なちまり超短編
1 名前:葉月 投稿日:2008/01/21(月) 23:48
なちまりの短編を書きたいと思います。更新はなるべく週末にできるよう
頑張ります。
2 名前:葉月 投稿日:2008/01/21(月) 23:48
「なっちぃー。好きぃー」

隣に座って雑誌をぱらぱらめくっているなっちに抱きつく。だって二人でいるのにさっきから
この愛しいハニーは全然おいらにかまってくれないから。雑誌ばっか眺めちゃってさ。一応、
って一応じゃないけど、おいらはとりあえずなっちと相思相愛の恋人なんですぞ?!

案の定、なっちは眉をしかめた。なんだよなんだよ、そんなにその雑誌クンがいいのかよぉ。
矢口さん、雑誌相手だろーがなんだろーが妬いちゃうぞぉ。

「もー、暑苦しいなあ」
「なにっ!このセクスィーな恋人に抱きつかれて、言うことはそれだけかっ!!セクシービィーッム!!!」
「いったいどこからセクシービームが出てるんだか」
「がーんっ....なっち、なんかいつもより冷たいよぉ...」

とたんにしゅんとなるやぐち。もともとちっちゃいのにさらにちっちゃく見えるよ。

「そんなことないっしょ。さ、変なこと言ってないでお買い物行こうよ。冷蔵庫の中なんもないっしょ」
「変なことって...なっち.....なっちいぃぃ.......好きって言ってよぉ....」
やぐちがうるうるの瞳で抱きついてきた。突然何を言い出すんだべかこのちっちゃいのは。
やぐちの目を見て「好き」なんて恥ずかしくて絶対言えるわけないっしょ...。
そんななっちの気持ちを代弁するかのように早まる鼓動。密着した体を通してそれまで伝わっちゃいそうで、恥ずかしくなった。

しかも、それにこのままだと絶対いつもの流れで...その、お買い物に行けなくなっちゃいそうだったし.....
言ってしまったんだ。後悔するようなひとことを....
3 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/21(月) 23:50
「もうー!やぐちウザいから離れてよ!キライ!」
ぐさっ。マンガで言うとぶっとい矢印が胸を貫いてる感じ?でもほんとうにその一言は矢口の心に深く突き刺さった。

(やぐちウザいから離れてよ!キライ!キライ!キライ!......)

頭の中でなっちの一言がリフレインする。しかも一番傷ついた「キライ」ってとこだけエンドレスループ。
♪大キライ、大キライ、大キライ、大キライ Ah〜 って感じ?最後に「大スキ」が来るから「なーに
スネてんだよこのツンデレハニーは。可愛いなあ」ってなるところが思いっきりただの別れ話になっちゃった感じ?

...って、んなこたぁどーでもいい。何ですか今の言葉は。本気なんですか、なつみさん。さすがの
矢口さんも今回ばっかりは傷ついちゃうってもんよ。いつも冷たいけどきっとそれは恥ずかしいからであって
心のうちではおいらのこと好きでいてくれてるはずって思ってた。あれ?本当にそう?

なつみさんと付き合いだしてはや2ヶ月。その間、おいらが「好き」って言ったことは数え切れないほどあったけど
なつみさんから「好き」って言ってくれたことって...(検索中...)....
もしかして......もしかしなくても......ない、かも.........


なんだかこの2ヶ月を思い出すと悲しくて、不安になってきた。だから、なっちの気持ち、確かめたかった。

「なっちは、おいらのこと好きなの?」
「っ?!....嫌いだったら、付き合うわけないっしょ...」
下を向いたままのなっち。どうしてそんな態度なんだよ。

「”嫌いじゃない”と”好き”は全然違うよ...」
「.....」
「なっちは、おいらが好き好き言うから一緒にいてくれるだけなの?思えばいつもそうだったよね。
どこに行くのもおいらから誘って、おいらがなっちの家泊まりたいって押しかけて、
おいらがなっちにキスしてそれから....」
悲しそうな瞳でやぐちはなっちを見上げた。

「おいら、1度もなっちに「好き」って言われたことない...」
「....やぐち.....」

どうして言えないんだろう。「なっちも矢口のことが好き」って言えばすむのに。また底抜けに明るいバカな
やぐちに戻るのに。やぐちにこんな悲しい顔させて...

思えば2ヶ月前、やぐちに告白されたときもなっちは...
真剣な思いをぶつけてくれたやぐちになっちが返したのは
「...知ってた。いーよ、付き合っても」
なっちもずっと好きだったのにね。どうして素直になれないんだろ。それから2ヶ月、なにも言わなくても
やぐちはなっちのそばにいてくれた。だからなっちを求めるやぐちに応えるだけでじゅうぶんだと思ってた。
好きでいてくれてることに胡坐をかいてたんだ。こんななっちは...やぐちにふさわしくない。

4 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/21(月) 23:52
「...もういい。なっちから「好き」って言ってくれるまで...甘えてくれるまで矢口、ここには来ないから....」
「え?」
「それじゃ、帰るね...」

やぐちはなっちに背を向けて出て行った。その背中を追いかけることもできずになっちはただ立ちつくしてた。


次の日から、楽屋でもお互い目もあわせないし話もしない状態が続いた。なっちはお仕事に支障が出ても
こまるし普通に話しかけようとしたんだけど矢口がなっちのこと避けてて。みんなは興味津々といった目で
見てる。矢口はなるべくなっちにつかまらないようにしてるのか、楽屋ではなっちから離れたところで
ごっちんやよっすぃ〜と一緒にいることが多かった。ごっちんとじゃれあいながら楽しそうに
笑い声をあげるやぐちを見てると悲しくなった。こないだまであんなになっち、なっち、って言ってたのに。
楽屋でもうっとうしいくらいくっついてきて他のみんなにあきれられるくらい一緒にいたのに。

やぐちは、なっちがいなくてももう平気なんだね....
自分が招いたことだけど...なっちはやぐちのそばにいる資格なんてないけど.....

やぐちが、どうしようもなく好きだよ。

他の人に渡したくない。なっち以外の誰とも一緒にいてほしくない。笑いかけてほしくない。
今まで、やぐちの全てはなっちに向けられていたから気づかなかった。でも、もうやぐちはこんななっちなんて
必要ないんだね...


今さら気づくなんて、ほんとバカだなっち。すぐにでもやぐちに謝りたい。謝って気持ちを伝えたいのに
いろんな気持ちが邪魔をする。この期に及んでもまだどこかで自分から好きって言ったら負けだとか
やぐちはなっちのことなんか全然気にしてないしなっちがいなくてもいいっしょとか思ってる自分がいや。
5 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/21(月) 23:54
あれからほぼ一週間、なっちとは話をしなかった。なっちのこと意識しないように気をつけてたし、
ごっちんやよっすぃ〜たちとバカ話したりふざけてる間だけはなっちのこと忘れられた気がした。
もうなっちなんて知らないんだから。...どーせおいらのことなんて気にもかけてないんだろうけど
わざと大きな声でごっちんと騒いでやった。.......ヤキモチ妬いてくれることなんて99%
ないんだろうけどね!それでも1%の確率を期待しちゃってるおいらがいる。ほら、ヤキモチは恋愛の
スパイスだって言うじゃん?マンネリだったカップルが強力な当て馬登場で燃え上がったりなんてよくある話。

最近、よくごっちんが腕を絡めてきて「やぐっつぁーん、好きぃ」なんて甘えてくる。これがごっちんじゃなくて
なっちだったら...と妄想しては心の中でごっちんに謝ってる。なっちに冷たくされて愛に飢えてるおいらとしては
嬉しいんだけどね。それが友達としての感情の域を出ないものだってわかってても。

いいもん、なっちに必要とされなくたってごっちんはおいらのこと好きって言ってくれてるから。
そう言ってやりたい衝動にかられたけどなっちのそばに立ったらおいら、寂しさで溜まりにたまった分、
なっちをどうにかしちゃいそうだったから意識してなっちの半径1m以内には入らないようにしてたんだ。

なっち...どうして好きって言ってくれないの?仕事仲間としての言葉なんて今は欲しくない。
ただその二文字の言葉だけを待ってるんだよ。それだけでいいのに...
そんな悲しそうな瞳で見ないでくれよ。おいら別に悪いことしてないもん。なっちがわるいんだもん。



そんなある日、ごっちんに話があるからって呼び出された。
6 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:46
「話ってなに?」
「うん...ごとーね。やぐっつぁんのことずっと好きだったの。」
「え?」
「本気で、好きだよ?だからごとーと付き合ってほしいなって...」
「あ、ありがとう。でも...」
「わかってる。ごとーはやぐっつぁんばかり見てるから。なっちのこと、まだ好きなんでしょ?」
「.....。」
「意地張らないでいいよ。この1週間、ごとーといる時もなっちのことばかり気にしてた。なにがあって
ケンカしたか知らないけど...ごとーのこと当て馬みたいにしてなっちがやきもち妬いてくれないかなって
思ってたでしょ。」
ごっちんに本心を見抜かれてたことにびっくりした。いつも「んあー」とか言って動かないし寝てばっかだし...

「ご、ごめん。そんなんに使われていい気持ちしないよね...サイテーだ矢口。」
「ううん、いいの。たとえ当て馬でもやぐっつぁんと一緒にいられるなら嬉しかった。なっちと
ケンカしたことで傷ついたやぐっつぁんを癒せるなら...ごとーといる時だけでもやぐっつぁんの悲しみが
薄らぐなら...ごとーはこれからもやぐっつぁんと一緒にいたい。好きだから。ずっとずっと。」
「ごっちん...」

ごっちんの気持ちがストレートに伝わってきて嬉しかった。でも頭のなかで浮かんだなっちの顔が
どうしても消えてくれない。どうして?好きとも言ってくれない、追いかけてきてもくれないなっちと
素直で率直に気持ちをぶつけてくれるごっちん。ごっちんと付き合ったほうがきっと幸せになれるよ?
もう一人の矢口がささやく。でも....


「ありがとう。本当に嬉しいよ。でも矢口は....ごっちんにそこまで言ってもらう資格ないよ。」
「資格なんて関係ないよ!ごとーはやぐっつぁんが好き、大事なのはそれだけだよ。」
ごっちんはついに泣き出してしまった。

「好きだよ...好きなんだよぉやぐっつぁんが...なっちのことまだ好きでいていいから
ごとーと付き合ってよぉ....。」
「....ごっちん...」
辛いんだよ、矢口も。ごっちんの気持ちが伝わってくればくるほど、気持ちに応えられないことが
辛い...なんでこんな矢口なのさ?矢口は...例えごっちんのほうが愛をたくさんくれるとしても
なっちじゃなきゃ駄目なんだよ?世界中の誰に愛されてもなっちじゃなきゃ.....なっちが矢口のこと
嫌いでも矢口はきっとずっとなっちのことしか愛せないんだよ...

でもごっちんも大切な友達なんだよ。泣かせたくない。それに、なっちと違ってこんなにも矢口のこと
必要としてくれてるごっちんを突き放すようなことはできない。

ゆっくりと泣いてるごっちんの背中を抱きしめた。
7 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:46
「ごっちん...泣かないでよ...矢口ごっちんのそばにいるから...」
「...ほんと?」
「うん...友達としてだけど...まだなっちのこと好きだしこれからも好きだと思う。そんな矢口でいいんなら...」

矢口はズルイ。なっちのこと好きなくせにごっちんも離したくないって思ってる。
最低だ。自分でも重々わかってる。

ごっちんは泣いた顔のままふにゃっと笑った。
「ありがとう...絶対いつかやぐっつぁんの気持ち、ごとーだけに向けさせるから!」
「ふふふ...できるもんならやってみろぃ」
「んあー!むかつくー!!ごとーのセクシーな魅力でKnock Out!させちゃうんだから!」
「それは矢口に対する挑戦か?」
「あはっ、やぐっつぁん、ごとーより2つも年上なのにぜーんぜん色気がないんだもん」
「あっ、てめー、それを言いやがったな!」
「あはははははっ」

よかった...笑顔になってくれた。ごっちんのあんな悲しい表情、もう二度と見たくないよ。


8 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:47
やぐちと話をしなくなって10日ほどたったころ。なっちは圭ちゃんに呼び出された。
なんだろう?圭ちゃん、妙に鋭くてよく見てるからなあ...やぐちとのことも、バレてるのかな。

「話って何?」
「なっち、矢口と仲直りしなよ。いい加減、見てるこっちが辛いよ。」
「な...」
「まあ二人とも仕事ではちゃんとやってくれてるからサブリーダーとしては別に言うこと
ないんだけどね。個人的には気になるのよ。二人とも無理してる感じがして。」
「別に無理なんか...」
「またそうやって強がる。もうやめなって。バレバレだよ?矢口が恋しくて恋しくてたまりませんって。
顔に書いてあるもの。」
「...圭ちゃんにはかなわないね....実はね.....」

なっちはこの前のことを洗いざらい全部話した。圭ちゃんはずっと黙って聞いていた。
「.....馬鹿じゃないの?」
話終えたあとの圭ちゃんの第一声はこれだった
9 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:48
「...そう言われても仕方ないね...なっちは大馬鹿だよ...」
「ほんと、馬鹿。負けだとかプライドとか意地とかそういうもの全部かなぐり捨ててでも
好きって言えるのがほんとの恋人じゃないの?うじうじ考えてばっかでなんの行動もとれないのは
矢口より自分が大切な証拠だよ。」
「.....」
なにも言い返せなかった。さらに圭ちゃんは言葉をぶつける。

「矢口に好き好き言われるからそれが当たり前だと思ってた?絶対矢口は自分から離れていかないって?
ほんと馬鹿。好きでいてくれること、一緒にいてくれることは決して当たり前なんかじゃない。
今日好きでも明日には嫌いになってるかもしれないの。人の気持ちなんて変わるものなんだから。
だからこそ「好き」って気持ちを伝えるのはすごく大事なのよ?毎日毎日言っても言いすぎってことはないと思う。
こういうことは言わなきゃ伝わらないのよ。そして言わなきゃどんどん相手は不安になってく。
それがもとで別れたカップルがどれだけいるか...
言わなくても一緒にいるからわかってるはずって思うのは傲慢でしかないの!ここまで言ってもまだ自分の
気持ち、矢口に言えないようならなっちは矢口にふさわしくない!!」

頭をがつーんと殴られたようなショックだった。圭ちゃんの一言一言が胸に痛い。そうだ、全部なっちが悪い。
今までずっと心の中にあったいろんな考えだとかプライドだとかがきれいに吹き飛んで、ただ矢口に会いたくなった。
会って、謝りたい。そして、今まで言えなかったぶんも含めて「好き」って言いたい。

10 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:49
「...圭ちゃんありがとう。なっち、目が覚めたみたい...。」
「なっち...」
「ほんとありがとう。大切なこと、なっちに教えてくれた。なっち、矢口に会いに行く」
「うん...気をつけて.....」

そのままわき目もふらず部屋を飛び出したなつみは、切なそうに圭がなつみの背中を見送っていたことなど
知る由もなかった。




みんなにやぐちの居場所を聞きながら必死に走り回って、矢口が屋上に行ったらしいことを突き止めた。

「やぐちっ!」
重い扉を開けながら愛しい人の名前を叫んだ。
そこにはやぐちのほかにもう一人。予想通りごっちんだった。

「....なっち。どうしたの?」
久しぶりになっちに向けられたやぐちの声。動揺してるのか、少し震えてる。
なっちが言葉を発する前に、ごっちんがなっちとやぐちの間に立ちふさがった。

「なっち、今さらズルイよ。10日もやぐっつぁんのことほっといたくせに。
ごとーはやぐっつぁんが好きだよ。なっちと違って、やぐっつぁんを不安にさせるような
ことはしない。」
ごっちんは今まで見たことがないくらい恐い表情してなっちを睨んでる。
さっきまでのなっちだったら身をひいちゃってたと思う。痛いほどごっちんがやぐちを
想う気持ちが伝わってきて、こんななっちじゃふさわしくないからって...


でも、もう負けない。迷わない。
11 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:50
「なっちは、やぐちが好き。...すごい、好きなの。今までは好きって言ったら負けたみたいだとか
変なプライドが邪魔して言えなかったし、やぐちがすごく好き好き言ってくれるからそれに
甘えてた。ほんと、ごめんね。」

やぐちはぽかんと口を開けてる。ねえ...やぐち、どう思ってるの?
愛しくてたまらなくなってやぐちをぎゅっと抱きしめた。久しぶりのやぐちの温もりに泣きそうになる。
抱きしめたらどんどん愛しさがあふれてきて、気持ちを伝えずにはいられなくて...

「やぐち....愛してる。心から...やぐちのことを....好き。大好き。好きすぎて頭おかしくなりそうなくらい....
やぐちを独占したい。なっち以外の人となんて一緒にいたら泣いちゃうくらい好きだよ.....
もうどこにも行かないで...なっちだけを見てて....お願い....」

一度あふれ出たやぐちへの想いはもうとまらない。
たとえやぐちの気持ちがもうなっちにはなかったとしても...


「やぐちが他の人と一緒に笑いあってるの見て、気が狂いそうだったよ...離れてみるまで大切さに
気づかなかったなっちを許して...もう負けだとかプライドとかそんなことどうでもいいの。
カッコ悪くたってみっともなくたって仕方がないよ。だって...なっちは...なっちはこんなにも
やぐちでいっぱいなんだから....」

「やぐちにだったらみっともないなっちだってさらけ出せる!やぐちが好き!すごく好き!!
大好きなの....お願いだからずっとなっちのそばにいて。今度は、なっちがやぐちを愛するから...」


「なっち....やっと、言ってくれたね....」
やぐちの目に涙が浮かんでる。
12 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:50
「矢口も、この10日間、どうにかなりそうだった...あんなこと言わなきゃよかったって後悔して...
なっちから好きって言ってくれなくたってそんなことどうでもいいから一緒にいたかった。
でも、おいらも変な意地張っちゃってたから...ごめんね、なっち。...愛してるよ」
「なっちも。もう離れないでね...離れちゃやだよ....」
「へへっ。離れろって言ったってもう離れてやんないから。後悔するなよぉ?」
「しないよ。絶対しない。やぐちさえいれば、なんにもいらない。」

「あはははは...こりゃ、かなわないなあ。」
ごっちんの声で急に二人だけのふぉーえばーらぶ!な世界から現実に引き戻された。
「あ...」
おいらたち、ごっちんの目の前でなんてことを!しかもごっちんはおいらのことを......

「ごっちん....その....」
ごっちんにかける言葉を必死に探すけど見つからない。
「あはっ、いーっていーって!そんなにラブラブなとこ見せ付けられちゃ、どうしようもないでしょ。
覚醒したなっちにはもう勝てないなって思ったもん。
なっち、やぐっつぁんを大切にね!でも今度やぐっつぁんを悲しませたら、その時は遠慮しないから!」
「わかってるよ。絶対やぐちのこと離さない自信あるもん。」
なっちはおいらをきつくきつく抱きしめなおした。く、苦しいよなつみさん。でもそれ以上に
嬉しくてたまらない。

おいら今、世界中の誰よりも幸せです...なっちの愛の言葉がカラカラに渇ききった心を癒してくれた。
んふふふふ....笑いが止まんないや...なっちがおいらのこと好きって、気が狂うほど好きって言って
くれた....くはーっ、テレるぜハニー。おいらきっと、顔まっかだろうな。
13 名前:大切なこと。 投稿日:2008/01/22(火) 22:51
その夜は10日ぶん、ううんそれ以上に愛し合った。やぐちにされるがままだったなっちが
初めてやぐちを攻めた。だって愛しくて愛しくて、なっちの愛を伝えたくてたまらなかったんだもん。
こういうこと、なんでやぐちがしたがるのかよくわかんなかったけど、今ならわかるよ。好きっていう
気持ちを伝えるためなんだね。真里...可愛かったな。



楽屋には一人でぽつんと座っている圭ちゃんがいた。
「けーちゃん...どうしたの?」
「別に...ちょっとね。」
声をかけてもこちらを振り向こうとしない圭ちゃんの正面にまわりこむ。
圭ちゃんの目が泣きはらしたのか真っ赤なのに気づいた。

「けーちゃん....」
「あはは、気にしないでよ。いろいろあってね。さ、帰ろ帰ろ。それとも一緒にご飯でも食べに行く?」
「うん!ごとー、今日は帰りたくないな。」
「コラ!どこで覚えたのそんなオトナの言葉...」
「え?別に変な意味じゃないもん!ごとーも今日は悲しいことあったから一人になりたくなくて...」
「そっか...ま、だいたい想像つくけど...今日はオールナイトで語り明かそうか!」
「うんっ!けーちゃん大好きっ!」
「こらこら、離れなさいってば....」


Fin.
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/06/03(水) 15:04
frrrrrrrrrrrbvfgtok
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/02/07(日) 00:26
暇つぶし程度です。
オチとかないです。

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