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31 「もしもし、高橋愛です。」
- 1 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時50分36秒
- 31 「もしもし、高橋愛です。」
- 2 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時51分06秒
- 私の横に転がる男の顔は、ぐちゃぐちゃに潰されて無残になっていた。
死体の上に座った私は、男の持っていたタバコに火をつけ、灰は大きく開いた男の口の中に落とす。
何もかも終わった気分に浸りながら、とにかく次に何をするかだけを考えていた。
こうして恐ろしく冷静になれる自分が、なんだか可笑しかった。
とりあえず今する事が一つだけある。
それは、紺野あさ美を殺す事。
あの日、私は帰りのタクシーで睡眠スプレーをかけられて、あの男に誘拐された。
裸にされて監禁され、犯されそうになったのだが、その場を巧く切りぬけて男を殺した。
自分の誕生日の日に、人を殺した。後悔はなかった。
そしてその直後に、紺野あさ美が裏でそれを操っていた事を知ったのだ。
もう、家に帰るとか、誰かに助けを求めるとかそういうのは考えない。
考えないんじゃなくて、考えられない。
紺野を殺す事ができたら考えよう。それ以外は何もいらないから。
- 3 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時51分37秒
- 携帯電話を取り出して、着信履歴をディスプレイに映し出す。
当然のようにそこに、彼女の番号が入っていた。
正確には、誰か他の携帯なのだろうが、留守録が残されていたのでそれが彼女のものだとすぐに解る。
再生させると、それは確かに彼女の声で、こう流れた。
「こんばんわ。愛ちゃんは無事に攫えました?良かったですね。私も協力した甲斐があります。
そうそう、愛ちゃん意外としぶといですから気をつけてくださいね。それに、間違っても
手錠を外したりなんてしないで下さい。あなたきっと殺されますよ。そうしたら私も危ういですしね。
それじゃ、いつものようにこの留守録は消してください」
バカな女だ。あんなバカな男を使って私を攫って、挙句の果てに私に殺されると知らずに。
私は男の携帯から、紺野の番号にリダイヤルすると、当然のように繋がった留守録にメッセージを残した。
- 4 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時52分32秒
- 「もしもし、高橋愛です。あさ美ちゃん、元気?
昨日はこんな盛大なプレゼントくれてありがとうやよー。
だけど私、こんなんもらっても嬉しくないし、少しだけお裾分けするやよー。
…私を攫った罪は重いよ、……紺野」
私は息を思いきり吸いこむと、思い切り低い声を電波に乗せた。
- 5 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時53分07秒
「じゃあ夜が来たら紺野を攫いに行くよ」
───プツン。
- 6 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時53分49秒
- 高
- 7 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時54分19秒
- 橋
- 8 名前:名無し 投稿日:2003年09月16日(火)23時54分51秒
- 愛
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