2 パートナー

1 名前:2 パートナー 投稿日:2004/09/25(土) 02:54
2 パートナー
2 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:54

「リーラーの辻希美と」

「サブリーダーの加護亜依です。」


「「二人合わせて、W(ダブルユー)でーす。」」


あー、しんど。
毎回毎回おんなじセリフで、決めのポーズもワンパターンや。
まだ結成して1年も経ってへんのに、もう飽きてもうた。

大体、ののがリーダーっちゅうのも気に入らへん。
人気、実力、知能指数、どれを取ってもウチのほうが数段上や。
唯一負けてる事と言えば、……運動神経やな。
あっ、あと体重か。…そうそう髪の毛も……って、一杯有るがな。

そ、そんな事はどーでもエエねん。
ウチが言いたいのは、天下のあいぼん様が何でこんな舌っ足らずと
コンビ組まなアカンねんっちゅう事や。
ソロでやらせんかい、ソロで。

チェッカーズで言うたら、ウチがフミヤで、ののはヒゲのオッサンや。
20年後もトップシンガーとして君臨してるウチをひがんで、癌のくせに暴露本とか出版するに決まっとんねん。
中澤さんの葬式行っても別々に記者会見開いて、【確執の溝、埋まらず】とか
スポーツ紙やワイドショーを騒がすのも目に見えとるがな。

だから、こんなコンビは最初から反対やったんや。
全く、つんくのアホも見る目が無いわい。
3 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:55

そんな時やった。

『好きな人が、優しかった。ピース♪。』

不意に携帯電話が鳴り響いた。
ウチの携帯は誰からの電話なのかすぐ解るように、一人一人違った着メロを設定してる。
このメロディーは梨華ちゃんやな。
しかも、『好きな人が』の『が』の部分を半音外す、石川梨華完全コピー仕様や。

しかし、コイツもうっとーしい奴やのう。
もう、ウチはモーニングちゃうし、別に話す事も有らへん。
っちゅうか、こいつの話全然オモロないねん。
そろそろ縁を切っとかんとな……。


ピッ。

「あなたのお掛けになった電話番号は、現在使われて……」

『もしもーし、あいぼん?。チャーミー石川でーす。あのね、実は私、とっても悩んでるの。
 今日仕事終わったら、あいぼんの家へ相談に行くからさ、布団とハンカチ用意しといてね。グッチャー。』

ツー、ツー、ツー。
4 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:55

なんやねん、アイツ。
空気読めんにも程が有るでえ。

っちゅうか、家来るんか?。泊まるんか?。一晩中、泣き明かす気か?。
……アカン。目眩してきた。


「あれ?。あいぼん、ろうしたれすか?。顔色が悪いれすよ?。」

「ん?。ああ、ちょっと今晩な、家にタチの悪い黒魔術師がおしかけて来んねん。
相手すんの面倒やから、その辺のホテルに非難しよう思てな。」

「ふーん。それは大変れすねえ。テヘテヘ。」


ウチの気苦労も知らんと、ののはニヤニヤ笑うとる。

まあエエ。
こんな馬鹿放っといて、ウチは自分の事だけ考えよう。

「ほいじゃ、お先な。」

ウチは得意のあいぼんスマイルで微笑むと、急いでホテルへと向かった。
心の中で、【TRUE LOVE】を口ずさみながら……。
5 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:55

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右手にウィスキーボンボン。
左手に煙草チョコレート。

「フッ。東京の夜景は最高やな。」

思わずそんな独り言をつぶやく程、ホテルにはリラックスムードが漂っていた。

ここに泊まって正解やったわ。
家に帰ってたら、今頃は石川梨華の24時間耐久激つまらんトークで
ヘロヘロになってるトコや。

うざい便所虫から身を守るには、便所虫のおらん世界に住めばええ。
我ながら名案や。
ゴキブリホイホイとかバルサンとかの社長も、目からウロコ落ちまくりやでえ。

それにしても、30階立ての長高層ホテルからの眺めは、ホンマ絶景やな。
遠くに揺れるネオンが、まるで……まるで、遠くに揺れるネオンみたいや。
……スマン、思い付かへんかった。

ウチ、そんなに言葉のキャパシティー広くないねん。
おでこは広いけどな。ブハハハハッ!!。
6 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:56

「……ねえ、あいぼん?。……さっきから何ブツブツ言ってるのよ。」

「いや、関西人特有のノリとツッコミで一人あいぼん劇場を……って、梨華ちゃんッ!!。
 梨華ちゃんやがなッ!!。何でここにおんねんッ!!?。」

「ののが教えてくれたのよ。びっくりしたわ。あいぼんの家行ったら、ののが出て来んだもん。
 一瞬、ダイエットに成功したのかって拍手しちゃったよ♪。」

くっそう。あの鼻デカ女め。
何の権利が有ってウチのリラックスタイムをぶち壊し……って、ちょい待て。

「あのアホ、ウチの家でナニしとんねん?。留守番なんて頼んだ覚えないけど……。」

「黒魔術師さんに会うって言ってたわ。メガフレアの呪文を教えてもらうんだって。
 チャーミーも黒魔術師さんって1度会ってみたかったからさあ、しばらく一緒に待ってたんだけど
 誰も来ないのよねえ。……で、しょうがないから、泣く泣くこっち来ちゃった。
 もーお、水くさいぞ。『お客さんが来るから場所を変える』って、どうして連絡くれなかったのよー。」

……アカン。さっきよりも、目眩してきた。

ウチは時々思う。
モーニング娘のオーディションに、一般教養の試験を入れるべきやったと……。
7 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:56

「で、悩みってなんや。」

ウチは覚悟を決めた。
どうせ、くだらん話やし真剣に聞くだけ無駄や。
適当に聞いて適当にアドバイスして、さっさと追い出す作戦や。

「うん。実はね、私の新しいユニットの事なの。美勇伝って3人組。」

「おう、見た見たテレビで。なかなかビジュアル的に笑える絵面やったわ。」

「でしょ?。ぶっちゃけて言うとさ。あの二人、……あんま可愛くないのよね。
 もっとハッキリ言うと、あの面子じゃ売れる自信が無いのよ。全く。
 ユニット組むのはOKなの。メインに私を置いて、脇を誰かで固めるってのも有りなの。
 ただ、人選が……。」

まあ、確かに一理有る。
ウチもののに足を引っ張られて、毎日が筋肉痛や。
その気持ち、痛い程解かるでえ。

けど、一体誰と組みたい………ん?。……人選?。
8 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:56

「ま、まさか、梨華ちゃん。……ね、念の為、聞いとくけども……ウチと組みたいなんて、…言わへんよなあ。」

「プププッ。何寝ぼけてんの?。そんな可哀想な事しないわよ。
 だって私と組んだら、あいぼんはサブに廻っちゃうのよ?。
 私のオーラに、存在感消されまくりよ?。そんなの嫌でしょ?。ウフフッ。」

ムカつく。
ムカつくけど、…ホッとしたわ。

「私が言いたいのはね、つんくさんの考えが間違ってるって事なのよ。
 なんで訳の解かんない新人の女達と組まされるわけ?。
 今の時代、女一人と男二人が流行りでしょ?。
 女の子のボーカルと、コミックバンド出身のリーダーと、若くてイケメンのギタリスト。
 これが今のトレンディーって、どうして気付かないんだろ。……プンプン!!。」

いや、確かにつんくさんも間違うてるけど、あんたの理由もかなり間違うてるでえ。
っちゅうかソレ、ホンマ成功する自信有んのか?。
市○さんの失敗を繰り返すだけやがな。
9 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:56

「あーあ、どうにか成らないかなあ。
 あの二人、彼氏でも作って引退しちゃえばいいのに……。」

「!?。……そ、それやッ!!。それやがなッ!!。」

梨華ちゃんの一言で、ウチの頭の中に素晴らしい作戦が浮かんだんや。
それはウチにも梨華ちゃんにも、お互いの利益になる一石十鳥ぐらいの名案やった。

「オウッ、梨華ちゃん。梨華ちゃんよ。その願い、あいぼん様が叶えたるわい。
 ウチにエエ考えが有んねん。ナンも言わんと、黙って力貸せい。
 目障りなハエ共を芸能界から追放したろやないか。
 名付けて、【目障りなハエ共を芸能界から追放したろやないか】作戦や。
 ……って、そのままやんけ。はよ、ツッコまんかいッ!!。ブハハハハッ!!。」

あまりの妙案に、ウチは既に天下を取った気分やった。

レコード大賞のステージで、トロフィー片手に一人熱唱する姿が目に浮かぶ。
納税者の長者番付で、1番上に加護亜衣の名前が……。

待っとれ浜崎。
歌姫の座は、もうすぐウチのモンや。
10 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

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ふわぁー、ねむ。

結局、昨夜は作戦の打ち合わせで一睡も出来へんかった。

けど、こんな心地エエ気だるさは久しぶりや。
いっつも叱られてた矢口さんへの仕返しに、徹夜で無言電話かけまくった時依頼やな。
……いや、飯田さん家に一晩中ピンポンダッシュ繰り返した時か?。
……待てよ。高橋んトコへオールナイト30連発で宅配ピザ頼んだのは、いつやったっけ?。

ま、まあ、そんな細かい事はどうでもエエねん。
とにかく、それほど有意義な徹夜やったっちゅう事や。

しかし、ケガの巧妙っちゅうやつやな。
避けるつもりの梨華ちゃんと会えたおかげで、この作戦が生まれたんやから。

それもこれも、みんなのののおかげや。
有る意味、最高のパートナーやでえ。

ホンマ良かったわ。あいつアホで。
11 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

ウチの作戦を聞かされた梨華ちゃんは、流石にビックリしとった。

それもその筈や。
この作戦のターゲットは、美勇伝の新人二人プラスののなんやから。
最初は、『そんな事したらののが可哀想じゃん』って涙目になっとった。

けど、ウチは何時間もかけて必死に説得したんや。
ウチにとっての、のの。
梨華ちゃんにとっての、二人。(スマン、名前知らんねん。)
お互いの邪魔者を、力を合わせて潰そうやないかと。

『芸能界は弱肉強食のジャングルや。
 ウチらは、そのジャングルを生き抜く獣なんや。
 鳥がエサである虫に対して可哀想なんて思うたら、食うて生かれへんで?』。

『………解った。……好き嫌いは体に良くないもんね。』

言葉の意味はチンプンカンプンやったけど、最後には梨華ちゃんも納得してくれたんや。
12 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

いよいよ、作戦決行の時がやってきた。

「おつかれさまでしたー。」

今日の仕事は夕方で終わり。
こっからは花のオフタイム。本日のメインイベントや。

後は上手いこと、ののを連れ出すだけやな。


「ねえ、あいぼん。今から、ろっか遊びに行きませんか?。」

……飛んで火にいる夏の虫とはこの事や。
コイツ、自分から死の扉を開きよった。
ウチは、はやる気持ちを抑えながら、偶然を装って誘いを掛けてみた。

「ちょうど今日、梨華ちゃん達とカラオケ行く予定やねん。
 ののも一緒に来るか?。」

「わーい。楽しそうなのれす。あややの歌、いっぱい歌うれす。テヘテヘ。」

第一段階成功や。

これから先にとんでもない悪夢が待ってる事も知らんと、ののは嬉しそうに帰り仕度を始めとる。
そんな、はしゃいどってエエんやろか?。
13 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

ガチャッ。
「お待たせや。」

「あっ、加、加護さんと辻さん。……は、始めまして。」

カラオケルームには、美勇伝の二人が緊張顔で座っとった。
ウチのアイドルとしての貫禄に、ビビりまくっとる感じや。

「はははっ。そんな、緊張せんでエエで。苦しゅうない、もっと近う寄らんかいコラ。
 おっし、そこで肩揉め、肩。…そうそう、そこや。うーーん、気持ちエエわ。
 まあ、とりあえず今日は楽しくやろうや。……年収、全然ちゃうけどな。
 同じハロプロの仲間やないか、遠慮すんなよ。……知名度は月とスッポンやけどな、ダハハッ!!。
 ……アレ?。それはそうと、梨華ちゃんどないしたん?。」

「はいっ。あ、あの、急用で少し遅れるらしいです。」

「……ほう。……そうでっか。」

段取り通りや。
梨華ちゃんも、やれば出来るんやな。
ウチの台本を完璧にこなしとるわ。
14 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

しかし、こいつらブッサイクやのう。

特に、こっちの若いほう。
あのガキさんとエエ勝負やで。

「おうッ、そこの若いの。……酒買うて来い。樽ごとな。
 今夜は無礼講や。騒いで騒いで騒ぎまくるでえ。
 ナニ?、金?。……そんなもん自腹じゃボケッ!!。」

「で、でも。……私達まだ未成年だし……。」

「ブハハッ。ナニぬかしとんねん。オマエいくつや?。…え?、17?。
 嘘つけアホ。どうせ、年齢ごまかしてんねやろ?。
 みんな、そうやねんて。ウチも去年、成人式行ったしな。
 ここだけの話、中澤さんなんて40超えてんねんで。昔やったら死んでる年や。
 大丈夫やて。誰にもチクったりせえへんから。……な?。エエな?。
 ヨシ。じゃあ、はよ行け。とっとと買うて来んかいコラッ!!。」

ウチの滅茶苦茶な命令に、若いのは渋々部屋を出て行った。
可愛いもんや。やっぱりまだ、右も左も解かっとらん新人なんやな。
こんな単純な嘘に引っ掛かるなんて。


「ビ、ビ、ビックリれす。あいぼんが、そんなにお姉さんらったなんて……。」

いや、こっちがビックリや。
オマエ、新人より引っ掛かっとるがな。
15 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:57

コンコン。
「ちわーーっす。」

ウチらの部屋に見知らぬ男達が登場したのは、それからしばらくしての事やった。

こいつらこそが、今回の作戦のキーポイント。
梨華ちゃんが用意した、集団合コンのお相手や。

「よーし、ほな合コンスタートや。張り切って行くでえーーー。」

「……エッ!!。ご、合コンなんて、聞いてねーのれす。」

ののも美勇伝の二人も、あまりの展開にキョトンとしとった。

「いや、黙っとってスマンかったのう。
 変なトコで情報漏れたらかなわんから、ギリギリまで隠しとったんや。
 ほら、ウチらってなかなか出会いのチャンスが無いやろ?。
 歌番組とかでジャニーズと目ぇ合わせただけで、2CHにバーーッて書き込みされて騒がれるやんか?。
 せやから、こんな機会を作って密かに愛をはぐくもう思てな。こういう場をセッティングしたんや。
 なーーんも心配せんと、レッツパーティーや。」
16 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:58

「「「「「「 カンパーーーイッ!! 」」」」」」

合コンは、ウチの予想以上に盛り上がった。
普段の厳しい生活によっぽど鬱憤が溜まってたのか、3人はテレビでも
見せた事ない程の笑顔をバンバン振り巻いとった。

「コラーーッ、そこのブサイクッ!!。酒が足りねーのれす。店ごと買い占めて来いれす。(ヒック)」

特にののの弾けっぷりはハンパや無かった。
おー、こわ。酒飲んだら、ウチよりガラ悪いやんけ。

部屋の中には若い男女。
テーブルの上に置かれた煙草と灰皿。
床に転がる、ビールの空き缶の山。

誰がどう見ても、未成年のアイドルには行き過ぎた行為や。

さて、そろそろやな。
部屋の外でカメラを持ってスタンバイしてる梨華ちゃんも待ちくたびれてる頃やろ。

この作戦の最終ミッションを始めるとするか。
17 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:58

「ほんなら、ウチ……恋のバカンス歌いまーす。」

ウチはカラオケの機械に、ゴーサインの合図である『恋のバカンス』の番号を入れ始めた。
この歌のイントロが聞こえたら、梨華ちゃんが部屋へ突入し合コン現場を写真に収める手筈や。

勿論、ウチはイントロが鳴る前に機材の裏へ身を隠し、写真には写らんようにする。
あとは、ソレを雑誌社にバラまけば。……フン。こいつらのアイドル生命もお終いや。

これが今回の作戦のクライマックスであり、最大のポイントやった。

一つ一つ、ゆっくりと確かめるように数字を押していく。
もうすぐや。もうすぐ、スーパーソロシンガーになれるんや。
興奮を抑えながら、震える指で最後のボタンを押そうとした、まさにその時やった。

ドンッ!!。
不意に後ろから物凄い馬鹿力が襲ってきた。
踏ん張りきれんかったウチは、そのままヨロヨロと倒れ込むように合コン相手の男にしがみつく。


「……イタイやろがッ!!。誰やねんコラッ!!。」

ウチを押した犯人を確かめようと、振り返った視線の先に見たもの……。

それは、ニヤニヤと笑みを浮かべたののやった。
しかも、ののが仁王立ちしてるその場所は、……ウチが隠れる筈の場所。
18 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:58

「……あいぼん、グッパイ。………梨華ちゃーーん、今れすよッ!!。(ササッ)」

バーンッ!!。
パシャ、パシャ、パシャ、パシャ………。

……えっ、な、なに?。
……ど、どういうこっちゃねん。

タイミングを無視して、突入してきた梨華ちゃん。
目の前にたかれる無数のフラッシュ。
しかも、レンズの矛先は……ウチ。


ウチはナニが起きてるのか理解出来ずに、ただ立ち尽くすだけやった。
19 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:58

「ふーう、バッチリだわ。いい写真取れたわよ。」

「わーい、やったれす梨華ちゃん。作戦成功れす。」

梨華ちゃんとののは、ハイタッチしながら大喜びしとる。

どうやら、あの二人はグルやったらしい。
ウチ、ハメられたんや。

「……のの。……オマエ。」

「ふん。あいぼんの考えなんてお見通しれす。らから、そっちの作戦を逆に利用したんれすよ。テヘテヘ。
 勿論、お酒も飲んれませんよ。酔ったフリしてたらけれす。
 らって、ののはあいぼんと違って、未成年れすからね。エッヘン。」

こ、こいつ、鋭いんか鋭くないんか、よう解からん。


「……梨華ちゃん。一つだけ聞かせてくれ。……何でウチのこと、……騙したん?。」

「ごめんね。…私、……鳥、嫌いだからさ♪。」

そ、そんな理由かい。
その理由も間違うてるでえ。

ツッコミが言葉にならない程、全身を脱力感が包んどった。
20 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:59

───────────────────────────────

【ハロプロメンバー、裏の素顔】

翌週の週刊誌には、ウチらの写真がトップページを飾っとった。

密室で、煙草とビールと男と女。
どんな言い訳も効かへん程、完璧なシチュエーションや。

案の定、ウチと美勇伝の二人は速攻で事務所を解雇されてしもたんや。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

『リーラーの辻希美と』

『サブリーダーの石川梨華です。』


『『二人合わせて、VV(ブイブイユー)でーす。♪』』

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


テレビの芸能ニュースでは、また新たなユニット誕生の話題を取り上げとる。

ケッ、くそツマらんわい。

絶対、成功なんてさせへんぞ。
こーなったら、意地でも足引っ張ったるからな。

プチンッ。
ウチはテレビの電源を叩き切ると、おもむろにペンを握りしめた。

そう、暴露本を出版する為にな。
21 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:59
22 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 02:59
23 名前: 投稿日:2004/09/25(土) 03:00

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