The raw oyster bar
- 1 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/14(水) 16:31
- はじめまして
タイトルの通り生ガキメインです
- 2 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/14(水) 16:32
- さっそくですが始めます
- 3 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/14(水) 16:33
-
「計画的無頓着」
- 4 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:34
- 生田衣梨奈は走っていた。
『あーもうっ!完全遅刻っちゃん!!』
今日は新垣さんと遊びに行く約束をしている日だ。
この間の新垣さんの誕生日を勝手に祝う会でファンの皆さんに公言した新垣さんとのデートがついに実現するのである。
今日は新垣さんも衣梨奈も夕方からオフなので待ち合わせしてご飯に行くことになっている。
間近に迫る新垣さんとのデートに胸を躍らせながらも朝から順調に仕事をこなしていった。
しかし、本日最後の仕事であるラジオ収録が長引いてしまい待ち合わせの時間に間に合うかどうかギリギリの時間となってしまった。
収録が終わるとすぐさま新垣さんにメールを入れる。
- 5 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:35
- *******************
差出人:生田衣梨奈
宛先:新垣里沙
Re:すいません
新垣さんすいません!!
ラジオ収録が長引いてしまったので、
待ち合わせ時間に遅れちゃうかもしれません。
今からダッシュで向かうので待っててください
*******************
- 6 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:35
- メールを送信するとすぐに片付けを済ませ、楽屋を出ようとすると、
「えりちゃんそんなに急いでどうしたの?」
「えりぽん珍しく機敏だね」
などと突っ込まれたが、
『新垣さん』
とだけ短く答えるとみんな
「あー。頑張ってね」
と納得された。
一言で伝わってしまうとは、やはり同期は偉大である。
なにはともあれとにかく急がなくては、
『お疲れ様でしたー!!』
挨拶をしつつ現場を出ると丁度携帯のバイブ音がなる。
先ほどのメールに対する新垣さんからの返信だった。
- 7 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:36
- *****************
差出人:新垣里沙
宛名:生田衣梨奈
Re:了解しました
ぽん収録お疲れ様。
ダッシュしなくていいからー笑
遅れてもいいから気をつけてゆっくり来なさい。
ちゃんと待っててあげるから。
安全第一からの送信
*****************
- 8 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:36
- メールを見るとひとまずほっと胸を撫で下ろす。
やっぱり新垣さんは優しい。
しかし待ち合わせ場所へ向かうペースを緩めることはしない。
やはり先輩は待たせられないし、
何より衣梨奈自身が一分一秒でも早く大好きな新垣さんに会いたいからだ。
そして冒頭のシーンに戻る。
- 9 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:37
- 待ち合わせ場所近くで信号待ちをしながら時間を確認するとやはり遅刻である。
結局間に合わなかったことに落胆しつつも気を取り直しバッグから鏡を取り出す。
念のため言っておくが、某リーダーのように鏡大好きナルシストなわけではない。
好きな人と会う時には身だしなみを整えて可愛い自分で会いたいものだ。
ここまで大分急いできたので髪がボサボサになっていた。
鏡を見ながら髪の毛を整えリップ塗り準備万端となったところでふと考える。
次の瞬間、あろうことか自ら整えたばかりの髪を再びボサボサにする。
『これでよし』
と満足げに呟きそのまま新垣さんの元へ向かう。
- 10 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:38
- 待ち合わせ場所で新垣さんの姿を見つけるとさらにペースをあげて駆け寄った。
iPhoneをいじりながら待っていた新垣さんは駆け寄ってくる衣梨奈を見ると顔をしかめて、
「急がずゆっくり来なさいって言ったでしょーが!」
と言ってきたが本気では怒ってないだろう。
口元緩が緩んでるのが丸分かりだ。
「あーあーもうこんなに髪ボサボサにしちゃって。しょうがないなーもう。」
と優しく衣梨奈の髪を直してくれる。
新垣さんはやっぱり凄い。
衣梨奈のして欲しいことをしてくれる。
- 11 名前:計画的無頓着 投稿日:2012/11/14(水) 16:39
- 「生田は私の事は色々世話焼いてくれるのに自分のことはホント無頓着だよね」
と新垣さんが笑う。
新垣さんは凄いけど気づいてないみたいだ。
衣梨奈が自分に無頓着な理由に。
“こうやって新垣さんに触れて欲しいからですよ”
でもこれは絶対に口には出さない。
これが衣梨奈の
“計画的無頓着”
- 12 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/14(水) 16:43
-
>>2->>11 「計画的無頓着」
- 13 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:39
- 飲み会から帰ってきました
オーバーペースなのはわかっていますが
気分がいいので更新します
- 14 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:40
- 「カウントダウン」
- 15 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:41
- 『新垣さーん』
私が家を出ると甲高い声で呼ばれた。
「なんだ生田か」
生田とは近所に住む中学三年生の女の子だ。
歳は離れているものの私たちの親同士の仲が良かったため、
生田が小さい頃からよくお世話をしたり遊んであげたりした。
そのせいもあって生田は異常に私になついている。
- 16 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:43
- 『なんだってひどくないですかー』
と言いながらなぜか自分の腕を私の腕に絡ませくっついてくる。
いつものことなので適当にあしらう。
「あーごめんごめん。」
『それはそうと新垣さん何処へ行くんですか?
もしかして衣梨奈とデートしてくれるんですか!?』
・・・都合のいいやつだ。なんでそうなる。
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:44
- 「はーなんであんたとデートすんのよ。今日は愛ちゃんとデート。」
私の口から自分以外の人の名前が出ると露骨にしょんぼりした顔になる生田。
悔しいがこういうところはちょっと可愛いと思う。
『また別の人ですか。先週は亀井さんだったしその前は道重さんだったじゃないですか。
新垣さん結構タラシなんですね。』
そう言ってふてくされる生田。
愛ちゃんもさっき生田があげた二人も正直ただの仲のいい友達に過ぎないのだが、
生田の反応が面白いためわざわざデートという言葉を用いてからかっているのだ。
- 18 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:45
- 意地悪な私は生田におどけてこう返す、
「まーねー。」
すると生田は急に真顔になって私にこう詰め寄った、
『新垣さん行かないでください!いつになったら衣梨奈のことちゃんと見てくれてるんですか。』
一見すごいことを言われているように見えるが、
正直このやりとりは何度もしたので私は至って冷静である。
そして私はこの状態をうまく切り抜ける方法も知っている。
- 19 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:46
- 「わかった。わかった。また今度遊んで上げるから行きたいこと考えておきなさい。
今度のデート、楽しみにしてるよ生田。」
『わーい!新垣さん絶対ですよ!衣梨奈凄いデートプラン考えちゃいますから!』
「はいはい。じゃあそろそろ手を離してくれるかな。遅刻しちゃう。」
『あっ!はーい!新垣さん行ってらっしゃーい!』
正直あんなやりとりで切り抜けられてしまうは驚きだが単純というか素直でかわいいやつである。
- 20 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:49
-
「いつになったら衣梨奈のことをちゃんと見てくれるんですか?かー」
さっきの生田のセリフを一人歩きながらつぶやく、
続けてこの問に対する答えを呟いた
- 21 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:49
-
「とっくに見てるっつーの!」
- 22 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:50
- 生田が昔から私になついてきた様に私も昔から生田を可愛がっている。
つまり生田のいいところは誰よりも知っているのだ。
整った顔だち、白い肌、いつの間にか私より高くなった身長、
少しバカだが優しくて、私にストレートに好きだと言ってくれる。
正直好きにならないはずがないのだ。
- 23 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:51
- 愛ちゃんと待ち合わせてカフェに入り生田の話になる。
「そんなに可愛いかなら付き合えばいいのに」
という愛ちゃんの言葉に対し、
「流石に中坊に手を出すのはまずいっしょ!」
と答える。
すると愛ちゃんは笑いながらなんだその理論って突っ込んできたけど
ガキさんらしいねって言ってくれた。
- 24 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:52
- ねえ生田?私は待ってるよ。
だからゆっくり大人になりなさい。
生田とまっすぐ向き合うまでのカウントダウンはすでに始まっていた。
- 25 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 02:54
- >>14->>24 カウントダウン
- 26 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/15(木) 05:46
- 生ガキキター!
どちらの話も二人のやりとりにニヤニヤしました
これからの更新も楽しみにしてます
- 27 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:01
- >>26
さっそく感想ありがとうございます
そのお礼と言ってはなんですが更新します
ちなみに今回の内容はネタですw
そのつもりで期待ししないで読んでください
- 28 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:02
- 「The 生ガキショー」
- 29 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:02
- きっかけは衣梨奈の元へ届いた父親からの一通のメールだった。
- 30 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:03
- そこにはCRハロープロジェクトの写メールと、
「新垣さんもでてるらしいな。
でもお前はまだ中学生なんだからパチンコなんて行くんじゃないぞ笑」
と書かれていた。
- 31 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:04
- これは「行ってこい」というフリだろうか。
どちらにしても行かせたくないのならわざわざ新垣さんがでている事を教えなくてもいいのに。
自分がKYなのは絶対父親の遺伝だと確信した。
- 32 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:04
- 新垣さんが出ていると知ってしまった以上、
会長として行かないわけにはいかない。
他の会員に遅れをとることは会長として許されない屈辱だからだ。
取り敢えず得意のネットサーフィンでこのパチンコについて情報収集を始める。
すると某動画サイトで宣伝VTRを見つける。
- 33 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:04
- 序盤はいわゆる黄金期といわれる先輩達の映像が流れる。
後半に近付くにつれて5期、6期と衣梨奈も馴染みが深い先輩達が中心となり、
画面に映る大好きな新垣さんの姿に癒される。
終盤でここでしか見れないMV紹介のリストの中に、唯一自分も参加している曲を見つける。
自分も少し位映るかもと少し期待しつつ画面を眺める。
- 34 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:05
- しかし、その期待は裏切られることとなる。
物凄くいい意味で。
- 35 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:05
- 「単純明快な恋ぃ?。もう離さないでぇ?。」
・・・えっ!?
取り敢えず無言で巻き戻してもう一度見る。
10秒程度のその部分を何十回も繰り返す。
- 36 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:06
- 「単純明快な恋ぃー。もう離さないでぇー。」
・・・えっ!?
取り敢えず無言で巻き戻してもう一度見る。
10秒程度のその部分を何十回も繰り返す。
- 37 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:07
- 『フフフ』
自然と笑みが零れる。
その笑みがこれ以上ないくらい気持ち悪かったことは言うまでもない。
そして勝手に感想を述べ始める。
『アップフロントもたまにはいい仕事するっちゃね。こんな素晴らしいMV隠してるとは。
それにしても新垣さんは最高っちゃ。里保とは月とスッポンったい。」
かなり失礼な事をいっているが、
新垣さん至上主義の衣梨奈にはそんなの関係ない。
- 38 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:07
- やっぱりどうにかしてこのパチンコをやらなくては。
と衣梨奈は決意を固めた。
しかし実際問題中学生の衣梨奈がパチンコをするのは難しい。
大人と同伴なら目を瞑ってくれる店はあると聞いて母親に頼み込んだが、
当然ながらこっぴどく叱られた。
他の候補を考えるが会社の人やスタッフさんは絶対無理だろう。
暫く考えこむとある事を思いつきニヤリと笑う。
そしてすぐさま携帯を手に取り電話を掛けた。
- 39 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:09
- 『あっもしもし?新垣さんですか?こんばんは!
衣梨奈新垣さんに連れてって欲しいところがあるんです。』
『えっ何処に行きたいのかですか?それは内緒です!』
『えぇーお願いしますよー。絶対新垣さんも楽しめますって!』
『いいんですか?やったー!』
・
・
・
よし!とにかく約束は取り付けた。
これで他の会員に遅れを取らずに済む。
と衣梨奈はほくそ笑んだ。
- 40 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:10
- 約束当日。
「ちょっと生田。・・・どういうこと?」
うわっ新垣さん怒ってる。
でもこれも想定内だ。
『新しくハローのパチンコが出たじゃないですか。
衣梨奈どうしてもやりたいんです。』
「だからってなんで私まで行かなくちゃなんないのよー」
『衣梨奈中学生だからパチンコ入れないんですもん。』
「あたりまえでしょーが!諦めなさい!」
- 41 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:11
-
案の定拒否されたが、ここで引き下がる衣梨奈ではない。
『えー良いんですか新垣さん。このパチンコって歴代の先輩メンバーの映像が流れるんですよ。衣梨奈予告編だけ見たんですけど安倍さんいっぱい映ってましたよ。』
「安倍さん!?」
安倍さんの名前を聞くと新垣さんが小さく反応する。
よし。もう一押しだ。
『あのライブ映像の安倍さん可愛かったなー。特典映像もあるみたいだし・・・。』
「あーもうわかったから!行けばいいんでしょ行けば!」
フフフ。やったー。
- 42 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:12
- 一時間後・・・
「きゃー!いけいけー!安倍さんきたああああ!」
『きゃー!スペシャルLIVEリーチですよ!新垣さん!頑張ってください!』
「きゃー!スーパーリーチ!!生田見て見て!」
『きゃー!新垣さんきたあああああああああ!』
思った以上にパチンコにハマってしまった2人のキャーキャー言う声がフロア中に響き渡っていた。
- 43 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/16(金) 01:14
- >>28-42 「The 生ガキショー」
>>35はミスです スルーしてください
- 44 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:30
- 本日の更新です
某所であげたものを修正したものになります
- 45 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:31
- 「イギリスより愛を込めて」
- 46 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:33
- 『新垣さん今頃どうしてるかなー』
衣梨奈は撮影の為イギリスへと旅立った新垣さんの事を思い過ごしていた。
新垣さんが卒業してからはそんなに頻繁にあうことが出来なくなった為、新垣さんが海外へ行ってしまったからといって普段と特に大差無いのだが、すぐ会える距離に居ないというのは不安で寂しいものだ。
海外へ行くと言っても通信の発達したこのご時世だ、
携帯のアプリを使えばメールも電話もできる。
しかし、電波や時差という壁もあり中々連絡を取る事ができなかった。
- 47 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:35
- 新垣さんの事を考えていたら無性に新垣さんの声が聞きたくなってきた。
急いで時差を確認し電話をかけても迷惑で無い時間である事を確認すると、
わずかな望みに掛け通話アプリを使って新垣さんに電話を掛けた。
呼び出し音が鳴る。
どうやら電波は大丈夫なようだ。
5コールを過ぎても出ない。
いきなりだったし仕方ないかと諦めかけたその時、
大好きな人の声が聞こえてきた。
「もしもし。生田?」
普通に名前を呼ばれただけなのに嬉しくて泣きそうになる。
やっぱりこの人が大好きなんだと痛感する。
泣きそうなのを無理矢理抑え込み返事をする。
- 48 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:36
- 『はい。生田です。
突然電話してごめんなさい。
今大丈夫ですか?』
「本当突然でびっくりしたよー。
大丈夫だよー。今ねーちょうど撮影終わったところなんだ。」
『撮影お疲れ様です。
イギリスはどうですか?
楽しんでますか?』
「ありがとー。楽しんでるよー。街並みはオシャレだし、
なによりイギリス人のファンの人達とも交流できたしね。」
『そっかー羨ましいです。衣梨奈も海外行きたいなー。
あっそうだ新垣さん英語は大丈夫なんですか』
こんな事言うのは失礼だが正直新垣さんはちょっとおバカだ。
まあそこが可愛いんだけど。
そんな事を思いつつ新垣さんに問うた。
すると新垣さんはおどけてこう言った
「余裕余裕!バッチリだよ!
なんなら通訳さん無しでもやっていけるって」
新垣さんの冗談に衣梨奈は笑う。
そしてその冗談にのって無茶ぶりしてやろうと思い、
新垣さんにこうお願いした。
『へえー!凄いじゃないですか。
じゃあ新垣さん、イギリスから英語で衣梨奈にメッセージをお願いします!』
ちょっと調子に乗り過ぎたかなと反省し、謝ろうと口を開こうとした瞬間、
聞こえてきた言葉に衣梨奈は頭が真っ白になった。
- 49 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:37
- 「I love you」
単語3つ。
英語のメッセージとしてはお粗末だが、
破壊力は抜群だった
- 50 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:37
- 予想もしない言葉に何も言えないでいると、
心配してくれたであろう新垣さんがこう続けた
「あれ?発音違った?伝わってない」
『・・・いえ。発音バッチリです。』
この人はどれだけ好きにさせれば気が済むのだろう。
衣梨奈のツボを知り尽くしているようで正直怖いくらいだ。
やられっぱなしでは悔しいので新垣さんが日本に帰ってきたら仕返しようと心に決める。
嫌がられる程囁いてやろう
愛の言葉を
- 51 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/17(土) 00:43
- >>45-50 「イギリスより愛を込めて」
ガキさんがイギリスへ行ってきたということなので
フランスでは愛ちゃんとミニライブもやったそうですね
今は女優として活躍する2人ですがやはり日本でもライブやって欲しいですね
- 52 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:29
- 本日の更新です
CPは一応生ガキですが今回の主役は鞘師です
鞘師の事も結構好きだよ、という方はどうぞ
- 53 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:29
- 「処方箋と特効薬」
- 54 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:30
- 「えりぽん」
返事がない只のしかばねのようだ。
ではなくて衣梨奈は風邪をひいたのか今朝から体調が悪そうだった。
今日はダンスレッスンで今はお昼休憩中だ。
最初は皆心配し衣梨奈に声をかけたりお世話を焼きに行ったりしたが 、
衣梨奈が大丈夫だと突っぱね、「少し寝かせて下さい」
と言ったのでみんな諦めて離れていった。
結局衣梨奈の側に残ったのは里保だけだった。
里保は朝から何も食べて無いであろう超偏食の彼女が心配で
側を離れられないでいた。
何か食べなければ薬も飲めないし事は深刻だ
- 55 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:31
- 「えりぽん、えりぽん起きて。
なんか食べて薬飲まなきゃダメだよ。」
しかし衣梨奈の反応は鈍い。
『うーん』
と唸るだけだ。
これでは埒があかないので肩を揺すりながら再度先程の言葉を繰り返す。
するとようやく衣梨奈が重たい口を開いた。
『食べたく無い。薬キライ。』
里保は自分の手に負えない事を悟ると共に悔しく思う。
またこの状況を打開する術を心得ている自分がいて、
なおさら虚しい気持ちにさせた。
- 56 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:31
- できる事ならこの手段は使いたく無い。
この手段を使う事は″あの人″に負けた事を意味するからだ。
しかし苦しそうに横たわる衣梨奈を見るといたたまれなくなり、
その手段を使うことを決心する。
「はー」っと深く溜息をつくと里保は携帯を取り出し、
数ある連絡先の中から″あの人″の電話番号を探す。
手慣れた手付きでタップすると呼び出し音が流れる。
いきなりなので出てくれるか心配だったが″あの人″はやはり出てくれた。
自分にとっても大先輩にあたるその人の声を聞くと一瞬緊張したが
いつもと変わらない優しい声に緊張も解れ要件を手短かに伝える。
″あの人″は要件を聞くと軽く溜息をつき呆れた声で衣梨奈に対する文句を言っていたが、その声色から衣梨奈を心配している事が伝わってくる。
″あの人″は私に衣梨奈に電話を代わるよう頼んできた。
里保は初めからそのつもりで連絡したため直ぐに電話を取りつごうと衣梨奈に近づく。
- 57 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:32
- 「えりぽん電話だよ。」
しかし衣梨奈の返事は鈍い。
「んー後にして」
まあ当然の反応だろう。
衣梨奈は電話の相手を知らないのだから。
それと同時に相手を告げたら真っ先に飛び起きるであろうことも知っている。
それはそれで悔しいので精一杯強がって衣梨奈にこう言った。
「へー。いいんだ。じゃあいいや。
新垣さん、すいません。えりぽん電話にでたくないらしいです」
「えっ!?新垣さん!?」
″あの人″の名前をだした途端予想通りえりぽんは体を起こし私の方を見る。
「里保っ!新垣さんってホント?」
名前を聞いただけで元気になるとか本当に凄いなと苦笑いしつつ、衣梨奈に携帯を渡した。
- 58 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:33
- 電話を変わると衣梨奈はみるみるうちに笑顔になっていく。
衣梨奈が元気になった事を喜ぶ反面、自分ではその笑顔を引き出せなかった事に落胆する 。
衣梨奈の『特効薬』となれるのは″あの人″だけで、
今の自分にできる事は『特効薬』を引き出す『処方箋』を出す事だけだ。
「でもいつかは私が『特効薬』になれたらいいな」
″あの人″と嬉しそうに電話で話す衣梨奈を見ながら、里保は小さく呟いた。
- 59 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 03:41
- >>53-58 「処方箋と特効薬」
報われない鞘師が健気で好きですw
最初に生ガキメインと言いましたが、
最近某スレで生鞘書いたりして感じがつかめてきたので、
今後ちょこちょこ鞘師が登場するかもしれません
- 60 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:10
- 本日の更新です
本日は娘。にとって重大発表がありましたね
こんな日だからこそ和める話をどうぞ
- 61 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:11
- 「鬼ごっこ」
- 62 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:11
- 舞台の稽古が午前中で終わり午後は久しぶりのオフだ。
私は稽古場を後にすると久々のオフに浮かれながら午後の予定を考える。
まだ時間はたっぷりあるそう焦ることはないと思い、私は近くのカフェに入ることにした。
注文を済ませカップと軽いスナックを受け取り席につきiPhoneを立ち上げる。
立ち上げると新着メール1件の文字。
「アイツだな」と思いつつ文面を立ち上げるとそこには予想どおりの人物からのメッセージがあった。
- 63 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:12
- *****************
差出人:生田衣梨奈
宛先:新垣里沙
Re:おはようございます!!
おはようございます
新垣さん今日は舞台の稽古ですよね?
お疲れ様です!
衣梨奈たちは今日一日910期だけで○○公園で撮影やってます!!
ちょっと寒いけど頑張ります!!
・
・
・
新垣さんに会いたいよーからの送信
****************
- 64 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:12
- ・・・どっから突っ込んでいいのやらと苦笑いを浮かべる。
相変わらず私以上に私のスケジュールを把握しているし、いつもメールが一方的だ。
それにいっちょ前に〜からの送信パクりやがって。
そんなことをあれこれと思っているがやはりこうやって卒業してからも変わらずしたってくれてメールをくれる後輩の存在は可愛いものである。
などと考えていると○○公園という文字にハッとする。
「この公園ここの近くだ」
そう呟くとともに午後の予定が決まった。
「たまには可愛い後輩の願いを聞いてやりますか」
まだ飲み物は半分以上残っていたが、カフェの椅子から腰を上げ撮影場所へと向かった。
- 65 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:13
- 目的地の公園にはすぐについた。
みんなはどこかなと探しているとスタッフさん達が焦って動き回っているのが見えた。
どうしたんだろう?と思い近づき、顔見知りスタッフさんに声をかけた。
スタッフさんは突然現れた私に案の定驚いていたが、そんなに焦ってどうしたのかと聞くと説明を始めた。
どうやら機材トラブルがあって撮影が中断してしまっているらしく、その機材が直るまでしばらく時間がかかるらしい。
スタッフさんには悪いがこの中断は撮影を覗きに来た私にとってはラッキーである。
910期を面倒見ておきますよとスタッフさんに一言断ると私はメンバーのところへ向かった。
- 66 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:15
- メンバーの待機場所へ着くと私の存在に1番に気づいた佐藤が「新垣さんだー」と叫びながら飛びついてくる。
その声に釣られてみんな集まってきたが突然の来訪に喜びつつも驚いているようだった。
私がメンバーに適当に説明しながらそういえば生田静かだなと思い、ふと生田を見るとなにやら拗ねた表情をしていた。
ん?っと思ったが生田が拗ねている理由にすぐ気づく。
佐藤が最初に飛びついてきたっきりしがみついて離れなくて自分が近づけないからである。
こんな空気卒業した今となっては懐かしいなと思いつつ私はある提案をする。
- 67 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:16
- 「機材まだしばらく直んないらしいから遊ぼうよ。せっかくここ公園なんだし」
その声に佐藤が反応する
「まぁちゃん鬼ごっこがしたいですー」
「よし!やるか佐藤!」
他のメンバーからは不評だったが先輩の権力ということで鬼ごっこをすることになった。
言いだしっぺということで最初は佐藤が鬼となり他のメンバーは逃げる。
みんな文句を言っていた割に始めてしまえばノリノリである。
- 68 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:17
- 10分程すると10代バリバリの後輩と比べ20代半ばを迎えた私は体力的にキツくなってくる。
案の定へばっていたところを何人目かの鬼の鞘師に捕まってしまい鬼となってしまった。
「うわーこっから追いかけるのきっついなー」などと苦笑いを浮かべていると、私が鬼だと知っているはずなのに何故か生田がニヤニヤしながら近寄ってきて私に言った。
『新垣さん!私を捕まえてください!!』
・・・なんだこいつ。
正直体力的にキツイから自分から捕まりに来てくれるのはありがたいが、これで捕まえても癪に触る。
そう考えた私は他のメンバーを探そうと生田に背を向けた。
- 69 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:17
- 『えっ!?新垣さん!なんでスルーするんですか?追いかけてくださいよー!』
・・・めんどくさい奴だ。
「逃げない人を追いかける鬼ごっこなんておかしいでしょうがー」
とりあえず正論を述べてみる。
『えー!新垣さんが追いかけてくれたら逃げますからー』
私が追いかけなかったのと、さっきので拗ねていたのとが相まってか生田はちょっとしょんぼりし始めた。
あんまり邪険にすると可哀想だな、仕方ない生田を追いかけてやるかと生田の方に向き直る。
私が向き直ると、生田は一瞬にして満面の笑みを浮かべる。
- 70 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:18
- 認めたくはないがこういう素直というか単純なところは正直可愛いと思ってしまう。
私はため息をつきつつも生田にこう告げた。
「追いかけてあげるからちゃんと逃げなさいよ!」
『わかってますよー!かかってこいや!って感じです!』
そう言いながら私に背を向けて走り出す。
はあ、調子のいいやつだと思いながらも取り敢えず追いかける。
2、3歩走ると何かにぶつかった。
「えっ!?何?何?」
と驚き取り乱すと上から気の抜けた声が降ってくる。
『ウフフ、捕まっちゃいましたー!』
そう私がぶつかった“何か”とは鬼ごっこ中にあろうことか急に振り向いて両手を広げた生田である。
あまりに突然振り向いたため、気づかずそのまま生田にぶつかると同時に抱きしめられる形になった。
- 71 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:19
- 「はあーあんたなにやっちゃってんのさー逃げなさいよー」
『えー捕まっちゃったんですーウフフ』
「ウフフじゃなくて、いいから早く離しなさい」
『ヤですー』
生田は中々離してくれない。
離れようと両手に力を込めて生田を押すが、それ以上の力で抱きしめられてしまい抜け出せない。
生田には嫌そうな態度をとっているが、内心嫌がっていない、むしろ嬉しく思っていることも悔しいが自覚している。
まあ久しぶりに会ったんだしと自分に言い訳しつつ生田の背中に手を回ししっかり抱きしめる。
私が手を回して抱きしめると生田が『ウフフー』とさらにニヤけるので、
「もう少ししたら離すからね!」
と照れ隠しに言い放つ。
『もう少しって何分ですかー?』
と聞いてくる生田は正真正銘のKYだと思った。
- 72 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:20
- ちなみに鬼が捕まっったため鬼ごっこは強制終了となり、再び暇を持て余した他のメンバー達がこの光景を写メで撮りこぞってブログに投稿しガキさんを困らせたことは言うまでもない。
- 73 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/18(日) 22:35
- >>61-72 「鬼ごっこ」
今日れいなの卒業が発表されましたね
そろそろだろうなと覚悟はしていましたが、
いざ発表されると寂しいものです
私が本格的に娘。ファンになったのは、
「泣いちゃうかも」の時期からなので約4年前。
当時のメンバーはついにさゆだけになろうとしています。
時の流れを惜しみつつも、
9期を筆頭に新メンバー達の活躍に期待しています。
- 74 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/19(月) 07:32
- 生ガキに生鞘も!
どちらも好きな自分としてはありがたいです
抱きしめ合う二人を見る報われない鞘師の姿をつい想像してしまったw
- 75 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/19(月) 23:56
- 本日の更新です
今回の内容は鞘師が勝手に生田にときめいているだけの内容ですw
乙女な鞘師が好きな方はどうぞ
- 76 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/19(月) 23:57
- 「原因はあなた」
- 77 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/19(月) 23:57
- 「おはよーございます!」
里保はルンルン気分で楽屋に入る。
今日は9期メンバー全員での撮影がある日である。
ここ最近みんな個人での仕事が多く、
中々メンバーと顔を合わせる機会がなかったので、
里保は久々に同期に会える今日を楽しみにしていた。
「おはよー。里保ちゃん元気だね。」
「里保ちゃんおはよー。なんか嬉しそうだけどなんかあった?」
里保の挨拶に返事をしてきたのは、既に楽屋に入っていた香音と聖だ。
「久しぶりにみんなに会えるから嬉しくってさ。テンション上がっちゃった。フヒヒ。」
里保は二人に向けて素直に言った。
2人は「嬉しい事言ってくれるじゃんかー」と里保に抱きついてくる。
- 78 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/19(月) 23:58
- そのまま3人でキャッキャッ盛り上がっていると、楽屋のドアが開いた。
里保はドアの方を向くと、そこに立っていた人物に釘付けになった。
「えりちゃんおはよー」
「えりぽん久しぶり!」
と2人が呼びかける。
そう里保が釘付けになった人物とは4人目の同期である生田衣梨奈である。
久しぶりに見た衣梨奈は、とてもカッコ良く見えた。
短い髪を外にハネさせ、黒のジャケットにスキニーパンツ、
足元は黒のブーツで大人っぽく纏め、元々美人な彼女を更に引き立てていた。
- 79 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/20(火) 00:00
- 他の同期2人も衣梨奈の違いに気付いたらしく衣梨奈に話しかける。
「えりちゃん今日凄い大人っぽくない?」
「うん。えりぽん超イケメンじゃん。」
香音と聖に褒められた衣梨奈は少し照れながらこう返す、
「えーそんな事ないっちゃよ。ちょっと地味な感じにしてるだけっちゃん。」
「いやいや。えりちゃん普通にかっこいいよ。」
「うんうん。ねっ?里保ちゃんもそう思うよね?」
謙遜した衣梨奈に対して、
香音と聖は里保に同意を求めてきた。
里保はボーっと衣梨奈に見惚れていたので反応が送れる。
「里保ちゃん?」
「うえっ?あっ、そうだね。いいと思うよ。」
「そう?みんなにそう言って貰えると嬉しいっちゃん。ありがとー。」
と笑う。
なんでもない笑顔なのだが今の里保にとっては破壊力抜群の兵器と変わる。
里保は直視できずに俯いた。
里保の心臓はドキドキと煩さを増していた。
- 80 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/20(火) 00:01
- 香音と聖は、それ程興味はないのか楽屋の奥の方へ行き2人で違う話を始めていた。
そうなると必然的にその場は衣梨奈と2人となる。
俯いたままの里保を心配に思ったであろう衣梨奈が里保に問いかける。
「里保。どうしたと?具合でも悪いと?」
里保が何も答えないでいると里保の目に衣梨奈の顔のアップが映った。
衣梨奈が里保のおでこと自分のおでこを合わせてきたのだ。
「えっ、えりぽん!?」
と驚くと共に、ただでさえ煩かった心臓の音が更に大きくなった気がする。
顔が火照り赤くなってきているのが自分でもわかる。
しばらくすると衣梨奈は、顔をはなし、
「うーん。熱はないみたいっちゃね。でも顔が真っ赤ったい。まだ撮影まで時間あるから少し休んだ方が良さそうやね。」
と里保の手を握りソファーへと誘導する。
里保は手を握られた事で頭がいっぱいになり衣梨奈のなすがままである。
- 81 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/20(火) 00:02
- 衣梨奈は先にソファーへ座ると隣をポンポンと叩く。
里保がそこに腰を降ろすと、衣梨奈は満足そうに笑った。
里保はそこでハッと我にかえる。
自分の具合が悪いわけではない事を衣梨奈に話しかけようとしたその時、
里保は再びしゃべれなくなった。
衣梨奈が背中から手を回し里保の頭を自分の肩に寄りかからせたのだ。
「衣梨奈の肩貸してあげるけん、里保は少し寝な。」
と里保の耳もとで優しく囁く。
里保が見上げればいつもよりカッコ良い衣梨奈が優しく微笑み里保の頭を撫でる。
・・・反則だ。
と里保は思いつつ自分の体温が上昇して行くのを実感する。
そして同時に思う。
″全部えりぽんのせいだ″
自分が衣梨奈に振り回されているという事実が気に障るが認めざる得ない。
そこで里保は全てを衣梨奈のせいにしてこの状況を満喫することにした。
「ねーえりぽん?」
「んー?」
「熱上がってきちゃったみたいだからしらばらくこうしてていい?」
そう言いながら里保は更に衣梨奈に寄り添い目を閉じた。
- 82 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/20(火) 00:08
- >>76-81 「原因はあなた」
まあベタな内容ですが中学生の二人ならありえるような気がしますw
>>74
レスありがとうございます
鞘師だけは悔しくてブログにあげなかったと容易に想像できますねw
- 83 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 01:34
- 生ガキ素敵ですな。
ところで何故生田の台詞だけ『』なんですか?
作者さんの文章力なら生田だけ目印をつけなくとも誰の台詞かちゃんと分かりますよー。
- 84 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:38
- 本日の更新です
℃-uteのベストアルバム発売記念といことで、
岡井ちゃんと愛理の組み合わせです
CP要素はありません
それでもいいよって方はどうぞ
- 85 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:39
- 「私のライバル」
- 86 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:39
- 「私のライバルは愛理です。」
千聖はデビュー当時から今までインタビューなどで「ライバルは誰?」と聞かれると迷わず同じグループのエースであり唯一の同い年である彼女の名前を挙げてきた。
しかし本当に最近になってその発言が非常にチープなものだと気づいた。
ライバルと言えば負けたくない相手、競いあって互いを高め合う存在の事である。
しかし少し前までは千聖から見れば、同じグループのセンターに結成以来ずっと君臨し続けハロープロジェクト内でもトップクラスの人気、実力を誇る彼女は尊敬する人であり目指すべき存在であった。
- 87 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:40
- また千聖にとって彼女は自分に劣等感を抱かせる存在でもあった。
歌、ダンス、ルックス、人気というアイドルに必要な要素全てを兼ね備えた彼女の横に並ぶと自分がちっぽけな存在に思え、諦めにも似た気持ちにさせられる。
だから千聖は無意識に彼女に立ち向かう事を避けていた。
口では愛理に負けたくないと言っておきながら、
愛理を越えようとした事がなかった事に最近まで気づかなかった。
勿論千聖がなにも努力をしてこなかった訳ではない。
元々得意な歌に更に磨きをかけ、ソロライブを行ったり、最近では歌割が増えてきたのも愛理の存在が自らのモチベーションになっていたからである。
- 88 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:41
- だがある出来事がきっかけで千聖はその思いが自分の一方的なものだった事に気が付いたのだ。
ある出来事とは昨年の夏のハローのライブ、高橋愛との最後のステージである。
終演後高橋愛に縋り付き泣きじゃくる愛理。
その愛理に高橋愛が言った「これからは愛理がハローを引っ張っていってね」という言葉。
それに対しあの愛理が「無理です。」と答える。
そのやり取りに千聖は少なからずショックを受けた。
- 89 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:41
- 愛理は高橋愛を慕い尊敬してきた。
それは千聖でいう愛理の存在に当たる。
つまり彼女はハロー内で目標を失ってしまった事になる。
千聖は彼女がこれから何を目標にがんばっていくのだろうと考えていた。
それは千聖が初めて彼女の事を真剣に考え始めた瞬間でもあった。
自分にもライバルが必要であったように彼女にだってライバルや目標が必要なのだ。
そこで千聖は決意する。
「私が愛理のライバルになろう。」
一方的に自分が意識するのではなく、双方的に意識しあい、お互いのモチベーションとなれる様な存在に。
- 90 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:42
- 今日はベストアルバム発売を記念した今までのグループの歴史についてのメンバーでの対談があった。
その収録終わりに千聖は話があると愛理を呼び出した。
愛理は突然呼び出されて驚いていた様だが来てくれた。
愛理と2人になると千聖はいきなり切り出した。
「愛理。ありがとう。」
「へっ?いきなりどうしたの千聖。」
「千聖ね、愛理が同じグループで本当によかったと思う。愛理がいたから頑張ってこれたんだ。だから本当にありがとう。」
「そんなの私の方こそだよ。」
「そうじゃなくて!千聖ね、デビューしてからずって愛理がライバルだと思ってた。でもね、高橋さんとの最後のライブの時それが一方的な意識だって気付いたんだ。」
「それは違っ・・・。」
- 91 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:42
- 「聞いて愛理。その時泣いてる愛理をみながら千聖はこれから愛理は何を目標にしていくんだろうって思った。愛理を孤立させたらダメだって、誰かが愛理のライバルにならなきゃダメなんだってそう思った。」
「うん。」
「だから千聖はその時決めたんだ、千聖が愛理のライバルになろうって。一方的に意識するんじゃなくて愛理からも意識してもらえる様に、お互いをモチベーションに出来る、そんな存在になろうって。」
「千聖・・・。」
「だから千聖頑張るよ。今まで愛理が千聖の目標でいてくれた様に、今度は千聖が愛理の目的になるんだ!」
- 92 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:43
- 「うん。ありがとう千聖。・・・でもね千聖、それは一つだけ間違ってる。」
「えっ?」
「千聖は自分が一方的にライバルだと思ってたって言ったけどそれは違うの。私もずっと千聖を意識してきた。知っていた千聖?私がずっとセンターでいられたのは千聖のお陰なんだよ?」
「えっ?」
「歌の上手い千聖が隣にいたから私はいつも気が抜けなかった。少しでも手を抜けば置いて行かれそうだったから。だから私も必死で練習した。私だってセンター守るのに必死だったんだから。」
「愛理・・・。」
「だから私のライバルは千聖だよ。今までも、これからも。・・・だからこれからも2人で競い合っていこうね。」
- 93 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:43
- ″私のライバルが愛理でよかった。″
千聖はそう思うとともに決心する。
これからも頑張ろう。
いつまでも愛理のライバルでいれるように。
- 94 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/21(水) 18:50
- >>85-93 「私のライバル」
この二人の関係性が大好きです
第二の愛ガキになってくれるんじゃないかと期待しています
ちなみに私がハローに興味を持った入口はベリキューなので、
今でもベリキュー大好きです
>>83
まだSS書き始めて日が浅いので一応使い分けていたのですが、
そう言っていただけると嬉しいです
今後はその意見を参考にさせていただきます
- 95 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/22(木) 01:42
- いいですねぇ…
℃-uteってこういう愚直な、まっすぐなイメージです
読みながら、愛理と千聖にも、℃-uteとベリにも
両雄並び立って上へ行ってほしいな…なんて思いました
- 96 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 14:58
- 更新します
今回から生ガキシリーズものです
シリーズといっても3部作になってるだけなんですが
1と2はかつて某所であげたのもをアレンジしたものとなっています
- 97 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:00
- 「Love or Like 1 type-E」
- 98 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:01
- どうしてこんなにも好きなのに伝わらないのだろう
どうしてこんなにも好きだと伝えているのに相手にしてもらえないのだろう。
- 99 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:01
- 衣梨奈は新垣さんが大好きだ。
初めはお世話をしてくれる優しい先輩だった。
新垣さんの歌やダンス、演技などを見て憧れの先輩になった。
リボーンのジャンヌダルクに惚れ込んでファンになった。
ファンとしてだった好きの気持ちも、
新垣さんの優しさやステージでのかっこいい姿、
楽屋での可愛い姿に触れるに連れて恋になった。
- 100 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:02
- 恋だと気付いた時から、以前にもまして新垣さんに好きだと伝えた。
でも新垣さんは真面目に取り合ってはくれなかった。
それでも何度も伝える。
「新垣さんが好きです。」と。
でも最近新垣さんは好きだと伝える度に一瞬顔を顰めるようになった。
なんでも無いフリをしてるけど正直堪えてる。
新垣さん、衣梨奈もう疲れましたよ。
- 101 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:04
- 「Love or Like 1 type-R」
- 102 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:05
- どうしてそれが単なる憧れだと気付かないのだろう
どうして私が突き放している理由がわからないのだろう
- 103 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:06
- 生田は私に好きだと言う。
後輩から慕われるのは素直に嬉しい。
だから私も生田を可愛がってきた。
いつからか生田は只の後輩から一歩踏み込んできた。
私のファンになったといいグッズを買ったり舞台やコンサートのブログに私の事ばかり書いたり写メもたくさんせがまれた。
その後も生田の行動はエスカレートしていった。
ステージでも楽屋でも常に近くよってきてくっついてきたり、
メールや電話、また直接好きだと何度も伝えてきた。
- 104 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:07
- ここ迄されると勘違いしてしまう。
そして生田に惹かれてしまう。
しかし私はそれを受け入れる事はしない。
一回り近く年が離れたその子の気持ちが、憧れと好きを混同してしまっているという事がわかるからだ。
だから最近生田に好きだと言われると心が揺れる。
それを隠すために顔を顰めるのだが生田は怯まない。
お願いだから早く気付いてよ。
生田、私もう誤魔化せないよ。
- 105 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/23(金) 15:25
- >>97-100 「Love or Like 1 type-E」
>>101-104 「Love or Like 1 type-R」
1のみ視点が分かれているので同時更新です
解説は3を投稿し終わってからしようと思います
>>95
ベリキューの関係性ですけど、
私はグループとしてのあり方が根本的に大きく違うような気がしますね。
℃は親友、ベリは姉妹のような関係だと思っています。
℃は、気の合う友人同士が団結し同じ方向を目指していく、その中で生まれた競争意識がモチベーション。
ベリは、それぞれバラバラに成長しグループという家に帰ってきた時にグループ自体が成長している。
そんな気がしていて、どちらも素敵な関係だと思います。
なのでどちらも自らのスタイルで天下をとって欲しいものです。
- 106 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 18:44
- 3が気になる・・・
生田さんは意外と細かいところまで目が届いてる人ですね。
ベリキュー評、なるほど、と思いながら拝読しました。
結びつきの強いベリキューですが、それぞれ違う方向に面白いので今後も期待しています。
- 107 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:25
- お久しぶりです
更新期間あいてしまいすいません
言い訳にはなりますが、PCが故障し修理に出してしまった為上げられませんでした
データは携帯に残してあったので今日は家族のPCを借りての更新です
今日を逃すとPCが修理から帰ってくるまで更新できなくなくなりそうなので、
Love or Likeを完結させてしまおうと思います
ということで本日は2本更新です
2は短いですがガキさん視点、3は生田視点となっております
3は完全新作となります
気になる方はどうぞ
- 108 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:27
- 「Love or Like 2」
- 109 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:28
- 「好き」という言葉は便利だ。
同じ発音、同じ言い方でも色々なニュアンスを持たせる事ができる。
自分で使うには便利だが、
言われて始めてその不便さに気付いた。
- 110 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:30
- 「新垣さん好きです。」
あの子の使う「好き」という言葉の真意が掴めないからだ。
こういう時、自分が英語圏に生まれていればよかったのにと思ってしまう 。
英語の「好き」は真意が見えるからだ
Likeなら単なる好意
Loveなら愛情、恋愛感情として
- 111 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:32
- あいつも英語で喋ってくれれば良いのにと苦笑いを浮かべる 。
しかし直ぐにその考えを取り消す。
自分には素直にLoveと伝えてもらう、また伝える勇気が無いからだ。
両想いかどうか確かめることより、
互いの気持ちが食い違っていた時の恐怖の方が大きい。
- 112 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:32
- 本当はそろそろこの関係をはっきりさせなければならないのかもしれない。
私は彼女に恋をしている自分に気が付いている。
現に彼女に好きだと伝えられる度に私の心臓はドキドキとうるさい位に音をたてる。
そして、もうこの気持ちを隠すのが限界である事も気付いている。
しかし無邪気な彼女の笑顔を思い出すと、
私の一方的な感情を押し付ける様な事をするのはためらわれる。
最近私はこんな事ばかり考えている気がする。
認めたくはないが私の思考の大部分を彼女が占めている。
なんだかなーと思いつつも、きっと今私は笑顔だろう。
正直こんな自分嫌いじゃない。
彼女に振り回されている自分も結構気に入っているのだ。
そんなことを考えながらも冒頭の考えを思い起こす。
- 113 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:33
- やっぱり日本に生まれてよかった。
私はしみじみそう思う。
せっかく日本に生まれたんだからと自分に言い訳しつつ、
今日も便利な言葉でアイツに伝える 。
「私も生田が好きだよ」
- 114 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:36
- 「Love or Like 3」
- 115 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:37
- 「ねー生田?私の事好き?」
「えっ!?は、はい、好きです!」
「えへへー。里沙嬉しいなー。」
「に、新垣さん!?」
「ねー生田?生田の言う好きは、
・・・ Loveなの?Likeなの?」
- 116 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:38
- 生田衣梨奈現在大ピンチです。
目の前には酔っぱらってデレモードの新垣さん。
衣梨奈はデレた新垣さんも可愛いなーなどと場違いな事を考える。
デレモードの新垣さんは非常にレアで喜ぶべき事なのだが今は喜んでいる場合ではないようだ。
この状況にどう対処すべきか考えなければならないのだが、衣梨奈はどうしてこんな状況になったのか今日一日の出来事を思いかえしていた。
- 117 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:39
- ****************
今日は久しぶりに新垣さんに会う約束をしていた日だ。
新垣さんは渋っていたが衣梨奈と新垣さん家族の熱い要望により新垣さんの家へ遊びに行く事になっている。
しかも衣梨奈も新垣さんも次の日オフなのでお泊りOKという衣梨奈にとって夢の様なプランだ。
その為衣梨奈は学校でもその後のダンスレッスンでもニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべながら過ごした。
そしてダンスレッスンが終わるとこちらも同じく仕事終わりの新垣さんと合流し新垣さんの家へ2人で帰った。
- 118 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:40
- 新垣さんの家に着くと、新垣さんの家族に暖かく迎えられた。
それからは新垣さんのお母さんに暖かくもてなされ、お父さんと娘。やハローについて熱く語り合い、新垣さんそっくりの妹さんに新垣さんが「りーこ」と呼ばれているのに萌えたりしているとあっという間に時間が過ぎて行った。
お風呂などをすませ新垣さんの部屋でくつろいでいると新垣さんが衣梨奈にジュースを持ってきてくれた。
お礼を言って飲み始めると新垣さんの分がない事に気付く。
- 119 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:40
- 「新垣さんの分は?」
と問うと新垣さんは、
「じゃんじゃじゃーん!ついにこれを使う時が来たよ!」
と木の素材でできた枡を取り出した。
その枡とは衣梨奈が新垣さんの卒業記念にプレゼントしたものだった。
そして新垣さんはクローゼットから一升瓶を取り出した。
ラベルには「兼八」と書いてある。
どうやらお酒のようだ。
普段衣梨奈と一緒に食事に行ったりする際は一切お酒を飲まない新垣さんだが、自宅でとなれば別なのだろう。
新垣さんは枡にお酒を注ぐと一口飲み、
「あー!んまい!」
とちょっと親父臭く言った。
そして衣梨奈の方を見て、
「お子ちゃまは、飲んじゃダメだよ。大人の楽しみなんだから」
と言って笑う。
- 120 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:41
- その後衣梨奈と新垣さんはお互いジュースとお酒を飲みながら色々な話をした。
娘。の事、学校の事、新垣さんの仕事の事、悩み相談などと話は移り変わり結構な時間になったのに話は尽きない。
普段は衣梨奈のマシンガントークに途中で疲れて余り話してくれない新垣さんだがお酒に酔っているからいつもより饒舌だ。
初めは何時もにも増して自分をかまってくれる新垣さんに純粋に喜んでいたが、新垣さんのお酒を飲む量が増えるたびに次第に新垣さんの異変に気付く。
「生田ー!娘。は楽しいだろー?楽しんでるかー?えへへ。」
完全に酔ってる。
しかも絡み酒だ。
「生田ー。もう聞いてるのー?返事してくれなきゃ里沙寂しいぞー。」
いつもきっちりしてる新垣さんのこんな姿始めて見た。
- 121 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:43
- しかしこんなしょうもない姿を見てもそれを可愛いと、愛しいと思ってしまう衣梨奈は異常なのだろうか。
でもそろそろ新垣さんの体調が心配だ。
「新垣さ・・・ってうぇー!?」
新垣さんの具合をうかがおうと近づいて話しかけたら新垣さんにいきなり抱きつかれる。
「生田ー。えへへ。」
「ちょっ!新垣さん大丈夫ですか?」
「えーらいじょうぶらよー。」
「大丈夫じゃないじゃないですかー。ちょっと水貰ってきます。離してください。」
しかし新垣さんは衣梨奈を離さない。
- 122 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:43
- 「新垣さん?」
「ねー生田?私の事好き?」
「えっ!?は、はい、好きです!」
「えへへ。里沙嬉しいなー。」
「に、新垣さん!?」
「ねー生田?生田の言う好きは、
・・・Loveなの?Likeなの?」
****************
- 123 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:44
- これまでの流れを思い出しても事態は一向に解決しない。
素直に答えて良いのだろうか?
最初は唯の憧れの先輩だった。
その後パフォーマンスに惚れ込んでファンになった。
しかし新垣さんの優しさや時折見せる可愛い姿に触れるにつれ唯の好きが恋になった。
この気持ちは新垣さんの言うLoveであろう。
しかし気持ちを自覚するのと伝えるのでは話は違う。
正直に伝えて引かれたら今まで様な関係ではいられなくなってしまう。
だから今まで曖昧な″好き″という言葉で新垣さんに伝えてきた。
- 124 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:47
- しかし今新垣さんに真意を問われている。
これ以上はぐらかす事はできないのかもしれない。
色々考え込でいると痺れを切らした新垣さんが話し出した、
「生田ー。なんで・・・答えてくれないの?」
新垣さんの様子がおかしい。
顔を覗きこむと新垣さん泣いてる?
「里沙ね、生田の事可愛い後輩だって思ってる。・・・でもね、生田が私に好きだって言ってくれる、近づいてきてくれる度に生田に惹かれてく。」
「新垣さ・・・」
「わかってるの!わかってる。生田が私の事憧れてるだけなんだって!
・・・だからずっと気持ちを誤魔化してきたの。
でも、それでも毎回生田に好きって言われる度びに気持ちが揺れるの。
生田を自分のものにしたいって。
生田に恋をしてるんだって。・・・私、もう誤魔化せないよ。」
- 125 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:48
- 衣梨奈はその告白に衝撃を受ける。
新垣さんが衣梨奈に恋をしてること。
それより一番ショックなのは衣梨奈の曖昧な言葉が新垣さんを悩ませ、
傷つけていたと言う事だ。
大好きな人を傷付けてしまったことに衣梨奈は罪悪感を得るとともに決心した。
自分も逃げないで正直に伝えようと。
- 126 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:49
- 「新垣さん!」
「んー。」
衣梨奈は意を決して新垣さんに伝える
「***********」
「・・・」
しかし新垣さんの反応はない。
衣梨奈は不審に思い新垣さんの顔を覗き込む。
「すー。すー。すー。」
・・・寝てる
「嘘やろー!」
衣梨奈が勇気を振り絞ってした告白も新垣さんが寝ていれば全くもって意味がない。
衣梨奈は軽く凹みつつももう一度新垣さんの顔を覗き込む。
新垣さんは先程までの思いつめた顔とは打って変わって幸せそうな顔で眠っている。
こんな可愛い寝顔を見せられたら怒るに怒れないじゃないかと溜息をつく。
- 127 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 21:49
- そして寝てしまった新垣さんをベッドまで運び自分も寝ようと部屋の電気を消し新垣さんのベッドに潜り込む。
新垣さんの寝顔を見ながら衣梨奈は再び決心した。
朝になったらもう一度新垣さんに伝えよう。
″愛してます。衣梨奈も新垣さんに恋をしてるんです。″って。
- 128 名前:名無飼育さん 投稿日:2012/11/30(金) 22:12
- >>108-113 「Love or Like 2」
>>114-127 「Love or Like 3」
>>106
レスありがとうございます。お待たせしてしまってすいません。
自分のなかでの生田のイメージは「あえてKYを演じている」というものなので、
それが伝わっているようで幸いです
生田について詳しく書かせていただきますと、彼女は非常に視野が広いように思います。
雑誌のコメントやバックステージ映像などを見るとよくわかりますよね。
誰かが一人で寂しそうにしていると近くに寄っていくという話や、
光井さんの卒業が決まった時は光井さん、香音を気遣い寄り添って励ます姿が印象的です。
はたから見ればそっとしておいてあげた方がいいのかもしれませんがそこをあえて踏み込める彼女は偉大だと思っています
新メンバーの小田さんが既に生田に懐いているのもこういうところに救われてるからなのかもしれませんね。
また私は生田がガキさんに惹かれていったのもこの性質が原因だと思っています。
当時のガキさんもまた最愛の同期である愛ちゃんの卒業で寂しさを感じていたことでしょう。
そういうガキさんのさりげない寂しいオーラを生田は敏感に感じ取ってガキさんの側に寄り添うようになったのではないかと私は思っています。
まあそうやって寄り添っているうちに逆にメロメロにさせられたんだから面白い話ですw
ちょっと生田を褒めすぎた感もありますがフィルターがかかっているんだと思ってお許しくださいw
- 129 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/10(木) 12:57
- ここの生田さんは作者の溢れんばかりの愛情の賜物だったのですね
生→ガキの心理的要因については思い付きもしませんでした。なるほど・・・!
これからもいろいろな生田さんが見られることを楽しみにしてます。
- 130 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:40
- お久しぶりです
長いこと放置してしまってすいません
バイトやら卒論に追われる日々でなかなか更新できませんでした
今回は生存確認と、前に書いてどこにも載せていなかった話を投稿したいと思います
だいぶ前になってしまいますが娘。ハワイツアーの生田のMCレポを参考に書いたものです
- 131 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:40
- 「出発前夜」
- 132 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:41
- 「あー!どうしよー。用意が全然出来取らんのに。やる事一杯あるー。」
厄介ごとを後回しにしてしまう自分の性格を恨みつつ荷造り等の準備に追われていた。
明日からは娘。のハワイツアーである。
始めてだった去年とは違い、
今年は二回目の余裕からか気が緩んでしまい出発前日が迫ったというのに殆ど準備ができていなかった。
更にやることは沢山ある。
MCの確認やライブでやるソロ曲の練習、オプショナルツアーの段取りの確認など目が回りそうだ。
しかし幸いな事に、ハワイツアーを控え各自身体を休めるようにと、今日は午後からオフな為、
まだ時間は残っている。
泣き言を言っても仕方ない。
「よし!」っと自分で気合いを入れ直し、やらなければならない事を黙々とこなしていった。
- 133 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:42
- 「ふー。何とか終わった。」
衣梨奈は、持ち前の集中力と気合いで何とか今日中にやるべき事を一通り片付けた。
なんとかやり切った自分を褒めつつ心地よい疲れにまどろんでいた。
まどろみながらも机の上でチカチカと光を放っている自分の携帯が目に入る。
準備に集中しすぎて携帯を放置していた事を思い出し、
まずいなと思いながら携帯に手を伸ばす。
携帯を見るとどうやら着信とメールの履歴があるようだ。
初めに着信の方を確認する。
着信履歴の一番上に現れた名前に驚くと共に電話に気づかなかった自分を呪った。
「新垣さん・・・」
直ぐに折り返し電話しようと思ったがメールもきていた事を思い出し、先にメールを確認しようと文面を呼び起こす。
- 134 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:42
- 差出人と短い本文を読むと、
衣梨奈は血相を変えて電話をかける。
そのメールの文面にはこう記されていた。
**************
差出人:新垣里沙
宛名:生田衣梨奈
Re:
生田!電話に出ろ!
*************
- 135 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:43
- 折り返し電話をしたが、
少し時間が空いてしまった為か新垣さんは中々出ない。
しまいには留守電になってしまったので、仕方なく電話を切る。
「あーあ。せっかく新垣さんから掛けてきてくれたのに。ハワイに行く前に声が聞きたかったな。」
そう落ち込みベッドに寝転がる。
寝返りを打って悔しがりながらふと考える。
「新垣さんの要件はなんだったんだろう?」
こちらから電話を掛ける事は頻繁にあるが向こうからかかってくる事は滅多にない。
何か重要な要件だったのではないかと想像し、せめてメールで聞こうとメール作成を始める。
メールを打ち送信しようとした時、携帯が着信を告げた。
着信:新垣里沙
画面に現れるその名前を見ただけで胸が高鳴る。
- 136 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:43
- 今度は取り損ねないように素早く通話ボタンをおす。
「新垣さ「あーやっと繋がったー!一回でちゃんと出ろバカ生田!」」
衣梨奈が話し始めると食い気味に少し怒ったような声で新垣さんが言った。
余りの勢いに驚きつつも、電話に出れなかった事に対して謝る。
「すいません新垣さん。明日の準備が中々終わらなくて・・・。さっきやっと終わって電話に気付きました。」
少し言い訳っぽくなってしまったが嘘はついていない。
衣梨奈は新垣さんがの返事をまった。
「そっかー。まあでもちゃんと繋がったから許してやろう。」
そういって新垣さんは笑った。
怒ってなくてよかったとホッとしつつも大事なことを思い出す。
衣梨奈は本題である電話の要件を新垣さんに問いかけた。
- 137 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 02:44
-
「それで新垣さん、衣梨奈は電話ができて嬉しいですけど、新垣さんから掛けてきてくれるなんて何か要件があったんじゃないですか?」
衣梨奈の問いに対して新垣さんはボソボソと話し始める。
「要件って程でもないんだけど・・・。生田ハワイに行っちゃうの?」
衣梨奈は新垣さんの様子に、ん?っと思ったが普通に答える。
「はい!明日からハワイツアーです!」
これに対して新垣さんは、またボソボソと話し始める
「そっか。・・・あのね生田。」
どうも今日の新垣さんは歯切れ悪い。
「新垣さん?」
「あのね生田、ハワイからもメールしてね。・・・生田のメールを見ると・・・元気がでるから。」
・・・どうしよう超可愛いんですけど。
普段からかなり頻繁にメールを送る為、正直迷惑がられてるのではないかと心配していた衣梨奈にとって非常に嬉しい言葉だ。
大好きな人の普段見せない甘えた姿に悶えながらもこう答える、
「毎日メールします!新垣さんがメールを読むのが追いつかない位に」
衣梨奈がこう言うと新垣さんは嬉しそうに笑った
- 138 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/01/13(日) 03:02
- >>131-137 「出発前夜」
当時のレポを見たときはあまりのデレガキさんぶりににやけが止まりませんでしたw
あと今日の生ガキ両者のブログを参考に新作書いているのでそのうち投稿します
>>129
レスありがとうございます。
そういっていただけて嬉しいんですが、自分ガキさんヲタなんですw
ガキさんを見る視点として生田がいるのでもしかしたらガキさんより生田を身近に感じているのかもしれませんw
でも生田には感謝しています。
リーダーとしての期間や、卒業してからもずっとガキさんの一番そばで応援してガキさんの支えになっているからです。
やっぱり不安な時って誰かからの評価が欲しいじゃないですか。
ブログなどで見ると、生田といるときのガキさんは心から楽しそうでうれしくなります。
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