「ウチの先を越しおって...」
独り言を呟く中澤の横も走り抜ける
結局、全員合格する事ができた。
いまだに亀井との間に距離を感じているのは、この時の恐怖感に他ならない
距離を置いているのは実は亀井の方であったのだが、この時のれいなはそれを知るよしもなかった。
- 8 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:54
- 「あと少し..」
横を走る小さなライバルが苦しそうに言う。
公然と梨華のファンであると言い「ハッピー」をやる彼女をうらやましく思う時もある。
れいなは、愛するが故にどうしても石川と距離を置いてしまう。
今まで互いに邪魔しあった仲ではあるが、今は共通の目的を持つかけがえのない、そして唯一の味方である。
石川の結婚式を邪魔するという共通の目的
- 9 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:54
- 「私もうダメ..後はお願い」
息を切らし力なくそう言うライバルの声を後ろにして、れいなはたどり着いた
髪が長く背の高いタキシードを着た見覚えのある後ろ姿の新郎と
ウェディングドレスを着た花嫁は、れいなから見て後ろを向いている。
うさんくさい神父の顔だけを見る事ができる
「汝病める時も健やかなる時も...」
おきまりの神父の言葉を合図に結婚式がはじまる
今まで言えなかった思いをここで言わなければ..
その思いが疲れきったれいなに最後の力を与える
テレビカメラがまわっていようと構うものか
花嫁に駆け寄り、肩に手をかけこちらを向かせると同時に抱きしめる
「ずっと好きやったと れいなじゃない人と結婚式なんてあげんで欲しい!!」
- 10 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:55
- 「...ホントに?」
聞き覚えのある、それでいて予想していた人物の声とは違うその声に慌てて体を離す
「ちょっとれいな、リハだからって邪魔しないでよね」
「まーまーカオリ 例えハロモニでも好きなコに結婚式なんてやって欲しくないんだって」
新郎役の飯田が不満を漏らし、それを神父役の後藤がなだめる
「嬉しい、私も大好きだよ」
まだ事態を飲み込めていないれいなを抱きしめる れいなより1つ年上の花嫁役の少女
- 11 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:55
- 「これでまた一人、次は最大の難関 柴田あゆみか...」
- 12 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:56
- ノノ*^ー^)
- 13 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:56
- ノノ*^ー^)
- 14 名前:11 ウェディングベル 投稿日:2004/09/26(日) 00:57
- ノノ*^ー^)
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