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いねむり

1 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時45分14秒

「ごとー、部活やめる」

　部室の空気が凍りつく。

「なっなななななな何言ってんの？！ごっちん！」

　矢口はイスから立ち上がり、机を叩いた。

「そーやで師匠！何言ってんねん？！」

　加護はマンガを読みながら言っている。
　……う〜ん何て言うの？コイツ絶対驚いてねぇーよ。

「ポッキーうめーのれす」

「よっすぃ〜見て見て！梨華ね、お弁当作ってきたの！」

「お〜！梨華ちゃんかっけー！」

2 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時45分50秒

「おい、辻！アゴン！よっすぃー！黙れ！それに加護！
　お前、何だ！絶対どーでもいいとか思ってんだろ！
　………ごっちん、どうしたの？なんでやめるなんて言うの？」

「……………」

「ごっちん？（どーしたんだろ？俯いちゃって…
　言いたくない理由でもあるのかな……？）」

「ｚｚｚｚｚｚｚ」

「……こらぁぁぁぁぁっ！！寝んなぁぁぁぁぁっ！！」

　ドゴッ！

　矢口の右ストレートが後藤の顔面にヒット！

3 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時46分20秒

「……んぁっ？！あれ？ここどこ？…ん？ほっぺた痛い…」

「よっすぃ〜食べさせてあげるね！」

「わーい。梨華ちゃんかっけー」

「よっすぃー、何がかっけーんや」

「ののも欲しいれす」

「……お前ら教室帰れ」

「ｚｚｚｚｚｚｚ」

「いや、だから寝んなって」

4 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時46分52秒

「よっすぃ〜、あ〜ん」

「あ〜…」

　パクッ

「いただきなのれ……ゴホッゴホッ。ぐっ苦じいれす…」

「のの…ゆで卵丸飲みすんなや」

「だーかーらー！お前ら教室帰れぇぇぇぇぇぇぇっ！」

「あーもう！矢口さん、さっきからうるさいで？！」

「そーれす…ごほっ！…うるせーのれす…ぐへっ！」

「ｚｚｚｚｚｚｚ」

「なっ！こっちは大事な話を…」

「そんなん部室やのーてもできるやろ？」

「がはっ！…そーれす、そーれす…ぐふぉっ！」

5 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時47分56秒

「っていうか、お前らお菓子とか食うな！」

「それは矢口さんも同じじゃないんですかぁ？」

「そーやそーや！矢口さんも食うとるやんか！」

「うっ……その…あっ！ほら、矢口は部長だし！」

「矢口さん部長だったんっすか」

「何言ってんだよっすぃー！この部を作ったのは矢口だぞ？！」

「っちゅーか、このクラブが無くならんのが不思議やわ」

「んぁー、それはやぐっつぁんが裕ち…」

　矢口は後藤の口の中に酢昆布を詰め込んだ。

6 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時48分26秒

「ごっち〜ん、ほかの場所で話そうか。(コイツ…あの事
　知ってんのか？)」

「んんっんー(分かったー)」

　２人は部室から出ようとする。

「矢口さ〜ん、別にここで話してもええで〜」

「えっ…(ここにいるのは危険だ…)いいよ別に」

「遠慮しなくてもいいのれす」

「よっすぃ〜、あ〜ん」

「あ〜ん……ん〜！梨華ちゃんの作ったゆで卵おいし〜！」

「(酢昆布おいしー)」

7 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時49分00秒

「で？何やったん？あの中澤せんせーに」

「やっぱり、色仕掛けれすか〜？」

「なっ…うるせー！んなもんしてるわけ無いだろ！」

「ほらほら、言ぅてみぃ？楽になんでぇ？」

「カツどんいるれすか？あ、やっぱダメれす。ののが食うれす」

「もー！なんもやってないって！」

「…コイツ、絶対口割らん気やな…。よしっ！のの！
　中澤せんせーに直接聞くで！」

「あいあいさー！」

8 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時49分56秒

「あっ…ちょっ…！」

　２人は廊下を走って行く。

「梨華ちゃんもあ〜ん」

「あ〜ん」

「(…はぁ…まぁいっか。裕ちゃん今いないだろうし…)」

「やぐっつぁーん」

「ん？何さ、ごっちん」

「話って何？」

「何って…えっと…なんで部活やめちゃうのかなーって」

「えっ？ごとーそんな事言ったっけ？」

「はぁ？言ったっけって…(まてよ？もしかして、ごっちん
　やめるって言った事忘れてる…？)」

9 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時50分28秒

「やぐっつぁん？」

「…ん？あ、いや、言ってないよそんな事。うん。
　ごっちんが部活やめるなんて言うわけないじゃん」

「そうだっけ？なんかごとー言ったような気が…」

「気のせいだって！気のせ…」

「ごっちん忘れたの？言ってたじゃん、さっき。ねー梨華ちゃん」

「うん！やめるって言ってた」

「(コッコイツら…分かって言ってんのか？！人数ギリギリなのに
　ごっちんがやめたら絶対この部は廃部に……)」

「やっぱりー？言ったよねー」

「ごっちーんやめないでくれ〜…ごっちんがやめたら
　おいら…おいら…うわぁ〜ん」

10 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時50分58秒

「っつーかさぁ、なんでごっちんはやめたいの？部活」

「うわっ！よっすぃーひどっ！矢口の事は無視か？！」

「う〜ん…なんでって…」

「(くっ…キレイにシカトされた…。っていうかあれか？
　もうお前は石川オンリーなのか？むしろ巨乳オンリーですか？)」

「矢口さん！ポジティブです！ポジティブ！」

「黙れ。アゴン」

「あうっ！矢口さん…ひどい…しくしく」

「だぁー！もう！とにかく、なんでやめんの？！
　理由を言え！理由を！じゃないと退部はゆるさーんっ！！」

「……だってさぁ……」

11 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時51分33秒

「何さ？！」

「せっぱ！」

「うっさい！アゴン！っていうか何で『せっぱ』ってなんだよ！
　おいらは『そもさん』なんか言ってないぞ？！」

「え？言いませんでしたか？」

「言ってねーよ！」

「あたるかっけー」

「おい！よっすぃー！勝手においらの『うる星やつら』読むな！」

　ガラッ

12 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時52分24秒

「やっぱ、やってたんやな！矢口さん！」

「のの恥ずかしいのれす」

「え？！マジで聞いて来たの？！っていうか裕ちゃんいたの？！」

「当ったり前やん！ウチはやると決めたらやる女やで？」

「でも途中で石黒先生に会ったのはビビッたのれす」

「そーやなー、あれは死ぬかと思ぉたなぁ。
　でもウチらの敵やなかったな」

「え？何？どうしたの？のの」

「ののの口からはとてもじゃないけど言えないのれす」

「なんなの？あいぼん」

「梨華ちゃんには刺激が強いかもしれへんなぁ」

「なによ〜子ども扱いして〜」

13 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時52分52秒

「(もうアイツらはほっとこう…)で、ごっちん。
　理由聞かせてくれる？」

「…………だってさぁ、『牛乳コンプレックス部』とかさぁ
　……誰だってやめたくなるよ……」

｢｢｢｢やっぱり｣｣｣｣

「なっ？！やっぱりって、何だよ！分かってたのかよ！」

「だって…なぁ？こんな部に入る奴なんて大抵は
　学校終わったらすぐ家帰る奴らやで？」

「んあ〜。確かあとほかに７人いるはずだよね〜部員」

「この高校のダメな所は、絶対部活に入んないといけない所れす」

「おっお前ら、中学ん時は帰宅部だった奴らか？！」

｢｢｢｢｢うん｣｣｣｣｣

14 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時53分34秒

「うっ……じゃあ…な、なんでこの部に入部を…」

｢｢｢｢｢楽そーだったから｣｣｣｣｣

「うぅっ……」

「っちゅーか、なんで矢口さんはこの部活作ったん？」

「ののも思ったれす」

「そっそれはだなぁ、ぎゅっ牛乳にコンプレックスをもつ者達が
　ここに集まって…その…語り合おうじゃないかという…」

｢｢｢｢｢プッ｣｣｣｣｣

15 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時54分05秒

「(わっ…笑われた…矢口は真剣なのに…)」

「とにかく、ごとーはやめるから」

「うぅぅっ……」

「じゃ、帰るね〜バイバ〜イ」

　ガラッ　

「梨華ちゃん、あたしらも帰る？」

「うん！帰ろ！」

　ガラッ

16 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時54分30秒

「……なぁ、のの」

「なんれすか？」

「師匠…次は何の部活に入るんやろ」

「そんな事知らねーのれす」

「……帰るか」

「はいれす」

　ガラッ

「うぅぅっ……」

　ガラッ

17 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時55分03秒

「？……ごっちん？！」

「んあ〜。言い忘れてた。あのね〜圭ちゃんがね、
　『あたしもやめるわっ！』だって」

　ガラッ

「…………まじっすか」


　　〜おわり〜

18 名前：第９回短編バトル 投稿日：2002年09月23日(月)23時55分38秒

「んあーパズル部にでも入ろっかなー」

　………まじっすか。


　　〜まじでおわり〜