気まぐれカップリング
- 1 名前:ais 投稿日:2008/05/17(土) 21:36
 
-  同じ夢板で書いているaisです。 
 もう片方はシリアスでやっているので、こちらではスレタイの通り、 
 気まぐれにカップリングを書いていきたいと思います。  
- 2 名前:ais 投稿日:2008/05/17(土) 21:37
 
-  誰と誰という決まりはありません。 
 基本的には現メン、もしくは卒メンのモーニング娘。のメンバー同士です。 
 まずはれなえりから入ります。 
 では、どうぞ。  
- 3 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:39
 
-  今日はダンスレッスンの日。 
 今は練習が始まるまで楽屋で待機中。 
 普段ならワイワイと騒いでるモーニングの楽屋なんだけど、 
 今日はちょっと違ってた。 
 その原因は、れいなともう一人のせいっちゃけどね。 
  
 「何でそうなるのよ!れーなのバカ!」 
 「ば、バカとはなんね!?絵里の方がおかしいやろ!」 
 「れーなのバカバカバカ!絵里、間違ってないもん!」 
 「そんなの絵里の我侭やろ!」 
  
 いつも以上にうるさいのは、まぁ今の会話の通りれいな達が悪いんやけどね。 
 れいなと絵里が、大声を上げて口げんかしとるとこ。  
- 4 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:40
 
-  小春達もいるのに大人気ないってのもわかっとる。 
 でも、絶対にここは引けん! 
 絵里にっつうより、誰にも負けたくないってのがれいなやけんね! 
  
 「はいはい、ストーップ!」 
  
 相変わらず昭和っぽい止め方でれいな達の間に入ってきたのは、 
 れいな達モーニングのサブリーダーのガキさんやった。 
 ガキさんが間に入っても、れいな達の睨み合いは続く。 
  
 「もうさ、何でそんなケンカしてんのよ?仲良くしようよ。ね?」 
 「だってガキさ〜ん。れーながひどいこと言うんだよ〜。」 
 「ひどいってなんとよ!?絵里が聞き入れないだけっちゃろ。」 
  
 ガキさんが入ろうと構わず口げんかするれいな達。 
 ガキさんはあっさりとれいな達に弾かれて、大きなため息をついた。  
- 5 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:41
 
-  ガキさんは、今度は愛ちゃんと雑誌を読んでるさゆに近寄った。 
  
 「さゆみん、あの二人を止めて・・・。」 
 「いやです。」 
 「うぇっ!?どうしてさ?」 
 「あの二人、止めに入るとあとあとうるさいんですよ。絵里がきたられいな、 
  れいなの次は絵里ってね。だから好きなだけやらせておきましょう。」 
  
 さすがはさゆ、よくわかっとるな。 
 同期やけん付き合い長いもんね。 
  
 そしてれいな達もわかっとるよ。 
 単に面倒やし、愛ちゃんの傍にいたいから動きたくないだけやってね。  
- 6 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:42
 
-   
 「愛ちゃんは何も言わないの?」 
 「ん、何か言わなきゃあかんの?」 
 「いや、だからリーダーとしてさ、メンバーをまとめないと・・・。」 
 「けんかするほど仲がええって言うやろ。仕事に問題なきゃええやろ。 
  騒がしい方がモーニングって感じやもんね。」 
 「・・・ハァ。本当にしっかりしてよ・・・。」 
  
 ガキさん、そんなにため息ついとると幸せ逃げると。 
 小春や愛佳、ジュンジュンリンリンも特に気にしてないし、 
 ガキさんには悪いっちゃけどれいな達の口は止まらんかった。  
- 7 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:43
 
-  それから、ダンスレッスン終了後のことやった。 
  
 「絵里!れいな!」 
 「「は、はい!」」 
  
 れいなと絵里は、愛ちゃんの目の前に立たされていた。 
 さっきのダンスレッスンの時、絵里とぶつかったことがあって、 
 それが理由でお互いをバカにし合っとって、集中できなくなったれいな達は、 
 何度も先生に怒られとった。 
  
 そして、れいな達の前には、まるで阿修羅のような顔つきで怒っている愛ちゃんの姿。 
 藤本さんも怖かったけど、今の愛ちゃんはそれに匹敵するほど怖かね・・・。  
- 8 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:45
 
-  愛ちゃんは普段は優しいお姉ちゃんやけど、仕事の時にはいつでも真剣やった。 
 やけん、れいな達の行動が許せなかったのはわかるっちゃけど、 
 マジ泣きそうなくらい怖いんやけど・・・。 
  
 隣のガキさんも顔を引き攣らせるくらいなんやけん、どうなるんやろ・・・? 
 周りにいるメンバー達は、何も言わずにれいな達を見とる。 
  
 「二人とも、さっき言ったよね?仕事に差し支えなければ、 
  何をしてもええって。」 
 「やって、れいなは・・・。」 
 「れいな、口答えしない。」 
 「・・・はい。」 
 「あ、愛ちゃん、私はそろそろ帰るね・・・。」 
 「ガキさん、それに他のみんなも、帰っちゃだめやよ。」 
 「えっ?」 
 「あたし達がモーニングやから、さっきのレッスンでも二人がけんかして、 
  それで練習が伸びたんやよ。やったら、この問題も片付けんと誰も帰れん。」 
 「いや、そうかもしれないけどさ・・・。」 
 「それに、明日はオフやけど、ここで終わらせんと明後日の仕事にも影響するやろ。 
  二人の性格上、どっちかが折れんと口も利かずに休みが終わっちゃうからね。」 
  
 愛ちゃんは、ガキさんの方を見てキッパリとそう言った。  
- 9 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:45
 
-  さすがはリーダー、れいな達のことをわかっちょるね。 
 確かに、れいなは絶対に電話もメールもせんつもりやった。 
 今までも誰かに言われて仲直りしたってパターンしかなかった。 
  
 うぐっ、後ろからさゆや小春の視線がチクチク刺さっとる。 
 仕方ない、ここはれいなが折れるしかないと・・・。 
  
 「あの、絵里、れいなが悪か・・・。」 
 「れいな、ストップ!」 
 「はい!?」 
 「愛ちゃん、どうして?」 
 「あたしがいるから仕方なく謝ってどうするんか?それで解決するの?」 
 「・・・。」 
 「明日、れいなと遊びに行こうと思ったんです・・・。」 
  
 絵里がぼそぼそっと話し出した。 
 愛ちゃんはじっと絵里を見つめてる。  
- 10 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:47
 
-   
 「この間の休みに遊びに行こうと思ってたんですけど、れいな達が 
  海外に行くことになって、遊びに行けなくなって・・・それで、 
  ちょうど明日が二人ともオフだから、一緒にいようって話したら、 
  小春と遊びに行くって・・・。小春には悪いんだけど、絵里を優先してって、 
  そう言ったら、れいなは約束を破れんって・・・。」 
 「・・・れいなにとっては、絵里は大事なんはわかっちょるけど、 
  小春も大事やし、約束破れんから・・・。」 
 「ふ〜ん、そういうことね〜。」 
  
 愛ちゃんはさっきまでの殺気?を消して、何度か頷いた。 
 そのあと、小春の方に目を向ける。 
  
 「小春、明日はどこに行こうと思ってたん?」 
 「明日は、田中さんと映画を見に行こうと思ってました〜。」 
 「ほうか。んじゃ、その映画、あたしと見に行く気はない?」 
 「小春は全然いいですよ〜!」 
 「れいな、そういうことやから。明日は絵里と過ごすこと!」 
 「は、はぁ・・・。」 
 「それじゃ、この話しはもうおしまい。モーニング、解散!」 
 「「「早っ!」」」 
  
 愛ちゃんはパッパとそう言って、みんなを楽屋から出していく。  
- 11 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:48
 
-  今残っているのは、れいなと絵里と、みんなを帰した愛ちゃんだけ。 
 れいなも帰ろうと思った時、後ろから愛ちゃんに肩を組まれた。 
 そして、絵里に聞こえないようにそっと囁いく。 
  
 「れいな、どうして絵里を好きになった?」 
 「えっ・・・?」 
 「れいなももっと大人にならんとね。」 
  
 愛ちゃんはパンとれいなの背中を叩いて、楽屋を出て行った。 
 大人になれって、どういう意味やろ・・・?  
- 12 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:49
 
-  絵里は、ずっと俯いたまま動かない。 
 ここには、れいなしかいない。 
 れいなから動かんと、何も始まらん。 
 絵里は自分から素直にならんで、仲直りすると甘えてくる。 
  
 ・・・大人になれって、そういうことか。 
 れいなは、絵里の隣の椅子にそっと座った。 
 そして、両肩を掴むと、絵里は恐る恐る顔を上げる。 
  
 「絵里、ごめん。れいなが悪かったと。」 
 「れーな・・・?」 
 「れいなは、絵里が一番大切で、一番好きな人やと。それなのに、 
  れいな、仕事が忙しかったせいで自分のことばっか考えとった。 
  れいなの前では、絵里にはずっと笑っててほしかね。寂しくさせて、ごめん。」 
 「・・・れーな〜。絵里の方こそ、ごめんなさい・・・。」 
  
 絵里はれいなに抱きついて泣き出した。 
 れいなは絵里の頭を優しく撫でる。  
- 13 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:50
 
-  最近では、ライブでは一緒にいるんやけど、それ以外の仕事では 
 各メンバーごとの仕事が増えてきて、あんまり相手にしてやれんかった。 
 それが当たり前のようになってきて、れいなは忘れていたのかもしれん。 
 一番大切な人に、笑っていてもらうってことを。 
  
 絵里は、どんな時でも絵里が一番好き。 
 やけん、これからも絵里にれいなを好きになっててもらえるように、 
 もっと大人になって、絵里のことをわかってあげないといかんね。  
- 14 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:51
 
-   
 「絵里、帰ろっか。」 
 「ねぇ、れーな。一つやってほしいことがあるんだけど。」 
 「なん?無理なことやなければ、何でもやってあげると。」 
 「仲直りのチューして。」 
 「うぇっ!?ここでキスすると!?」 
 「れーな、してくれないんだ・・・。」 
 「いや・・・うん!絵里、するから、目を閉じるっちゃ!」 
 「わ〜い。」 
  
 素直に目を閉じる絵里。 
 よく見ると、絵里も大人っぽくなってきとるんやな・・・。 
 って、見とれてる場合じゃなか! 
 れいなも目を閉じて、勢い任せに絵里の口唇に口唇を重ねた。 
  
 チュッ 
  
 プハーッ、緊張するぅっ! 
 たまにしとったけど全部絵里からやったもんやけん、れいなからは初めてのキス。 
 心臓が飛び出すくらい、胸がバクバクいっとるわ・・・。  
- 15 名前:大人になりたい 投稿日:2008/05/17(土) 21:52
 
-  キスしたことに満足したのか、絵里は思い切りれいなに飛びついてきた。 
 っつうか、倒れるっての・・・。 
  
 「うへへ〜。れーなからキスしてもらっちゃった〜。」 
 「え、絵里!今日はもう帰ると!色々と話したいことたまっとるし、 
  れいなの家、泊まりにくるといいっちゃね。」 
 「ってことは〜、続きは夜だね〜。」 
 「え、えと・・・。」 
 「それじゃ、楽しみはあとに残しておくとして、帰ろ〜。」 
  
 れいなの腕に絵里は体を密着させて歩き始める。 
 子供のような無邪気な笑みを浮かべる可愛い絵里。 
 絵里にもっともっと好きになってもらうためにも、れいなも大人にならんとね。 
 けど、本当に大人なのは、絵里の方かもしれんって思った今日この頃やった・・・。  
- 16 名前:ais 投稿日:2008/05/17(土) 21:54
 
-  まず一個目終了です。 
 こんな感じで書いていきます。 
 次回はまた別の話しでいこうと思います。  
- 17 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/18(日) 18:22
 
-  aisさんのお話どれも大好きです! 
 しかもれなえり! 
 ごちそうさまでした〜。  
- 18 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 10:56
 
-  今回は愛ガキでいきます。 
 愛情+友情って感じですw  
- 19 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 10:57
 
-  今日はモーニング娘。の歌収録の日だ。 
 メンバー達は、くだらないことを話しながらワイワイと騒いでる。 
  
 特に小春、最近うるさいね君は。 
 あっ、田中っちにうざがられた。 
 それでも気にしないっていうのが小春のいいとこ、っていうより 
 どっちかっていうと悪いとこかな。 
 まったく人の話しを聞かないてとこは、ホントに変わってないんだから。 
  
 まぁ、そんな感じでいつものようにモーニング娘。は騒いでますよと。 
 ただ一人だけを除いてね。  
- 20 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 10:57
 
-  私の同期で現モーニング娘。のリーダーの高橋愛だけは、 
 楽屋の扉のとこで、スタッフさんと真面目に話してる。 
  
 「・・・ってとこです。他に質問は?」 
 「そうですね。こちらをもう少し詳しく教えてもらっていいですか?」 
  
 本当に、真面目だ。 
 吉澤さんもそうだったけど、リーダーになるとやっぱり変わるもんなんだな〜。 
  
 私はじっと彼女のことを見てた。 
 すると、背後にソロソロと忍び寄る気配。 
 誰かってのは見ないでもわかる。  
- 21 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 10:58
 
-  ある意味、昔の愛ちゃん以上にどうしようもないメンバーだ。 
 私は後ろを向いて、その子の頭をペシッと叩いた。 
  
 「いった〜い!ガキさんが暴力ふるった〜!」 
 「そんな強く叩いてないでしょ。カメ、何してんの?」 
 「いや〜、今のガキさんにならイタズラできるかな〜ってね。」 
 「私は置き物かい!」 
 「間違ってはないかな〜。愛しの愛ちゃんを見つめてるガキさんって、 
  隙だらけだもんね〜。」 
  
 そりゃ、見つめちゃうって。 
 人前では言わないけど、愛ちゃんのことが大好きだよ。 
 付き合ってそこそこ経つんだし、愛ちゃんのがんばってるとこ、 
 見てたっていいじゃん。  
- 22 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 10:58
 
-  けど・・・こういうことを人に言われるのって何かむかつく。 
 特にカメに言われると、心から怒りが満ちてくる。 
 っと、いけないいけない。 
 このくらいで怒ってたんでは、サブリーダーとしてやっていけないよね。 
 私は気を取り直してカメに向き直った。 
  
 「で、何か用なの?」 
 「用?"よう"なんかない"よう"。な〜んちゃって。」 
  
 寒っ! 
 寒すぎにもほどがあるでしょ! 
 ポケポケプゥなのは知ってるけど、一つだけ確信したことがある。 
 仮にこの子がリーダーになったとしても、絶対に変わることはないだろうね・・・。  
- 23 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:00
 
-  そろそろ収録時間になるって時に、愛ちゃんの方も話しが終わったみたいで、 
 こっちに戻ってきた。 
  
 「みんな、集合〜。」 
  
 愛ちゃんは手を叩いてみんなを呼ぶ。 
 もうすっかり習慣になってるね、その掛け声。 
 私達はすぐに愛ちゃんの元に集まった。  
- 24 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:00
 
-   
 「今日はね、このあと一人ひとりゅられ・・・。」 
 「愛ちゃん、噛みましたね〜。」 
 「リーダーが噛んだ〜!」 
 「あ〜、またやってもうた・・・。」 
 「愛ちゃん、落ち込むことないよ。」 
 「ガキさん・・・。」 
 「愛ちゃんが噛むのはいつものことじゃん。誰も気にしてないよ。」 
 「・・・。」 
  
 そう言ったら、頬を膨らませて拗ねちゃった。 
 こういう子供っぽところは、相変わらずだよね。 
 それで、今度はムキになってやり直そうとすると。 
  
 「今度は失敗しないもん!このあと一人一人のスケギュッ!・・・。」 
 「愛ちゃん、大丈夫ですか・・・?」 
  
 やれやれ、今度は舌を噛んじゃったか。 
 なんとなく予想してたけどね・・・。  
- 25 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:02
 
-  でも、こうやって必死になってやり遂げようとするところは、 
 愛ちゃんの長所だよね。 
 できることなら、落ち着きももってもらいたいものだけど。 
 まぁそういうところも可愛いんだけどね・・・。 
  
 「いっら〜い!ひらかんりゃっら〜!」 
  
 ドキッ! 
  
 ・・・やばい、今の愛ちゃん、超可愛い。 
 ちょっと涙目になって、舌出しながら指で頬を押さえるとか、 
 どんだけ〜っていうか、マジ女の子って感じで、うん、可愛かった。  
- 26 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:03
 
-  彼女はボケが苦手だ。 
 そして、どこまでも天然だからわざとらしくは振舞えない、いわゆる素の状態だ。 
 それが、まぁ、愛ちゃんに惚れちゃう部分っていうか、私が好きな部分っていうか・・・。 
  
 「ガキさん、ニヤけてばかりいないで、愛ちゃんのフォローをお願いします。」 
 「さ、さゆみん!誰もニヤけてなんか・・・。」 
 「愛ちゃんの隣を譲ってあげたんですよ。ですから、愛ちゃんの彼女らしく、 
  堂々と助けてあげてくださいね。」 
  
 相変わらずズバッと痛いことを言うね。 
 たまに勝手にキスしちゃうくせに、けっこう嫉妬してんだからね。 
 それにブラックさゆみんに言われなくたって、ちゃんと助けます〜!  
- 27 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:04
 
-  私は前に出て愛ちゃんに手を差し出した。 
  
 「愛ちゃん、それ貸して。私が読むから。」 
 「うん。はひはん、ほへんへ・・・。」 
  
 そんなに痛かったのかな、まだ愛ちゃんの目には数滴の涙。 
 私がちゃんと説明するから泣くんじゃないよと、ポンと愛ちゃんの頭を撫でる。 
  
 そして、私は説明を始めた・・・っていうのに、コ〜ラ〜! 
 何でカメは私の一言一言に質問してくる!? 
 聞く時は聞く、ラジオでも言ってるでしょ! 
  
 そしてさゆ、あんたもいちいち突っ込みを入れないで話しを聞いて! 
 あんたがそそのかしたんでしょ! 
 いつものことといえばいつものことだけど、サブリーダーも大変だよ・・・。  
- 28 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:04
 
-  お仕事が終わったあと、みんなは楽屋で色々と話し終わったあと、楽屋を出て行く。 
 カメがご飯を食べに行こうって言ってたけど、私は断った。 
 いつもなら一緒に行くんだけど、どうしても気になることがあるんだよね。 
  
 それは今日のダンスの振り付け、そこでどうにも上手くいかないとこがあったんだ。 
 テレビ用に編集された画面では映ってはいないんだけど、私はそれでも気に入らなかった。 
 開けたら閉める、閉めたら開ける、そしておかしかったらすぐに直す! 
 それが新垣流の信条なのだ。 
  
 ってことで、楽屋にある姿見を見ながら振り付けの練習。 
 ん〜、どうにも合ってるようなおかしいような・・・。  
- 29 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:05
 
-  かといってダンスの先生は、今日は他の人に教えてるし、電話で聞くのも迷惑だ。 
 仕方ない、もう一度やってだめだったら、家に帰って復習するしか・・・。 
  
 「おっ、ガキさんまだ残ってたんか?」 
  
 楽屋に入ってきたのは、もう帰ったと思ってた愛ちゃんだった。 
 まだ残ってたんだ、っていうかかばん置いてあったのね・・・。 
 何にも言わないで帰っちゃうから、少し寂しかったんだよ。  
- 30 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:06
 
-  っていうのは恥ずかしいから言わないけど、どうしてまだいるの? 
  
 「次のお仕事について、マネージャーさんとお話してたんやよ。」 
 「ふ〜ん、そっか。愛ちゃんは偉いね。」 
 「それほどでも〜。それで、ガキさんはどして残っとるんか?」 
 「私は・・・まぁ、ちょっとね。」 
  
 言えなかった。 
 仕事に集中している愛ちゃん。 
 私も仕事と言えば仕事なんだけど、それはあくまで自分のことでしかなかった。 
 グループ自体を考えてる愛ちゃんとは違う。  
- 31 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:06
 
-  何がこうも違うのかな・・・? 
 私は盛大なため息をついて、椅子に座った。 
 愛ちゃんは不思議そうにこっちを見て、隣の椅子に座ってくる。 
  
 「ガキさん、どした〜?付き合っとるあたしにも言えんこと?」 
 「・・・愛ちゃんはさ、偉いよ。本当にそう思う?」 
 「ガキさん・・・?何かあった?」 
 「愛ちゃんはさ、歌も上手いし、ダンスもキレがあるし、演技にしても成りきれてて、 
  誰もがモーニングの顔だって認めてるよ。そして、メンバー達にも慕われてる。 
  だけど、私は違う。何もかもが足らないんだよ。今だってダンスのおかしいとこの練習、 
  どうしても上手くいってない、その程度なんだ。その結果がさっきのミーティング。 
  みんなちゃんと話し聞いてくれないから怒ってばかり、こんなことで、私は、 
  このあともモーニングで、愛ちゃんの隣でちゃんとやっていけるのかな〜ってね・・・。」 
  
 私はもう一度大きなため息をつく。 
 少しして、愛ちゃんが下を向いていた私の顔を、指で押し上げてきた。  
- 32 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:07
 
-  何、キス、するの・・・? 
 私は顔が迫ってきた瞬間、目を閉じた。 
  
 だけど、感じる温もりは口唇じゃなくて、その上のおでこだった。 
 愛ちゃんのおでこと私のでくっ付いてる。 
 何してるのって、聞こうと思うより先に、愛ちゃんは顔を離した。 
  
 「ん〜、熱はないような気もするけど、病院に行った方がいいのかね〜?」 
 「なっ!?こっちが本気で話してんのに、そんなこと・・・。」 
 「こっちやって本気やよ。普段なら今やって何するの!って怒ってくるじゃん? 
  ちゃんと同意した上でしなさい、って言いつつ喜んでするんやけ可愛いんやよね〜。」 
 「そ、それは・・・。」 
 「ガキさんはさ、自分のやってることに疑問は感じとるの?」 
  
 私は、静かに首を横に振った。  
- 33 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:08
 
-  確かに私は足らないとこがあるかもしれない。 
 けど、間違ってるとは思ってない。 
 私は私にできることをしてるんだから。 
 そう言ったら、愛ちゃんは嬉しそうに笑顔を見せてくれた。 
  
 「ガキさんが傍にいてくれんかったら、今のあたしはいないと思う。 
  あたしは考えんのが苦手やから、ガキさんに相談してばっかやった。 
  ガキさんは自分の身にかかるように考えてくれてる。怒りながらも、 
  ちゃんと自分の意見を言ってくれる。それは他のメンバーにしても同じやよ。 
  ガキさんが怒るって知ってるから、わざとふざけたり話ししちゃったりしてるがし。」 
 「・・・それは、問題じゃない?」 
 「確かにそうかもしれんけど、ガキさんがいるってわかってるからやと思うよ。 
  例えばガキさんがいなかったらどうなってたか、あたし一人やとグダグダで終わって、 
  まとめられんで収録しちゃって、失敗しちゃってたかもしれんしね。ガキさんがしっかりと 
  あたし達を見てくれてるから、あたし達も好き勝手にやれる。あたしはそう思っとるよ。」 
 「愛ちゃん・・・。」 
  
 やばい、ちょっと泣きそう。 
 愛ちゃんがまさかここまで私のことを考えてくれてるなんて・・・。  
- 34 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:09
 
-  って、ちょっと待て。 
 何でそこで目を閉じて顔を近づけてくる? 
 付き合ってるって言っても、決め事だけはちゃんと守りなさい! 
 私は、愛ちゃんのおでこを、軽く指で弾いた。 
  
 「痛っ!ガキさん、ひどいがし!何するんやが!?」 
 「あんたもさっき言ってたでしょ!私が同意してからキスするって。」 
 「む〜、ガキさんの意地悪!じゃあ、キスしていい?」 
 「えっ、えっと、まぁ、それは・・・。」 
 「んじゃ、キスするね。」 
  
 愛ちゃんの顔が近づいてきた。 
 私は断じてキスすることが嫌いなわけじゃない。 
 むしろ愛ちゃんとのキスはすごく嬉しいよ。 
 付き合ってからなら、二人きりであれば断ったことは一度もない。  
- 35 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:10
 
-  でも、こればっかりは恥ずかしさに慣れず・・・。 
 ただ、今日は愛ちゃんに救われた部分もあるんだし、 
 何されても・・・いやいや、それじゃ愛ちゃんが図に乗るからダメ! 
 だけど、キスくらいなら・・・。 
  
 ガチャッ! 
  
 「ガ〜キさ〜ん、まだ残ってるの〜?」 
  
 ドンッ!ビタンッ! 
  
 「いった〜・・・。」 
 「あ、愛ちゃんごめん!」 
  
 後ろからの声に焦ってしまい、つい愛ちゃんのことを押し倒してしまった。  
- 36 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:11
 
-  私は愛ちゃんの手を引っ張って、頭を撫でる。 
 そして、今の声の主を振り返る。 
  
 「カメ!いきなり声を上げない!それに、ちゃんとノックする! 
  私達の仕事は終わったんだから、他の人がいるかもしれないでしょ。」 
 「あれ?な〜んだ。いつものガキさんに戻ってる。」 
 「いつもの・・・?」 
 「だって、ガキカメの仲でしょ〜。見てればわかるよ。収録終わってからさ、 
  元気なかったじゃん。絵里でよければ、相談乗ってあげてもいいよ〜。」 
 「・・・何で上から目線なの、あんたは?」 
 「絵里に相談なんかしたら、逆に怖くて仕方ないでしょ。」 
  
 カメの後ろから楽屋に入ってきたのは、さゆみんだった。  
- 37 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:12
 
-  うん、確かにあんたの言うことは正しい。 
 ちょっと可哀想だと思うけど、間違ってはいない。 
 それで、どうしてさゆみんまで・・・? 
  
 「さゆみは、イヤなことは絶対にイヤなの。それ、ガキさんもわかってますよね?」 
 「そりゃ、痛いくらいによくわかってるよ。」 
 「今日の悩んでるガキさんを見ていたのは、とってもイヤでした。 
  ですから、特別にこのプリンセス・ワイワイが解決してあげますよ〜。」 
 「プリンセス・ワイワイって、手品以外にもできるんやね〜。」 
 「あっ、愛ちゃんひどいです〜。プリンセス・ワイワイは、万能なんですよ。」 
 「っていうか〜、その人と別人ってさゆが言って・・・モガッ!」 
  
 さゆみん、カメの口を塞いだとこで、私もそう突っ込もうと思ってたとこだから。 
 愛ちゃんは、まぁ・・・突っ込み体質じゃないから無理だけどね。  
- 38 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:13
 
-   
 「コホン・・・それで、何かあったんですか?」 
 「うん。ちょっと、振り付けで気になるとこがあって、復習してたんだ。」 
 「だったら、さゆみ達も手伝いますよ。二人より四人じゃないですか。」 
 「やったら、全員でやった方が効率よかね?」 
  
 楽屋の扉から、田中っちに小春に・・・って、全員揃ってるし! 
 何で何で・・・今日の私、そんなにおかしかった? 
  
 「あれ、れいないたの?小さくて気付かなかった。」 
 「さ、さゆ!ひどいっちゃよ!151.7センチあると!」 
 「小春小春!小春が新垣さんの様子がおかしいって言ったんです!」 
 「愛佳はメールしましたよ〜。」 
 「こ、小春の方が先に気付いたもん!」 
 「新垣さん、お菓子、残ってるんで、食べます?」 
 「あたし、リンゴ、あと二つ、あるから、少し切って、あげます。」 
  
 一気に楽屋に入ってきて、一斉に会話を始めるメンバー達。  
- 39 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:16
 
-  田中っち、そこまで細かく言わなくてもわかんないから。 
 小春、ミッツィ、意味のないけんかしない。 
 リンリン、お腹すいてたわけじゃないよ。 
 ジュンジュン、二つもあるのに少しだけ? 
 そうやって、突っ込まなきゃ・・・。 
  
 「あれ、ガキさん、泣いてるの?」 
 「べ、別に、泣いてなんて・・・。」 
 「ほらほら、泣きたい時は泣いててええんやで。」 
 「・・・愛ちゃんに子供扱いされたくないね。」 
 「素直じゃないわな。ほんまに子供やわ。」 
 「あんたが言うな!それに、私には泣いてる暇なんてないんだからね。 
  あっ、確かここってレッスン場あったよね?そこ貸してもらえないかな?」 
 「おっ、ガキさんやる気になったね〜。」 
 「よし、それじゃマネージャーさんに話してみよっか。 
  そのあとみんなでご飯にでも行こっか。」 
 「リーダーの奢り!?」 
 「サブリーダーとね。ただし、許せる範囲でね。それじゃ、みんな行くよ!」 
  
 愛ちゃん、何でそこで私も入れちゃうわけ? 
 確かに私の問題ではあるんだけど、カッコつかないとこは愛ちゃんらしいかな。 
 私と愛ちゃんを先頭にみんなで歩き出す。  
- 40 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:17
 
-  途中、愛ちゃんが肩を掴んで顔を寄せてきた。 
 またこの子はキスしようとしてるのかと思ったら、そうじゃないみたい。 
  
 「ガキさん、さっきの借りは高くつくやよ。」 
 「ああ、さっきはごめんね。痛かった?」 
 「うん。やから、ガキさんがあとでちゃ〜んと慰めるんやよ。」 
  
 ニシシって笑う愛ちゃん。 
 どこまでも子供だけど、どこまでも私のことをわかってくれてる。 
 他のみんなにしてもそう、私のことを、見ていてくれてるんだ。  
- 41 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:18
 
-  今日くらいは、私の方から愛ちゃんにキスしてあげよっかな〜。 
 調子に乗るとどこまでも突っ切ってくるから、でも今日だけは許してあげるよ。 
 私自身が、私を許せると思えるから。 
  
 きっと、いつかは見えない未来までたどり着くことになる。 
 その時に、今の自分も誇れるように、モーニングでよかったとその時も思えるように。 
 私は私で、ここにいるみんなで、できることならいつまでも愛ちゃんの隣で・・・。 
 いけるとこまで、やってやるさ!  
- 42 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:19
 
-  以上、「見えない明日へ」でした。 
 最後の最後でスレタイ変え忘れたことに気付きました・・・orz  
- 43 名前:ais 投稿日:2008/05/22(木) 11:20
 
-  >>17:名無飼育さん 
 そう言っていただけるとは感慨無量な思いです。 
 今後もちょくちょく更新していきますんでよろしくです。  
- 44 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/22(木) 12:42
 
-  愛ガキ…れなえり…うん!最高です! 
 さゆこはやリンジュンにはまり、愛佳をどうしようか悩む一般人がここにW  
- 45 名前:ais 投稿日:2008/06/05(木) 09:02
 
-  なんともいえないモテカメです。 
 今回は二部に分けます。  
- 46 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:03
 
-  昨日まではツアーでライブやってて、今日は簡単な打ち合わせだけで終了。 
 そして夜、絵里はガキさん宅にやってきていたのであった。 
  
 「何よ、その物語口調はさ?」 
 「べっつに〜。ただの気分ですよ〜だ!」 
 「はぁ・・・カメ、いい加減に機嫌直しなって。」 
 「だってガキさん、だって〜・・・。」 
  
 絵里は抱えていたクッションに顔を埋めた。 
 何かあるとこう、いつもガキさんに話しを聞いてもらってるんだけど、 
 今回に限ってはさすがの絵里でも立ち直れないよ〜・・・。  
- 47 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:04
 
-  一昨日のライブ前、ダラダラと過ごしてたらいつものごとくガキさんがガミガミと怒鳴るから、 
 たまには見返してやろうと思ってパッパと準備を終えたんだ。 
 どう、絵里すごくない? 
 ってガキさんに言ってやろうと思ったのに、当の本人は愛ちゃんとおしゃべり。 
 な〜んかつまんないって思って、さゆとお話ししてたの。 
 それでね、その時気付いたんだ。 
 時々どこかから視線を感じるなって。 
 それで周りを見渡してたらさ、ミッツィと話してるれいなが、たまにこっち見てくるんだ。 
 絵里が着替え終わってるの、そんなに珍しいのかな? 
 そりゃ毎回時間ぎりぎりまでドタバタしてて、れいなが日記の写真撮ってる時に 
 入ってあげたことなんてそうはないよ。 
 だから誘ってほしかったな〜ってのもあったんだけど、結局ミッツィとのツーショット。 
 う〜む、覚えてられたら、明日のライブの時には絵里から誘ってみよう、うん。  
- 48 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:04
 
-   
 「今日も、最後まで楽しくいこうね。モーニング娘。がんばっていきまっ!」 
 「「「しょ〜い!!!」」」 
  
 愛ちゃんの掛け声でみんなが一斉に手を振り下ろす。 
 いや〜、これは何回やっても気持ちいいもんだね〜。 
 さって、ガキさんいじりでもしてから絵里もライブに・・・。 
  
 「絵里。ちょっと待って。」 
 「ん?何、れーな?」 
 「いいから、きて。」 
  
 れーなに腕を引っ張られて、みんなから離れていく。 
 誰もいない通路のとこまできて、ようやく手を放してくれた。  
- 49 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:05
 
-  れーな、真剣な顔してどうしたんだろ? 
 お腹でも痛いのかな? 
  
 「れーな、どうしたの?ライブ始まっちゃうよ〜。」 
 「うん。わかっとる。すぐに済むけん、ちょっとだけれいなに時間ちょうだい。」 
 「ん〜、まぁいいけど、ガキさんに叱られない程度にね。それで、何?」 
 「絵里・・・このツアーが終わったあと、れいなと付き合ってほしい。」 
  
 ふむふむ、絵里に告白したいからこんなとこへ・・・うぇぇっ!? 
 れーなが絵里に告白!? 
 れーな、熱でもあるんじゃない?  
- 50 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:05
 
-  そりゃ前々から絵里が一番可愛いから彼女にしたいって、公に出すくらい 
 好かれてるのは知ってたけどさ〜、何もライブ前にそんなこと言わなくたって・・・。 
  
 「ずっと前から言いたかったけん、今日こそはって思って、絵里と付き合いたいと。」 
 「れーな・・・ずいぶんと急だね。」 
 「うん、わかっとるよ。けどほら、絵里。れいな、めっちゃドキドキしとるやろ。」 
 「ちょっ!・れーな、何して・・・。」 
  
 れーなが腕を掴んできて、それを自分の胸に当ててきた。 
 いやいや、ドキドキしてるのはわかるんですけど、絵里の方もドキドキしちゃうって! 
 ライブ前で興奮してんのにさらにそんなことされて・・・れーな、胸大きくなってない? 
 最近女の子らしくなってるっていうのは見てればわかるけど、正直なとこ羨ましい・・・。 
 って、何で絵里、告白されたのにへこんでるの? 
  
 「絵里、れいなはマジっちゃよ。絵里のことが好き。」 
 「れーな・・・絵里は、ンムッ!?」 
  
 えっ、ちょ、れーなにキスされた。 
 頭の中がカラッポになったと同時に、ちょっとだけ背伸びして、絵里にもたれかかるように 
 口唇を重ねてくるれーながものすごく可愛らしく見えたり・・・実際にはそんな余裕ないんだけどね。  
- 51 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:06
 
-  れーなの口唇、柔らかくて温かい・・・。 
 少しして、れーなの離れて目を合わせた。 
  
 「絵里、ごめん。絵里が可愛かったもんで、ついやっちゃった。」 
 「れーな・・・。」 
 「絵里、考えとってね。明日のライブが終わったら答え聞かせて。待ってるっちゃね!」 
  
 そう言って、れーなは駆け出して行っちゃった。 
 そりゃ同期だしふざけてキスしたことはあるよ。 
 もちろん絵里からね、れーなはああいう子だからさ。 
 だけど、れーなから、それもあんな情熱的にキスされるなんて・・・どうしよ? 
 ん〜、絵里ちゃんはどうするべきなんでしょうかね〜? 
 さゆあたりにでも相談してみて・・・。 
  
 ゾクッ 
  
 何、今の寒気は!? 
 絵里、風邪引いた? 
 とかじゃなくて、誰かの鋭い視線みたいなのを感じた。  
- 52 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:07
 
-  基本天然って言われてるみたいだけど、そういうとこには敏感なんだよね〜。 
 絵里が振り返ると、曲がり角からガキさんが飛び出してきた。 
  
 「こんなとこにいた!もう、カ〜メ〜!ライブ始まるでしょ!」 
 「なんだ、ガキさんか。」 
 「ガキさんか、じゃないでしょ!いつまでもポケポケしてない!ほら、早く行くよ! 
  これ以上遅れたら、愛ちゃんに怒られちゃうよ。」 
 「まぁ、愛ちゃんなら許してくれるでしょ〜。」 
 「カメ、知らないの?愛ちゃんは普段はあんなだけど、仕事に関しては鬼になるんだよ。 
  前なんか田中っちが遅刻したとき、愛ちゃんに怒られて泣いたくらいだからね。 
  あの田中っちがだよ。すごくない?」 
 「何でガキさんが誇らしげにしてんの?それにしても、れーな、がね〜・・・。」 
  
 やばいやばい、れーなって聞いてさっきのこと思い出しちゃった。 
 いやいやいやいや、今は思い出しちゃだめでしょ。 
 そう、今はライブに集中しないとだ〜め。 
  
 それにしても、さっきの視線は誰のだったんだろ? 
 ガキさん、は怒ってもこの程度だからあんな冷たい視線はできないし、 
 まぁどうでもいっか〜。 
 ガキさんに引っ張られながら、絵里はライブのことだけを考えてたのでした。  
- 53 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:08
 
-  昼夜二公演、無事に終了したよ〜。 
 とりあえずれーなのことは考えないで、たまに顔を合わせて笑ったりはしたけどさ、 
 お客さんと盛り上がってたらあんまり気にしないでなんとかなったよ。 
 今日の夕飯も食べ終えて、シャワーを浴びてベッドに倒れこむ。 
 今回のツアーは曲が多い上にハードだから、もう体中がクタクタだよ〜。 
 楽しかったからそれでもいいんだけどね。 
  
 さってと、珍しく真面目に考えるとしますかね。 
 絵里は天井を見上げながられーなのことを思い出す。 
 れーなが絵里を、か。 
 うへへ、悪くないかもね〜。 
 れーなは生意気だけど従順だし、あれで優しいとこもあるし、何より付き合いも長いから 
 色んなこと、人には言えないようなことも知ってるもんね〜。  
- 54 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:09
 
-  れーなと付き合ってみよっかな〜。 
 それもそれで、ちょっと面白いかも。 
  
 「絵里、何一人でニヤけてんの?キショいよ。」 
  
 シャワーから出てきた同室のさゆが、髪を拭きながらこっちにきた。 
 しっかし、顔を合わせたとたんにズバッと言ってくるね〜。 
 まぁ毎日こんな感じだから、絵里もさゆも慣れちゃってるもんね。 
 れーなとは別の意味で、プライベートでも一番の仲良しさんだからさ。  
- 55 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:10
 
-  絵里は起き上がってさゆを見る。 
 さゆは、自分のベッドのところに行かないで、何でか絵里の隣に座ってきた。 
 シャワー上がり立てだから、シャンプーのいい匂いがする。 
 って、絵里は親父かい! 
  
 「誰に突っ込んでんの?寒いんだけど。」 
 「さゆ、ひどい・・・。」 
 「それで、何考えてんの?絵里にしては珍しく悩んでるみたいだけどさ。」 
 「絵里だってお年頃だもん。もう、女性としての悩みって言うべきなのかもね〜。」 
 「さゆみよりおばさんなのに、お年頃って言葉もどうかと思うけど。それで、何?」 
  
 ぬぐ〜、何て言い返そうか、って三秒も悩む間もなくこのお話しは終了。 
 絵里が何を言ってもさゆに勝てないなんて、とうの昔っからわかってますって。 
 たぶん口だけなら、先輩後輩関係ないなら、ハロプロメンバーの誰を相手にしても、 
 さゆに勝てる人なんていないでしょ。  
- 56 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:10
 
-  知識という点ではミッツィが一番かもしれないけど、人に対する知識というか、 
 相手の出方を伺えて先読みする点ではさゆの方が上。 
 さゆは人を見る力を持っている、ってことで絵里が考えてることも聞いてもらうとしますか。 
  
 「さゆ、れーなのこと、どう思う?」 
 「れいな?別にどうも思わないけど。可愛いペット。あとは同期ってところかな。 
  それ以上でもそれ以下でもないの。で、何でれいなの話し?」 
 「ん〜、さっきね、れーなに告白されたんだ〜。」 
 「ふ〜ん・・・それで、絵里はどうするつもりなの?」 
 「付き合ってみてもいいかな〜って思ってるよ。」 
 「・・・。」 
  
 さゆは何も言わずに上を見上げる。 
 あれ、喜んでくれると思ったのに、何考えてんだろ?  
- 57 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:11
 
-  きっと絵里じゃ想像もつかないようなこと考えてんだろうけど、 
 それをあえて聞くのも怖いんだよね。 
 さゆって、絵里とは違った意味でぶっ飛んだ思考してるからさ〜。 
 少しして、さゆがこっちを振り向いた。 
  
 「ねぇ、絵里。れいなと付き合うのやめにしない?」 
 「ほぇ?やめるの?どうして?」 
 「れいなとはやめて、さゆみと付き合うの。」 
 「さゆと付き合うって・・・ハ?」 
 「ハ、じゃなくてさ、仕事でもそうだしプライベートでも一番付き合いがあるのはさゆみでしょ。 
  言い方を変えれば、一番の理解者じゃない。絵里はさゆみがいないとだめでしょ?」 
 「う〜ん、さゆがいないとだめってのはあるけど・・・。」 
  
 さゆの言い分もごもっとも。 
 今までもさゆには色々と教えてもらったり助けられたりしたし、これからもきっと、 
 さゆには隣にいてほしいって思える。  
- 58 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:11
 
-  う〜ん、だけど今までずっと一緒にいたせいか、付き合ったときに何か変わるのかな〜? 
 なんともいえない・・・って!? 
 さゆに引き寄せられたと同時に、ベッドに押し倒された。 
 上から覗き込んでくるさゆの目、何か怖いんですけど・・・。 
  
 「絵里の傍にはさゆみがいてあげる。絵里の面倒はさゆみがみてあげるの。」 
 「面倒って、さゆひどい・・・。」 
 「悪い意味じゃないよ。絵里の全てがさゆみは好き。ずっと一緒にいようよ。」 
 「さゆ・・・んん。」 
  
 さゆの顔が下がってきて、絵里と口唇を重ね合わせた。 
 誰もが知っているとおり、さゆはモーニング一のキス魔なんだ。 
 さゆが憧れてた愛ちゃんは当然だとして、絵里やれいなとか、 
 色んなメンバーとしてるから特に何も感じなかった。  
- 59 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:13
 
-  だけど、今してるキスは、今までとは明らかに違うような・・・。 
 いつまでたっても離さない長い長いキス・・・って、ちょっと待って! 
 さゆの舌が、絵里の口の中に入ってきたんですけど! 
  
 このキスは初めてかな〜って、初めてだからなおのこと。 
 そんな、絵里の中、ウネウネとなぞらえちゃ、変になっちゃうよぉ。 
 絵里、これ以上やられたら、もう、らめぇ・・・。 
  
 ようやくさゆが満足したのか、顔を徐々に上げていく。 
 絵里とさゆの口から糸で繋がってて・・・これはエロいかも、うん。  
- 60 名前:女に幸あれ 投稿日:2008/06/05(木) 09:14
 
-  こんなことしたってガキさんにバレたら、一日中説教もんだね。 
 絵里はクテっとしちゃってて、ベッドから起き上がれそうにないや。 
  
 「絵里、明日のライブまで終わったら、続きも楽しもうね。」 
 「さゆ・・・。」 
 「絵里にとっては難しいかもしれないけど、誰と付き合えばいいのかよく考えてね。 
  それじゃ、おやさゆみん♪」 
  
 さゆは自分のベッドに戻ってパッパと寝ちゃったみたい。 
 もう寝息立ててるし、寝るまでの時間は僅か三秒。 
 ふふ〜ん、絵里なら気付かないうちに寝れるもんね〜。 
 だけど、今日は何か寝れそうにないかも。 
  
 れいなとさゆ、か・・・。 
 確かに頭を使うのが大嫌いな絵里には難しい問題です。 
 この二人とどうやって付き合ったら・・・ふわぁ、考えようとしたら眠たくなってきた。 
 絵里が眠れないなんてことはあるわけないもんね〜。 
 健康第一、よく寝てから考えよ〜。 
 そういうことなんで絵里ちゃんはもう寝ます。 
 二人のことはまた明日、おやすみなさい・・・Zzz。  
- 61 名前:ais 投稿日:2008/06/05(木) 09:14
 
-  更新でした。 
 
- 62 名前:ais 投稿日:2008/06/05(木) 09:16
 
-  44 :名無飼育さん 
 俺の場合はジュンリンを除いた四人に関しては頭の中では 
 すでに出来上がってるんですよねw 
 ミッツィは使い方によってはある意味面白いと思いますよ〜。 
 と書いてもいないのに変な言葉を使って申し訳(ry  
- 63 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/09/19(金) 02:07
 
-  楽しみ 
 
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