TIME LEFT
1 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:16
某所で挫折し続けた僕ですがやっと熊井ちゃんで作品を書きます。

駄文ですがよろしくお願いします。
2 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:17
『時間』ーすべてのヒトに平等なモノ。

何人にとっても1分1秒の長さは変わらない。そう、長さは。

使い方次第で大きく人生を変える力を持つ、時間。

あなたは本当に時間を有効に使えてますか?
3 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:18
4 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:18
今日も一日終わった。
私はふぅーと息を吐き、ベッドに入る。
そばにある時計を覗くとまだ23時50分。
日付が変わる前にベッドに入るのは、いつ以来だろう?
まぁいい。明日はコンサートあるし、体力蓄えないと倒れてしまうから、とにかくもう寝よう。

手元のリモコンで部屋の照明を落として、私は目を閉じた。
5 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:19
うっ・・・体が重い。
こんなこと今まで無かった。
相当疲れてるのかな。

「みやの命は今日までだよ!」

熊井ちゃん!?
どうやら、今夜の夢には熊井ちゃんが登場するみたい。
それにしても、強引な設定だな。

「起きて、起きてよ、みや!」

『起きて』と言われても、夢だから起きたら終わりじゃん。
相変わらず、熊井ちゃんは熊井ちゃんだ。
変な日本語だけど、そうとしか言いようがない。

「仕方ないな・・・抹茶スイーツあげるから起きて!」

愛理なら有効だろうけど、私には効かないよ。
でも、うるさいから一回起きて夢を見直すか。

パッと目を開いて体を起こす。
目の前に人間がいる・・・
えっ人間がいるの?なんで?

これも夢か。確かめるために、ベタな手法を使ってみる。

痛い。

どうやら、信じられないが現実みたいだ。
どうして熊井ちゃんが部屋にいるの?
寝起きの私の頭では…いや、私の頭では理解出来ない。
6 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:19
「やっと起きた!」

満面の笑みを浮かべる熊井ちゃん。
何しに来たんだろう?

「いやー、このまま起きないのかと思ったよ」

「熊井ちゃんは何でいるの?」

直球で疑問を投げ掛けた。
熊井捕手は変化球は捕球出来ないからね。

「みやに◎▲%#∀£○★」

くまくまし過ぎて意味がわからない。

「とっ、とにかくみやの命は今日の23時59分までなの!」

あぁ!まだ夢の中なんだ、安心した。
まだもう少し寝れるよね。

「ぬぁんで無視するの!ホントだよ、ホ・ン・ト」

あー、うるさい。まともな夢は見れないのかな。

「じゃあ、そうだとしよう。なら何で熊井ちゃんがわかるの?」

設定にボロが出たね、熊井ちゃん。

「それはウチが天使だから!」

強引に来たな。

「そんなこと言っても説得力ないよ」

「後で後悔しても遅いからね」

表現が重なってることは突っ込まないであげた。

「もう寝るから邪魔しないでね!」
7 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:21
ジリリリリリッ、ジリリリリリッ

もう起きる時間か。
目覚ましを止めて起き上がる。
冬が近づいてるせいか、肌寒い。
でも普段は寝汗なんかかかないのに布団がで濡れてる。
もしかしてと思い確認したけど、そっちは大丈夫みたい。
かなり嫌な夢だったんだろうと自分に言い聞かせて、一階に降りて浴室に向かう。

シャワーを浴びて、リビングに行くとママが朝ごはんを用意してくれていた。

なんだ。いつもと変わらないじゃん。

「おはよう、みや顔色悪いけど大丈夫?」

ママが心配そうにこっちを覗いてきた。

「大丈夫!大丈夫!それよりハムエッグ美味しそうだね」

「そう?なら良かった。早く食べて準備しなさいよ」

「ふぁーい。」

もう口の中にはハムエッグが詰まっていた。

急いで準備をして、家を出た。
8 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:21
玄関を出ると、そこには熊井ちゃんがいた。
一度目をこすってから見直したけど、熊井ちゃんはここにいる。
熊井ちゃんはいわゆる美少女のカテゴリーに属する。
モデルさんみたいな体型で、顔も整っている。
見た目だけなら、とても敵う相手ではない。
でも神様のイタズラなのか、中身は酷いもの。

そんな熊井ちゃんには良く笑わされるけど、今日は笑えない。
玄関まで来るなんて正気の沙汰ではない。

もう一度よく熊井ちゃんを見るとおかしな点に気付いた。
こんな朝から化粧をしてる。
普通ならすっぴんにマスクして現場に行く熊井ちゃんがメイクしてるのは、怪しいと言えば怪しいけど
熊井ちゃんのことだから、たまたまメイクしてるんだろう。

「夜言ったことはホントだからね」

あれこれ考えていると、痺れを切らしたのか熊井ちゃんが話しかけてきた。

「何のこと?」

あえて知らぬふりをした。
9 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:21
「なにゅ!?夜あんなに言ったのに聞いてなかったの?」

どうやら夢じゃくて本当に熊井ちゃんは夜枕元に現れたみたい。

「なるほど!」

私は頭は良くないけど、カンは良いみたい。
これは、ドッキリだ。
熊井ちゃんがメイクしてるのは偶然じゃなくて収録だから。
ちょっと安心した。
危うく信じてしまいそうになってた。

「ドッキリなんでしょ?」

あたりにカメラが無いか確認して熊井ちゃんの耳元…いや胸元で囁いた。

「ちっ違うよ、みや!ホントだってば」

仕方ない。仕掛人の熊井ちゃんのために騙されたフリをするか。

「わかった。わかった。」
10 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:22
熊井ちゃんと会場まで移動することになったので今回のドッキリについて詳しく聞くことにした。

でも、相手は熊井ちゃん。
当然くまくまするのでなかなか話が聞けない。
そんな中頑張って聞き出したのが次の通り。

・みやは今日の23時59分59秒に死ぬらしい。

・このことを他言した瞬間、死んでしまう。


驚くことにたったこの2つしかわからなかった。
たぶん、これ以上細かい設定が無いんだろう。
11 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:23
やっと会場に着いた。
熊井ちゃんの相手するのは、もう疲れた。
みんなに早く会いたい。

楽屋に向かうと、そこには驚くべき光景が。

なんとそこには熊井ちゃんがいた。
どういうこと?
私の隣にも熊井ちゃんはいる。
双子?ドッペルゲンガー?

だんだん視界が狭く暗くなってきた。


バタッ・・・・・
12 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:23
「みや、大丈夫?生きてる?」

この声は千奈美かな。
徳永千奈美は私と同級生で同じグループに所属する子。
太陽のような笑顔が特徴的でそばにいるだけでこっちまで明るくなれる。

「ちぃ?もちろん生きてるよ」

ソファーの上に私は横になっていた。
さっき、倒れたんだろう。
あまりの出来事が頭の処理能力を越えて強制終了したんだろう。

「よかったあ!みや死んだと思った!じゃあリハ行ってくる」

そう言って、千奈美は去って行った。

「信じる気になった?」

熊井ちゃん(?)が話しかけてきた。
何で2人いるのかわからないし、よく考えたらこんだけ堂々と存在しているのに誰も気付かないのはおかしい。

「あなたは熊井ちゃんじゃないの?他の人には見えないの?」

ここでも直球で疑問を投げかけた。

「うちは天使!熊井友理奈は仮の姿。まあ、あれはあれで独立してるんだけど…独立?うん、まあ、そんな感じだよ。あと他の人には見えないよ♪」

相変わらず、真顔で答えてくれるけど何言ってるかはよくわからない。

「要するに私は死ぬのはドッキリじゃなくて本当なの?」

「何度も言ってるけどホントだよ!」
13 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 17:24
受け入れ難い事実だけど、飲み込まないことには始まらない。
熊井ちゃんは嘘言ってるようには感じないし。

深呼吸して今私が置かれている状況をもう一度整理してみた。
時間はちょうど12時。
あと12時間の命。
これから何をしたら良いのかわからない。
もっと早く信じればよかった。
そんなこと思ってるうちに1秒1秒、時は進む。

時間が残酷な、そして何より大事なものだと今まで気付かなかった。
あとたった12時間で私は納得いく結末を迎えることが出来るんだろうか…
14 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/01(火) 21:36
面白そうです
応援してます頑張って下さい
熊井ちゃん良い感じです
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 05:46
何という不条理
だけど熊井ちゃんなら仕方ないなw
16 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 11:14
なんでみやびちゃんなのか理由有りそうで気になります
更新楽しみに待ってます
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:33
とりあえず、残された時間でやりたいことをケータイのメモアプリに書き出すことにした。

洋服をたくさん買いたい

これは真っ先に思いついたことだけど、よくよく考えたら買ったところで着る機会が無い。
モノなんて死ねば何の意味もない。
今まで私はそんな価値の無いモノに執着してたなんて、ちょっとバカみたいだ。

今までお世話になった人にお礼を言う

ベタなことだけど大切なような気がする。
でも、これをやってるとだんだん気分が重くなるような気がする。
これはやめよう。

とにかくコンサートに出ても意味無いから、私は会場を抜け出した。
18 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:34
「抜け出していいの?」

今まで黙ってた熊井ちゃんが急に話しかけてきた。

「いいの、だってみや死ぬんだよ?自分のために時間使わなきゃ」

これに対して返事は無かった。

抜け出したはいいけど、特に行くところはない。
何をすればいいのか、何処に行けばいいのか、正解がわからない。
19 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:34
「正解なんて無いよ!ただ言えるのは死ぬ時に後悔しないようにしゅること」

私の心を悟ったのか、いやそんなことは無いと思うけど熊井ちゃんがアドバイスしてくれた。良いこと言ってたのに噛むから台無し。

「そっかぁ、でも今死んで後悔しないなんてあり得ないよ」

「うーん、でも後悔は良くないよ!」

でも確かに、一つでも多くやり残したことを消化するのは良い考えかもしれない。
20 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:34
立って考えるのも疲れるから、公園のベンチに座った。

公園では子供たちが楽しそうに遊んでいた。

改めて考えるけどやり残したことってなんだろう。
一番やりたかったのは自分のブランドを作ること。
でもこれは残された時間では実現出来ない。

あとは…いやこれはやらない方がいい。
やったら逆に後悔するから。

「なになに?」

ニヤケながら熊井ちゃんが聞いてくる。

「何でもない。とりあえず昼ごはん食べようかな!」
21 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:35
ブー、ブー、ブー
ケータイに着信が入った。
マネージャーさんからだ。
出ても怒られるだけだし、コンサートに出る気はさらさらない。
ケータイの電源を切り、バックにしまった。

あれ、熊井ちゃんがいない。
そういえば熊井ちゃんは時々姿消すけどどこか行ってるのかな?

まあ、天使さんに構う暇は無い。
どこでお昼食べようかな?
いや、結局食べたところで何の意味も無いか。

危うく時間を浪費するところだった。

ふと、遊んでいる子供たちに視線を落とす。
私にもこんな時期があったな。
なんだか死を目前にしてるせいか、懐かしさを感じた。

そうだ、私の歴史を振り返ろう!
思い出の場所巡り。
これだ、これはいつかやりたかったことの一つだし、今からやれる。

そう思い、駅までダッシュした。
22 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:41
最初の思い出の場所、幼稚園に着いた。

時計を見ると15時。
まだまだ時間あるみたい。

今の幼稚園はセキュリティがしっかりしてて、中に入れない。
私がいたころは休みの日も自由に出入り出来たのにね。
時代は変わったんだねと私らしくないことを考えていると熊井ちゃんが突然現れた。

「急にみや居なくなるからうち慌てたよ」

熊井ちゃんらしさは天使と言えど変わらないんだ。
それにもともと急に居なくなったのは熊井ちゃんの方だしね。

「ごめん、ごめん。過去を振り返りたくなったからここまで来ちゃった」

「せっかくだからみやの思い出話聞かせてよ」

「じゃあ、ランキング形式で発表しようかな!?」

暗くなるのは良くない、明るく楽しく思い出を振り返ろう。
死ぬ前に楽しかったこと、辛かったことにお別れを告げよう。
そうすれば、この世に未練なんて残らないんじゃないのかな。
23 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:42
「ドコドコドコドコ〜ジャン 第3位は発表会!」

「結構ベタなやつだね!」

「まあそうだよ、劇をやったんだけど、みやヒロインになれなかったの。」

「ヒロォォォイィィィィン!」

「目立ちたがりだったから、悔しかったんだ。結局、ごねてWヒロインってことになったけど、今思うと元々ヒロインだったことに悪いことしたね」
24 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:43
「続いて ドコドコドコドコ〜ジャン 第2位は逆上がり!」

「なんか女の子らしくないね…」

「そうなんだけど、これは凄く印象に残ってるの。好きな男の子がいて、その子が逆上がりできたんだ。みやも逆上がり出来るようになれば、その子に近づけるかもって思ってかなり練習したの。」

「甘酸っぱいね。」

「まあね、結局逆上がりが出来るようになった頃にはもうその子のことはどうでもよくなってたんだけどね。」
25 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:43
「ラストは ドコドコドコドコ〜ジャン 第1位はお味噌汁!」

「なにそれ?」

「うちの幼稚園は週に1回、お味噌汁が給食で出てたんだ。みやね、中に入ってる人参が嫌いでいつも残してたんだ。」

「あー、そういうことね♪」

「話には続きがあって、いつも人参を残すと先生に怒られてたんだ。でね、それが嫌だったから人参をこっそりティッシュに包んでゴミ箱に捨てたんだ。」

「見つかっておこられちゅ#%*☆◎」

「相槌で噛まないでよ、話づらいじゃん」

「許してガォー、熊だけに」

「・・・」

「ぬぁんでー!うちの渾身のネタスルーしないで」

「いや、見つからなかったの。」

「良かったじゃん!」

「今だったらそうなるんだけど、当時の私はこのことを後悔して、後で泣きながら先生に謝ったんだ。そしたら、先生に誉められたの。『ごめんなさいがちゃんと言えるみやびちゃんは偉いね』って。今はそういう純粋な気持ち忘れてるのかもしれないね」

「良い話だね!」
26 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:43
「逆上がりしていく?」

「でも中に入れないよ」

「てんすの力にゃめないで」

「えっ?」

「とにかく入れるから」

そう言って、熊井ちゃんは私を肩車してくれた。
天使の力とか関係無かったけど、懐かしいグランドに入れて嬉しかった。

「変わってないなー」

セキュリティは厳しくなってはいたものの、中は私が居た頃のままだった。

毎日、走り回ったこのグランド。
校舎もあの頃に比べたら古くなったけど、あんまり変わってない。

「熊井ちゃん見て!あの鉄棒!みやが練習した鉄棒あれあれ!」

鉄棒もあの頃のまま残ってた。
何度も何度も練習した逆上がり。
『もう遅いから帰ろう』とパパに言われても止めなかった逆上がり。

今、そこまで熱くなれるモノあるかな?
なんか日常を淡々と過ごしてたような気がする。
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:44
「やってみせて!」

「まかせて」


出来ない・・・
何度も試みたけどやっぱり出来ない。

「出来ないの?」

熊井ちゃんが2階ぐらいの高さから覗きこんでくる。
おかしいな、出来たはずなのに。

「高さが合わないんじゃない?」

なるほど、そういうことか。
まさか熊井ちゃんが的を射たことを言うとは思わなかったけど。

「みや、大きくなんたったんだね」

「そうそううちほどじゃないけどね♪」

あの頃の自分から変わったのは体だけかな。
中身を変わってしまったような気がする。

「なんかメッセージ残そうかな?」

「いいね!手伝うよ」

「遠慮しとく」

園児にメッセージか。
何書こうかな。

全然、名言思い付かない。
こういうところでまさか自分の頭の悪さを悔やむとは思わなかった。
28 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:44
「『エンジョイ!』は?」

「それ熊井ちゃんのメッセージじゃん」

園児にメッセージを贈るのではなく、昔の自分に贈ろうかな。
それなら少しはまともなこと書けるかも。

決めた。
29 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:45

今の自分を忘れないで。
30 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:45
そう、私はグランドに書いた。

「どういう意味?」

「いいの、いいの!わかる人にはわかるから」

こんな状況下に置かれて気付いたことがある。
この世に永遠なんて存在しない。
いや、限られてるからこそ人間は輝ける。
不老不死の世だったら誰も一生懸命生きないもんね。
もしかしたら、『死』は神様から人間へのプレゼントなのかもね。
人生をより楽しむためのスパイス。

ちょっと私、今知的かも。
こんなこと考えられるなんて自分じゃないみたい…
でも最期ぐらい自画自賛しても良いよね。
31 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:48
「小学校行こうか、熊井ちゃん」

「まだやるのー?」

「当たり前じゃん」

ここから小学校まで少し遠いけど歩いて行くことに。

辺りを見渡しながら歩いていると、昔良く行った商店がコンビニに変わってた。
そういえば、ママが言ってたかも。

「ねぇ、amって午後だよね?」

「午前だよ!」

相変わらず、熊井ちゃんは何処かネジが抜けている。
そう答えると凄く困ったような表情をしてるけど、特に気にする必要は無いね。
これぐらい熊井ちゃんにとっては平常運転だし。
32 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:49
「せっかくだし何か話そうか」

だんだん時間が進むに連れて沈黙が怖くなってきた。
私って見た目強がりだけど、本当は怖がりだから。

「みやは、好きな人いる?」

豪速球をど真ん中に投げ込んできた。

隠してもどうせ死ぬだけだし、誰にも言わなかったから言ってみるか。

「いるよ」

「うそー!どんな人?」

熊井ちゃんは満面の笑みを浮かべながら尋ねてきた。

「凄く真っ直ぐで見てるこっちが恥ずかしくなるような人。とっても近くにいるけどとっても遠い存在」

「そっかあ。その言い方だと片想い?」

珍しくカンが良い熊井ちゃん。
私は黙って頷いた。
33 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:49
「じゃあ、今から気持ち伝えに行こう!」

お正月を楽しみに待つ子供みたいなテンションで言ってくる。

「ムリ!」

「ぬぁんで?後悔するよ」

「今の距離で良いの、近づこうとして離れることの方が怖い」

これは本当に素直な気持ち。
嫌われて死ぬぐらいなら友達として死にたい。
傷つきたくないよ。

「バッシングポイントみたいだね」

「?」

「ほらBuono!の曲」

「あぁ!Vanishing Point ね。叩いてどうすんの」

下らないことだけど、笑えた。
34 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:50
「そんなのみやらしくないよ!」

私らしさか…。
なんなんだろう、私らしさって。
熊井ちゃんに聞いてみる。

「みやらしさって何?」

ちょっと考えてから答えてくれたけど、良く理解出来なかった。
期待した私がバカでした。
35 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:50
「でも、絶対後悔するよ。うち言ったよね、死ぬとき後悔しないように残された時間生きるんだよって」

時々、妙に台詞口調になるのが怪しい。
それにそういう時大抵私の死角にいる。
バッと熊井ちゃんの方を振り返った。

熊井ちゃんの手には何やら本みたいなモノがある。

「それなに?」

「取扱説明書だよ……うん!?、、、ただの本だよ!!」

説明書(?)を脇に挟んで両手を顔の前で振って、必死に違うことをアピールしてるけどバレバレだよ。
36 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:50
熊井ちゃんから本を奪って中を見た。
文が変な言語で書かれて読めない。
ところどころ、『平成』とか漢字が書いてあるけど基本的に変な言語。

「何語?」

「呼び名はないけど、天界で使う言葉」

「熊井ちゃんわかるの?」

「当たり前じゃん!天使だからね」

なるほど、だから日本語苦手なのか。
これは死ぬ前に良いこと聞いた。

「うちヴァイオリンガールなんだよ!」

「はいはい、バイリンガルね」

「そんな感じだよ!」

「ふーん。」

「バカにしてるでしょ!」

「なら英語も話せるの?」

「It's a piece of cake!」

「どういう意味?」

「楽勝だよって意味」

「それ用意してたでしょ?」

「バレた?」

当たり前じゃん。バッシングポイントとか言う人が英語話せるわけないし。
37 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:53
「何かその説明書にためになること書いてないの?」

待ってと私を手で制して熊井ちゃんは探し始めた。

その間することがないからケータイでもいじろうかと思ったけど、たぶん着信が入ってるだろうから電源を入れれなかった。
みんなに悪いことしたとは思うけど、許して欲しい。
残り僅かの人生だから自分のために使わないと損だよ。
今やってることが正しかったかはわからない、でもコンサートに出るよりはベターだったと思いたい。
38 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:53
「あったよ!『身近な人にメッセージを残そう』だって」

「それ、考えたけどなんか嫌」

「じゃあ、感謝じゃなくてダメ出しとかにすれば?」

「それいいかも!何もないのはやっぱり寂しいもんね」
39 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:53
コンビニでレターセットをたくさん買って、近くのカフェに入った。

「熊井ちゃん、見られたくないから外してくれる?」

「いいよ!行くとこあるし」

そう言って、熊井ちゃんは去っていった。

誰から書こうかな。
ベリーズから年齢順で書くのがいいかも。
40 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:54
佐紀

あんまりブリッコしないほうがいいよ

合ってないから
41 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:55
もも

肩の力抜きな

狙いに行った時のももあんまり面白くないよ
42 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:55
千奈美

もも活かすためにもっとツッコミ磨かないと

今の全然面白くないから
43 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:55
茉麻

痩せな
44 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:58
熊井ちゃんには要らないよね
45 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:58
梨沙子

メイク濃すぎ

自然な方がいいよ
46 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:59
書いてるとだんだん辛くなってきた。
短い文章にしたけど、考えてる間に一人、一人との思い出が蘇ってきて泣いてしまった。

近くの席に座ってる人達は私をじろじろ見てくる。
でも、涙のせいで視界が悪く気にならなかった。

何で私が死なないといけないの?
他の人でもいいじゃん。
悪いことなんてしてないよ。
今まですんなり受け入れたけどよく考えると残酷過ぎる。

時計の針は18時を指していた。
私は急いで両親への言葉を長文で、汚い文章になったけどちゃんと思ってることをしっかり書いた。
47 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/02(水) 23:59
℃-uteメンバーにも書こうとしたけど、ベリーズだけに書いた方が特別な感じで良いと思って書かなかった。

両親への手紙に時間がかかりすぎてもう19時。
残された時間は、あと5時間。

何をやろうかな、死を迎えるまでの時間が苦痛だから今死ぬってのも悪くないかもしれない。

でもそんな勇気も無いしな…。
48 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:00
「みや書き終わった?」

熊井ちゃんが帰って来たみたい。
毎度毎度どこに行ってるんだろう。
天使という職業は忙しいみたいだ。

「終わった。あとは死ぬだけ・・・」

「何言ってるの?想いを伝えないと!」

いつになく真剣な表情で熊井ちゃんが言ってくる。

「さっきも言ったけど無理なの!諦めたの!」

「伝えないとダメだよ!絶対!」

こんな青春ドラマみたいなやりとりはごめんだ。
無理なものは無理。
いくら熊井ちゃんが泣こうが喚こうが。

「うち鈍いけど気付いたんだ。みやが幼稚園のグランドに残したメッセージの意味に。」

「えっ・・・」

「『今の自分を忘れないで』これって、昔のみやに向けたメッセージだよね。純粋で素直な気持ちだけを持ってた頃の。その気持ち、今持つべきなんじゃない?伝えるべきだよ!フラれてダサい死に方しても良いじゃん!かっこつける必要なんてないよ!」

熊井ちゃんの言葉は妙に力がこもってた。
私の背中を押してくれるような、怖がりな私に鞭を打つような言葉だった。

ただ、説明書をチラチラ見て言ってたのは残念だったけど。
49 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:00
「もう逃げない。最期ぐらい頑張ってみるよ!」

「そうだよ!そういう輝きがみやらしさだよ」

そうなのかもしれない。
派手に可愛く輝くのが私らしさ。
弱気な私なんてホントのじぶんじゃない。

残り時間の過ごし方の正解はわからないけど、私はあとの5時間は自分らしく生きていこうと思う。
50 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:01
ずっと電源を切っていたケータイを眠りから呼び起こす。

予想通り、たくさんの着信にメール。
みんな心配かけてごめんなさい。

メールを見てると私が好きなあの人からもメールが来てた。

たぶん特別なメールなんかじゃない。
誰もが送る心配のメールだろう。

そう思いメールを開いた。
51 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:01

みやがなんで居なくなったかはわからないし

私にはそんな権限ないけど


みやに最初で最後のお願いがあるの


今から会えないかな?


52 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:02
メール読んでる途中で涙が出て最後までしっかり読めなかった。
涙を拭いてもう一度読み直した。

私に会いたいの?
なんで?
もしかして私のこと好きなの?

というか、もしかして・・・

私のカンが外れてると良いなと思ったのは初めてだ。
53 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:06
ここまでで第一部終わりです
一応、三部構成の予定で第三部が長くなりそうです。
54 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 00:16
>>14さん
頑張ります。飽きっぽいのでたまに鞭を入れていただくと有難いですw

>>15さん
熊井ちゃんって便利ですよねw
一応理由もちゃんとありますけど熊井ちゃんだからってのが一番納得出来ますね。

>>16さん
あるカプを書きたくてみやにしました。
メジャーなカプじゃないんで違和感はあるかもしれませんが頑張って書きたいと思います。
55 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/03(木) 11:33
相手が気になるー
熊井ちゃんが熊井ちゃんですごいおもしろい
56 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:10




57 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:10
仕事から帰り、真っ先にお風呂に入る。
我が家のお風呂は、音楽がかけられる。
今日は、何を聴こうかな。

最近は、ベリーズとの合同コンサートで歌う曲を聴いてたけど何か別の曲を聴きたい。
そう思って服を脱いだ後なのにオーディオプレーヤーを取り出して曲を探す。

服着たままで探せばよかったということに気付かなかった。
脱いだ以上もう今更着たくなかった。
なんか負けた気がするし。
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:10
ハローの曲からあれこれ吟味したけどなかなか決まらない。
優柔不断だな。
こういう部分無くしたいと常日頃から思ってる。
もっとかっこよく生きたい。
天然なんて言われるのもいいけど、私はかっこいい女性に憧れる。
人は自分に無いものに惹かれるとよく言うけど、まさにその通りだと思う。

そうだ。
かっこいいといえば、Buono!
Buono!をシャッフルで聴こう。
そろそろお風呂に入らないと風邪ひきそうになるしね。
59 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:11
シャワーが流れると同時に曲も流れた。

ゴール

なんという選曲なんだろう。
なんかもっとアッパーな曲が良かったのに。
でも髪を洗い出したからスキップ出来ない。
一度ショートにした髪も今ではもうすっかり伸びて前みたいなロングになった。
ショートはショートで楽だったけどセットしなくていい分、朝出かける時はロングが楽かな。

『僕らの旅は続くよ』か・・・

いつか、一緒に歩んでいけるといいけど私たちはまだそんな段階ではない。
しかも、『私たち』なんて烏滸がましい。

向こうは私のことなんて何とも思ってない。
絶対にそう。
自惚れはいけない。
60 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:12
入念に髪を洗って、シャンプーを流し落とす。

トリートメントを髪に馴染ませ、体を洗う。

私は自分で言うのもあれだけど、私は胸が無い。
そこを除けばスタイル良いのに・・・とか言って。

JUICY HE@RTが流れてきた。

ボティソープを流しながら聴いていたけど、本当に今の私には共感出来る歌詞。

『真っ向勝負出来ない 乙女心気付いて』

ホントにそう。
人によってはたったそれだけのことを何躊躇してるのと思うかもしれないけど、私にはとても難しいこと。
61 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:12
体を流し終えて、シャワーを止めた。
浴槽に身を沈めながら考えごとをする。


なんでBuono!が好きなのか。


私が思うに『負けない魂』があるから 。
『現状維持で終わらない魂』があるから。
だから、その魂に共鳴するロックが似合う。
だから、その魂を表した様な片想いの曲が良い。
だから、私はそんな3人が好き。
そして羨ましい。
62 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:13
いつもより長くお風呂に入ったせいか、頭がぼーっとしてきたので上がることにした。

着替えて部屋に戻ると熊井ちゃんがいた・・・確かに熊井ちゃんがいた。
理由はわからないけど。

「舞美〜♪」

「くっ熊井ちゃん!?」

なんで熊井ちゃんが部屋にいるのか、状況が飲み込めない。

「なかなか来ないから舞美の家じゃないかもって心配したよ〜」

私があたふたしてるのをお構いなしに熊井ちゃんは話してくる。
血液型性格判断は信じてないけど、この時ばかりは信じざるをえない。
63 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:15
「どうやって来たの?」

まずは1つ1つ整理していかないと。

「飛んで!?」

普段あまり怒りを感じない私が拳を自分の太ももに叩きつけた。

「まじめに答えてよ!」

「ホントだよ〜舞美♪」

大きく息を吐き、心を落ち着かせる。
熊井ちゃんに怒っても仕方ないと親友の千奈美は良く言っていたし実際にそうみたい。

「用があって来たんだよね?」

「うん!舞美はあとだいたい25時間ぐらいで死ぬよ!」

熊井ちゃんの言ってる意味が私にはわからなかった。
64 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:16
「どういう意味?」

聞き間違いかもしれないからもう一度聞く。

「もう舞美天然なんだか〜明日死ぬってこと♪」

そんなポップに言われても困る。
こっちは死ぬ(?)のに…

「なんで私が死ぬの?教えて教えて」

さすがに取り乱す。
こんな状況で取り乱さない人間はいないはず。

「詳しくは言えない。それに人は誰だって死ぬんだよ。早いか遅いかが違うだけでゴールは同じ」

急に台本読んでるかのように流暢に言った。

「だからって明日死ぬなんてありえないよ!」

「そういう運命なんだよ?」

何で疑問形かはわからないけど、熊井ちゃんが嘘つくとは思えないから恐い。
急過ぎるよ。
まだ20歳にもなってないのに。
65 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:18
「じゃあ、行くところあるから!また来るよ!あと、このことは人に言っちゃダメだからね!」

そう言って熊井ちゃんは部屋を後にした。
66 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:18
熊井ちゃんが言うことが本当ならあと1日の命。

皮肉にも明日はコンサートがある。
どうしよう。
コンサート行かないでいいかな?
だってあと1日しかない人生なのに仕事なんてあり得ない。

熊井ちゃんの言葉のせいで一人で部屋にいるのが急に怖くなった。
かといって、今からどこかに出かけるなんて出来ない。
67 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:19
誰かにこのことを相談したい。
でも、熊井ちゃんが『人に言っちゃダメ』と言ってたし、誰も信じてくれないんだろうし。

かくいう私が半信半疑だしね。

このことさえ言わなかったら良いだけだよね。
誰かと話さないと気持ちを保てない。

私は親友の千奈美に電話することにした。
68 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:19
ケータイを取り出し、電話をかける。

「ちぃ今暇?」

「暇だよ!珍しいね!舞美から電話するなんて」

「うん…」

「元気ないけど大丈夫?」

今の私のテンションを悟られてはいけない。

「そっ…そんなことないよ?ちぃこそ元気無いんじゃない?」

無理矢理誤魔化した。

「元気はあるけど怒ってるよ!」

「何で?」

「お姉ちゃんが勝手にうちの服着ていって汚したの?酷くない?ありえないでしょ?」

「それぐらい許しやりなよ」

「ダメ!許せない!もう5回目だよ?舞美は優しすぎだよ!怒る時は怒らなきゃ」

電話越しだけど、千奈美の怒りがヒシヒシ伝わった。

「私優しすぎなのかな?」

『あんまりみんなに優しいと自分が不幸になるよ』と人から言われたことがある。
69 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:19
「優しすぎだよ!でも舞美のそういうところをみんな好きなんだと思うよ」

「そうなのかな?」

「そうだよ!でも言わなきゃいけない時は言わないと伝わらないよ!」

確かに私はあまり人にあれこれ言わない。
当然そんなことだから好きな人にも気持ちは伝えられない。

この後もくだらない話を1時間ぐらいした。
70 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:20
千奈美のおかげで少し気持ちが明るくなったけど問題が解決した訳ではない。

明日何するか考えないと。
熊井ちゃんに聞いても意味ないだろうから自分で考えないといけない。

やるべきこととやりたいこと。
アイドル矢島舞美と個人としての矢島舞美。

この折り合いをつけないといけない。
71 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:23
仕事をするなんてあり得ないと思ったけど今までずっとやってきたし、もちろん好きなことだからやってこれた。
お世辞にも人気アイドルだったとは言えないけどそれなりに応援してくれる方はいた。
辛い時、仲間が居なくなって悲しいときもファンの皆さんの暖かい声援に助けてもらった。
そんな人たちに最期の姿を見せないわけにはいかない。
私にとっては何百分の一のコンサートでも来てくださるお客さんには特別な一公演だから。

それにみんなに迷惑をかけたくないしみんなと最後の思い出を作りたい。
ずっと一緒にやってきたみんなと明日でお別れになるなら、明日のステージは人生最高のものにしたい。

これでいいと思う。
最期までアイドルとしてのプライド持って生きれたならそれはもう幸せだと思う。
72 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:24
もう一つ、矢島舞美個人としてのやるべきこと。
それは想いを伝えること。

大好きな、大好きなみやに伝えたい。
正直あんまり仲良くない。
いや、恥ずかしくて普通の会話が出来ないんだ。
目が合うと好きだってバレるから絶対に目を見て話せない。

そんな状態なのに伝えられるんだろうか。
73 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:25
あと1日しかないなら、フラれても別にいいかな?


でも冷静に考えたらそれは危険な考え。
仮にフラれたら、私の死はみやにフラれたからってなってみやの心に大きな傷が出来てしまう気がする。

しかも、フラれなくても結局は同じ。
私が死ねばみやは恋人を失うことになる。

自分本位の考えで安易に気持ちを伝えたらみやに迷惑をかける。

諦めよう。
出会えただけで十分幸せだった。
明日一緒のステージに立てるだけで文句はない。
そう言い聞かせてたけど、頬には生温かい水滴が流れていた。

私はこの夜、結局寝ることが出来なかった。
74 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/06(日) 21:26
>>55
熊井ちゃん部分を誉めていただいて本当に嬉しいです。ありがとうございます。
75 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/07(月) 01:38
この方でしたか!確かにマイナーかも
謎が多い熊井ちゃんもまたイイ!!
76 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/11/09(水) 18:39
舞美だったんですね
更新楽しみにしてます
77 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/02(金) 18:31
受験が迫ってきたのでしばらく更新出来なくなります。
時間無い中、エロスレやフリースレを書いたりして放置してすいませんでした。
受験が終わったら必ず完成させます。
78 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/02(金) 19:44
受験生、だと…!
一読者ですが心から応援しております
この作品がこれからどうなってゆくのか楽しみです
のんびり待ってますね〜
79 名前:名無飼育さん 投稿日:2011/12/03(土) 18:44
更新かと思ったら、、、受験ですか。
頑張ってください。
待ってます!

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