FAVORITE ONE2
- 1 名前:tsukise 投稿日:2014/01/06(月) 06:11
- 夢板で書かせて頂いておりましたが、
スレ数オーバーのため、こちらに続きを立てさせて頂きました。
よろしくお願いいたします。
前スレ『FAVORITE ONE』
ttp://m-seek.net/test/read.cgi/dream/1235205796/
- 2 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:15
-
「鈴木さんっ! お疲れ様ですっ」
「ありがとう」
ひらひらと手を振って、吹奏楽部の練習場所である音楽室を後にする。
それだけで、きゃーきゃー言ってくれる中等部の後輩のみんなを見ると、
すっごく可愛いなって、こっちまで笑顔になっちゃうな。
季節は巡って――― 高校3年の冬。
もう部活を引退した…というより、学院を卒業したんだけれど、
進路の決まっている私は、時々自分のクラの練習がてら音楽室に足を運ぶ。
たまたま今日は、中等部の吹奏楽部が指導を受けに来ていたみたいで、
高等部の後輩1、2年生へのアドバイスと一緒に、練習を見させてもらったっけ。
こうして自分が一番上の学年になって、初めて見える過去の自分。
なんて荒削りだったんだろうなって。
多分、清水先輩はもっともっと指導したかったんじゃないかな、とさえ思っちゃう。
でも、それをしなかったのは、自分で磨き上げなきゃ意味がなかったから。
特に…自由を求めすぎていた私は。
- 3 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:15
- 「鈴木さんっ」
「んー? あ、金澤ちゃん」
振り返れば、廊下の先からキラキラした目で私を追いかけてくる後輩・金澤ちゃん。
高等部からの編入組だったらしいけど、この吹奏楽部にとっては欠かせないぐらいのクラの戦力。
一緒に練習していた私だってびっくりするぐらいのテクニックを持っているんだよね。
そして、今の副部長さん。
「お疲れ様です。あ、それとおめでとうございます…!」
「えぇ?」
「パリ国立高等音楽院に留学、決まったんですよね?驚きました、この学校からの
第一号だって聞いて。しかも、鈴木さんだなんてって」
「ありがとう」
言われてテレてしまう。
みんなから祝福は受けたけれど、改めてこう言われると…むずがゆくて。
そう…私は、『あの日』から、クラリネット専攻で国際コンクールを目標に日々練習してきた。
血の滲むような努力、だなんて人は言うかもしれない。
でも、こうだと決めた道は曲げないプライドが少しずつ私を強くして…。
そして――― オーディションで合格した。
高校卒業と同時に、私は…フランスへと向かう。
半年後の入学になるけれど、しなければならないことは山ほどあるから。
- 4 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:16
- 「本当は市の吹奏楽団に入るのかな、とか思ってたんで…その演奏が見れなくて残念です」
「ごめんね…」
「いえ。でも、鈴木さんは他の先輩と違って…、何か大きな夢があるんだなって…
ずっと思ってたんで、不思議な事じゃないなって思いました」
「そっか…、そうだね」
その夢、金澤ちゃんが聞いたらもっと驚くかな?
音楽をしている私しか知らないもんね。
そう、ぜんぶ知っているのは…きっと親友だけ。
「いつか…日本で演奏される日が来るのを待ってます。あっ、でも、手紙とか送っても
いいですか?迷惑じゃなければなんですけど」
「うん、いいよ? またこっちから住所連絡するね」
「待ってます。あの、じゃあ…、お気をつけて…、頑張ってきてください」
「ありがと。金澤ちゃんも、部長の宮崎ちゃんと頑張ってね」
「はい、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて、名残惜しそうに振り返りながら音楽室へと戻っていく金澤ちゃん。
新しく副部長になって…、部長になった宮崎ちゃんをしっかり支えてあげてほしいな。
それだけの器量が、金澤ちゃんにはあると思うから。
それに…きっと、金澤ちゃんは、叩けば叩くほど伸びる。
だから…貪欲に、音楽の選り好みせず、高みを目指してほしいとさえ思ったっけ。
これからの吹奏楽部を支えていくのは…彼女たちだ。
- 5 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:16
- ・
・
・
そのまま校舎をあとにして、校門をくぐろうとしたとき。
不意に携帯が鳴った。
メールだ。
誰? と画面を確認して…ふっと笑みがこぼれる。
『愛理、明日何時に日本を発つの?見送り行くからメールして』
そっけない文章。
でも、人柄を知ってるからその裏の優しさに胸が温かくなる。
りーちゃんの優しさに。
忙しいだろうに…。
でも、りーちゃんは頑固で融通が利かないから…、ありがたく見送ってもらおう。
ポチポチと文章を打って、返信する。
待っていたのかな? すぐにりーちゃんからまたメールが届いて『わかった』の一言。
もう…しょうがないなぁ、この親友は。自分も忙しいだろうに。
そう。
りーちゃんは、目まぐるしい日々を送っている。
松浦さんの事務所の歌手として。
- 6 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:17
- はじめ、信じられなかった。
「松浦亜弥の事務所に入って歌をする」なんて言ってきた時は。
だってりーちゃんだよ?
クラシック一筋だった、あの、洗練されたソリストのりーちゃんがだよ?
きっとファゴットをずっと続けていくんだって思ってたから、それは驚いた。
でも…なんとなく、そんな節は少しあったから…。
初めてカラオケに行ったあの時から…少しずつ、少しずつ。
私が知らないうちに、色んな歌手の歌を覚えていたり。
みやが「梨沙子が毎日カラオケに付き合わせてきて、かなわない」とかボヤいてもいたし。
そしてなにより…後藤さんに色々相談している姿をみたりしていたから…。
私が進路を決めたって言った時に打ち明けてくれたけど…。
あの時の驚きったら、あぁ、でも、りーちゃんも同じぐらい驚いていたっけな。
「日本じゃダメだったの?」とか「ひとりでやっていけるの?」とか「無理じゃない?」とか
散々言ってきて…それでも曲がらない私に諦めと寂しさの溜息をついてたね。
でも、それは私もだったんだよ?
芸能人って、後藤さんしか見てないからよくはわからないけれど
一気にりーちゃんが遠い人になってしまったような気持ちになって…。
カラオケで歌うだけじゃダメなの? どうして芸能人になるの? って
そんなことばっかり言った気がする。
それでも、りーちゃんの意志も私と同じくらい固くって…。
最後は「お互い様だね」って、笑ったっけ。
- 7 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:17
- パタン、と、携帯を閉じると、ふぅと溜息をひとつついてマフラーに鼻先をうずめる。
いろいろあったなぁ…って、感慨深いものを感じながら。
ここにくるまで…本当に色々あって、ありすぎて…。
目標を見失いそうにもなった。
でも…頑張った…頑張り切った。
まだ、夢の途中だけど…それでも、大きな一歩を踏み出してるって思ってる。
……私より先に、自由を手に入れて飛び立ってしまった舞美ちゃんに向かって。
何度も挫折しそうになったけれど、そのたびに気持ちを奮い立たせて頑張った。
そういえば…時々フランスヘ遊びに行った後藤さんが、
戻って来るたびに私に連絡をくれて…喫茶メロンで舞美ちゃんの事を教えてくれて。
それだけで、弱った心が癒されていくみたいだったっけ。
サヴィニー・レ・ボーヌという場所に暮らす舞美ちゃんは、
ご近所さんから、その持前の明るさと性格で、それはそれは愛されているらしくて。
10月から11月の朝早くから夕方まで、ブドウの収穫を手伝ったりしてるんだ、とか。
日曜にはマルシェで買い物をして、朝からローストチキンを頬張ってたりして驚いた、とか。
舞美ちゃんらしいな。
どこでも変わらない、誰と会っても変わらないそんなところとか。
きっと、あの目が無くなってしまうような笑顔で、色んなことをしてるんだ。
私の大好きな、おひさまみたいにあったかい人柄で、人を惹きつけて。
- 8 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:18
- 気になったのは…、いつも後藤さんは話の最後、私に訊いていたこと。
ふんわりとコーヒーの香りを纏いながら…、「矢島ちゃんのこと…まだ、好き?」なんて。
不思議に色を変える眼差しで…。
私にお姉さんがいたら、きっとこんな感じかも。
そんな後藤さんに返す答えなんて…、もちろん1つ。
「大好きです」
でも、おかしいんだ。
後藤さんは、その一言に満足したみたいに目を細めて笑って、
ただ「頑張ってね、バイバイ」と言っていつも、別れる。
もしかして舞美ちゃんも?って思うけど…、
それはないかな…と、後藤さんを見送ってから、気持ちを萎ませたんだよね。
だって、あれからずいぶん月日が経った。
4年…、その時間の流れが、早いか遅いか…。
身体のカタチも考え方も、気持ちの在り方だって、ずいぶん変わったんだし…
きっと…昔のままの私じゃない。
ただ一ついえるのは、私は十分すぎるぐらい現実を知って、打ちのめされて、
それでも、決意を曲げず、前を向くのをやめなかったってこと。
じゃなきゃ、過去の自分に顔向けできないって分かってたから。
それに、幼い決断だったけど、夢を抱いた舞美ちゃんを見送ったことも否定したくない。
そして…その背を追いかけ続けることも、無駄じゃないって信じていたから。
- 9 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:18
-
「はぁ…」
冷たい空気に頬を痛ませながら、空をそっと見上げる。
突き抜ける青空は、いつだって…舞美ちゃんを思い出させて…胸が締め付けられるね。
ねぇ、舞美ちゃん?
今、あなたは何をその目に見つめている?
私でない誰かと…ぬくもりを共有していたりするのかな?
あ、なんだかそれ、すごく凹む。
でも…仕方ない。
それは舞美ちゃんの人生だから。
でも、もし…ほんの少しでも、私の事を覚えていてくれてるなら…。
想ってくれているなら…―――。
- 10 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:19
-
・
・
・
- 11 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:19
- 空の玄関口、とはよく言ったもので。
国際線のターミナルともなると、溢れかえるような人の波に眩暈がしてしまいそう。
そんな中、大きな荷物をカウンターに預け…手荷物一つを持って、背伸び一つ。
それから。
「行ってきます」
「うん」
空港でりーちゃんの見送りを受けながら、私はゲートをくぐろうとしていた。
家族との別れは自宅で手短かに済ませた。
今まで自由にさせてくれていたし、あちこち国際コンクールの度に海外を飛び回っていたから
こういう別れにも慣れたもので、空港まで送り届けてくれるだけだったっけ。
でも、それだけでも、すごく感謝してるんだよ?
ここまで私が音楽を追いかけるのには、大きな負担もあっただろうし…。
それでも応援してくれた。
だから…これからも後ろは見ない。
それが多分恩返しになるから。
でも、この親友は。
- 12 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:20
-
「心が折れたら帰っておいで」
「またそーゆーこというー」
「だって」
くすくす笑いながらパールゴールドに輝く髪を揺らしてくる。
卒業して一気に垢抜けたりーちゃんは、松浦さんの元で着実に歌手としての実力をつけて
今はもう後藤さんと同じぐらいの存在感。
メディアにも結構出てるから、今もちょこちょこりーちゃんを見つめる周囲の視線が痛い、かな。
それでも、臆することなく、こうしてどんな時でも私の元に来てくれて、本当に感謝してる。
人ごみ、苦手なのに。
『――― ○○時○○分、成田発、シャルルドゴール行き ○○便 機内へとご案内いたします』
出発を告げる知らせがアナウンスと同時に電光掲示板に浮かぶと、ふっと寂しさがこみ上げる。
しばらくは、日本の地に降り立つことはない。
りーちゃんとも、簡単に連絡もとれなくなる。
ただ、ひたすら自分の道を突き進む。
音楽を…クラリネットを極めるために最高の環境ともいえる場所で。
信じた道を。
信じた未来を掴みに行く。
- 13 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:20
- 「ねぇ」
「うん?」
「連絡、取ってないの?」
誰と?なんてとぼけても無理だよね。
いつも身近で私のことを見ていたんだもん。
それこそ、頑ななまでに音楽に打ち込んで…誰も見ないようにしていた姿も。
雲一つない青空を、ぼんやり見つめていた姿なんか見られてたら、誤魔化しようもない。
だから…困ったみたいに、小さく笑いながら答える。
「…うん」
「あの日から?」
「……うん」
一瞬目を大きく開いて驚くりーちゃん。
でも、それから少し目を細めて…ためらいがちに小首をかしげるようにして
「あのさ」と、言葉を繋いできた。
「あたしには、愛理みたいなことはできない。通じ合った人なら尚更そばにいてほしいって
そう思うから。でも、愛理みたいな恋の形は……強いものだと思う。」
「強い…?」
「うん…だから…」
そこで言い淀むりーちゃん。
ちょっとした自分の中で、迷いがあるみたいに。
言おうかどうしようか…小さな葛藤があるみたいに。
- 14 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:21
- なぁに?言って?
そんなのらしくないし。
そういうように瞬きを一つして見せれば、
ふぅ、と一度大きく息をついて口を開いたんだ。
「たとえさ、何かに引き裂かれたとしても…なんか、二人ならまた惹き合える気がする
そういう…周りも巻き込む力を…感じてたし」
「え…?」
「こんな言葉は使いたくないけど、それが…必然だとしたら、絶対に」
りーちゃんから、そんな言葉を聞くなんて。
非現実的なことには否定的で、ちゃんと確信を持てないことは口にしたりしないのに。
変な期待を相手に持たせたりしない。
裏切られたときの辛さを知っているから。
まさに不言実行、それがりーちゃんなのに。
でも、そんなりーちゃんだから。
その言葉は、慰めなんかじゃないって。
心から思ったことだからって信じることができて。
「ありがとう」
素直に感謝を口にできた。
そして―――素直に…涙がでた。
- 15 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:21
- 「泣き虫愛理」
「だって…」
しょうがないって笑いながらハンカチで頬を拭ってくるりーちゃんに、
それでも、正直な涙はどんどんあふれていく。
4年前の夏にかかったあの日々…。
たった一季しか舞美ちゃんと一緒にいなかった…いられなかった。
でも、たった一季なのに…、たくさんの、本当にたくさんの想いがつもっていって。
心がその容量に耐えられなくなって、ついには溢れ出した。
止める方法がわからなくて、色んな人を困らせたと思う。傷つけたと思う。
私も…舞美ちゃんも…いっぱい傷ついた。
でも、止めなくて良かったんだ。
その想いの方向さえ見失わなければ。
受け止めてくれる人を、見失わなければ。
その人は…舞美ちゃんはちゃんと受け止めてくれていた。
ぜんぶ。本当に私の全部を。
- 16 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:22
- 受け止めることができなかったのは、―――私だった。
彼女の想いを大切にするつもりで、それ以上に私を大切にしていた。
自分を大切にしてしまった。
最後の最後で―― 舞美ちゃんを見送った。
それが最良なんだって…、今思えば…言い訳をして。
でも、今度は…。
ううん、今度こそ。
もし、そのわずかな希望が残っているのなら…。
「幸運を祈ってる」
「うん…行ってきます」
ぎゅっと強く私を抱きしめてくれるりーちゃんの温もりに一度身体を預けて…、
――― 私はゲートをくぐったんだ。
新しい、私の道へと。
舞美ちゃんが歩いている…道へと。
- 17 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:22
- ・
・
・
機内に入り、携帯の電源を落とそうと思ったその時。
突然メールの着信音が鳴って、わたわたと驚く。
それから、画面を見て…もっと驚いた。
だって…差出人が後藤さんで。
添付ファイルで簡単な地図と、『ここで待つ』という一文だけが書かれていたから。
どういうことだろう?
ここで待つって…添付を開こうとして、離陸アナウンスが流れ、仕方なく電源を落としたっけ。
とにかく…何か用事があるんだろう…。
見た感じ、フランスの地図っぽかった。
フランスに仕事なのかな…?
疑問はぐるぐるしていたけれど、考えれば考えるほど…眠気が襲ってて…。
日本を発つころには、私の瞼は固く閉じていたっけ。
- 18 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:22
-
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・
・
- 19 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:23
- フランス・首都パリ。
花の都、とも言われるけれど、今の季節は風さえも身を切るみたいで冷たく。
降り立った瞬間に、身震いをしてしまったっけ。
そのままタクシーを拾うと、すぐに音楽院の寮へと荷物を置く。
これからの私のすべてを捧げる場所に。
大抵ルームシェアするものだけれど、たまたま1室空いていて。
一人で使うには十分な広さに驚いたっけ。
さすが音楽院。
その道だけを目指す人たちの学校。
足を踏み入れる前から、ずっと音楽がどこかしらで聞こえてる。
人によってはプレッシャーかもしれない。
でも、そんなプレッシャーは、私はもう日本に置いてきた。
自分の音楽を高めていくだけだって、分かっているから。
足りないものもまだまだたくさんあるだろうけど、それは貪欲に吸収して…、
高みを目指す、ただそれだけ。
軽く同じ専攻をしている人と会話をして、雰囲気を楽しむけれど…早々に別れる。
本当だったら、色んなところを一緒に見て回ったりとかしたらいいんだろうけど、
後藤さんの連絡が気になって。
だって、こんな遠くの地で約束なんて…。
日本でいつものようにするものとは、全然違う。
ましてや、こんな急がせるみたいに…。
今日でなきゃいけないとでも言うみたいに…。
後藤さんの都合を考えれば仕方のないことかもしれないけれど。
- 20 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:23
- 「とりあえず、行ってみないと」
そんなに地理は詳しくないけれど、地図のリヨンへと向かう。
このパリからなら、二時間ばかり…。
うん、なんとか…行けそう。
記された場所は…どこかのホールみたいなんだけれど…。
なんだろう?
- 21 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:24
-
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・
・
- 22 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:24
- 「鈴木ちゃん」
石畳の街並みにフランス語が飛び交う中、
キョロキョロしていた私の背に、この土地では珍しい日本語…。
ということは。
振り返って、やっぱり。
「後藤さん」
寒さに少し身を縮まらせた後藤さんが、にっこり笑って手をヒラヒラさせてきた。
あれ…?
「紺野さんは?」
「んあ? あー、今日はね、仕事じゃなくってね、プライベートだから」
「プライベート?」
「ま、そんなことはいいから。ほい、これー」
「えっ?」
言いながら手渡されたのは、一枚のチケット?
文字を読もうと視線を落とすけど、
「はいはい、この中だから入った入った」
「えっ? えっ?」
ばばばっと背中を押されて、目の前の大きな建物の中につんのめるように入った。
そしてまた驚く。
だって、受付に。
- 23 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:25
- 「およっ! あなた確か、矢島ちゃんと一緒にいた…」
「あ、安倍さん…!?」
そう、記憶の奥に残ってる。
舞美ちゃんとお父様の写真を見に行って、その受付をしていた…安倍さんだ。
向こうも驚いたみたいに、目をパチパチしてチケットを受け取ってる。
でも…、後ろでへらっと笑う後藤さんに、何かに気づいたみたいに…
あの幼い笑顔を、私に向けてきたんだ。
「いやー、おっきくなったねぇ。もう矢島ちゃんと同じくらいの身長じゃない?
それに綺麗になったねぇ…うわぁ…懐かしい」
「あ、ありがとうございます。あの、ここで何があるんですか?」
「えっ? いや、チケットに書いてあるっしょ。個展だよぉー、国際コンテストの
入賞作品を集めた」
「個展…?」
「ま、いーからいーから。中に進んで。でも今日来たのは正解!今日じゃなきゃダメだったよ?」
「は、はぁ…」
またぐいっと背を押されて、中に進んでいく。
わわっと思って後ろに振り返れば、目を細めて笑っている後藤さんと、
その後藤さんを褒めるかのように、くしゃくしゃっと頭を撫でている安倍さん。
なんだかよくわからないなぁ。
とにかく…入ろう。
- 24 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:25
- ・
・
・
カツンカツン、と。
大理石の床を、革のブーツを鳴らしながら歩き進んでいく。
暖かなホールだし、コートも脱いで腕にかけて。
目の前に広がっているのは…たくさんの写真。
一枚一枚覗いて…。
というか…一枚目を見た瞬間に…――― 心が震えた。
だって…このとらえ方…。
色使い…。
時の止め方。
洗練されて、すごく難しい技術とか取り込まれてるけど…。
そのずっとずっと根底にある…大切な何か。
その何かを…私は知ってる。
知りすぎるぐらい…知ってる。
そう、『撮りたいものを撮る。ただ何も考えずに』
瞬時に脳裏に浮かんだのは、blue。
あの潔いほどの、blue。
- 25 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:26
- あぁ…、そうだ…。
この写真は…ぜんぶ…大好きな…。
高鳴る胸を、きゅっと強く両手で押さえて、俯くように瞼を閉じる。
全部が…愛しくて…。
泣いてしまいそうで…。
ここは…この個展は…――― 舞美ちゃんの個展で…歴史なんだ。
私の…途絶えた記憶を埋めてくれる場所。
心を落ち着かせて…もう一度瞼を開く。
そして…、改めて一枚目を見上げる。
公園の風景写真だ。
でも、荒削りで、色もひどい…。
撮影時期を見て、フランスに来たばかりの頃だと思う。
私が金賞を取って間もなくの頃…、たぶん、舞美ちゃんはドン底にいた…。
撮りたい、だけでは認めてもらえなかった現実に当たったのかもしれない。
- 26 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:26
- 二枚目。
駅のホームの写真だ。
また…ドン底。ううん、迷走…してる。
色がたくさん拡散していて、一見すると見事。
でもそれだけ…。ううん、色が多い分…何も心が見えない。
何が撮りたいかもわからなくて、舞美ちゃん自身…いろんなものを見失っていたのかもしれない。
三枚目。
変化があった。
驚くぐらいの。
だって、突然の海に浮かぶ船のモノクロ写真。
海の写真なんて、逆に色があるほうが映えるはずなのに、全くの逆の発想。
でも、なんてインパクトある写真なんだろう?
縁の下に文字があって、国際コンテスト入賞作品って書かれていて。
認められた、写真だったんだ、これは。
初めて…こっちに来て…認められたものなのかもしれない。
- 27 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:27
- 四枚目。
――― 息が止まった。
目も釘づけになって、動けない。
だって…一面の空のblue。
モノクロの次だったからこそ、余計に心に迫った。
そして、それが意味するものは…舞美ちゃんの写真という確固たるカタチ。
だってほら…、縁の下の文字が…すべてを物語ってる。
『矢島舞美・国際コンテスト大賞受賞作品』って。
あぁ…舞美ちゃん…。
あなたはちゃんと自分の道を、ひたむきに歩いて…たどり着いた。
不器用なまでにまっすぐ歩いて…信念だけを胸に。
それを表すのが、空。
そのことが、また嬉しくて…胸が締め付けられる。
あぁ…。
でも、そっか。
もうお父様の影になんて怯える姿はないんだね。
それに…、私の助けも、いらないんだね…。
- 28 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:27
- 滲む視界に、苦しくなって逃げ出したくなる。
でも…見なきゃ。
舞美ちゃんの成長。
私の知らない、途絶えた歴史全部を。
重い足取りだけど、目の飛び込んでくる写真はそれでも胸を高鳴らせる。
次は? 次は?って、追いかけたくなる。
そうやって何枚も見つめて…――― 最後の写真の部屋へ。
なんだろう…ここだけ仕切られてて…、特別なんだってわかる。
それに、長い廊下を設けていて…まだ見えない。
ただ、壁に書かれていたのは『日本写真コンテスト大賞作品』の文字と…、
別れたあの年の年号。
そこで思い出す。
そういえば、私…舞美ちゃんの最後の写真を見ていない。
留学のきっかけとなった写真を。
どんな…ものだったんだろう。
気づけば、足は速くなって…。
- 29 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:28
-
―――― 広がった世界に…息を飲んだ。ううん、広がった写真に…目を奪われた。
「これ……」
瞬きもできない。
だって、壁ぜんぶにパネルとして引き伸ばされた、この写真…。
これは…。
――― 見事なグラデーションの空。
密やかな舞美ちゃんの寝息を、背に感じてたあの瞬間。
――― 街並みが甦るまでの、わずかな時間にしかなかった、空の表情。
今でも覚えてる。あのぬくもり、感触、…色。
――― 一迅の風の流れ。
肌に感じた灼熱を、爽快な空気で包み込んでくれてた。
――― 被写体が羽織った真っ白なシャツがはためいて、髪の一本一本まで躍動感あふれてる。
あの一瞬の風は、頬を撫でて…心まで舞い上がるみたいだった。
- 30 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:28
-
全体をもう一度見上げて…肺にたまった息を吐き出した。
目の前の写真は…、あの日…舞美ちゃんの世界に包まれた私が
空を見上げた瞬間のものだったんだ。
あぁ…、あの時、あの瞬間…確かにあなたの歴史に私は刻まれていたんだね。
ぼやけてきた視界で、パネル下の文字を見つけて…足の力が抜けていく。
だって…、この写真のタイトルが…英字と一緒に日本語が添えられてて…。
『――― FAVORITE ONE - 大好きなもの - ―――』
大好きな…もの。
なんで…そんな…。
もう…どうして舞美ちゃんは、そうやって…私の心全部を持っていくの?
だから…好きで…好きで好きで仕方なくなるのに。
こんなに、時は経ってしまったのに。
諦めることなんてできなくって。
未練がましく、ずっとずっと想って…想い続けて。
- 31 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:29
-
パリ国立高等音楽院への留学が決まった時…ほんの少しだけ期待してた。
舞美ちゃんに…もう一度逢えないかって。
だって私は。
いつだって戻りたくて。
舞美ちゃんの腕の中に。
いつだって…あの笑顔が欲しくって。
にこにこと、目が無くなってしまうぐらいのあの笑顔が。
指先で涙を拭って…、はぁ、と一度大きく溜息をつく。
ねぇ、舞美ちゃん。
愛理、こんなに大人になったよ?
愛理、自分で、自分の道を見つけたよ?
愛理…、ここまで…来たよ?
だから…―――。
- 32 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:29
-
「――― あいり」
- 33 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:30
-
あぁ…。
背中から胸を貫かれたような感覚に、瞼をぎゅっと強く閉じる。
それから…まだホールに響いてる声を…、記憶の声と一緒に重ねて思い出す。
こんな声だったっけ…。
もっと高いトーンだった気がする。
でも、そうだね…4年の月日が経ったんだもん…。
変わっていて当然。
私だってきっと…記憶の姿と違う。
背ばっかり伸びてヒョロヒョロだったあの頃と、全然違う。
すっと目を開いて…、覚悟を決めたように振り返る。
声の主へと。
- 34 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:30
-
「――― まいみ、ちゃん」
一瞬――― 高校の制服を着ていた舞美ちゃんがダブった。
でも、それは幻。
記憶の中だけにあった、舞美ちゃんの幻。
だって。
目の前に立つその人は…――― あの頃と全く違う、キラキラと輝いて美しい人だったから。
丸みを残していた顔は、彫刻のようにシャープになって。
肩で揺れていた髪は、今は胸元まで伸びて光を弾いてる。
線の細さだけを際立たせていた身体の輪郭は、成熟した女性らしさを覗かせて。
幼く見つめていた眼差しは、柔らかく穏やかに揺れて…くすぐったい。
その全部が…舞美ちゃんであって、舞美ちゃんでない。
昔の面影はあっても、初めて出会う…舞美ちゃんだった。
けれど、きっとそれは舞美ちゃんも思ってる。
愛理であって愛理じゃない。
頭の先、指先、足の先、その全部を視線がさまよっているから。
どれだけ変わった?
舞美ちゃんの記憶の愛理は、どれだけ…成長できた?
どんなこと、思ってくれてる?
- 35 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:30
-
「………」
難しいね。
最初の一言って。
離れていた時間が、距離が…戸惑いをつれてきて。
ただ、笑顔を向けることしかできない。
でも、やっぱりというか…一歩踏み出してくれたのは舞美ちゃんだった。
「愛理、綺麗になったね」
「それは舞美ちゃん」
くすりと笑って誤魔化す。
本当は、すっごく嬉しかったけど。
胸だって、大きく鼓動を打ち付けて…ぎゅんっと気持ちを加速させたけど。
「遅くなったけど…、金賞、おめでとう」
「ありがとう」
その言葉は4年前に聴きたかったな。
でも…思う。
4年前に聴いていたら…たぶん今の愛理はいない。
その言葉を聴きたくて…頑張っていたのもあったから。
そこで満足して…次の目標を見失っていたかもしれない。
- 36 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:31
- 「舞美ちゃんも…大賞、おめでとう」
「ありがとう」
それはきっと舞美ちゃんも。
これほどの結果を残すためには、すごく辛い想いもしたはず。
でも、一人で乗り越えた。
一人だったから乗り越えられた。
だから…良かったんだ。
あの時の選択は…別れは、間違いなんかじゃない。
こうして…また繋がるなんて思っていなかったけれど。
4年の月日が、心を成長させて…
大切なものを、たくさん増やすこともできるようになって。
その中で、大事にしなければならないものも、視界を曇らすことなく…
見つけられるようになったから。…なれたから。
- 37 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:31
- ねぇ、舞美ちゃん…もう一度…。
今なら…。
きっと、私たちは…。
不安はあった。
舞美ちゃんに…誰かの影があったなら…と。
でも…。
今こうして…視線を交わすだけでわかる。
そんなのは杞憂だったって。
だってこんなにも舞美ちゃんは憂いた眼差しで私を見つめていて。
もどかしく、きゅっと手を握りしめたりしていて。
愛理と同じ気持ちだって、すぐにわかる。
ずっとずっと…気持ちを…閉じ込めていたんだって…すぐにわかる。
きっと、触れ合ってしまえば止まらない。止められない。
それほどに求め合ってた。
切ったはずのお互いを…、ずっとずっと本当は求めてた。
でも、たぶん、舞美ちゃんからは…歩み寄れない。
愛理を遠ざけた舞美ちゃんからは。
だったら…。
愛理から―――今度こそ、愛理から舞美ちゃんをすくいあげる。ぜんぶ。
- 38 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:32
- 「金賞獲ったら、写真をくださいって言ったの…覚えてる?」
「え? あ、うん。…どれか決まったの?」
「うん」
思いもよらなかった言葉なのかな。
でも、空気を変える愛理の言葉に、舞美ちゃんはあからさまにホっとしてる。
罪悪感とか…そういうのが、あったのかもしれない。
もう…、やっぱり舞美ちゃんはどこまでも優しくて…人の事ばっかりで。
でもね、そういうところも愛理は大好き。
そういうの、伝えたいから…これから先、全部の想いを伝えていきたいから。
願いを届ける。
欲しい写真、という形で。
- 39 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:32
- 「これから撮る写真をぜんぶ、愛理にください」
それが意味すること、どうか伝わって。
あなたと一緒にいたい。
どんな時も。
未来を見つめていきたい。
すっとずっと先の未来にも、隣にいて。
もう一人は嫌。
どんな時でも、そばにいたいの。
あなたを一人になんてしないから…、今度こそ…愛理も置き去りにしないで。
口に出さなくても…わかってるでしょ?
これから映すあなたの世界。
その全部を、そのすべての時間を愛理にください。
それが、それこそが、あなたへの願い。
- 40 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:33
- 一度ぐっと顔を歪めた舞美ちゃんは、何かを堪えるみたいに唇を噛んで。
それから…泣き出しそうな笑顔で私を見つめてきたんだ。
まるでそれは、幼い子供がお母さんに許しを請うみたいで…私まで泣きたくなったっけ。
「うん…うん。いいよ? でもね、そのかわり…」
笑顔のあなたは、一歩近づくと…すべてを作り出すその指先で、
そっと、愛理のそれに触れる。
「これからの…愛理の音楽も、あたしにくれる?」
――― そんなの、もう、とっくに。
あなたがいたから頑張れた。
音の大切さ、全然知らなかった私は、あなたのおかげで色々知った。
ただの音を出す機械だった楽器の、本当の姿、ちゃんと知れた。
これから先、愛理の音は、あなたの音。
ぜんぶ、あなたへの音。
- 41 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:33
- 頷くのと一緒に、言葉にできない感謝の気持ちと、
言葉にできないあなたへの気持ちを指先に込めて、
きゅ、っと絡めるように握り返す。
かわらぬ笑顔のあなたは、ふっと目を細めて。
ううん、嬉しくてたまらないみたいに、涙を目尻に溜めて。
「一枚、いい?」
さりげない風に、近くにあった配布用のインスタントカメラを手に取ったんだ。
返事なんて決まってる。
あなたが撮りたいと思うなら、なんだって。
「いくよ?」
ファインダーを覗くあなたの目に、
今の愛理は、どう写っていますか?
まだ頼りない女の子?
ただの後輩だった姿?
それとも…?
願わくば…―――
- 42 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:34
-
「愛理」
最高の、あなただけの被写体でありますように。
ずっとずっと輝き続け、いつもあなたが…舞美ちゃんが追いかけてくれる、
そんな愛理でありますように。
努力を忘れず、愛理もあなたを…舞美ちゃんを追い続けるから。
ずっとずっと、自分を磨いていくから。
だから。
「…大好きだよ」
――――― 愛理も。
- 43 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:34
- カシャンと、一瞬の光と一緒に閉じ込められた想いは、
いつまでも色褪せず、私達の心の中にあり続ける。
変わらずに、きっと。
未来につながる二人の姿として…。
私たちは二人で一人。
もう離れるなんて…絶対できない。
一緒にいることで苦しむ存在だった、幼い私たちにサヨナラをして…
今日から…、今、ここから…未来を一緒に紡ぐ二人になる。
もしかしたら…また、一緒にいることに苦しむかもしれない。
でも、希望もあるから。
こんなにも、変わった私たちが…
ちゃんと一歩を踏み出していけたんだからって希望が。
- 44 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:35
-
だから今は…――― そっとぬくもりを抱きしめよう。
戻ってこれた舞美ちゃんの腕の中で愛しさに胸を震わせて…。
想いが溢れて迫ってきた、その唇の柔らかさと一緒に。
そんな私たちの姿を…いつかの日のグラデーションで彩られた空の写真だけが
祝福するように…見守ってくれていたんだ。
ずっと…ずっと。
- 45 名前:Perfect blue 投稿日:2014/01/06(月) 06:35
-
END
- 46 名前:FAVORITE ONE 投稿日:2014/01/06(月) 06:36
-
『FAVORITE ONE』――――― END
- 47 名前:tsukise 投稿日:2014/01/06(月) 06:38
- 更新はここまでです。
と、同時に、このお話は完結とさせて頂きます。
長くお付き合い下さった皆様、ありがとうございました。
大変お世話になりました。
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2014/01/06(月) 07:14
- 完結お疲れ様でした!
数年前℃に興味を持つきっかけのひとつがこの小説でした。
いま、現実世界の彼女たちとともに成長したこの2人の姿に感無量です…。
あなたの小説が読めたことを幸せに思います。
- 49 名前:tsukise 投稿日:2014/01/07(火) 05:33
- >>48 名無飼育さん
完結にありがとうございます。
長くお付き合い頂きましたこと大変嬉しく思います。
4年という月日の中で、現実世界の彼女たちもこちらの彼女たちも
夢に向かっていく姿をお届けできたなら、作者として幸いです。
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2014/01/09(木) 19:27
- 完結まで、お疲れ様でした。
2人はもちろんそれを取り巻く子たちも生き生きとしていて、
それぞれの成長を見守ることができてよかったです。
この世界の彼女たちが幸せでありますように願うばかりです。
ありがとうございました。
- 51 名前:しおり 投稿日:2014/06/29(日) 23:59
- 最高な小説でした!
私も音楽をして生きていこうと目指しているんですが、新しい考えが生まれてとてもめにななった作品でした。
私もこんな人たちになりたいです。
あーいいな私もこんな相手がいたらなっ笑
やじすず最高!音楽最高!
ありがとうございました。
- 52 名前:名無飼育さん 投稿日:2014/10/12(日) 13:18
-
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