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44　非日常

1 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時34分43秒

44 非日常

2 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時35分39秒

「じゃあ夜が来たら紺野を攫いに行くよ」

3 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時36分17秒

彼女がそう言ったのは三日前の事でした。
少しかっこつけたような風で私の前に立っていました。
考えてみれば何故いきなり私にそんな事を言ったのかわかりません。
そう言ってニヤリと笑うと私の前から姿を消しました。

見ての通り私は攫われてはいません。
むしろいなくなったのは彼女の方で仕事にも出てきてません。
マネージャーさんやメンバーのみんなも心配して探しています。

三日前の夜、私は攫われるのを待っていました。
楽しい事、おもしろい事が好きで好奇心旺盛な彼女の事だから
きっと何かおもしろい事をしでかしてくれるのだろうと期待していました。
けれども待っても彼女は現れませんでした。

4 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時36分53秒

どこへ行ってしまったのでしょう？
自宅に行っても、携帯に電話を掛けても繋がりません。
事件か事故か、私は独自に彼女を探す事にしました。

お気に入りのお店とかに聞き込みに行きましたが手がかりはありませんでした。
考えてみたら私は彼女の事をあまりよく知りませんでした。
なので彼女を良く知る方に聞いてみる事にしました。

「松浦さん」
「何？」

彼女とは仲がいいはずなのに全く心配してる素振りは見せずに私の問いに返事をしました。
もちろん彼女が行方不明なのを知っているはずなのに。
振り向いた時の顔は表情もなく、冷たい感じでした。

「藤本さん、どこに行ったか知りませんか？」

私が訪ねると少し笑いながら言いました。

5 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時37分27秒

「ちょっとしたゲームだったんだよ？メロン記念日さんや他のハロプロメンバーとトランプをしたのね。
　そしたらたんが負けちゃって。それで罰ゲームに誰かを口説く事って決まっちゃって。
　口説くセリフがわかんないとかはしゃいじゃってバカみたい」

松浦さんの言ってる事が私には理解できませんでした。
でも松浦さんはそんな私を尻目に話を続けます。

「たんはね、あたし以外の子をくどいちゃだめなんだよ。
　だからお仕置きとしてあたしの家に閉じ込めてるの。
　最初は笑ってたのに今では青い顔して泣いてるんだよ？
　その姿がたまらなくかわいいの」

私の足は凍ったように動かなくなりましたが顔は松浦さんと同じで笑っていました。
ここは笑っておかないと危ないんだと思いました。

「じゃあ、あたし仕事あるからバイバイ」

歩いていく足はぴたりと止まり振り向くことなくその声は私の耳に聞こえました。

6 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時38分02秒

────紺ちゃん、たんに口説かれて嬉しかった？────

7 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時38分47秒

松浦さんの姿が見えなくなった後、ようやく足が動きました。
早歩きで事務所に戻ると慌しい動きは変わっていませんでした。
私の姿に気がついたまこっちゃんが心配そうな顔をして隣にやってきました。

「…一体どこいっちゃったんだろーねぇ、藤本さん…」
「……ほんと、どこ行ったんだろうね」

私は何も知りません。
でも攫われるかもしれません。







私が攫われたとしたらそれはきっと────。

8 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時39分15秒

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9 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時39分36秒

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10 名前：44 非日常 投稿日：2003年09月21日(日)22時39分57秒

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