ウルトラマンレイナ
1 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/18(金) 20:02
初めて飼育に投稿させて頂きますm(__)m

タイトルの通り某宇宙人のお話です。
全12話予定。
从*´ ヮ`)が主役
( ・е・)ノノ*^ー^)从*・ 。.・)ノリo´ゥ`リ川´・_o・)がメインになります。

それ以外に本体や別のグループからも出ます。
なるべく早く更新できる様がんばります
2 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2008/01/18(金) 20:04


〜第1話・猫の巨人あらわる〜


3 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:06
世の中…
自分の思い通りにいかない事はどこにでもあるらしい。
たとえそれが、自分の生まれた場所以外の惑星であっても。

自分は一人で何でもできると思っていた。

簡単に一人前の戦士になれると信じて疑わなかった。

学校の卒業試験で送られたこの惑星に来るまでは−


¨日本の東京にあるその学校を、外敵から守りぬくのだ。見事任務を完遂すれば、晴れてお前は戦士の称号をえられる¨


楽勝、楽勝!

…と思っていたのは果たしていつまでだったか。
ああ、思い出すのはいやな感じだからやめとこう。
それよりまたあのバカ隊長に付き合わなきゃならない…そっちの方が問題だ
4 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:07
「ったくなんでこんなバカバカしい事を…」

いかなきゃどやされるので今日も仕方なく行く。
ああ、着いちゃった。日があまりささないから昼間でも薄暗いこの教室。
¨2SP本部¨
この学校、早朝学園を守る私設隊だとあの隊長はほざいていた。
早朝・学園・パトロール隊…頭文字を英語にして名付けられたらしい。
「きったねー看板…ちゃんと掃除してねーし」
ただでさえ段ボールを適当に切ってマジックで字を書いてあるのに。

「コラー!遅いぞ、田中れいな!!」

出てきた。隊長が

れなを入れてもたった六人しかいないヘボチームの2SPの新垣隊長が。

「とっくに作戦会議ははじまっとる。さっさと来るのだ!」
「へいへい。了解です、たいちょー」
「たるんどるぞお前は。新入りのくせに遅刻など。ほら入れ!」

5 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:07
「れいな、寄り道はよくないとおもうの」
「うへへへ、れいなはおバカだから道に迷ってたんだよね?」
一人は白い肌に高い声、一人は黒い肌にアヒルぐち。
れなと同じ二年生の道重さゆみと亀井絵里。
「ふん、れなはいつも通りだよ。さゆ、えり」

「無駄口をきくな!おまえらはいつも…」
「まーまー隊長、怒ったらしわが増える☆カナ」
「そーデスよ。たいちょ、若くしてババーちゃんネ」
「うるっさいわい!だまれアホども!」
んで、もう二人。一年生コンビの久住小春と留学生のジュンジュン。
いまの言葉とおりなにげにしゃべる事はキッツい。

「……以上が作戦内容だ。ではゆくぞ!2SP、出動だ!」

「「ラジャー!」」
「こはピーンク!」
「ソッカー、出動かー」

返事もバラバラ。やれやれ
6 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:08
ま、出動っていってもそんな大げさなもんじゃあない。
地球の学校でいう…部活?みたいな感じで。
危険がないか学校中をすみずみまで歩き回る。
「ワンダバダバ」「ワンダバダバ」「ワンダバダバダン♪」

これ、応援歌らしい。隊長にさゆとえりはノリノリで歌ってるがれなは恥ずかしくて…

「君〜にも、みえ〜る♪学園の〜ほ〜し〜♪とおーく、はなーれて〜♪」

別にふざけてるわけじゃない。ちゃんとパトロールはしてるんだけど。

「生徒のさけびを耳にして♪やーってきーたぞ、やーってーきーたぞー♪2〜ぅS〜P〜ぃ♪」

みてるよ、いろんな人が指差してくすくす笑ってる。
このパトロール隊は学校じゃ知らない奴はいないらしい。まぁこうやって目立つ事してりゃ…

…本当に危険なんてあるのか?
もう地球にきて少したつがぜんぜん気配を感じない。

7 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:09
「……!!」

…気配がする。これ、この感じ。ここに来る前毎日感じてたあれだ。

「どうしたのれいな?あ、どこいくつもり?!」
「悪いえり、ちょっと…トイレ!先行ってて!」

とうとう来たか。間違いない、この気配は

¨怪獣¨のそれだ。

 『ピギャアアアァアァア!』

出た!…怪獣はとつぜんあらわれる。どこの星でもそうだ…

…まわりには誰も、いないな。見られたら大変だし。

久々な気がする、この姿になるのは!
…変身!!
 「ニャオーーーーッ!」
8 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:09
校舎より少し小さいくらいのサイズでいいだろ、よし。
「な、なんだありゃ?!化け物みたいなのと、でかい猫だ!」
「あのでかい猫、ウル…なんとかマンに似てない?」

人が近いな。気を付けて戦わないと巻き込んじゃう…!
『ピギャアアアア!!』
相手は普通なタイプの怪獣。苦戦はしなさそう。
『はっ!やぁ!』
『ピギッ!ピギギ…!』
なめんなよ、れなは戦闘じゃ負けた事なんてないんだから

『ピギギギギギッ』
もうフラついてる。よっしゃ、とどめ!

『くらえ!レナニャウム光線!!』

招き猫みたいに構えた右腕から発射した真っ赤な光線は
あっという間に怪獣を焼き尽くしてしまった。
9 名前:第1話 猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:10

…翌日のこと。

学校にはどの廊下を見てもれなと怪獣の記事がでかでかと載った新聞が。

「…猫の巨人あらわる、か」

やっと任務らしくなってきた。さぁ、早く戦士になれるよう頑張らなきゃ!

「おうれいな!お前も気になるか。怪獣が」
「あ?隊長」

……でも
なんか厄介な事になっちゃいそうなんだよね。

「今こそ我ら2SPが怪獣を退治すべき時なのだ!
我らは早朝学園の平和を守ることが使命なのだからな!」

…悪いが怪獣は人間がかなう相手じゃないんですが

この勘違い隊長、暴走しなきゃいーんだけど…
10 名前:第1話・猫の巨人あらわる 投稿日:2008/01/18(金) 20:11

¨レイナ¨

ひっ?!この声、先生!!
¨ついに敵はその学校をねらいはじめた様だ。試験とはいえ実戦…気を抜くなよ¨
「わ、わかってます!れなの実力知ってるでしょ!」
¨ああ。お前ならきっと戦士になれると信じているよ。ではまた、私はいつでもお前を見守っているから…¨

正直なかなか怪獣が出ないから不貞腐れてた、だからまさかそれも見られてたんかな…

「誰としゃべってたのだ?れいな」
「いや別に。気になさらず」
「さあいくぞ、作戦会議だ!いつまた学校に怪獣が出るかわからん、対策をこうじなければな」

ムダっちゅーのに。
怪獣はれなみたいに特別な力を持った奴じゃないと勝てない。
…でも、つきあわないとうるさいしな隊長。
しかたね、合格するまで付き合ってやるかね

「手短にお願いしますよ隊長」
れなの試験はよーやく始まったばかり。頑張らなきゃ
11 名前:第1話・完。第2話予告 投稿日:2008/01/18(金) 20:12


無事に最初の怪獣を撃退したレイナ。
自称エリートの彼女にとって相手にはならなかった…

理科室がなぞの爆発、

ほくそ笑む一人の女子生徒

そしてレイナの前にあらわれたのは…なんと宇宙人!

さあ次回もみんなで見よう!


12 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/18(金) 20:13
いかがでしたか?
拙い文章、アレな内容ですがもしよかったら最後までお付き合いくださいm(__)m
13 名前:設定など… 投稿日:2008/01/18(金) 20:30
・田中れいな
本編の主人公。N562星(にゃんこごろにゃーんせい)から、一人前の戦士となるため地球の早朝学園にやってきた。
能力は高いが自意識過剰で冷めた一面がある。
一般的に多い地球人に憑依するタイプでは無く逆変身タイプ。
・新垣里沙
早朝学園私設隊2SP(早朝・学園・パトロール隊)の隊長。
融通が利かない石頭。部下にイジられるが尊敬されている。
・亀井絵里
2SP隊員。れいな、さゆみと仲良し。ぽけぽけぷぅのため一人にすると危険。笑顔が特徴的。
・道重さゆみ
2SP隊員。れいな、絵里と仲良し。見かけによらず短気。
・久住小春
2SP隊員。三人組の後輩。だがやる気は先輩よりある。少々自分勝手
・ジュンジュン
2SP隊員。小春と同級生。独特のしゃべり方と言葉で2SPのムードメーカー
14 名前:今回登場した怪獣・宇宙人 投稿日:2008/01/18(金) 20:42
・レイナ
全長 ミクロ〜16メートル
体重 ミクロ〜5トン

猫型の宇宙人。身体能力は高い
人間体の状態で右手を突き出し招き猫の様に構え
「ニャオーーーーーッ!」と叫ぶとこの姿になる。
・必殺技
レナニャウム光線…招き猫の様に構え発射する光線。レイナの得意技。

・ゴブリン
全長 14メートル
体重 7.5トン

レイナが最初に戦った怪獣。
口から吐き出す青い光線が武器だが、出せる事なく敗れた。
15 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/19(土) 11:27
こいつはすごいことになりそうだ
16 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/20(日) 10:01
感想ありがとうございますm(__)m

早めの更新をめざしていきます

今日は第2話を更新します
17 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/20(日) 10:02


〜第2話・黒い宇宙人〜


18 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:03
れなは転校生としてこの学園に潜り込んだ。
地球人に擬態できたって、並の宇宙人ならすぐに環境に適応できずぼろを出す。
しかしれなは生まれつきのエリートなんで今のところまわりにはばれちゃいない。さっすがれな!

「れいな〜。手で食べたら汚いよ〜」「なんで箸使わないの?れいな日本人でしょ」
「え?!あ、あ、いや、かんがえごとしてたから」

うへへへと笑うえり、冷ややか視線を送ってくるさゆ。

「なんかズレてるよねぇれいなって。ご飯はときどき手で食べるし」
「お金見たことないとか言ってたし。ほんと記憶喪失したみたいだよ」

…カンペキなんだ。
擬態マニュアルはもらったんだけど読んでないし。
れなはカンペキなんだから読む必要なんてないし。

どうせ長くこんなところにいないんだから必要以上な事をやる必要はない。

…でも悪くないかも。こうやってみんなと食事するのは。

19 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:03
しかしやっぱ狭いとこだなぁ。
れなの学校はもっと広かったし、教室の数だってもっと多かった

…帰りたい。れなの生まれた星に…
早く試験を終わらせてちゃんと胸張って帰れる様に頑張らなきゃ
「…………ん?」
なんだ?誰かがれなんとこに近づいてくる。

「地球ってのは簡単に潜り込めるんだね」
……!!こいつ、宇宙じ…!
見た目は学校の女子生徒だけど、れなにはわかる。憑依してるのか?
「ま、擬態は宇宙人の基本能力だからね。…にしても君も見事に化けてるな」
「じろじろ見るな。なんならここでやるか?あ?」
「まってよ、私はまだ何も仕掛けてないからさ」
…笑ってやがる。ち、なんか気に入らねえ。

「…すぐ戦う事になるだろうけどね。君とは」
宇宙人のいやらしいとこはすぐに仕掛けてこないところ。怪獣と違い知能があるのがキライだ。

「このカラダの名前は¨高橋愛¨。覚えといても損はないよね?んじゃ、また」
20 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:04
怪獣の次は宇宙人、か。
正直怪獣の方が楽なんだよな。力ずくで処理できるから…

¨レイナ。気を付けろ¨
ういっ?!ま、また先生からの通信だぁ!
¨宇宙人は怪獣とは違うのだ。姿や形だけでなくその戦い方、思考…決して侮るなよ¨
「大丈夫ッスよ。れなは無敵なんですから」
¨…お前は昔から自意識過剰で、少しアタマに血がのぼりやすいからな。気を付けてくれ¨

先生は昔から口うるさい。心配してくれてるのはいいんだけど、小言が多くてかなわん。

「れいなサーン、廊下でなにぶつぶつホザイテるの?」
「ジュンジュン!あーまたそんな食べて…太るよ」
バナナを房ごと持ち歩くのがこの娘のくせ。
「れいなサンはもう少し太った方がいいネ。風がふいたらぽっきり折れるヨ」
「せからしかっ!!このメスゴリラ!!」

¨…友達とは仲良くしなきゃいかんぞレイナ。¨
「あーあー!うるさいうるさい!うるさい!」
「れいなさん…ファビョっちゃっタ。ナムアミダブツナムアミダブツ…」
21 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:05
−ジリリリリリリリリリ

「何?!え、火災報知器がなってる!」
「OH!ジシンかみなり火事おやじネー?!」

「いたいた、れいな、ジュンジュン!」
えりが息を切らせながらこっちに走ってきた。
「大変だよ!今ね、いきなり理科室が爆発したって!」
「えー?!」
「急いで!2SP出動よ!」

…今の宇宙人の仕業だ。野郎っ、ふざけた真似を!

「あっれいな!待ってよ、一人でどこにいくつもりなの?!」
「れいなサーン。おトイレデスカ?早くすませてネー!」

わかる、わかるぞ場所。同じ宇宙人だからこそわかるんだ

……誰も見てないな。
よしっ!
「ニャオーーーーーーッ!!」

22 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:05
今回は大きくならなくても大丈夫なはず。等身大のままでも戦える。
『やぁ。来たね、猫の巨人、っていっても今は普通の大きさだけどさ』

高橋愛の体に乗り移ったそいつはにやりと笑った。
『じゃあ始めようか。ちょっと狭いけどね!』
そして、¨本来の姿¨へと戻っていく。

『うらーーーっ!』
『ふっ』

れなの蹴りを軽がるとかわしながら浮かび、離れた場所に着地したそいつ。

『危ない危ない、まともに当たったらこれが吹き飛んでいたかもね』

頭についたまっすぐな角を指差しにやりと笑う。
全身は黒くて、やせ形。目は丸くて青、三つついている。

…こんなタイプ初めて見た。いったい宇宙のどの辺からやってきたんだ?

23 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:06
『はっ、やっ、たっ!』
『…ふふ…なかなかの、攻撃だね。うぐっ!』
『なんだ、お前たいした事ねーじゃんか。こっちはまだ本気じゃないよ!』

見た目は強そうだったが打たれ弱いみたいだ。よし、早く終わらせてやる。

『たかが理科室を爆発させたぐらいで殺されるのは勘弁してほしいな』
『あっ?!』

しかし、光線を撃とうとしたらそいつは姿を消してしまった。

『悪いね、今日は単なる小手調べって事でおいとまさせていただくよ』
『待て!逃げる気か!』
『ああ逃げるよ。でも…気を付けて。君の使命は敵を倒す事だけじゃないよ』

…はあ?何わけわからん事を

『…人の命を守ること、君たちはそれが何よりも大切な使命だという事さ』

やがて声も気配も消えた。…ちっ、逃がしたか
24 名前:第2話・黒い宇宙人 投稿日:2008/01/20(日) 10:07
…どういう意味だ?あの黒い奴が言ってた事は。
そうだ、確か理科室が爆発したんだ!戻らなきゃ


「痛いよ…熱いよ…」「うう…苦しい…!」「あー、うー、あ」

……な、何?なんで、なんでこんなに傷ついた人が多いの…?

「れいな!どこにいってたのだ、この一大事に!!」
「た、隊長!すいません…」

新垣隊長、えり、さゆ、小春にジュンジュンは、怪我をした生徒達を手当てしていた。

爆発を直接見てないが、理科室以外の場所は無傷だった。
…たいした爆発じゃなかったはずなのに、どうしてみんな傷ついてるんだ…?

「あ、歩けるって?無理しちゃダメですよ」「保健室までつれてってあげる!」

えりもさゆも心配そうだ。必死だった。
……ちくしょう。なんだこの気持ち。うまくいえないが…悔しい…!

すっごい、悔しい!!
25 名前:第2話・完。第3話予告 投稿日:2008/01/20(日) 10:08

自らのふがいなさを悔やむレイナ。
しかし怪獣はそんな彼女を待ってはくれない。

連日の不可思議な事件に、学園を守る決意を新たにする2SPの隊員達。

風に揺れる学園、
空にうかぶ不気味な怪獣、

レイナが叫ぶ!2SPが戦う!

さあ次回もみんなでみよう!
26 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/20(日) 10:11
今回はここまでです。
レイナを襲った謎の黒い宇宙人、果たしてその目的とは…?
27 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/20(日) 12:11
「黒い宇宙人」というだけでなぜか笑ってしまいます
28 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/21(月) 18:25
ありがとうございますm(__)m
29 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/21(月) 18:30
第3話更新します
30 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/21(月) 18:30


第3話・風吹き荒れる学園


31 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:31
ムカつく!あの、黒っちいやつぅう!!
逃げられた…簡単に倒せるはずだったのに逃がしちまった!今度あったら…!

「れいな。校庭の真ん中で、何を一人でぶつぶつほざいとるのだ?」
「ああ、新垣隊長…と?!」

隊長の、と…隣にいるのは、あ、ああ、あいつ!!
「てめーーー!!」
「きゃ?!な、なんやこの子?!ガキさん助けてやぁ!」
「コラーーーバカモーン!!人の親友に殴りかかるとはこの不届き者がぁーー!!」

れなは隊長に拳骨をもらってしまった。
あの黒い宇宙人が憑依していた¨高橋愛¨は隊長と付き合いの長い友達らしい。
だ、だから一緒に歩いてたんだ……
「ごめんなさい」
「なんだその謝り方は!もっと頭をさげろ!」
「まあまあガキさん…誰かと勘違いしたみたいやし、許してあげなよ」

…あの宇宙人の気配は感じない。きっともう高橋愛の体から抜け出たんだろう。
……ちっ、次は誰に憑依するつもりだ…?
32 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:32
「突然あらわれた巨大な怪獣、そして先日起きたなぞの爆発…」

眉間にしわをよせ、大股で歩きながら淡々と語る隊長…

「今、我が早朝学園は危機にさらされている!しかしまだ生徒はそれに気付いていない」
「確かに。えりの友達は今朝も昨日見たテレビの話ばっかしてました〜」
「私の友達ものんきだったの。忍び寄る危機に気付いてないってカンジ?」

…気楽なもんだ。まだ気付いていないとは。
この学園にいる人間はよくある事だと思って気付かないのか?
爆発はさておき、巨大な怪獣なんか見たら一生忘れられない思い出になりそーなんだけどね。

………あれ…?

そういや、れなのクラスでもいっぱい話してる人いたけど。
…怪獣の話題なんか、出てきたっけ?

確か最初に怪獣と戦った時、近くにいた人は反応してた。
…でも翌日にはだれも怪獣に触れてなかったよーな。

33 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:32
きっとこわすぎて誰も話題に出してないのかもなぁ。
よくあるあれよ。暗黙の了解っつーか、人間の習性みたいなもの?それ。臭いものに蓋…いい言葉じゃないんだけどな。

「我が2SPは力のかぎり戦い、この学園の平和を守っていこうと思う!!」
「おーっ!」「はーい」「任せろ☆カナ」「バッチリデース!」
「………………」

かなうはずがない。
怪獣や、まして宇宙人に、力を持たない人間が。

…バカだ。みすみす命を危険にさらすのとかわりゃあしない。

でもこの人たちは聞く耳なんかもたないだろうし。
仕方ないなぁ。れなががんばらなきゃいけない、か。

この試験はもうれな一人の問題じゃない。ただ学校を守るだけじゃなくなった。

やれやれ…
もう少し簡単にいけると思ってたんだよね。
いいよ、立派に守ってやる。学校も、こいつらもな!
34 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:33

…カタカタ…カタカタカタ…

「なんか窓ゆれてません?隊長」「きゃあああ地震?!早く机の下に!」
ちがう、地震じゃない。このゆれ方はおそらく…
「強風…!おかしい、急に強い風がふくはずない」
「え、風なのか?あ!おいれいな、待つのだ!勝手に行動するなと何度…おいッ!!」

廊下に出たらあちこちの窓ががたがた揺れている。間違いない、これは風だ。
そしてこんな広い範囲に風を起こせるのは……よし、変身!

「ニャオーーーーーーッ!!」

窓から飛び降りながら変身したから…
『んがぁあっ!!』
あったぁ〜、が、顔面から落ちちゃった。
「何やってんだあのネコトラマン、顔からいったぞ」
「バカみたーい、結構かわいいねあの巨人」
るさいっ、笑うな!危険だから見てないで逃げろ生徒達!
…あの怪獣…結構手強そうだから…!
35 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:34
『エエェイヤァアアアアア』
キチガイみたいな鳴き声の鳥形怪獣。
つーかすごいはばたき…!なにこの風、し、しっかり踏張ってないと飛ばされそう。
「わーーーーー!」「きゃーーーーー!」
やばっ…生徒が飛ばされてく!長引けばもっと被害が大きくなる
…くっ、校舎も揺れてる。へたしたらこの学園自体飛ばされるかも!
それだけは…
『ダメだぁあぁあぁっ!!』

『エェイヤアアアアア』
野郎、はばたくのをやめやがれーーー!くらえ、この技を!

『ニクキュームスラッシュ!』

手の肉球から丸い光線を連続で発射し、怪獣に当ててやると
『エエェ、イヤアア!』
ひるんだ!でもまだはばたきは強いまま…
『おらおら!は、やく…やめろー!』
ち、くしょお…!踏張るのが精一杯で、強い光線が使えない。
なんとか…しなきゃ!なんとかっ!
36 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:34
「あの巨人苦戦してるぞ!みんな、援護するのだ!」
「はーい!えり、いっきまーす!」「私もいきます!」「小春もいくの」「私もデース!」

…えっ?!この声、隊長たち、あっ、屋上にいる!
バカ危ない!なんでそんな怪獣に近いところに!

「2SP出動!!」

隊長の掛け声を合図にして、えり、さゆ、小春、ジュンジュンは持ってたタイマツを怪獣に投げ付けた。

お、当たった。肩強いな、並の人間じゃないみたい。

『エエェエイヤアアアアアアアアアア』

……はばたきが…止んだ!今だチャンス!
『くらいやがれ!レナニャウム光線!』

れなの光線は、鳥形怪獣のお腹を突き破った。そして爆発し、欠けらすら残らず砕け散り…

『か……勝った…』
37 名前:第3話・風吹き荒れる学園 投稿日:2008/01/21(月) 18:35
「デカかったなあの鳥!10メートルはあったぞ!」
「でも火には弱かった。さすが隊長、いい提案です」

危機はとりあえず去った。
だけど今回はやばかった。もしあの助けがなかったら…

くそ、むかつく。れなは弱くない!たまたま運が悪かっただけ!

¨レイナ。自分を恥じる事はないぞ¨
「先生…!でも、れな一人でどうにかできなかった。悔しい!」
¨……恥じるなら、その考え方を恥じるのだ。わかったな¨

「ええ?!ちょ、待って先生、意味がわからない!」

何が、何がいけない?
戦士として自分の力で相手を倒さなきゃいけないのは当たり前なのに。

「れいな、お祝いしよ。えりたち無事に怪獣を倒せたんだし」
「…いや、いい。一人に…させて」
ちきしょう、あんたいっつもそうだよ。わけわかんない事ばっかし…!
38 名前:第3話完。第4話予告 投稿日:2008/01/21(月) 18:37
仲間の力を借りて辛くも勝利したレイナ。
しかしその気持ちはなぜか晴れなかったのだった…

いつもの様に友達との時間を過ごしていると、可愛い後輩がやってきた

…すでに宇宙人に乗り移られているとまだレイナは知らなかったのだ

襲い掛かる雪だるま、力と力がぶつかり合う!


さあ次回もみんなで見よう!
39 名前:今回登場した怪獣 投稿日:2008/01/21(月) 18:39
・ガーゴイル

全長 10.5メートル
体重 8トン

巨大な羽根をはばたかせて巻き起こす風が武器。
あまり大きくない建物であれば軽々と吹き飛ばす事が出来る。
40 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/21(月) 18:41
今回はこんな感じですm(__)m
だんだん強くなる怪獣を相手にレイナはどう戦うのか?
41 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/22(火) 12:32
「隊長」っていう響きがいいよね
42 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/23(水) 08:48
少しアレな感じの隊長ですが暖かい目で見守ってください…

(。・е・)<あ?
43 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/23(水) 15:05
第4話更新します
44 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/23(水) 15:06


第4話・熱血!雪だるま


45 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:06
¨恥じるのならその考え方を恥じるのだレイナ¨

なんべん考えても先生に言われた言葉の意味がわからん。
あの鳥怪獣けっこう強かった。れな…一人の力じゃ勝てなかった。悔しかった。

自分の力だけで勝てなかったことがめっちゃ悔しかった。一人でどうにかできなかったのが

「熱うぅっ?!」
ちょ、何?ほっぺがめっちゃ熱かった!今

「顔怖いよれいな」
「あつぅう…何すんのそんなもんくっつけて!」
れなのほっぺに熱々のお茶をつけて笑ってるえり。
「余計に怖くなっちゃったねその顔」
「当たり前っ!れなを怒らせるつもり?!」
「…何か悩んでない?えりでよかったら聞いてあげるよ」
……よく気付いたな。誰にも言ってないのに。言うわけにはいかないけどね。

「特に何もない。心配いらないから」
「そう?悩んでないなら平気だよね」
46 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:07

うへへ、と笑って立ち上がるえり…アホだと思ってたのに見抜かれてたのかれなの考え。

「じゃ戻ろっか。休憩終わっちゃうよ」
「あっ待って!ちょっと…うわ速!」
さらに足も速い。へらへらしてる子はそうなんかな。もう見えなくなっちゃった。
…あ?と思ったら戻ってきた。行動が読めん子だな…
「えり〜!なんか忘れ物したの?ねぇえり〜…!」

いや、違う。えりじゃない。あの姿はえりじゃない。
「仲がよろしいのですねぇ。あの子と」
「お前…!!」
見た目はうちの生徒。でもこの雰囲気は…まさかあの黒い奴が憑依してんのか?!

「初めまして。私はパワフル星人と申します。¨レイナ¨さん」

一瞬だけ本来の姿が見えた…あの黒いのとは違うみたいだ。
体格も、よく聞いたら声もまるっきり違う。
それに今憑依してる体…!れなはこの子を知っている。
「なんでその子を選んだ!」
「…へぇ。知り合いですか。これはおもしろい…クックックッ」
47 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:08
「みっつぃ!今、助ける!」
あんなやさしい子に取りつきやがって!許さない…!
「うらーっ!」
体当たりで吹っ飛ばしてやる。…あ、あら?か…体が動かない
「ふっ。貧相な体で私に勝てるとでも?」
「わ、わ、わっ、はなせっ!はなせこのブサイク!」
「まだ本来の姿になってませんが。あなた性格悪いですね」
片手で頭ごとれなの体を持ち上げ、ぶるんぶるん振り回して…
「目が回る〜〜〜〜〜!や〜〜め〜〜〜ろ〜〜〜〜〜!!」
「ゴミはごみ箱にっ、と」
「わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

…えっ?!飛ばされた方角には窓…この勢いだったら間違いなく突き破る。
んで、ここは三階。まっまずい!落ちたら死ぬ!!

「ひえ〜〜〜〜〜〜〜…!!」

だめだ、落ちちゃった。つーかあいつ強すぎ。
悪いがみっつぃに、あっいや後輩にバカにされてると思うと余計に腹ただしかった…
「あいつぶっつぶす!ゆるさん!!」
48 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:08
『寝てる場合じゃありませんよ!!レイナ!!』

げっ!!飛び降りてきた。
…本来の姿に戻ってる、さっき見たあの丸っこい姿に
雪だるまに細長い手足がくっついた様な愛敬のある姿。
まっすぐ落ちてきてる、れなをつぶすつもりだな!

「ニャオーーーーーーッ!!」

『なにっ?!』

倒れたまま両足でパワフル星人の体を受けとめ、力ずくで前に飛ばした。
『うおーーーっ!』
そのまま壁に激突しちゃえ、この雪だるま!
『っと!ふっふっふ、やはりそうこなくてはね』
『ちっ。あと少しでぶつかりそうだったのに』

ただのパワーバカじゃなさそうだな。今の壁に手をついてからの宙返りはなかなかだった。

『さあっ、やろうか。パワフル星人!』
49 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:09
『パワフル星人の力見せてあげましょう』
『名前負けしてないかどうか確かめてやるよ!』
パワフル星人は勢いよく突進してきた。
『うひゃあああっ?!』
…え、うそっ、れなが、飛ばされた?!
『がああっ!』
そのまま壁に激突してしまいひるむ。

『もっとがっつりいきますよレイナ!!』

『えっちょっと待って、タイム!ターーイム!』
このやろ聞く耳持ってない。かまわずまた突っ込んでくる。
『タイムっていってんだろこのやろー!!』
『んぼげっ!!』

その顔に蹴りを入れて今度は逆に吹っ飛ばしてやった。

『あなたもなかなか力がありますね、はぁ、はぁ』
『お前もな。ふぅ、あーびっくりした』
力じゃ負けない。そういう自信がれなにはあるから。
50 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:10
『しかし残念でした。あなたはここで負けるのです』
はあ?何をねぼけた事ぬかしてんだこの雪だるまは。
『この私の最終形態による究極の必殺技でね!』

…なんだ?頭引っ込めたぞ。手足も引っ込めた。ただの丸い雪玉になった…
『シンプルイズベスト。攻撃形態・突撃〜〜〜〜!!』
『やっぱり転がってきたか…って』
うそぉぉ、なんかメチャクチャ速いんだけど!うわああつぶされるぅぅ!!
『くそっ!つぶされてたまるか!』
な、なんとか両手で受けとめてはいるけれど…熱いっ、手が摩擦で燃え尽きそうだ!!

『恐れを知らない戦士の様に転がるしかないのです。私の様な単純な造形ではね』
『わけわかんねー事…うおおおおおおお!!』

このままじゃ手がもたん!

ほんとにれなつぶされちゃうよ。この雪玉にぺっちゃんこにされちゃう。

『ごめんなさいと言いなさい!さすれば楽に殺して差し上げましょう!』
『助けるつもりはねーのかよ〜〜〜〜!』
51 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:10
急に手から水が出てきた。それも大量に
『な、何?なんで水が…?』
『うぬううう、しっしまった。この熱では私は…!』

そっか、摩擦熱でパワフル星人の体が溶けてんだ!
『しまったぁ。こんな事いままでなかったのに〜』
チャンス!だんだん回転が遅くなってきた。やるなら今しかないっ!

『くらえパワフル星人!』

思いっきり後ろにむかって飛び上がり、右足に猫の力と怒りを込めて……!!

『 レナキーック! 』

パワフル星人を紅く輝く右足で貫いた。

『わ、私が、ち、力で……負けた…!!』
『悪いな。れなは力じゃ負けない。絶対に!』
レナキックの熱くたぎる熱はパワフル星人の体をどろどろに溶かして
水ですらもあとかたもなく蒸発させてしまった。
52 名前:第4話・熱血!雪だるま 投稿日:2008/01/23(水) 15:11

「れいなさーん。今日もいい天気ですねー」
「そうだねみっつぃ」
よかった。怪我はないみたい。可愛い後輩だから心配してたんだよ。

¨さっきはその子に怒ってなかったかレイナ。気持ちがころころ変わるんだな¨
「うるさいよ先生!で、今回は何か言いたい事はない?」
¨…いっぱいあるがひとつ言わせてくれ。
今回みたいに力ずくで勝ち続けられると思うなよ。ま、さっきのは運も絡んできたがな¨
「…………………」
¨ではまたな。お前ならできると先生は信じているから¨

…確かに、そろそろ力だけじゃキツいかもしんない。
正直さっきの攻撃をくらってそう思ってしまった。

「れいなさんおむすび食べましょ。あーん」
「もがが、ちょ、みっつぃ、れな考え事してたのに」
「キライですか?おむすび」

いいや。みっつぃの笑顔見てたらなんかうれしくなってきた。
やるぞ!れなやるぞ!
53 名前:第4話完。第5話予告 投稿日:2008/01/23(水) 15:12
2SPの任務、毎日行う校内パトロール。

れいなは頑張り屋の一年生・小春と二人で聞き込みを開始する

そこに降って湧いた災害、地震と怪獣が。

地割れに飲み込まれた小春の運命は?!
レイナが守る、叫ぶ、飛ぶ!


さあ次回もみんなで見よう!
54 名前:今回登場した宇宙人 投稿日:2008/01/23(水) 15:16
・パワフル星人

全長 18メートル
体重 30トン

名前の通り、力で戦う宇宙人。
雪だるまそのもので愛敬ある見た目とは裏腹にその力は強烈。

自ら言っている通りシンプルイズベストな究極技・転がるで数多くの相手を潰してきた。

ただし熱には弱い
55 名前:レイナの必殺技 投稿日:2008/01/23(水) 15:18
・レナキック

熱と力と怒りを足に込めて相手を貫く必殺の一撃。

きりもみはできるかどうか不明
56 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/23(水) 15:20
ほぼ思い付きのヒドい宇宙人が出ました。
ただの雪だるまです
57 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/23(水) 23:59
ただの雪だるまでいいじゃないか
58 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/24(木) 18:41
>ただし熱には弱い

ワロタ
59 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/25(金) 14:34
よし次回も見るよ!

登場キャラがみんなかわいくて大好きッスw
60 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/26(土) 14:10
>>57
いいんでしょうかw?
ならその通りにいきます
61 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/26(土) 14:11
>>58
雪だるまですから…
転がっても押さえられて摩擦が起きたら、熱が起きて負けてしまうという…
62 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/26(土) 14:19
>>59

ありがとうございますm(__)m

みんなアホの子ばかりですがおつきあいください
63 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/26(土) 14:24
更新します


〜第5話・守れ小さな命〜


64 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:25
「番号!」
「2ぃ!うへ」「3なの」「4☆カナ」「5ネー」「6」

1は新垣隊長の番号。
後から入るにつれて番号は大きくなる。れなは最近だから一番最後だったり。
「点呼終わり!気を付け、礼!!」
2SP恒例のあいさつが終わり今日も活動開始。

「先日も宇宙人があらわれたらしいのだ。だがまた巨人がやっつけてくれたらしい」
「さすが猫ちゃんなの。おかげで私たちが戦わなくてすむの。怖いからやだもん」
「えりもえりも〜。本当は怖いし…怪我したら痛いし〜」
「コラーバカモーン!我々がそんなんでどうするのだ!怖くても戦うのだ、学園の平和を守るために!」

やっぱし隊長は暑苦しい。いったい何がそうさせるのか。
気を付けなきゃ…こういう人って熱くなると見境なくなるし、何かやらかさなきゃいいんだけど。

「今日は三組にわかれて校内をパトロールだ!みんな、好きな相手とくめ」

…おまけにわりとテキトー。
気紛れでこういう事いうから下は大変だろう。
65 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:27
「いやーマジびっくりした!あの雪だるまいきなり転がっててさぁ!」
「なるほど。それで?あの猫ちゃんがやっつけたと」

…さぼるにさぼれん。よりによってあの娘と組むはめになるとは
こういう事に熱心なんだよね小春は。一年生ってのもあるんだろうがやる気がすごい。
ああやって、手当たり次第生徒に聞き込みしてる。将来は警察にでもなるつもり☆カナ?

「先輩!次いきますよ〜」
「え〜まだやんの?そろそろ戻らない?」
「まだ時間じゃないです!ほらいきますよ」
「やだー疲れた。もっと休憩したーい」
座ったまま動かないれなにふぅーとため息をついて、力ずくで連れ出す小春。

「こら!先輩をひっぱるな、おい!いたたた痛い!」
「隊長にチクられたくないならさっさと立ち上がりなさい!」

ったく、この子はもうすこし先輩を敬う気持ちってのをだな…

「本当に言い付けますよ。また夜までくどくどお説教されたいんですか?」
「やだ!それだけはやだ!でも立ち上がるのも御免だね」
「…これじゃどっちが先輩なんだか」
66 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:30
最悪のタイミング。
まさにそういうしか他に言い様が無かった−

「もう!じゃ一人で戻ってください。小春は先にいきますから」
「あーまって、チクるのだけはマジで勘弁…!」

小春が走り去ってからわずかな時間のあと、地面が激しく突きあがる様にゆれて
その歪みで地割れが起こり、小春が……!
「きゃああああ!!」
「小春っ?!」
こんなデカい地震…しかも狭い範囲で起こるなんて。原因は…

『キシャアアア。キシャアアアアアアアア』

やっぱり怪獣しかいないよな。地面から出てくるとは
奴の出現により一瞬でまわりの生徒はパニックに陥ってしまう。
「野郎!時間も場所もかまわずあらわれやがって」

もうまわりは誰もいない。逃げ足が速くて助かった。
すぐに変身して怪獣を退治できそうだ!
67 名前:第5話・守れ小さな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:31
……ふう。やっぱりでかくなるとまわりも違って見える。
あの割れ目の下に小春がいる。早く助けなきゃ!

『キシャアアアアアア』

何してんだあいつ…?じたばた地面を踏んで…また地震起こしてるみたい。
…はっ、じ、地割れが広がってる?!下手したらさらに深くなってくかもしれない!
小春がもっと深い場所に落ちちゃうかもしれない!
それだけは、それだけは
『させねぇぇぇぇぇ!!』
『キシュアァアアァア!!』

腹を何度も殴り続けるが怪獣は地震をやめようとしない。
いけない、こうしてる間にも地割れはどんどん広がってる。小春が危ない!!

こいつを攻撃するより、先に中から助け出さなきゃいけないみたいだ。
『小春、小春!どこっ、どこなの?!』
懸命に地割れの中に手を入れて探すが見つからない。
『キシャアァアァア……』
…やべっ、こっちに向かって歩いてくる!まずい、今は攻撃できねえ。まずいぞ
68 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:32
こうしてでかくなると、人間は小さく見える。
実際は小さいんだが、本当に小さく見えてしまう。だけどその命の価値はというと…………

『キシャアアア。キシャアアアッ』
『がふっ、てめ…いい気に、うがぁ!な、なるなよぉ…!』

れなが動けないのをいい事に好き勝手に暴れる怪獣。
脇腹を何度も蹴られてさすがに少し意識がとおくなってきた。
まだか?まだ見つからないのか小春は。れなは…人間一人すら守れない…?
助けたいのに、ただこの手につかみたいのに、いない。見つからない…なんて
『キシャアアアアアアア!!』

『……あ…っ!!』

わ、脇腹に、何か…さ、刺さった?ああこいつの額にある尖った角か。
刺さってるな、突進してそのままれなにブスッときたみたいだ。
思ったより痛くないが…意識がさらにぼやけてきたみたい。
『……!!』
その時だった。れなの手に確かな感触。
確かにつかんだ、小さな小さな小春の体。
69 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:32
『こは、る…!』
見つけた、やっと。地割れの中から助けだしたんだ。
『待ってて…!今、あいつをやっつけるから』
屋上にそっと気を失った小春をおろして、怪獣をにらみつけた。

『てめぇ』
『キシャアアアアア』
『悪いな、覚悟しろよ』

まずはその足だ。小春を落とした地震を起こしたのはそれだな
『うらぁあ!』
『キシャッ!!』
力ずくで怪獣を押し倒し、足を持ったまま…
『どこまでも飛び続けてやる。どこまでもな』

空高く飛び上がり、ただひたすら飛び続けて…
『ここならいいだろう。思い切り爆発させても』
懐かしい宇宙に相手を放り投げて、構える

『レナニャウム光線!』
70 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:33
「さっきはすごい地震だったのだ!みんな無事だったか?!」
「びっくりしたよねさゆ。飲んでたココアが引っ繰り返って」
「バカ、えり、それは秘密でしょ!」
「…さぼってたのかカメに重さん。夜まで帰さないぞ」

やってる事はれなと同じか、えりもさゆも。
「小春は?」
「…落ちました。地割れに」
「何?!怪我はないか。ってかどうやって出れたのだ?」
「気絶しちゃって覚えてませぇん。気が付いたら屋上にいました☆」
こういう事をへらへらしながら言えるのはある意味すごいかも。

「でも…ちょっとだけ覚えてます。なんかあの猫の巨人が助けてくれたっぽいです」

うそ。意識はあったんだ
ぜんぜんそんなふうには見えなかったが、ミラクルだな。
「腑甲斐ない。学園だけでなくわが部下も助けられてしまうとは…」

隊長…うれしそうじゃない。
なんか余計な事しちゃった?れな。いや、でも正しいって思った事をやったつもり、だから
71 名前:第5話・守れちいさな命 投稿日:2008/01/26(土) 14:34
¨見なおしたぞレイナ。よく守る事ができたな¨

「…うれしくないな。先生にほめられても」

¨お前は素直じゃないんだよ。…それはともかく、今日成し遂げた事はとても大切な事だ¨

…小春を守った事が?いや、あれはただ、あの子を死なせたくなかったから。

¨その気持ち…忘れちゃいけないぞ。いつまでも…な¨


また先生の声は聞こえなくなった。

「なんかよくわからんけど、れなは頑張ったってことかな!よしよしえらいぞれな」
「せんぱーい!一緒にご飯食べよ〜〜〜!」

…笑顔で走ってくる小春を

れなは、負けないくらいの笑顔で迎えた。

72 名前:第5話完。第6話予告 投稿日:2008/01/26(土) 14:35


再びレイナの前にあらわれた黒い宇宙人。
戦う意志は無く不気味な宣告をして消えていった。

息つく間もなく三人組の宇宙人が襲い掛かる!

立て新垣隊長!

戦えレイナ!
守るのだ大切な人を!

さあ次回もみんなで見よう!


73 名前:今回登場した怪獣 投稿日:2008/01/26(土) 14:38
・アース

全長 16メートル
体重 22トン

強烈な地震を起こし相手がひるんだすきに角で串刺しにしてしまう極悪怪獣。
巻き起こす地震は簡単に地面に裂け目を作ってしまう。

過去に大阪城を狙った怪獣に似ているらしい
74 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/26(土) 14:39
以上です。

なんとか無事にノリo´ゥ`リを助けられた从*´ ヮ`)でした
75 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/26(土) 20:07
イイヨイイヨー
もっとこの雰囲気で楽しませて
76 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/27(日) 12:43
黒い宇宙人いいな
77 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/29(火) 10:45
イイ!とにかくイイ!
がんばれいなw

よし次回も絶対見よう!
78 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/30(水) 23:24
>>75

なんかこんなユルい雰囲気ですが、頑張りますw
79 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/30(水) 23:25
>>76

ありがとうございますm(__)m

黒い宇宙人はまた何回か出る予定です
80 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/30(水) 23:26
>>77

れいなには頑張って一人前の戦士になってもらいたいです。

次回も…見てください!
81 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/30(水) 23:26
更新します


〜第6話・超音速の攻撃〜


82 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:27
「オーライオーライ!」「行きすぎ行きすぎ、はいストップ!」

何日間か工事の人が学校に来てた。幸い、地割れは思ったよりは狭くて修復にはあまり時間がかからなかった。
だけど生徒にとっては大事だった。地割れもそうだし何より怪獣を見た人が多かったから…
「なーなー田中、お前怪獣見た?すごかったらしいな」
「…知らん。れな寝てたし」
確かにすごかったよ。おかげで小春が大変な目に合わされて気が気じゃなかったもん。

さすがにもう怪獣に無関心な生徒はいないみたい。
今まで黙ってた事もあったのか、今回の事件をきっかけにみんながしゃべりだした感じ。

「小春ちゃんそんなに走ったらまたおっこちるネ〜」
「ジュンジュンは足が遅いんだね〜☆ヘラヘラ」

…いちばん危険な目にあったはずの小春はすっかり元気だ。
あの底抜けな明るさは2SPのみんなまで明るくさせてくれる。

「おはようごじゃいまーすれいな先輩」
「おはよう」

83 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:28
¨レイナ危ない!奴だ、奴が近くにいる!¨
れなの体が強ばった。
…えっ?奴?奴って誰、先生。それにそいつはどこに

「おめでとう。ちゃんと命を守れた様だね」
「っ!!」

振りかえるとそいつはそこに立っていた。
また知らない誰かの体を借りて、にやにや笑っている。
「お前!またあらわれたな、このっ!!」
間違いない。あの黒いやつ!
「おっと。ここは人が多い。何かしたら騒ぎになるよ?」
「く………てめ、やっぱむかつく。気に入らない」

今度は誰かよくわからない姿、見たことない中年の男。
「楽しみだ…君が強くなるのが。クックックッ、クックックックッ。」
こっちは楽しくないけどね。
さっぱり目的が見えないし、薄気味悪いし、口は臭そうだし。
「…シェイド星人。それが私の名前です。覚えておきなさいレイナ」
「呼び捨てにするな!」
84 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:28
「気を付けなさい。また宇宙人がやってきますよ」
「ああ?なんでそんな事がわかるんだよ」
「……一人では、無いですよ。本当に気を付けてくださいね」

あっ、また消えた。あとかたもなくすぅーっと…
つーか何?一人じゃないって?じゃ何人で来るんだよ宇宙人は。
まさかあいつもそれに加わって戦うつもりか?
気を付けなきゃ。さすがに複数だとやばいかもしんないし。
「なんだ今の男は。あんな先生いたか?れいな」
「あ、隊長。奇遇ですね」
「もしや宇宙人が化けていたのか?!おのれ出てこい!私はここだぞ!」
「もういなくなりましたよ隊長、ほんとに」
「うおーーーー!出てこーい!」ほんと話きかないなこの人。あんなにむきになっちゃって。

……ん?!

さっきからビュンビュン音がするんだけど、気のせいかな。
それに…なんか人影みたいなのが動いてるのが見える。
いや、見えない…いや見える、見えない?
なんなんだ、明らかにおかしいぞ!何かいるんじゃ?
85 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:29
「うおーーーっ!」
「あいったぁあっ!」
隊長が何かとぶつかった!っていうか人とぶつかった。…あ、あの子どこから出てきたの?
「大丈夫?よそ見しちゃダメじゃない」
今度はでっかい生徒がでてきた。うわあでっかい
「二人とも気を付けて動いてクダサイ。私たちは人間より動きが速いんデスから…」
ま、また一人出てきた。今度はあのでかい子とちがってめちゃ小さい!

「誰?あんたら」
「……!き、君たちはたしか中等部の子たちではないか?」
おや知ってるの隊長。そういやこの制服、確かに中坊のやつだよな。
「そうそう、私たちは動きが少し速い中学生。須藤茉麻っていいます」
「うんうん、別に怪しくないデスよ。私は清水佐紀」
「す…菅谷梨沙子だゆ。あいたたた…」

なんでわざわざ自己紹介なんかするんだろ?
怪しいぞ。まさかさっきまでビュンビュン鳴ってたのはこいつらが動いてたからか…?
「なんか変ですよこの子たち」
「…おかしいな。動きは普通の早さだったはずだが」
隊長は首をかしげている。疑問に思うとこはそこじゃないと思うんだが…
86 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:30
「勝負しなさい猫の巨人!」「私たち三人と!」「三人なら負けないゆ!」

げっ?!おっ、おい、れなを指差すな!人間に正体がバレたら試験失格なんだぞ。
「…なぜこの子たちはお前を指差しているのだ?れいな」
…ふう。隊長がにぶくて助かった。まぁれなが宇宙人といわれてもいきなり信じられないだろうけど。
「…そっか。言うわけにはいかないんだ」
須藤って子がにやりと笑った。
「まあいいデス。人間体のままならもっと勝ち目はありマスし…」
「チャンスだゆ。お前の運命もここまでだゆ、猫の巨人!」

うっわ、最悪!こいつらさっそく元の姿に戻って…襲ってきやがった。

「うおーー!君たちはカマキリだったのか!いや、宇宙人だったのか!」
隊長のいったとおり、奴らの外見は二本足で立つカマキリそのものだった。
…まずい、三人もいる上に人間体のまま、しかも隊長まで…!

やれるか?いややるしかない

『いくよ』『我らマーキュリー星人の力』『見せてやるさ』
来る…!やるしかない、この姿のままで!
87 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:31
『いくぞ!』『必殺!』『高速移動!』

げっ消えた?!いや違う、さっきみたいに速く動いてるんだ。
音はするんだけど全然見えない。さっきは少しだけ見えたのに…速さをあげたのか。
「おのれ、私はこんなんじゃぴびらないぞ!うお〜」
「隊長、れなから離れちゃあぶないです!隊長っ!!」

れなが止めるのも聞かずにがむしゃらに走りだす隊長。
『むやみに走るのは危ないよ。地球人』
「なにっ?!」「あ、危ない…!」
急に姿をあらわし、攻撃をしかけてきたカマキリ星人。
「させるかっ!!」
『…へえ、君も速いね』
あ、あぶない。あんなカマで斬られたら…人間だったら簡単に輪切りだぞ?!
『お前、邪魔だよ』『右に同じく』
「なっ?!あぎゃっ!」
れなの左右に一人ずつあらわれ、れなを蹴飛ばす。
「れいな!おのれ…よくも可愛い部下をぉ!」
『やる気?人間が』『君死ぬよ?』『刻むよ。バラバラに』
に…逃げて隊長、お願い、今のれなじゃ助けられない…かも
88 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:32
やっぱし無理だ。このままじゃ宇宙人には勝てるわきゃない。
「れいな、ここは私が食い止める。その間にみんなを呼ぶのだ!!」
「隊長無茶ッスよ!相手は宇宙じ…」
「バカモノ!やってみなくちゃわからんだろうが!!」
「た、たい、ちょ…」
今までいっぱい怒られたけど、今のはなんか胸にずしっときた
「くらえ宇宙人ども、人間の力見せてやるぞ!」
『ぷわっ、な、何だこれ!』『うえっ口に入った』『野郎、ふざけた真似を』
…消火器なんかで倒せるわけないのに、隊長は恐がってない。
れなの記憶のかぎりじゃ、怖がったりひるんだりしてる隊長の姿は見た事ない。

れなもやらなきゃ。諦めてもしょうがない
「…いきます、やります!」

隊長がれなに背を向けてるのを確認して、本来の姿に戻る。
『あっ猫!』『しまったー!人間に気をとられたすきに』『ちくしょー!』
「きょ、巨人?!今は小さいが…確かにあの猫!」

『覚悟しろよ、カマキリども』

89 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:33
『させない』『必殺!』『三位一体!』

本当に仲が良いな。常に三人でしゃべるなんて。
「うわあああ来るぞ!」
『大丈夫、隊長』
「………え?」

さっきよりさらに速く移動してくる。今度は音すらも聞き取れなくなって…
『…おまえら、仲良しだよな。なら仲良く倒してやるよ!』
この光線使うの久々だ。よし、くらいな!!

『 三叉槍(サスマタ)ショット!!』

『グギャ?!』『あぎゃ!!』『うぎゃー!!』

れなの体から三方向にのびた、槍みたいに鋭い光線が奴らを貫いた。
「うおお……つ、強いのだ!」
『ふう…ヒヤヒヤした』

…守れた。また、なんとか
90 名前:第6話・超音速の攻撃 投稿日:2008/01/30(水) 23:33
「先輩頑張ってくださいね」「私たちも先輩みたいになれる様がんばりマス」
「お腹すいたゆー」

可愛い後輩を見送りながら手をふる隊長。
「…覚えとらんのかな。宇宙人に取りつかれてたのを」
「知らない方がいいんじゃないですか。それに無事でよかったですね」
「……………」

な、何?隊長、れなをじぃーっと見つめて…

「猫に似てるなれいなは」
い?!まさかバレた?
「は?!あ、あの巨人のですか?!」
「いや動物の」
「隊長!怒りますよ!」
「あはははは、冗談だ」

……よかった。
あなたを守る事ができてよかった。
一人しかいないれな達の隊長なんだから
91 名前:第6話完。第7話予告 投稿日:2008/01/30(水) 23:34

迫りくる二体の怪獣…

互いに啀み合い、戦う怪獣。

戦場と化した学園!
炎につつまれ熱気が襲い、そして…
氷につつまれ寒気が襲う!

レイナは二体を相手に勝つことができるのか?!

さあ次回もみんなで見よう!
92 名前:今回登場した宇宙人 投稿日:2008/01/30(水) 23:40
・マーキュリー星人

全長 165センチ〜16メートル
体重 80キロ〜8トン

カマキリの様な外見。
目にも止まらぬ超高速で動き回る。複数で行動し獲物を追い詰めて戦う。

夜しか活動しない、なんて事はない
93 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/01/30(水) 23:46
今回は以上です。
折り返しを過ぎてあと半分、頑張ります
94 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/31(木) 12:57
今飼育で一番面白いスレ
95 名前:ななし 投稿日:2008/02/01(金) 18:57
おもしろすぎる…
高橋愛がどうなったのか気になる…

毎回、すごーく期待して待ってます。
96 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/02(土) 20:16
>>94
そんな事ありません^ロ^;
97 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/02(土) 20:18
>>95
愛ちゃんは無事ですよ。
憑依された人は中にいる宇宙人を倒せば解放されます
98 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/02(土) 20:19
更新します


〜第7話・激烈!怪獣プロレス〜


99 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:20
「あの頃が懐かしいのだ…」
パトロールが終わりくつろいでるとぽつりと隊長がつぶやいた。

「まだ2SPができたばかりの頃はのんびりしてましたねぇ」「今の方が大変なの…怪獣とか宇宙人とか」
えりとさゆは最初からいたらしいから、その時の事を知ってるんだろう。

「保健室の先生が可愛いか可愛くないかで、口喧嘩の末生徒二人がウダウダと殴りあうだとか…かわいい事件ばかりだった」
「あれはおバカでしたねぇ〜うへへへ」「先生が対処すべきなの。バカバカしかったの」
「へぇ〜、おもしろい事件ですね〜☆」
「コノ学園は毎日がわいどしょーネ!退屈しないヨ」

…よくありそうな事だな。
地球ってーのはやっぱり平和な星なんだと改めて実感した。

だからこそ守らなきゃ。こんな平和な星…侵略者の好きにはさせたくない。

「…ちょっと外いってきます」
決意したらなぜか泣きそうになってきた。前はこんなに涙が出なかったのに。
…涙を見られるのは恥ずかしいから
100 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:21

「あら?」

校舎が熱い。っていうか…燃えている、火に包まれている。
火災報知器が鳴りまくってて…これは明らかに普通の状況じゃない。
「隊長!えり、さゆ、小春、ジュンジュン!消火器消火器〜」
「うおおおっ!火事だ〜大変だ〜」
「ひいいいい、火事おやじ火事おやじ、天災は忘れなくてもやってくるネ!」
落ち着け落ち着くんだ。こんな時こそ頭を冷やして冷静に…!

「寒いよ〜!たいちょー、れーなぁー」
「向こうが、向こうがカッチカチなの!氷河期なの!!」
「ひぃいーん、氷河期襲来☆カナ!こわぁーい!」

なな、何を言ってるんですか向こうを見にいった三人組は。
…ってマジじゃんか!

あっちの校舎は、こ、氷漬けにされてるし!!
こっちは大火事あっちは氷河期、天災ってレベルじゃない…!

んだよもうまた怪獣だろ!だんだんたち悪くなってねー?
101 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:22
『シャギャーーーーー!』
『グルァーーーーーー!』
赤いのと青いのが校庭をリングにして戦ってる…!
あ、赤いのが火吐いてる!青いのが苦しんでるぞ。
おかえしって感じで今度は青いのが吹雪を吐いて赤いのを苦しませて…
くそ、早くあいつらのケンカをやめさせなきゃ学校が無くなっちゃう!

「ニャオーーーーーーーッ!」

『シャギャ…?』『グラッ、グルァ』
おめーら今すぐにケンカをやめやがれ!学校をぶっ壊すつもりか
『シャギャ、シャギャー!』
『グルァーーーーーー!』

え、え、え?なんで二匹でれなにむかってくる?!
あ痛っ!痛い、熱い!寒い!ひーーーーっ!
二匹は軽がるれなを退けてから再びケンカを再開した。

『…けっ、あーそうかい、邪魔なられなは戦わん』
なんかバカらしくなってきた…やってられん
102 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:22
「コラーー!猫、不貞腐れとらんで戦うのだ!」
『ひっ、隊長!わっわかりました、今すぐ!』
まーた怒られちゃった。人間に怒られるウルトラマンなんて…あー情けない。
簡単にあきらめちゃいけないよな。たかが一度退けられたくらいで!
『シャギャ!!』『グルァア!!』
『食らえっ、ニクキュームスラッシュ!』
牽制しながらちょっとずつ近づいてけば…
『グルァアアア、グギギギ、ギギギギ』
効いてるぞ、青い方は動きが鈍くなってきてる。
『シャギャギャギャアアアアア!!』
あら?赤い方はぜんぜん効いちゃいねーぞ。
この光線は熱が主成分だから…赤い方は体に熱をもってんだな。
弱点はおそらく水もしくは冷気。ちっ、でもれなはそっち系の光線は持ってない。
仕方ない、先に青い方をやっつけて、赤い方は肉弾戦で倒すしかない。
『グルァーーーーーーーー』
『うわっ、しまった!』

くそ、光線が弱かったか。
吹雪を吐かれてれなは手を凍らされてしまい…
『ち、ちくしょう…!』
103 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:23

「猫が苦戦している。2SP出動なのだ!」
「「「「ラジャー!!」」」」

み、みんな、危ない!逃げろ!相手は怪獣だぞ。
「フォーメーションW(ダブリュー)だ、いくぞ!」
ふぉ、ふぉーめーしょん?だぶる?なんだそりゃあ…
「急げ、急いでホースを私までのばしてくれ」
「わっせっ、わっせっ」「早くするの小春!」

皆の連携で水のみ場から繋がれた長いホースが赤い怪獣に向けられた。
「くらえ怪獣!私たちの力を見せてやるぞ!」
「対怪獣用兵器、発射スタンバイ!」
「発射アル!」
ジュンジュンが蛇口をひねると、ホースから大量の水が噴き出してきた。

『シャギャギャギャギャ…!』
苦しんでる…やるじゃん!
赤い方の動きがにぶくなってくぞ、よしこれなら
『グルァーーーーーー!』
こっちの青い方だけに集中できる、サンキュー!
104 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:25
『ハァアアアアアア、はぁああっ!!』
凍らされた手に熱を送り込んで、覆われた氷を溶かした。これならまた光線が使える!

『グルアァアアアアアァア』
『くるか、このっ!』
突進してきた青い怪獣を両手で押さえ込んだ。
く、くく、この…!なかなか力が、ある、な……!!
『グラララ!グラララララ!』
『あてっ、頭突きすんな!痛いだろてめ…!』

こーのやろぉお!頭きたぞ!

『グラッ?!』
『今度はこいつを食らえ!レナニャウム光線!!』
派手に飛び散れ!うらーーーーー!
『グララァアアアアアア!!』
よしやったぞ、次は…!
『シャギャアアアァアァ……』
「やったぞ!赤い怪獣を倒したのだ!我らの勝利なのだーー!」
…やるぅ。隊長たち、手を叩きあってガッツポーズだ。
105 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:26
『シャギャーーーーー!!』
…げ?!ま、まだ生きてたのかこいつ!しぶとい奴だ。
さっき食らったのはただの水だったけどかなりの勢いだった。でもとどめにはいたらなかったか。
『このっ、くらえ!レナニャウム光線!』

…あ、あれ?ぜんぜん効いてない!くそ…この光線に耐えるなんて!
『シャギャアァアァ!!』
てめえ、だったらこれなら…どうだ!
あんまりこっち系は使いたくないけど、他に熱を使わない大技は無い。
『……いくぞ』
右手の爪をのばして剣みたいにして相手をばっさりと切り裂く。
『シャギャーーーーーー!!』

『 レイナブレード…!!』
勢いをつけて赤い怪獣に走っていき、その喉元を……

……決まった。確実に

この感触は間違いない。

まもなく、その火を吐き出す頭は校庭に落ち、転がることなく爆発した−
106 名前:第7話・激烈!怪獣プロレス 投稿日:2008/02/02(土) 20:27

「やったのだ…!我らの、勝利なのだ!」
「ふぅ、勝てましたねぇ。赤いのが起き上がった時はこわかったけど」
「でもあの猫ちゃんが助けてくれたの」

盛り上がるみんなをよそに、れなはまた一人静かだった。
…なんか不思議な気持ち。みんなと連携したことが、うれしい、っていうか

¨その気持ちが大事なんだよレイナ。うん¨
「…その、気持ち?」
¨我々とて決して一人では勝てない相手はいる。一人で戦うなんて難しいんだよ¨

…先生…

今ならわかる気がする。
れなが、一人で勝てないことを悔しがるのを恥じろって言われたこと。

¨また強くなったな。レイナあと少しだ、がんばるんだぞ¨
「はい、先生!」

よし…よし、よしっ!あと…ちょっとだ!
107 名前:第7話完。第8話予告 投稿日:2008/02/02(土) 20:28
予告

突如あらわれた二つ目の太陽。
沈むことのないそれは気温を上昇させ闇を照らしだす。

学園を襲う宇宙人、

人を小馬鹿にしじわりじわりとれいなとさゆみを追い詰める!

戦慄の黄色い嵐!
飛ばされていくさゆみの運命は…?!
さあ次回もみんなで見よう!
108 名前:今回登場した怪獣 投稿日:2008/02/02(土) 20:37
・ウルカヌス

全長 12メートル
体重 45トン

灼熱怪獣。熱に強く太陽を浴びると元気になる。ニヴルとはたいへん仲が悪い。

・ニヴルヘム

全長 11メートル
体重 50トン

冷凍怪獣。寒いの大好き。
死ぬと腐って物凄い臭いを放つ
109 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/02(土) 20:38
今回は二匹でした。

しかし前回が三人だったので話の順番を間違えたかしら…
110 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/03(日) 00:13
次回は三匹かしら
111 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/03(日) 00:46
ウルトラの兄弟とかいるのかな
112 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/03(日) 23:18
必殺技が多彩だねー
113 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/05(火) 19:21
>>110
次回は…ある意味二人です
114 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/05(火) 19:22
>>111
設定ではテレビでウルトラ兄弟の番組がある事になってます。
実在は…してません
115 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/05(火) 19:24
>>112
レイナは強い設定なので技もいくつかあります。
今回みたいな光線以外の技もあります
116 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/05(火) 21:24
更新いたします


〜第8話・マブシイセカイ〜
117 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:25
「暑い………」

おかしい。なんで今日はこんなに暑いんだ?暑い季節じゃないのにどうして
「もうすぐ夕方の5時なのに…なんでこんな明るいんだ?」
「知らないのそんなの。イライラする」
さゆはやたら不機嫌だった。きっと暑いのはキライなんだろう。

やっぱりあの太陽のしわざだ。こんなに暑いのは。それにもう今の季節、5時で外が暗くなってなければおかしい。
「やっぱしおかしーよ…太陽ってさ、普通ひとつしかないよね?」「ん〜〜〜…」

なんで…なんでだよ。

なんで、どうして太陽がもうひとつあるんだよぉお?!
「こういうのって今までありそうで無かったよねれいな」
「…初めてかも。こういう特殊な形の攻撃って」

怪獣には真似できそうにないこの芸当。
あれだな宇宙人のしわざに間違いない…
いったい相手は今頃どこに潜んでるんだ?!
118 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:26
「ほんっとにどこにいるやら」「見つけたら殺してやるの」
ぼやきながら2SP本部のドアを開けた。

「…………………」

………誰だ?
見たことのない生徒が座ってカップ麺を食べていた。
目が合ってもおかまいなしにズルズル啜っている。
「おまえ誰だ?勝手に入って何してる」「あー!それ私の、こらー!」
「初めまして。私こういうものです。キュフフフフ」
名刺を投げ付けてきたので受け取り確認してみた。
「…幻覚、宇宙人。シャマー星人…?う、宇宙人だって?!」
さらに今憑依してる生徒の名前もあった。地球名・中島早貴…
「あんたの仕業ね、太陽が二つあるのは!」

いらだちながら詰め寄るさゆをにやにやしながら見るシャマー星人。
「ええ。ま、軽いいやがらせですかね。あいさつがわりとしておきましょうか…」
指を鳴らすと、なんとそいつは一瞬で消えてしまった。
「わ、私のラーメン…!あいつ許さない!」
意地汚いなさゆは…それはさておき、また厄介そうな奴がきやがったか。
119 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:26
だんだん気温が上がってきてないか…?
これじゃ夏になるまでもうまもなくな気がする。現在時刻は五時半、だが全然外は暗くならない。
「もーーっ!あいついったいどこに逃げたのよぉ!!」
「いらいらすんなって…ほら、アイス」
奪い取る様にれなからアイスを取り、乱暴に袋をあけてかぶりつくさゆ。
「いらいらしとったらうまくいかないよ、な?」
「……………ごめん、ちょっとうまくいかなくて。れいなごめんね」
「そうですよ。人間は冷静に行動するのがいちばんですよキュフフ」

…あら?れなが食べようとしてたアイスが無い。
「って、あーーーー!シャマー星人!!」
「こらーーーー!れなのガリガリ君かえせやぁああ!!」

「地球の食べ物も悪くないですね。ふむふむ」
「余裕かましてんじゃないわよこのー!」「さゆ、そっちから頼む、れなはこっちから!」
はさみうちにするべく、れなとさゆは左右から同時に飛び掛かった。
「…おバカさん」
しかしまたパッと一瞬で消えてしまい…
「あいったぁあ!」「さ、さゆの石頭…!」
ちっっくしょー!あいつ、絶対にゆるさんっ!!
120 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:27
「私のラーメン…!」「ガリガリ君…!」

まるでおちょくるかの様にシャマー星人は逃げ回り、ときどき姿をあらわしてすぐ消える。
この暑さもあいまってれなとさゆは完全に頭に血が昇っていた。

…でも変だな?
今までの宇宙人はかならず気配やニオイがあったのに、あいつからは何も感じない。

うーん、考えてもこの暑さじゃあうまくまとまらん…
「れいな汗かいてる」
「ひゃっ?!」
さゆが濡らしたタオルをれなのおでこにくっつけた。
「…むかつくけど、あいつの言うとおり冷静にならなきゃダメね。怒ったら思うツボだもん」
……さゆ、もっと怒ってるって思ってたのに。
「この暑さだってきっと元に戻せるよ!ぜったい何かからくりがあるはずだから!」

…れながさゆを支えてるつもりだったのに。でも、ありがと。
「………キュフフフ。飽きちゃったからそろそろ終わらせてあげようかな」
「っ!!」「あ…!!」
目の前にいたシャマー星人は、ついに本来の姿を見せ付けてきた。
121 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:27
『イエーイ!アーイアム・エイリアン、オブ、シャマー!』

しゃべり方も、見た目もふざけた野郎だった。
なんかラグビーボールみたいな顔に、一直線に並んだ目とでかい鼻の穴。
全身が真っ青で趣味が悪く、手もヒラヒラしたぶっさいくな宇宙人…!
『かまーん、べいべー!』
両手を上にし腰をぐいんぐいん時計まわりにして挑発してくる。
さらにその大きさは等身大。わざわざデカくならなくても勝てるっていいたいのか?!
「このブサイク!さゆみキックをくらいやがれえ!」
まずさゆが仕掛けた。体重任せの重い蹴りが奴の顔面を……

…貫いた?い、いや、擦り抜けた?!
「あいったぁ!」
さゆは地面に落ちてしりもちをついてしまう。

『私にはそんな原始的な攻撃など痛くもかゆくも無いんですよ。ぬーっははははは』

「てめっ、いい気になるなよ!!」
今度はれながそのブサイクな顔に殴りかかっ……!
たけど、やっぱり擦り抜けた。こいつ…体が無いのか?
122 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:28
『ほら今度はこっちの番ですよ。はい!』
尻をむけたぞ。な、何をするつもりだこいつ?
¨ぶっ、ふぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜¨

…こっ、この黄色い風は…?!うげぇっほごほ、くっさぁーーーー!!
し、しかも意外に勢いが強くて
「きゃあ〜〜〜〜〜〜!」
「さゆ?!さ、さゆ〜〜!」
大変だ…さゆが飛ばされちまった!人間をかるがる飛ばすなんて、こいつの屁なんなんだよ!

「ニャオーーーーーーッ!!」

さゆ、さゆを早く助けなきゃ。あのまま飛ばされたら壁に激突する!

『だめです。助けてはいけません!』
『うぐぁあっ?!』

無防備だった背中にシャマー星人の光弾をくらい、れなは動きがとまってしまう。
『くそっ、さゆ〜〜〜〜〜!』
「きゃああああ……!!」
123 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:28
こいつ、影が無い…?
『無駄だといってるでしょう。攻撃など私には通用しないと』
影がない事と攻撃がすりぬける事はなにか関係ある?
…わかんない、こいつの体の仕掛けが。早くさゆを助けなきゃいけないのに
『レナニャウム光線!』
『…ふっ、あなたはただのおバカさんの様だ』
『なっ?!』
光線も擦り抜けた?!やっば、マジでどうしたら…!


「あいたたたた……!お尻ついちゃったの」
あのおなら宇宙人、ホントに人をバカにしすぎ。
…どうしよう、あいつに攻撃はきかない。れいなも心配だし早く戻らなきゃ。

まさかたかがおならで校舎のウラまで飛ばされちゃうなんてね。
「ん?」

今…窓の向こうに何か見えた。…青かったけど、ひょっとして
シャマー星人が向こうにいるの?!
え、だってたった今違う場所にいたはずなのにどうして
124 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:29
確かめなきゃ。今見えた青いのが何なのか。そっと窓を開けて…

『ふっふっふっ、猫ごときが私に逆らうなどフールなのですよ。フール…愚か者!わかるかな』
いたーー!シャマー星人!
…なんかパソコンにむかってぶつぶつ独り言いってる。あぶないタイプなの
あのパソコンに映ってるのは…ね、猫の巨人?!
『ほらほら、土下座しなさい。ど・げ・ざ。そうすれば許してあげましょう、まあ嘘だがね!』

よくわかんないけどとにかくあいつをなんとかしなきゃ。
「こらー!学園に不法侵入とはいい度胸ね!」
『ひっ?!なな、なんです君は…あ、さっきの子!ちっ、ここまで飛ばしてしまったか』
勝てる…?人間の私が、こんな得体の知れない攻撃ができる宇宙人に。

「わあああああ〜〜〜〜!!」

『うぐあああっ!!』

…あ、あら?私の攻撃が当たった。さっきは当たらなかったのに
『おのれっ、ひ…光のあるところにいけば、たかが人間に負けないのに!』
…仕掛けには光が必要?つまり、逃がさずにここで退治しちゃえばいいんだ…
125 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:29
『や、やめ、やめて、うぼぁーー…』
近くにあった椅子で気絶するまで殴りつけて、すぐにパソコンを調べた。
「何これ?押すな、って書いてあるスイッチ。押しちゃお」

押したとたんにまわりが暗くなっていった。
外を見るともう太陽は無くて小さなお月さまがあったの

「あのスイッチで太陽を二つ作ってたんだ…あんなに簡単な機械で」
…少し、怖くなった。

ホントはシャマー星人はかなり知能が高かったかもしれないって
ヘタしたら子供でも扱える様なこんな簡単な機械で、太陽をもうひとつ作り出せるって…


「さゆっ?!怪我はない?」
「れいな!れいなこそ大丈夫だった?」
「…ん。なんとかね。なんかすっきりしない終わり方だった」

微妙な表情のれいな。
助かってよかった、れいなはいつも無茶するから…
126 名前:第8話・マブシイセカイ 投稿日:2008/02/05(火) 21:30

さゆが帰ってから、気絶していたシャマー星人の本体を宇宙に放り投げた。

…さゆの話から推測するとあいつは実体のないマボロシを遠隔操作してたっぽい。
おそらくはあの太陽もマボロシか何かだろう。

人間にやられるんだから戦闘力はまるで持ってない。
そのかわりに知能、技術で侵略してきたんだろう。

あんなしゃべり方で知能が高いかどうかは疑わしいけどね…

¨…れいな、危機一髪だったな。あの友達がいなかったら今頃失格だったぞ¨
「…うん」
¨友達は、大切にな。おまえにとってかけがえの無い存在なんだから¨

今は痛い程それがわかる。

…でも甘えちゃいけない。

飛ばされても運良くさゆは怪我しなかっただけ。
助けられなかったことに目をつむっちゃ、いけないんだ。

127 名前:第8話完。第9話予告 投稿日:2008/02/05(火) 21:31


あれ?確か今廊下に出たはずだよね…?
ここトイレ、うそー!なんでなの!

校庭にあんな変な形した岩なんてあったっけ。
うわっ、なんだ?いきなり机が飛んできた!

どうなってんだよ…いきなり学園が迷路みたいになるわ、物は飛んでくるわで…


え?あ、ああ、これ言うの?じ…次回もみんなで、み見よう!
128 名前:今回登場した宇宙人 投稿日:2008/02/05(火) 21:34
幻覚宇宙人・シャマー星人

全長 ミクロ〜19メートル
体重 ミクロ〜25トン

機械の遠隔操作で離れた場所に体を作り出し相手を攻撃する。
性格はかなり捻くれて高飛車で、相手を小馬鹿にするのが何よりも楽しみ。

得意技は悪口、相手の神経を逆撫でする事、あとは黄色い風
129 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/05(火) 21:37
今回は以上です。

ちなみにこのシャマー星人は実際に出た宇宙人です。

ウルトラマンマックスと二度も戦った強敵です。
作中のとおり暗闇が弱点で、本来の大きさは豆粒ほどしかありません
130 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/06(水) 22:53
ジュンジュンドコ?
131 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/11(月) 11:42
今気づいたんだけど全12話なんだね
132 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/11(月) 20:29
>>130
今回はいません…隊長も…れなさゆにしたかったので出番なしですすまそ

>>131
はい、短めです
133 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/11(月) 20:30
更新します


〜第9話・迷宮学園〜


134 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:31
校舎のど真ん中のあのでかい岩を壊せば、きっとこの奇妙な現象は無くなる。
だがしかしなぜかこの学園から外に出る事ができない。いや出るどころか…

「む?!なんだここは!」
「わっ隊長?!」
いきなしバケツから隊長が出てきた。
「おー、れいなサーン。ひさぶりネー。バケツからおはこんばんちはネ」
つづいてジュンジュンも出てきて手をふっている。
「くそ!早く出てあの岩をぶっこわしたいのに」
2SP本部のドアを開ける。いつもなら廊下に出られるはず…

「…ち、またかい」
だが出た先はどこかの教室。明らかにおかしい。窓から見える空は青く、いたって普通な光景だった。

「てっめ〜〜〜…!ふざけがすぎるぞ、この岩!!」

ああ、腹立だしいっ!
近付きさえできればなんとかできるのに!
くそ…これじゃいったいいつ校舎に出られるんだか…

135 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:31
「れいな〜どこ〜?れいな〜」
「わっ?!」
いきなりロッカーから出てきた見覚えのある子。でも顔は見えない。
だって…さ、バケツかぶってるんだもん。顔が見えるわけないじゃない
キョンシーみたいに両手をのばして、何かをさがすみたいに動かしている。
「大丈夫?えり」
バケツを取ってあげたらうへへへと笑うえりの笑顔。
「れいなはっけーん!一人で大丈夫だったかな」
「いや、えりの方が危ない。なんでバケツかぶってたの?」
「大丈夫だった?寂しかったよね。よしよし」
「話を聞けやえり…もう」

ったく危なっかしいんだからえりは。そのくせやたられなばっか心配して

…学校に来て最初に話し掛けてきたのはえりだった。
とにかく早く学校の内部を覚えなきゃならなかったのに、ずっと話されて。

まだろくに地球人との接し方も知らなかったから冷や汗がとまらなかったっけ…
でもあの笑顔、あれは今もずっとかわらん。同時に…こういうあほさ加減も。
いつまでたっても世話の焼ける子なんだから…
136 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:32
『パゥウン!パゥウン!』
「えり危ない!」「えっ何、きゃ〜〜〜〜?!」

ちっ、きた!あの岩からの攻撃…!
今みたいにいきなり空間に教科書とか机があらわれて、飛んでくる。
あいつは空間をゆがめるだけじゃなくてこんな不可思議な真似までできるらしい。
あーーもうっ、ますますたちが悪いあの岩…!
確か似た様なタイプの怪獣を昔学校の図書室の図鑑で見たことあったんだけど、
…ちゃんと寝ないで見とけばよかった。きっと良い戦い方が書いてあったはず…こんな苦戦しなくてすんだのに。

「ごめんれいな。全然気が付かなかった」
「ったく。えりはひとりじゃ危なっかしいんだから」
「れいながいると頼りになるぅ〜〜〜〜♪うへへへへ」

…あんな怖い目にあったのにもう笑ってる。
ま、まさかれな、今の言葉通り頼りにされてる?

「何にやけてるのれいな。キモちわるーい」
「くねくね歩行少女に言われたくないね」

137 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:32
頼りにされてるんなら頑張らなきゃいけない!
この空間が歪んだ、迷路となった学園を早くもとに戻さなきゃいけないね。
…思い出せ、空間を歪めるタイプとの戦い方…図書室で見た図鑑に載ってた事を。
確か空間が歪む力があまり影響しない場所があったはず。

この¨眼¨ならそれを見極められる。かならず!
眼をこらせば見えてくる。空間に穴がいくつも空いてるのが
「れいな何にらんでるの?ゴキちゃんでもいた?」

…ほんと気楽だなえりは。下手したら二度と同じ場所に出られない様な状況なのに
「怖い顔しないの。えりたち2SPはいかなる時も冷静であるべきなのだ!」
へったくそな隊長のマネをして2SPの心得を叫ぶ。

「ああ。れなはいつだって落ち着いてられるよ」
…¨眼¨で見れば出口を見つけられるかも。最初からこうすればよかったんだ。
もしかしたら、えりに会わなかったら…今でも迷路をさまよい続けてたかもしれん。
「ありがとなのだ!カメ!」
「…隊長はもっと声が強いもん。れいなは声かわいすぎ」
「こうか?あ〜、あ〜!う、喉が…痛い」
「バカみたーい。うへへへ」
138 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:33
空いてる空いてるそこら中に穴が。ヘタに動いたらいつまで経っても出られないね
『パゥウンパゥウン!』
「危ないえり!」「きゃっ、ひゃあ!うそ〜!」
おっ、今度はちゃんと自分でかわしてる。ああ見えて運動神経はいいから
「う、きゃああ?!」
「えりっ?!」
いきなりえりの体が浮かびあがって、今飛んできた机みたいに飛ばされてしまった。
…まずい!あっちの方は穴がある!このままじゃ……!!

「えりっ、えりーーーーーーー!!」
「れいなぁ…れいなぁあーーーーーーーー!!」

だめだ、えりをあの中に入れさせるわけにはいかない!

手が届くか?!届け、届けーーー!

「うっ…わあああああ!!」
「れ、れいな…!れいなーーーーー!」
えりの手をつかみ力を振り絞って穴から遠ざけた。
でも、かわりにれなが穴の中に………!
139 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:34
ここは…?!外、校庭?やった、ついに出られた。
「遊ぶのは終わりってわけか?岩!」
『パゥウン!パゥウン!』
「ニャオーーーーーーッ!!」

えらそうに校庭の真ん中に居座りやがって。気に入らない
『うらっ!』
蹴ろうとしたら、岩に当たる寸前で脚が止まった。重くなって全然動けず…
『な、何をした!やめ、うわーーー!』
なんとそのまま地面に沈んでいく。この岩、こんな攻撃までしてくるのか?!
思った以上に沈むのが早い。もうまもなく頭まで沈みきってしまう…!
『う、わ、ああぁああ!』

今度は急に視界が明るくなり体も軽くなって、気付いたら空からおっこちてる最中だったのだ。

『っと!あっぶねー、なかなか面白い事してくるなお前』
『パゥゥウン、パゥウゥン』

この岩…!
140 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:34
『うわっ、ちょっ!!』
『パゥウンパゥウン!!』
ちっ、今度は体のまわりに自動車やら何やらがうじゃうじゃ…!
これじゃ近付けない、どうしたらいいんだ?!

『いい加減遊ぶのはやめろや、おう?!』
体についたのを取っ払い、その岩につかみかかった。
『ぱぅう…パゥウ、パゥウ!』
『お?なんだ、命乞いか?悪いがそれは聞けないね!』

思い出した。こういうタイプは投げに弱い…!
よかった。ちゃんとあの図鑑を見てたんだ。思い出せた!
『うらっ!おらっ!』
『パゥ、ぱ、ぱぱ、パゥウ』
何度も何度も一本背負いで校庭に叩きつけてやったら、ついに岩は動かなくなった…

『フザけがすぎたな。岩怪獣。ゆっくり…眠れよ』
楽にしてやる。

『 レナニャウム光線!!』
141 名前:第9話・迷宮学園 投稿日:2008/02/11(月) 20:35

「怖かったぁあ〜…!」「びっくりどっきりラビリンス、怖かったネ」

無事に元どおりになった学園。抱き締めあう2SPの隊員たち

「れいな!よかった、ホントによかった!いきなり消えちゃったから心配だったんだよ!」
「…ああ、平気。えりこそもう怪獣が出た時勝手に出歩か」
「ほんとにほんとに心配だったんだから〜〜〜!!」

うごぉ、おう、ちょえり、苦しい苦しい、ギブギブギブ……!

「お熱い二人なのだ」
「ひゅーひゅー♪やけちゃうヨー」

た、助けて、苦しい…!

えりってまさかある意味怪獣や宇宙人より強いんじゃ…

¨レイナよ。先生は恥ずかしいぞ。お熱いな¨
「うるさーーーい!あ………花畑が、見える…」

142 名前:第9話完。第10話予告 投稿日:2008/02/11(月) 20:36


誰もれいなと口をきいてくれなくなってしまった。

隊長から告げられる除隊宣告。


傷心のれいなに忍び寄る影…

そして学園に迫り来る巨大な影………

さあ次回もみんなで見よう!
143 名前:今回登場した怪獣 投稿日:2008/02/11(月) 20:45
空間怪獣・ホールボックス

全長 22メートル
体重 100トン

イタズラ大好きな岩怪獣。
不思議な力を使い空間のつながりをめちゃめちゃにしたり周囲の物体を動かしたりする、なんとも迷惑な怪獣。

アンテナを体の穴から突き出して『パゥウン!』としゃべる。

手も足も無いので投げられると受け身が取れない
144 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/13(水) 00:31
バケツから出てくるとか反則だろw
145 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/16(土) 10:32
次回予告が思わせぶりすぎるぜ
146 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/23(土) 21:58
>>144
空間がねじまげられてるので出させてみました。
なべの中からでてくるとかもありかも
147 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/23(土) 21:59
>>145
次はちょっとあれな話になります。最終回三部作の第一話目です
148 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/23(土) 22:00
お待たせしました…更新いたします


〜第10話・おまえはだれだ?〜


149 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:01
さゆが口をきいてくれん。
一応目は合わせてくれるけれど、全然…

「お、おはよ」
「…でさー、うん。え?あはははははは」
さゆ、また無視した。絶対目が合ったのに…ちくしょう。
わざとらしく電話するふりなんかしやがってぇ!ああ腹立つ。いったいれなが何したんだ

「おいさゆ!いったいどういうつもりだ!」
「……………」
休み時間に聞いてみても今度はさらにわざとらしく寝たふり。
れな、知らない間に何か傷つける様な真似しちゃったかな?
ほられなまだ地球人の事何もわからんし、どうすれば傷つくとかわかんないから…
だけどそうやって無視されちゃったら、

なんで無視されてるのかすらわかんないままじゃん。
誰だって失敗はする。れな、いっぱいしくじってきた。
でも何が悪かったのか考えて自分なりに見つけてなおしてきた…

さゆ、冷たいよ。友達じゃなかったの?つらいよ
150 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:02
「出ていけ!!おまえは昨日付けで除隊処分だ!!」
「い、痛い…隊長、いったいれなが何したんですかぁ〜」

な、なんでドアをあけるなり空き缶を投げられなきゃならないんだよぉ…
「何をしたのかだと?!このバカモノが、おまえは記憶喪失か!!あるいは健忘症か!!」
隊長が怒りながら指差したのは部屋の真ん中に飾ってある2SPの旗。

「な?!なんだありゃ?!」

れなも気に入ってたあの旗。
真っ黒いペンキで、ちょっと口じゃ言えない模様の落書きがでかでかと描いてあった。

ご丁寧に落書きの下には¨by田中れいな¨とまで…
ってちょっと待てーーーい!れながこんなふざけた真似するわけない!
誰だ?!誰の仕業だ!!この部屋は鍵がかかってて普通の生徒じゃ入れないはず!

…みんな、れなを見ない様にしているのがつらかった。でもれなはもっとつらかった。

まさかみんな本当にれながやったって思ってるの?
そう思うだけでなんだか居たたまれなかった。
151 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:03
「み、みんな…なんか言ってよ、ねえ」
「…………」「……………」「…………」

…ああ、そうかい。誰もれなの味方はいないのか。
だいたい隊長も隊長だ。ただ名前が書いてあるってだけでれなを犯人扱いかよ。
「隊長はれなが本当にやったって思ってるんですか」
「な、なんだと………」
れながにらみつけると隊長はしゃべらなくなった。
「もういい、わかった。地球人なんて所詮こんなかよ」
「えっ?れ、れいな、何言ってるの…」
「馬鹿馬鹿しい!除隊だって?ああいいよ、抜けろって言うなら抜けてやるよ!!」

切れた。
頭の中の理性の糸が。ひとつが狂えば、もうとまる事はない。
れなはドアをしめずにその場から歩いていく。
「待ってれいな!待って!」
……えり…!
「…構うな」「…え?」
「れなに構うなッ!!!」
今更止めようとしたってもう遅いんだから
152 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:04
…あれから何日か経った。
もう、2SPの隊員は誰もれなに近寄ってこなかった。
いなくなってみて初めてわかった事がある。れなには…
いつもそばにいる人が隊長達だけだったって事だ。

¨レイナ。落ち込む気持ちはわかるが…元気を出すんだ¨
廊下で一人ぽつんと窓の外を眺めていたら、先生からの通信。
「…あの旗にむかって、来た時と帰る時にいつもみんなで敬礼してた」
¨レイナ…悔しいだろうな。旗だけじゃなく、みんなとの絆までめちゃくちゃにされて¨
「…自分から2SPやめてやるって言っちゃったし、もう戻れない」
¨弱気になるな。犯人を見つけだして自らの潔白を証明すればまた仲直りできるよ¨

先生は気楽でいいよな。
れなの気持ちなんかまるでわかっちゃいないんだから…

いけないこんなんじゃ。
いつまでも考え方が未熟なままじゃ一人前になれない。
つらくたっていつも前向きに生きていかなきゃ。
そうじゃなきゃ…また隊長に怒られちゃうよ。
153 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:05
「ここにいたんだ」
「えっ?!」
い、今の声は…えり?!振り返ると確かにえりがそこにいた。
「まだ学校にいたの?さっさと退学しちゃえばいいのに」
「…………え…」
ちょ、ま、待って…なんでいきなりそんな事いうわけ…?
しかもその目。全然笑ってないし、冷たい。
「え、えり、あははは…今何か言った?ごめんれな最近耳が遠くてっ」
「……だからさ、早くいなくなれって言ったの。意味わからないの?」
「わからんっ!言ってる意味なんかわからんしわかりたくもないっ!」

えりがこんな事言うなんて。いったいれなどうしたら
「れいなー!いたー!」
……?!今、また背後からえりの声が聞こえた。振り返ると向こうからえりが走ってくる。
「ずっと話したかったの!いなくならないでー!」

じゃ、じゃあ今近くにいるえりはいったい?!
『ちっ!あと少しでうまくいくはずだったのにあの地球人め』
「てめ!宇宙人だな!!」
…やっぱりな。この野郎、ぶっ殺してやる。
154 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:06
『くそっ!ここはひとまず退散させてもらうぞ』
真の姿に戻りれなの前から逃げていく宇宙人。
「待て!この野郎!」
「待ってれいな、待って!」
「悪いえり、またあとで話聞くから!」

ちっ、逃げ足はたいしたもんだな。もっと速く走らなきゃ見失っちまう。

『はぁ、はぁ…ふう』
「追い詰めたぞ。覚悟しやがれ、ニャオーーーーーーーッ!」

逃げ込んだのは教材室。狭くて戦いにくいが仕方ないか。
『簡単にはやられはしないぞ。わっはっはっはっ』
『……?!』
あ、あれ、消えた?!いやちがう、今何かに化けて移動したぞ。
くそっ!こうまわりにいろんな物があっちゃわかんない。

…何かに化けたのは間違いない。変身するタイプか。
この部屋のどこかに隠れてれなを狙ってる…!
155 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:07
…カタッ
『後ろかっ!!』
『シャアァーッ!!』
うわっ、コンパスが襲い掛かってきた!この…!
『ほう、うまくよけたな』
またもとの姿に戻った。なんかピンク色で人型だがスライムみたいにゲル状の体の奴…
『かわいそうにな、レイナ。仲間割れしてしまって』
『な…なんだって、なんでおまえがそんな事知って』

またそいつはにやりと笑って姿を変えていく。そう、れながよく知ってる姿に…!
『あっ!そっ、その姿…!』
そいつはれなの人間の時の姿になっていた。顔も体も
「色々イタズラさせてもらったよ。おまえも知ってるだろ?」
そして声までがそっくり、いやまるっきり同じだったのだ。
こうして近くにいても宇宙人特有の匂いやくせを感じ取れない。

「おまえの仲間はひどいねぇ。ちょっと落書きしただけなのに…くっくっくっ」

…てめ…

156 名前:第10話・おまえはだれだ? 投稿日:2008/02/23(土) 22:08
『さぁどうする。さっさと私を倒さないともっと大変な事になってしまうぞ』
『言いたい事はそれだけか?』

こいつがれな達の絆をめちゃくちゃにした。
こいつが……こいつが……!!

『死ねっ!!』
『がは っ…』

……?!
こ、こいつ、弱すぎる。まるで手応えが無い!

『もう…手遅れだ。まもなく…この学園は崩壊する。あの怪獣によって…な…!』
『なんだと?!』
『ふふ…ふ…もうおしまいだレイナ。おしま、い………』
そいつはどろどろに溶けてしまった。いったい何が来るのか聞き出せなかった
だが、すぐに分かってしまう。

今起きたとてつもない地響きによって…
『な…何が来るんだ…?!この地響き…普通じゃない』
157 名前:第10話完。第11話予告 投稿日:2008/02/23(土) 22:09


2SPと仲違いしたまま戦うレイナ。
再びあの黒い宇宙人が姿をあらわしレイナに挑む。

力で圧倒されたレイナは自らの運命をその光線に託す。

過酷な戦いの中、
災いを呼び寄せるかの様に巨大な影が目覚める…!

レイナの、学園の運命は?!

さあ次回もみんなで見よう!
158 名前:今回登場した宇宙人 投稿日:2008/02/23(土) 22:16
変化宇宙人メタモル星人

全長 ミクロ〜12メートル
体重 ミクロ〜25トン

ゲル状の体を持つ。細胞を変化させてあらゆる物質に化ける事ができる。
物質から人の姿までその形状は様々。

性格はひねくれて汚く、他種族を小馬鹿にしてばかりいたので迫害を受けて絶滅しかけている
159 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/23(土) 22:18
見てくれてるひとのために次は早く更新します…
160 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/24(日) 12:24
更新キタY⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒(。A。)⌒Y⌒(゚∀゚)⌒Y⌒Y !!!

最終回三部作とか期待させすぎだぜ
161 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/26(火) 21:20
>>160
かなりお待たせしてしまいましたm(__)m

すぐに更新します
162 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/02/26(火) 21:22


〜第11話・影はふたたび〜


163 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:22
「なんだありゃ?!」
「なんかうなってるぞ!に、逃げろ!きっと中から怪獣が出てくるぞ!」

逃げ惑う生徒達。
みんなきっとあれを見てパニックになってるに違いない。
今倒したあのスライムみたいな宇宙人が言ってたのがあれか?

真っ黒い¨卵¨の様な丸い物。
隕石の様にも見えるそれから不気味な鼓動が聞こえてくる…
あれも図鑑で見た事あるぞ、確か怪獣の卵…!でもどうして突然出てきたんだ?

と、とにかく、出る前に早く壊さないと。

いくら強い怪獣が中に入ってたって、さすがに卵の中じゃ手も足も出せないはず。

教材室から校庭に飛び出し、そこに向かって飛んでいく。

『 レナニャウム光線!!』

164 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:23

当たるはずだった光線が卵の前で止まった。
『えっ?!な、なんで』

光線がかき消され、そこにはあの黒い宇宙人が…
『余計な事はしないでもらいたいな。レイナよ』
『てめえ!!それはこっちが言う言葉だろ!』
『…ふ』

あ?!き、消えた!!

『こっちだ』
うおっ!い…いつの間にれなの後ろに?!
『…さて、では始めようか。いつぞやの時と同じだと思うな』
『へえ、やるつもりなんだ。…それもこっちの言葉だよ!』

今度は間違いなく本気で来る。

…まずいな。こいつに時間を潰されると後ろの卵から怪獣が出てきちゃう
きつい成り行きになりそうだけど…やれる?
いや、やるしかない。そうするしかない
165 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:24
『うらーーー!』『ハァ!!』
れなの拳とシェイド星人の蹴りがぶつかり合う。
…くぅうっ、か、体が、重い!なんて力だこいつ。前の時とは比べちゃいけないくらい…!

『ハッ!!』
余計な事を考えていたらお腹に重い拳をくらってしまった。
『うぐぇ、えぇえぇっげほっ、げほっ!』
熱い、お、お腹が熱い、痛くて重くて…うげぇぇぇ

『ハッ!!』
うぐあ!!し…しまった、また隙を作っちゃった。さらに頭に蹴りを食らってしまう。

『ハァアアアアアア……』
やべ、まだ来る、まだ来る、よ、避けなきゃ!
『ハァアッ!』
『くっ!!』

力を入れた拳がれなのお腹を貫こうしてきたが、簡単にやられる訳にはいかない。
バク転を使いその場から離れ辛うじてかわすことができた
166 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:25

『それで逃げたつもりかな?』
『?!』
れなの前から消えた。くそっ、また後ろか?!しかし素早く体を後ろに向けたが誰もいなかった。
『私はここだ』
背後から声がしたのと同時に背中に鋭い痛みが走る。それも立て続けにきて、思わず膝をつきそうになってしまった
『い、いい気になるなよこの黒い奴…!ゲホッ』

まともに殴り合うのは危ない。認めたくないけど力はあっちの方が上みたいだ。
だったら光線で手っ取り早く片付けるしかない。もうもたもたしてられない…!

『ニクキュームスラッシュ!』
『むっ!ちっ、こざかしい真似を、うぬっ!』

…効いてる。殴るよりは効かないかもしれないが、物理攻撃が当たらないならこうするしかない。

足止めしてあの光線を撃ち込んでやればこいつだって…!

『ちぃっ!な、なかなかやるな、くそっ!』
『逃がさないぞシェイド星人!』
167 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:26
チャンスは今しかない。食らえ!!

『 レナニャウム光線!』

『な、何っ?!うぐぁあああああああ!!』

当たった…!絶対に逃がしたりしない、仕留めてやる!
『あああ、かっ、体が焼ける、ば、バラバラになる…!!』
『早くバラバラになれっ、う、撃ち続けんのキツいんだぞこれ』
いつもの撃ち方よりも右手を前に突き出して光線を撃ち続けるれな。
『やめろ〜〜〜〜…本当に死んでしまいそうだ……!』
さ、最大出力なのに、まだ倒れないのかよこいつ?!それに、まだ喋れる力があるのか…?
『なめ、るなぁあ!』
『うわあああ!!』

嘘だろ?!れなのレナニャウム光線を、弾きやがった?!
『貴様の様な、猫なぞにくれてやるほど…わ、私の命は安くはないぞ……!』
無理すんじゃないぞ黒いの。もうふらふらじゃねーか。偉そうな事言ってたってな…
『消えて失くなれ…!』
え……あ、あの構え、うそ…!手が光ってる!まさかあいつも光線を?!
168 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:26

『ハァアッ!!』
き、来た!なんだあの真っ黒いまがまがしい光線は?!
『こっ、のぉぉおお!!』
負けてたまるか。ここまでお前を追い詰めたんだ!
『ちぃ、まだ光線を撃つのか!だが私には勝てまい…』
『うるっせぇーー!早く地球からいなくなれーーっ!!』
れなの光線とシェイド星人の黒い光線がぶつかり合い、互いにその場所から進まなくなった。
『う……っ、な、なんだこの光線、なんて強さだ!』
『…ね、猫の分際で、この光線に食らい付くとは…!』

¨…ピコン、ピコン、ピコン…¨

……くそっ。この音…!
地球に来てからは点滅なんか一度もしてなかったのに、やっぱり鳴り始めたか。
れなのタイマーは時間じゃ鳴らない。体力がある程度少なくなったら鳴る様になっている…

今まで鳴らなかったって事は、れなの相手がたいした事無かったのかも。

こんなに追い詰められたのは初めてだよ…
もっとうまくやれるって、根拠も無く思ってた。
169 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:27

『うぐっ、も…もはやここまでか…!』
チャンス…!こういう時、弱気になった方が先に負ける!

『食らえーーっ!レナニャウム光線!』

黒い光線を食い潰す様にレナニャウム光線が進み、シェイド星人の体をとらえた。
『ぐわぁああああ………』
やった…やった!もう奴はおしまいだ。勝った!

『…滑稽だな。何を喜んでいる?』
『あ?負け惜しみか』
『……見えないのか。私の後ろにある物が』

………!!

黒い、卵…!わ、忘れてるわけねーだろ?バカだなぁ。
こいつなんかただの通過点なんだよ。そう…なんだ
『先にあの世で待っているとしよう。さらばだ…!』
シェイド星人の爆発に呼応するみたいに、卵にヒビが入った。
……でっ、出てくる。怪獣が……!!
170 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:28

ついに卵から怪獣が出てしまった。できれば出る前に片付けたかったけど…
『……………』
見た目もそうだが、鳴かない事が余計に不気味だった。
角が額から生えており全身が黒く割りと細身で、あのシェイド星人が怪獣になればこんな見た目かもしれない。

『ニャオーーーーーッ!』

巨大化してもれなより少し大きい。なんて威圧感だ。

『かかってこい怪獣…!れながぶっ倒してやる!』
『……………』
一歩、怪獣が前に進んだ。足が地面に着いた瞬間強い地響きが起こる。

『うっ、わ…!』
それに足をとられた隙に怪獣から一撃を食らってしまった。
『がッ!ぁあ?!』
手で顔を殴られ一気に力が抜けてしまい、れなは変身を維持できなくなってしまった。

…し、しまった。まだ倒れるわけにはいかないのに…
ちく…しょう…!
171 名前:第11話・影はふたたび 投稿日:2008/02/26(火) 21:28

「大変だ!あの猫が消えてしまったぞ!!」
「た、たった一発でやられちゃったの!!まさか死…!」

あの怪獣…いったい何なの?なんであんな強いの。
…それも大事だけど、早くれいなを見付けなきゃ!
でも、隊長達も手分けして探してるけど見つからない。

あのスライムみたいな宇宙人を追い掛けていったきり…えり、心配だよ。

早く謝らなきゃ。れいなは悪くなかったんだよ。
…旗の落書きを疑った事謝りたい。早く…れいなに…!

「いた!!」

窓の外を見ると、すぐ近くにれいなが倒れてるのを見つけた。

「……えっ…!」

見つけた、けど…

なんで血だらけなの?!れいな、れいなぁあああ!!

「うぅ……えり?」
「れいな!れいなしっかりして!!」
「だいじょぶ…ま、まだれな、倒れないよ。倒れる訳にゃいかんし…!」

立とうとしてるけど、無茶だよそんな体じゃ…!
でも、その目はまっすぐにあの怪獣を見つめていた。
決して逸らさないでただまっすぐに。
172 名前:第11話完。第12話予告 投稿日:2008/02/26(火) 21:29


ついに姿をあらわした最強の怪獣。
体の限界から目を背けながら、れいなは仲間に自らの秘密を打ち明ける…!

通じない攻撃、絶望的な力の差

目を閉じるな目を閉じるな
レイナは自らに言い聞かせ、すべてを光に託すのだった…

自らの運命を切り開くために!

次回、最終回もみんなで見よう!
173 名前:今回登場した宇宙人 投稿日:2008/02/26(火) 21:33
暗黒宇宙人シェイド星人

全長 ミクロ〜16メートル
体重 ミクロ〜28トン

全身が黒く暗闇にいると見えなくなる宇宙人。
基本的に物腰は穏やかだが稀に好戦的な種族もいる。

その能力は高く、限られた宇宙人にしか使えない光線を繰り出せる。
174 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/28(木) 21:35
れいにゃぁあああああああっ!
どうなっちゃうんだよ!

でも最終回はサビシイな…
175 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/03/02(日) 21:15
>>174
ただ今より更新いたします
176 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/03/02(日) 21:16


〜第12話・光、そして〜


177 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:17
よりによってこんな時に変身が解けるだなんて。幸いすぐにまた変身できるが、隣にはえりが…地球人がいる。

変身したられなの正体を明かす事になる。それは試験失格を意味する…
「早く逃げようれいな!もう…ダメなんだよ。あの猫の巨人もやられて消えちゃったし、誰もあんな怪獣にかなわないよ…」
…えり。そんな弱気になっちゃダメ、許さない
「かなわないかどうか、やってみなくちゃわかんないじゃん」
「れいな…!まさか戦うつもり?あの怪獣と!」

あーあ…せっかくここまで頑張って来たのに、な。
まぁいいや。失格したってまたかならずチャンスはあるだろうし。先生に泣き付けばきっと…

「えり、今まで黙っててごめん。見てて。れな頑張るから」
「え………?」
「やってみなきゃダメかどうかはわからん。だから、泣くならせめてやってからにしよ」

…さぁ。いくぞ。よく見ててえり、れなの変身を

「ニャオーーーーーーーーッ!!」

どうせ地球にいられないならせめて勝って帰りたい…!
178 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:18

『勝ったつもりだったか?まだれなはくたばってねーぞ!』
『………………』

……やばい。なんとかばれない様にはしてるつもりだが、もうタイマーが鳴りそうだ。
また一撃くらっただけで変身が解けたりしないか?今度は変身できなくなるかも…
『………………』
く、来る。そうだ、びびっても相手は容赦してくれない。立ち止まっちゃいられないんだ。

『たぁっ!はあぁあっ!』

顔面に拳を突き立て蹴りを入れてやったが怪獣は少しも痛がる様子は無く突っ立ったまま…
『頑張るねぇ。痛いなら痛いって言っていいんだけど?!』
少し腹が立ったので腹に向かってまた拳と蹴りをたたき込んだ。

『……………………』

こいつ…人形かよ。全然反応がありゃしない。
それにすごく体が堅い。殴った手に痛みが残り、重い。

下手な部分を攻撃してもこっちが痛いだけ…か。やりにくい
179 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:18
『っ?!』
急に目の前が暗くなったと思ったら顔面に鈍い痛みが走り、体が後ろに吹っ飛ぶ。
『……くっ!!』
なんとか踏張ったが頭がくらくらして、痛みがどんどんひどくなってきた…
れな今殴られた?ほっぺの痛みが特にひどい。タイマーはまだ鳴ってないが、ダメージは普通じゃないだろう。

『……………………』

いけない近づいてくる。またぶん殴るつもりか?!そうはさせるかっ!
『はぁあっ!!』
『…………………!』

くぅう、なんて重い体だ。蹴っ飛ばしたこっちの足が折れそうだ
少しは仰け反ったが…そうしたかったわけじゃない。
少し離れてもらいたかったんだがうまくいかなかった。

こっちも、校舎があるからなかなか下がれないんだよね…
ああ、やばい、やばいやばい。焦っちゃダメだ、負けるだなんて考えるな。

弱気になったら負けだ。だめだ
180 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:19
『食らえ!!お前なんかバラバラにして吹っ飛ばしてやる!!』

れなの最強技をくらいやがれ!
『レナニャウム光線!!』
よしっ、当たった!心臓に直撃…!そのまま吹っ飛ばしてやる
『………………』
……あれ…?あ、当たってるけど、何かがおかしいぞ。
よく見たら奴は手で体を護っていて、なんとその手の中に光線が吸い込まれていくのが見えた。

こっ、こ、こんなのって…!こんな事が出来る怪獣なんて図鑑でも見た事無い…

¨ピコン、ピコン、ピコン、ピコン¨

…タイマーが鳴り始めた…

撃ち続けたら体力が尽きて…尽きたられなは…れなは…!

『…………………』

限界まで撃ち続けたが、とうとうあの怪獣を倒せなくて……
181 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:20
「れいなぁ!れいなぁ!!」
…えり?どこ?どこにいる?タイマーの音が煩くて声が聞こえない。
あれ…目の前が明るい、それに熱い。何かが迫ってくる

¨ジュワァアアアアアアアァア¨

これ…火の玉?!れな今これに焼かれてる…

くそ、せめて校舎だけは護らなきゃ。
た…たとえ、この火の玉で焼かれてしまっても…!なんとか護ってみせる。
大好きな学校、大好きな人たち、れなが護ってきたこの大切なもの。
お前なんかに焼き尽くされてたまるか…!

たまるか…!




ま…………

182 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:21
¨……ピコン……ピコン……¨

今の、火、あいつが吐いたの…か…
き、効かないな…ぜん、ぜん…き、かない。
『勝ったつもりになるのはまだ早いぞ、怪獣、れなはまだやれるんだ』
ほらこんなにはっきりしゃべれる、まだ口が動くんだから当然体だって

『……………………』

な、何だ?あいつの手が光ってるぞ。いったい何をしでかすつもりなんだ

  ¨バシュウゥウゥウゥウゥウ¨

手から出た光線が、そのまま狂い無くれなのタイマーに向かってきた…
¨ゴッ ガガガガガガガガガガ¨…こ、こいつ!タイマーをぶっ壊すつもりか?!

だ、だめだ。悔しいがもう跳ね返す力が無い…聞こえるぞ。聞きたくないけどタイマーが削られる音が

むかつくなぁ。まさかこんなに力の差があっただなんてさ。
このまま終わりたくない…けど、もう………みんな、ごめん…
183 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:22
¨諦めるな¨

…え?誰、今誰かれなに話し掛けた?
¨この学校を護りたいんだろ?もう一度立ち上がる力をお前に送るよ¨

そうだ…そうだよ。寝てる場合じゃないんだ。早く起きなきゃ
『う〜〜〜〜………らぁああああっ!!!』
急に力が湧いてきて思い切り伸びをしたら、タイマーを壊そうとしてた光線が弾き飛んだ。

『……………ガガ!』
まさかこうなるとは思ってなかったのか、怪獣がびびっている。
『なぁんだ、しゃべれるなら最初からちゃんとしゃべってよ』

動く、体が動く。これならもう負けない。
『くらえ!』
『ガガッ!!』

さっきと違う、拳に手応えを感じる。

あぁなんていい気持ちだろう。めちゃくちゃにしてやりたくなるよ…
184 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:22
『さっきまでと同じれなじゃないぞ、うらうら〜!』
怪獣を抱え上げてぐるぐる回し、その場に叩きつけた。
『ガッ、ガガガ』
『終わらせてやる。くらえ…!!』

さっき吸い込まれたあの光線をもう一度怪獣にぶつけてやる…!

『………………!』
『…おお、また吸い込むの。頑張るねぇ』
だが、明らかにさっきより辛そうだぜ。いつまでも頑張れるとは思えない、な!

『 ガガァアアアアァアァ!!』

……終わった。

やった、遣り切った。力を全部出し切った…

………ハァ。

れな、帰らなきゃ。もうここにはいたらいけない。
185 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:23
「れいな…!」

見下ろすと、そこにはえりや隊長、さゆ、小春、ジュンジュン。
ずっとれなの戦いを見ててくれたんだね。ありがとな

¨…決まりは決まりだレイナ。長くいると別れが辛くなるぞ¨
『待って先生、せめて…もう少しだけ時間ちょうだい!』
¨わかった。終わったら言ってくれ¨

せめて、お別れするなら…しなくちゃいけないなら…

「…れいな!うそ、信じられないの」「な、なんと…!お前があの猫だったのか」
「あ、あの時助けてくれたのは先輩だったんだ」「ワオ!この目で見ても信じられないネ」

ちゃんと¨この姿¨でみんなにさよならって言いたい。
「ごめん…みんな、正体を知られたら、帰らなくちゃならない。ごめん」

「……な、何それ?初めて聞いたよそんなの」

「れなの星のルールなんだ…ごめんっ」
186 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:24
「行くなれいな!お前は私達の仲間なんだ!」「やだ!いっちゃやだ!やだ!」
「れいな…!嫌!」「先輩、ずっと一緒に…!」「れいなサン…私タチの事キライですか…?」

…あーあ。れながしっかりしてりゃ、こんな事にならなかったのに…な。

「みんな、さよなら」

振り返ったらきっと泣いちゃう。だから、せめて精一杯強がってみせたい。

¨…いいのか?¨
「はい…」

れなの体は光に包まれていった

…地球に来た時も同じ様に光に包まれてきたんだっけ

今はこの光がうらめしいよ

でも…帰らなくちゃいけない

187 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:25
¨レイナよ。よく頑張ったな。試験は残念な結果になってしまったが…¨
『……………………』
一面眩しい光の中で先生の声だけが聞こえてくる。
¨…そう落ち込むな。一度で受かる生徒はなかなかいないんだ。次はきっと…¨
『……………………』
¨レイナ。戻りたいのか?¨
『えっ?!』
¨わかるさ。お前の考えてる事は…だけどな、残念ながら同じ場所での再試験はダメなんだよ¨

…ちっ、それもルールか。

悔しい。れなまたあの学校に行きたいよ。
隊長に、えりに、さゆに、小春に、ジュンジュンに会いたいよ。

ねぇ先生お願い。れなのわがまま、きいて

¨………すまないレイナ。これは決められた事なんだよ¨

『………やっぱり、ダメか。仕方ないのかな…』

188 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:25


地球での成績が良かったらしく、早めにもう一度試験にチャレンジする事が出来た。

とはいえ、今言われた通りに同じ場所では再試験できない。
『気が乗らないなァ』
光に包まれて送られていく途中でも全然テンションが上がらなかった。

¨着いたぞ。さぁ、頑張れ。今度はきっとうまくいくぞ¨
嫌々ながら目をあけると

「…………は?」

なんと、隊長にえり、さゆ、小春にジュンジュン。忘れられない顔がいくつも

「れいな?!れいななのか!」「おかえり…!」」
「早すぎない?感動の再会…とまでは思えないなぁ」
「まさにミラクル☆カナ」
「れいなサン、やっぱり私タチが大好きネ!私タチも…大好きだヨ!」

こ、ここ、2SPの部室じゃん!なんで?!
189 名前:第12話・光、そして 投稿日:2008/03/02(日) 21:26

¨特別にな。途中で誰かの手を借りたとはいえ、一度でも負けた事は無かったから¨
「先生!ありがとっ!ったく素直じゃないな、ホントはもう一回ここに送ってくれるつもりだったんでしょ」
¨う、うるさいな。…頑張れよ、先生はいつでも見守ってるぞ¨

…帰ってきた。れな、帰ってきたよ。

「さっみんな!早く始めよう」
「何をだ?」
「あれっ!ちゃんと新しく描き直そ、ね」

宇宙人に落書きされて絆を切られた旗。
…だから、またもう一度描き直さなきゃ。

「そうだね。今度はもっとかっこよくしよ!うへへへ」
「えりに任せられないの。私がやるの」
「みんなで描くの!話聞いてましたぁ?」
「今度はバッチリネー」
「よーし!みんな、筆を持つのだ!」

旗に誓いを立てよう。れなは…みんなを護ってみせる…!
190 名前:今回登場した怪獣 投稿日:2008/03/02(日) 21:33
宇宙恐竜シェイドン

全長 22メートル
体重 57トン

シェイド星人がある有名な宇宙恐竜に感銘を受けて作り出した怪獣。
その能力は並の怪獣数匹分を遥かに凌ぐ。
全てを破壊する力、強固な体、光線ですら吸収する手。

本物の宇宙恐竜と違うところは音を発さないところとワープしないことぐらい。

¨プロロロロロロロ…¨
191 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/02(日) 21:40
うおおおおおおおおおおおおおおおお
想像以上のラストでした
感動をありがとう
192 名前:レイナの必殺技 投稿日:2008/03/02(日) 21:41
・レナニャウム光線
レイナの代名詞。招き猫のように構えて右手から発射する。
手を伸ばすほど威力は上がっていく。

・ニクキュームスラッシュ
威嚇などに使う弱光線。意外と効く。

・レナキック
赤き獅子の代名詞。光線に並ぶレイナのフィニッシュ技

・三叉槍ショット
レナニャウム光線を他方向に発射する光線。威力は多少落ちるが強力。

・レイナブレード
右手の爪を伸ばし相手を切り裂く。感触が嫌いなのでレイナは使いたがらない
193 名前:どスケベ星人 投稿日:2008/03/02(日) 21:43
飼育には初めて書きましたが無事に完結できてよかったですm(__)m

懲りずに次回作も考えてますが果たしていつになるか予定が立ってません…

娘。ベリキューたくさん出る予定です
194 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/03/02(日) 23:14
2SPのみんなが仲良さそうなのがいいですよね
思わずそこに加わりたくなってしまいます

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