When Love Hurts
- 1 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/03(月) 06:39
- はじめまして、りるあぷと言います。
ヲタとしても作者としても初心者なんで、解かりづらかったりとか誤字とかあると思いますが
頑張りますのでよろしくお願いします。
えっと、この小説は元々スペイン人ヲタの知り合いが英語で書いたものを、
許可を得て、日本語に訳してる話です。
外国のファン達に評価をもらった作品で、日本の皆様にも是非読んでもらいたい!と思ったので
自分のブログと、勝手ながらも、ここで書かせて頂きます。
リアルでみきよし。時間は去年になってます。
多少設定に違和感を感じたりするのかも知れませんが、
私の語り方の所為かもしれませんが(いや、絶対そう)
もう一種のスタイルと思って、どうかご理解を。(甘いなぁ自分)
何かレスやアドバイスや、なんでも言葉をくれたら本当に嬉しいです。
では、どうぞ。
- 2 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:42
- 「前にやったことあるんだよね?」
吉澤は答えとして頷くだけ。
「梨華ちゃん?」
隣にいたその子が訊いた。
「ごっちん。そっちは?あやや?」
「ごっちん。」
二人は見つめ合って、そして、噴き出して笑った。
- 3 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:43
-
「ごっちんがもうハロプロの半分位とやったことあるんだね、きっと」
まだ笑顔のままで言う藤本。
「たぶん。クラブ作れるよね…」
「ザ・オフィシャルごっちんの元カノ達クラブ… なんかよくない?」
「うん。マジ大きくなるよ、それ。メンバー全員と接するに会長が必要になるんだね」
冗談で言う吉澤。
- 4 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:44
-
「ん〜… ごっちんの最初の人がいいかも。でも、誰だろう?」
藤本はベッドに寝ながら転がり吉澤の胸に頭を預けた。
「あたし知ってるよ〜、でも教えてあげな〜い」
吉澤はニヤッとして藤本をからかう。
「知ってんの?!」
頭を上げて、驚いてる藤本が問いだす。
「で、美貴に隠すつもりなのか〜?」
そう言って、彼女の胃辺りに跨って目を合わせる。
「もうこれ以上秘密に出来なくなるよ、わかってるよね?」
- 5 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:44
-
吉澤はニヤけて藤本を自分に寄せ付けた。
「脅かしてんの?」
「…さぁ…」
吉澤に寄りかかって唇に短いキス。
「効いてるの?」
「さぁ…」
吉澤の返事をキスの連続が継がれた。
そのキスが深くなって、そして快感がまた体を走り待ってくにつれて、
藤本が、長い間感じることのなかった、何かが自分の中で変わり始めた。
- 6 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:45
-
*****
- 7 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:46
-
なぜ、どうやってそういうことになったのか説明するのが難しいだろう。
自分の家の前に泣いてる藤本を見た時、そういう風になるなんて、吉澤は思ってもみなかった。
何も聞かなかった。藤本を家に入れて、そしてドアを閉めた。
何も言わないですすり泣きながら、藤本は吉澤に抱きついた。
吉澤は何があったんだろうと考え始めた。それは、もちろん、松浦のことでしょう。
こんな風に藤本を泣かせるのは彼女のことが原因としか考えられない。
吉澤はただ、藤本を抱き返して慰めることしか出来なかった。
「もう、ダメだ…」
涙流しながら藤本は続けた。
「美貴そんなに強くないよ、よっちゃん」
「どうしたの?」
小さな声で、少しずつ話し始めた藤本。
「亜弥ちゃんが… あの男と… どうしようもなかった… 美貴妬いてて…
でも、亜弥ちゃん… 美貴の気持ち何も知らないし…」
- 8 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:47
-
吉澤は何起きたのか理解し始めて、もっと強く藤本を抱きしめた。
色んな思い出が自分頭を過って、好きになっちゃダメな人に恋をすることがどんなだったのかを思い出した。
「大丈夫だよ」
そう言いながら、藤本の目を自分のと合わせられた。
「もう独りじゃないから」
そして、突然、藤本が吉澤の首に腕を回して寄せ付けた。2人の唇が数センチの距離まで。
吉澤の肌に彼女の息が触れて、心が美藤本の次の言葉によってキュッとして鼓動を速めた。
「お願い…忘れさせて」
- 9 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:47
-
*****
- 10 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:48
-
その結果として、2人は服一枚もなし疲れ果てている。
ベッドはシーツとで乱れて、服は床にそこら辺で散らかってる。
まるで台風が訪れて全てを無茶苦茶にした。その台風の名は、藤本美貴だった。
「本当に… すごい」
目を閉じたまま、まだ肩で息してる吉澤がそう言った。
藤本は何も言わなかった。
吉澤の髪の毛を指で遊びながら何かを考えていた。
「美貴?」
藤本のことを呼んで、ちょっと心配な表情を浮かべる。
「へ?」
- 11 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:49
-
「ここから遠くへ行ったみたいだった」
藤本の頬を優しく撫でた。
「何考えてたの?」
「その… 美貴達のやったことを、考えてたの。これから、どうすればいいの?」
「わかんない」
それから長い時間部屋が静かになって、ただお互いのことを見つめる。
藤本が沈黙を破るまで。
「よっちゃん」
「ん?」
「ありがと」
- 12 名前:1 投稿日:2007/09/03(月) 06:49
-
- 13 名前:2 投稿日:2007/09/03(月) 06:50
-
ハロモニの収録日。何人かがもうセットにいて後のメンバーのことを待っていた。
藤本もその中にいた。イスに座って番組のゲームについて高橋と道重と話していた。
それは初めてワールドゲームをやる時だった、石川はこのコーナーを一番楽しむんだろうと誰でも思っていた。
セットの向こう側には誰かが笑顔を送っていたのが藤本は見逃さなかった。
笑い返して、また高橋と道重との話しに戻った。
「いいね」
吉澤は隣にいたその子に視線を向けた。
「ここで何してんの、ごっちん?来週までなんか撮るんじゃなかったの?」
「そうだよ。でも、つまんなかったから、皆何してるのかな〜っと思って来てみた。
で、今の見てハズレじゃなかったみたいだね。いつからなの?」
「いつからって、何が?」
「なにそれ〜、そんな分からんふりしないでよ、よっすぃ〜」
「いや、何言って…」
「ミキティのことだよ」
- 14 名前:2 投稿日:2007/09/03(月) 06:51
-
吉澤は驚いて、後藤の言ったことを誰も聞いてないのかを周りを見回した。
「なんで…?」
「知ってるのかと?」
吉澤は頷いて後藤の返事を待った。
「あたしよっすぃのことをよっすぃよりも知ってるよ。
よっすぃが誰かにそういう風に笑うのってひとつしか考えられない、えっちでしょ」
吉澤の顔が何かを言える前にだんだん赤くなってた。
「そんなことないよ」
「いや、あるよ」
後藤はそんな吉澤を見て笑い始めた。
「あたしが言ってることだよ?前はあたしにその笑顔を向けてたんだよ」
- 15 名前:2 投稿日:2007/09/03(月) 06:52
-
昔のことを話してたら、吉澤は少し落ち着いたみたいで、
それを見た後藤は狙って話を戻した。
「で、…ミキティのこと好きなの?」
「あたし、今、まだ人を好きなれないと思う。」
吉澤の声に悲しさが混じって小さく響いた。
「まったく… どんだけ忘れる時間が必要なのさ」
後藤がイライラし始めた。いつも同じ言い訳。もういい加減疲れてきた。
「よっすぃが愛したと同じように、あのコ出来ないよ。だから、もう忘れて、ね?」
「うん、そうするよ。約束する」
後藤が笑って、そして、まだ他のメンバー達としゃべってる藤本を見つめた。
「ミキティがいいチャンスかもよ」
「そうは思わないけど…」
「なんで?ミキティいいコだし、それに、セクシーでいい女じゃん」
「松浦が好きなの」
「まぁ… でも、よっすぃならミキティの心を奪えちゃうと思うよ。
あたしのだって、一回奪っちゃったんじゃない?」
それを言い残して、セットから出て行く後藤の背中を吉澤は見つめてた。
そして、藤本に視線を移した。
後藤は正しいのかも。吉澤は忘れることが出来るんでしょう…
- 16 名前:2 投稿日:2007/09/03(月) 06:52
-
- 17 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/03(月) 06:55
- 短いんですけど、とりあえずここまで。
明日か今日中にでも続きを載せたいと思います
- 18 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:46
-
「たん!」
松浦亜弥は、自分を避けてるみたい藤本を追いかけてスタジオの廊下を走り。
やっと捉まえると思ったら、藤本がまた消えちゃう。
今度は、廊下の向こうで藤本を見つけたとき大きな声を出して名前を呼んだ。
「藤本!止まれ!」
名前を聞いて藤本は止まったが、振り返らなかった。その親友が目の前に来ても、目を合わせないでいた。
「たん、どうしたの?今日ずっと探してたよ!」
そしたら、やっと藤本が松浦を見て、自分の本当の気持ちを悟られないように、笑顔を作った。
- 19 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:47
-
「ゴメンね、探してたの知らなかった。で、どしたの?」
藤本のトンが不自然でも、まだ笑顔のまま。
「どしたって、みきたんを見たかったの!
たんが家から走り去った時からあたし達話してなかったから、心配してたよ」
「亜弥ちゃん心配しなくていいよ、ほら、大丈夫でしょ」
藤本はどうも落ち着けなかった。あの夜のことを思い出してた。
松浦が帰ってくるのを待ってたらドアの前で彼女があの男の人といたこと。
自分がすごくバカだと思えてきた、彼女の心にいるのは自分だけだと。
それから松浦から走って、自分の気持ちと闘っていた。
「たん… なんかあったの?」
「別に、忙しかっただけだよ」
- 20 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:48
-
藤本の言い訳に納得できなかったけど、松浦は親友から本当のことを無理に聞き出すのが
事態をより悪くするのかも知れないことを解かっていた。
藤本が簡単に自分のことを話す子ではないと誰でも知っていた。
「そう。じゃあ… 一緒にご飯行かない?次の休みのことを話してさ」
藤本は闘っていた。もちろん、松浦と行きたかった、本当に行きたかった、
でもこれ以上自分自身を傷つけたくなかった。誰かにそこから連れて、救われたかった。
そしてそこに彼女がいた、自分の心の叫びが聞こえたかのように… 自分の守護天使。
- 21 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:49
-
「あ、いた!どこ行ってたんだよ?遅れちゃうじゃん!」
「え?」
藤本は吉澤の言ってる事がよく解からないでいた。
「レストランだよ。連れっててくれるって約束したじゃん、あの銀座の韓国レストラン」
吉澤は藤本の手を取ってウィンクした。
「早く行こ、腹減ったよ」
「あ、そだ、もう忘れてた。ちょっと待って」
吉澤のしてること解かって、まだ自分のことを待っている松浦に向いなおした。
「亜弥ちゃん、ゴメンね。よっちゃんと先に約束したからさ、明日とかで大丈夫?」
- 22 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:49
-
「うん… 明日ね…」
2人が出て行くときにそっと呟いた松浦。
数秒後、怒りが込み上げて松浦が大声を出した。
「なんなんだよ!」
「どうしたの?」
後ろに誰かが尋ねてきた。
- 23 名前:3 投稿日:2007/09/03(月) 19:50
-
- 24 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:50
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- 25 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:51
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- 26 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:52
-
数分前にスタジオを後にして、手を握って歩いてる2人。
それは藤本にとって、とても心地良かった。
「最近、よっちゃんにアリガトばっか言ってる気がする」
少し照れながら藤本が言い出した。
「気にすんな。ミキティが困ってたの見て、なんかしきゃと思って。それに、
本当にお腹空いてるし、1人で食べるのヤだし」
「まぁ、とにかく… ありがと」
「ご飯に誘ってくれれば、いいよ?」
「うん。でも…」
藤本は止まって、そして吉澤を自分に寄せ付けた。
「…美貴の部屋で」
- 27 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:53
-
「それでいいの?ウチらまだそのことを話して…」
藤本は吉澤の唇を自分の唇で塞がった。
「いいの」
- 28 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:53
-
*****
- 29 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:54
-
「嘘でしょ…」
「まぁ… 今は美貴ちゃんに何があったのか知ってるじゃん」
「ウソ…」
松浦は混乱しながら、
夜の闇に守られながら大胆に外で吉澤にキスする自分の親友を見てた。
「ひとみちゃんがまた誰かをオトシタみたいだね」
その光景をも見ていた石川が言った。
- 30 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:55
-
「でも、みきたんが…」
「たぶん、亜弥ちゃんが思っていたより自分の親友のことを知らないんじゃない?」
松浦はショックを受けていた。みきたんとよっすぃが…?
たん… 自分のみきたんが、他のコと…?何かの間違えでしょ。
藤本がそんな事を教えてくれるはず、だよね?信じてたのに…
「美貴ちゃんと話すの?」
「どうやって話せば分かんない。何を言えばいいの?
この前、よっすぃとたんがキスしてたの見た、何か言うことないの?って… あたし…できないよ」
「じゃあ、私よっちゃんと話す。何が起きてるのか知りたいし…」
石川はどういうつもりなのか松浦には分からなかった、でも、それは藤本に直接訊かなくても
本当のことを知ることが出来る唯一の方法だったから。
それに、石川は吉澤と藤本のことを自分よりも興味があったみたい。
- 31 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:55
-
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- 32 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:56
-
「いや、本当にビックリしたよ」
「おいしい?」
「うん、美味いよ。料理が上手いのって知らなかった」
「実は、人に作らないけど、よっちゃんは特別」
「ありがとう」
言いながら藤本の手を取って優しく握った。
「こうしてミキティの手料理をいつも食べれたらな」
「デザートまだ食べてないから…」
キッチンへ行った藤本の声は低くてとても色っぽかった。
吉澤はソファへ言って座った。彼女は本当に楽しんでいた。
藤本に言ったことは嘘ではなかった、こうして薄い黒いワンピースを着たコと
そのコの手料理をいつも食べれたら…
そして、目の前に立った彼女を見つめ大きな笑顔を見せた。
「それがデザートだったら、美貴が今日を最高の日にするよ」
藤本は何も言わなかった。
ただ吉澤に近づきながらクリームの缶を開けて人差し指を入れてみた。
舌でゆっくり舐めて、ニヤッと笑った。
「食べたい?」
- 33 名前:4 投稿日:2007/09/03(月) 19:57
-
石川は吉澤のマンションへ行ったが、誰も出なかった。
でも、それは問題ではなかった。閉じたドアは石川を止めたことがなかった。
カバンを開けて、そこからまだ持っていた吉澤の部屋の鍵を出した。
最後に来た時はもう数ヶ月経っていたけれど、部屋はそのままだった。一コを除いて。
写真を見たら、何枚か無かったことに気づいた。
後藤との写真、小川のも、グループに入ったばっかりの頃の4期全員の写真までもあった、
けれど自分達の写真はもう置いてなかった。
「過去を消そうとしてるの、よっちゃん?」
後藤と吉澤の写真の中から、
コンサートのバックステージでの笑っている2人の1枚を取って、笑顔で独り言を続いた。
「そんな事をさせる訳ないでしょ」
写真を元に戻して、カバンから携帯電話を取り出した。
- 34 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 19:58
-
*****
- 35 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 19:59
-
床に散らばってる2人の服の近くに空のクリームの缶があった。
吉澤の体中に残ったデザートを藤本の舌が奪った。
疲れていた2人が、その瞬間以外に何もかも忘れて、お互いの肌の感触を楽しんだ。
そして、携帯が鳴り出した。
吉澤はちょっと動いて、夜中に誰が電話してくるの確認するため携帯を取った。
その名前を見たら、何のためらいもなく電源を消した。
- 36 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 19:59
-
「だれ?」
後ろから抱き付いて尋ねてきた藤本。
「だれでもない」
吉澤は返して、深く熱く藤本にキスをした。
彼女は電話を気にしたくなかった。今、一番考えたくなかったことは、石川のこと。
今、一番必要なことはただ一つ、それは藤本の感触。
- 37 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 20:00
-
*****
- 38 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 20:00
-
石川は信じられなかった。吉澤が自分の電話に出なかったことを。
一度もそんなことがなかった。何かの間違え。
もう一回してみたが、電話に出たのが留守番メッセージだけだった。
「一緒にいるんでしょ」
怒りに支配され、携帯を強く投げた。
「美貴ちゃんに人のものに手を出さないことを教えてあげないと…」
- 39 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 20:01
-
- 40 名前:5 投稿日:2007/09/03(月) 20:01
-
- 41 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/03(月) 20:02
-
すみません、、、34じゃなくて、33からは(chapter)5です
ごめんなさい……
- 42 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/04(火) 01:30
- スペイン人ヲタさんの原作ですか、なかなかドロドロで…面白そうですね。
- 43 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/04(火) 02:24
- みきよしキタ――(゜∀゜)――!!
スペイン人のみきよしワールド楽しみです(^^)
- 44 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/04(火) 09:11
- 複雑で読み応えあります!!!
楽しみに待ってます!
スペイン人ヲタさんに興味深々…
- 45 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/04(火) 11:20
- ちょっと言い回しに違和感がw
訳もう少しがんばってください
- 46 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:42
-
- 47 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:43
-
「昨日、どうだった?」
「楽しかったよ」
松浦は肉を食べながら答える藤本を見て、
今までに感じたことのなかった嫉妬心や求知心を覚えた。
前夜、吉澤とずっと一緒にいたことを、数時間前にスタジオであった時から
その顔を見てすぐに判った。
藤本は明るく挨拶をして、最高の笑顔を飾っていたからなのだ。
そのとき、
松浦は出逢ってから初めて、友達、親友ではなく、
女の藤本美貴を見た。
- 48 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:43
-
「ねぇたん…」
「ん?」
「たんって…」
「なぁに?」
「…よっすぃと、付き合ってるの?」
ほとんど聞こえなさそうな、小さい声でそう訊かれて、
思わぬ質問に藤本が食べ物に詰まらせてしまった。
息を元に取り戻したとき、
松浦がまだ返事を待っていた。
- 49 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:44
-
吉澤との関係を自分でもよく判らないのに、
どうやって説明しろって言うの?
それに…
どうやって自分の気持ちを悟られないようにことを話せばいいのだろう?
「あたしになんでも言っていいんだよ、わかってるよね?」
「それ亜弥ちゃんこそに言えることだよ」
「どういうこと?」
- 50 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:45
-
「亜弥ちゃんが美貴とよっちゃんのこと知りたいけど、
でも、美貴もまだあの夜の男のこと知らない」
「なんの…?」
「まぁ、気にしないで」
焼肉に目を戻して 続けた。
「大丈夫、美貴わかるよ
たまに人に話したくないことだってあるし、別にそれでもう友達じゃなくなるわけじゃないしね」
「でも、あたし… たんが… 言いたいことは、…」
松浦はちゃんとしたことを、何もしゃべられないでいた。
藤本の態度がわからなくて、またも混乱してた。
「亜弥ちゃん、いいよ。別に、美貴知らなくてもいいよ」
(…知りたくないし…)
- 51 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:45
-
*****
- 52 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:46
-
「電話を切ったなんて、信じられない」
「もう遅かったんだよ。寝なきゃ体もたないんだよ、わかる?」
リハーサル後、メンバーと食事に行く約束をしたけど
その前に、吉澤は控室に休もうと思ったが、入るまで
後ろから付いてきた石川に気づかなかった。
- 53 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:46
-
「で、他になんか用?」
「だから… 許して欲しいの」
吉澤の首に腕を回し、そう答えた石川。
「よっちゃんがいないと…」
全身に力が入らなくて、崩れそうになった。
石川がまた自分をもてあそんでる事を解ってたけれど、そんなこと全部解かっていても、
どうしようもなかった
自分の身体がまだ彼女を欲しがってたみたい。
「ひとみちゃん… ヨリ戻そう?」
- 54 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:47
-
長い間感じることのなかった石川の唇が吉澤のと重なった。
最後のキスと何も変わっていなかった。
それはまだブラックチョコレートみたいに、苦くて、でも癖になるような、
嘘や裏切りで溢れてるキスだった。
そんな気持ちなど、もう二度と感じたくなかった。
それでも、吉澤は別の感触を思い出せた
痛みのない、甘くて、イチゴの味と夏の爽やかな風みたいな口付けを…
そして石川から離れた。
- 55 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:48
-
「どしたの?」
「…できないよ」
「できるよ」
言って吉澤をもう一度寄せ付けようとしたが、
彼女の強い腕が石川を止めた。
「わかんないの?あたし達のことをダメにしたのは…お前だよ
キスだけで全部済むと思ってんの?」
「キス以上のことするつもりだけど」
「……もう終わったんだよ」
- 56 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:49
-
「美貴ちゃんのことがあるから、でしょ?」
ドアを開けようとしたが、石川の言葉が耳に届いた
瞬間、吉澤は自分自身のコントロールを失って、怒りに支配させられてしまった。
石川を強く壁に押して彼女の動きの自由を奪った。
「美貴に近づくな、石川」
「じゃないと?」
にやけた顔で石川が訊いた。
「本気で言ってるよ。美貴に近づくな」
そんな吉澤を見て
石川が彼女の耳に唇を近づけて、冷めた声で呟いた。
「美貴ちゃんに負けないよ。よっちゃんはあたしのものなんだから
いくら否定しても、よっちゃんはいつまでもあたしの」
どうやって知らないが、
石川は自分の腕を解いて控室を出て行った。
- 57 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:49
-
残された吉澤は脱力して
床に崩れ、絶望に似たような気持ちを抱きながら
涙を流し、
自分に言い聞かせるように呟いた。
「もう泣くの充分だろ
あいつの為になんか、泣くんじゃねぇ…」
- 58 名前:6 投稿日:2007/09/04(火) 17:49
-
- 59 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:50
-
怒りを込められたシュートで強くネットにあたったボールから、辻が素早く逃げ出した。
「よっちゃん、殺すつもり?!」
吉澤は頭をペコっとし謝って、体育館の隅に座った。
石川のこと頭からはなれたかったけど、
チームとかのことでよく会っているから、それはとても難しいことだった。
そのうえ、石川と言い合ったあの日から藤本をも避けていた
彼女と一緒にいるところを見られた石川の行動が怖いから。
- 60 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:51
-
色んな事を忘れようとして
頭にタオルをかぶって、目を伏せて、
深い溜息をついた。
「どしたの?」
タオルの下から心配そうな表情で辻が覗いてきた。
「よっちゃん、なんか変だよ、イライラして」
吉澤は頭を上げて辻を見つめた。
彼女はとても奇麗な女性になった、
けど、その瞳の奥に吉澤はまだ6年前に会ったあの少女を見えてた。
- 61 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:51
-
「梨華ちゃんのことでしょ?またケンカしたんだね…」
「なんか知ってんの?!」
「ううん、でも見れば分かるよ。前、よっちゃんと梨華ちゃんはスゴく仲良かったのに
今はほとんど話さないし。なんかあったに決まってるじゃん」
「結構複雑なんだ」
辻は吉澤の右に座ってメンバー達を眺めながらちょっと頭をかいた。
「あのね… のんはそんな頭よくないけど、相談とかに乗れるよ…」
「うん、ありがとう、でもいいよ」
- 62 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:53
-
「梨華ちゃんのこと好きだからなの?」
「えっ?!」
「のんはもう子供じゃないよ、よっちゃん。のんにも話していいよ?その…恋愛とか、えっちとか…
女の子との恋愛とえっちとか…」
「ちょ、ちょちょちょっ、待て!」
顔を赤らめながら辻の言葉を止めた。
誰、このコ?こいつ、あたしの知ってるののじゃない。
ののは可愛くて、純粋で、そんな…こと…について何も知らない子どもだ。
「で… 梨華ちゃんとねたの?」
「ちょっ、なに?!」
今度は叫んで飛ぶように立ち上がった。
そこにいたメンバー達は振り返って、吉澤の顔がより赤くなった。
- 63 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:54
-
「吉澤!辻!戻って来い!」
「「はいっ」」
怒られたので早く戻ろうとしたとき
辻が自分の手を取ったのを感じて振り返る。
「後で話そうね、でも今は一つお願いしていい?」
「なに?」
「ボールに八つ当たりしないでよね、じゃないとみんなの命危ないかも」
自分達の位置に戻って練習を再開。
吉澤はもう一度ゴールの方を見て微笑んだ。
「ホントいいコだな…」
- 64 名前:7 投稿日:2007/09/04(火) 17:54
-
- 65 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/04(火) 17:56
- えっと、まだ9話までしか訳してませんから
今日は6と7だけです。ごめんなさい
42さん>原作はすでに完成してるので言えます=ストーリーラインはドラマチックで、痛いです…
43さん>今、みきよしはまだキツイかな?リアルだし…って思ってたんですけど、
歓迎してくれる方がいて、嬉しいですね。
44さん>ありがとうございます!
作者さんは… スペインに住んでますので、私も会った事ないんですよね〜w
でも、とても素敵な女ヲタです。
45さん>そうですね、私も読み返しましたが、やっぱりちょっとアレですね(汗
はい、頑張ります!アドバイスをありがとうございます。
- 66 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/05(水) 14:10
- 面白いです!!
訳と更新お疲れ様です。
ブラック梨華ちゃんに期待・・・(^^;)
- 67 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:07
-
練習の後、メンバー達がシャワーを浴びて
少しずつみんな帰っていった。
藤本はもう着替え終え、シャワールームのベンチに座り、
辻と2人でもうちょっと練習に励んでいたいと言う吉澤を待っていた。
約10分が立って、後ろから音が聞こえ
吉澤だと思って振り返ったら、待っていたその人とは違って
予想外の人だった。
- 68 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:08
-
「なんで美貴ちゃんなのか全く分かんない」
石川が藤本に近づいて言い出した。
「なんのこと?」
「とぼけないでよ、美貴ちゃん。わかってるんでしょ」
「や、わかんない。どうしたの、梨華ちゃん?怖いよ」
石川の態度わからないまま更に近づかれて、
ロッカーにまで迫られた。
「じゃあ簡単に言うね
よっちゃんから離れろ」
- 69 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:09
-
なぜ石川はそういう事をしていたのか知らなかったが、
そのような態度を許すわけない。
どんな風に、そして誰となにをしようが、他人にそんな命令をする権利はない。
カチンと頭にきて、藤本は挑戦的な声を発した。
「何でそんなことしなきゃいけない」
「そう個人的なことじゃないよ、
人があたしのモノに触るの嫌なだけって話し」
- 70 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:10
-
突然、自分のことをつかむ強い腕を感じたと思ったら、気づいた時に石川はもう地面に投げられた。
そして、そこには切れるかのように冷たい吉澤の声が響いた。
「あたしお前のモノじゃない」
「痛いよ、よっすぃ!」
言いながら立ち上がる石川。
「言っただろ」
「でもあたしがよっちゃんをそんな簡単に行かせるとでも思ったの?」
いつもの甘えた声に戻って
目の前の彼女の手を取ろうとしたが、吉澤は一歩引いて距離をとった。
- 71 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:11
-
「ごっちんの言ってたことは本当かもな、お前ビョーキだよ」
「んまぁ… ごっつあんは自分の初恋を奪ったあたしを許せないもんね…」
「あぁわわわわ〜…」
急にドアの方に声がして、3人とも振り返って、固まった。
- 72 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:12
-
「あ、タイミング悪いみたいだね… ごめんよ」
「のの、これ… ちが、違うよ…」
「あぁ、だいじょぶ…
鞄を取りに来ただけで、帰るから
それで、その… 帰ったら話続いていいよ」
言いながら自分のロッカーを開き
素早く荷物を取って、気まずい雰囲気から出て行った。
「待って、のの。待って!!」
辻のあとを追って石川も出て行った。
そこに2人を残して。
- 73 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:13
-
藤本の手を自分のそれに触れるのを感じたとき、
吉澤はまだドアをあ然と眺めていた。
なにを言えばいいのかわからない
藤本は怒ってるだろうから、一歩間違ったら状況を悪くするだけだと思い、動きを取れないでいた。
でも、耐えずにやっと振り返ったら、
そこにあったのは怒ってる様子のキツイ目つきではなく、
知りたがってるような怪訝な視線だった。
「説明してよ」
- 74 名前:8 投稿日:2007/09/07(金) 00:13
-
- 75 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:13
-
- 76 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:14
-
石川は鞄を下ろして、松浦のドアを音たてて強く閉めた。
「なっ、ちょっと!何怒ってんの?!」
「美貴ちゃんに訊いたら…」
「今日練習だって言ってたんだけど… ってか、梨華ちゃんも練習じゃないの?
なに?早退?」
「今日は朝だけだった」
「でも、みきたんが今日一日いそがしいっていってた…」
「あ〜そうよね… いそがしいだろうね…」
石川は松浦に背を向けて窓際まで歩いた。
「よっちゃんと」
- 77 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:15
-
松浦はこんなに怒っている石川を見るの初めてで、
彼女をもっと怒らせないようになにを言えばいいのか、よくないのかを分からなかった。
「ってことは…ふたり…」
「亜弥ちゃんは美貴ちゃんのこと好きなの?」
「え?!あっ、って、す、好きだよ…親友だし」
- 78 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:16
-
松浦の返事を聞いて、石川は振り返って笑った、
そして目を伏せて彼女の髪を撫でた。
どうやって言いたいことの意味を伝えようかと
ちょっと考える時間が要る。
この子がたまに事を理解するのがちょっと遅いときがあるって誰もが知っていたから。
(無駄な時間じゃなければいい…)
- 79 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:16
-
*****
- 80 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:17
-
「吉澤さんに何があったのか、誰か知ってる?」
小川はテーブルを囲んでいたメンバーにそう尋ねた。
紺野を除いての5期3人がレストランでガッタスの練習を終えた辻と待ち合わせして
紺野の誕生日について話してた
が、心配(し過ぎ)の小川によって、話題は別の方向へ歩んでいた。
「まこちぃは吉澤さんと仲良いでしょ、あたし達より分かるんじゃないの?」
「それは、そうだけど… でも、なんか、最近変だよ!話もしてないし…」
「え〜、それ麻琴が原因なんじゃないの?」
「愛ちゃん!」
みんなに怒られ、ちょっと悪いと思って
高橋は何とか誤魔化そうとする。
「冗談、冗談だって… でも麻琴の言ってることはホントかもね、
美貴ちゃんと石川さんも変だよ。なんかあったんだろーね…」
- 81 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:18
-
「それは恋なの」
その言葉を聞いて、
夢中でデザートを食べていた辻が全員の注目になった。
みんなの興味津々の視線を感じて、やっと自分の言ったことに気づいた。
「もしかして、それって…」
「なんでもない!なんでもないよ」
「な〜にそれ〜!のんつぁん、教えてよ〜!」
「ダメ!何も言わないってよっちゃんと約束したの」
約束と知って5期メン達は諦めたように見えたが、
愛しの吉澤さんのことに関する時、小川を止められるものはないのだ。
「じゃ… のんつぁん、もっとケーキいる?」
- 82 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:19
-
*****
- 83 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:19
-
「それで…?」
「わかんないよ、梨華ちゃん!たんをそんな風に思ったことないもん!」
「でもよっちゃんとキスしてたのぉ見て、なんか感じたんでしょ?」
「あ、…うん… そうかも… でも、わかんないよ」
石川の色んな質問に驚いて、松浦の頭は回ってなかった。
吉澤と藤本のキスシンを見てどう思ったのか?
その夜まで、藤本は親友ですごく大切な人
でもそれ以上でもなく、自分の親友だ。藤本は女、それ以上になにがあるっていうの?
しかし、あれを見て、自分の中の何かが藤本を吉澤から放されたかった。
- 84 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:20
-
「亜弥ちゃん、美貴ちゃんを取り戻すの」
「でも、どうやって?…もし今、よっすぃといて幸せなら…」
「それじゃダメ!美貴ちゃんを取り戻さなきゃ、そんなんで納得しないでよ。
じゃぁ… よっちゃんのことなんか話した?」
「う、ううん… たんはそんなことあんまり話さないし…」
藤本との恋話について話してるときを思い出そうとした、
でも頭に浮かんでくるのは自分がどこかの男の子のことを喋って、
そしてそれを聞いてるだけの藤本。
- 85 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:21
-
あの日もそうだった
一生を共にする人を見つけるとかなんとかについて話してたときに…
『そんなの、亜弥ちゃんがいれば美貴は要らないよ』
思い出して…
はじめて藤本の言いたいことを、わかった…
「… ウソ……」
- 86 名前:9 投稿日:2007/09/07(金) 00:22
-
- 87 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/07(金) 00:28
-
66さん>ありがとうごさいます。
たぶん、梨華ちゃんはブラックを飛び越して、ダークになりそうですw
10からだんだん色んなメンバーの出演が増えますので、
出来る限り早くあげたいと思います…
- 88 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 01:34
- 更新お疲れさまです!
美貴様VS梨香様がおもしろくなりそうですね
これからでてくるメンバーも楽しみです。
- 89 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 07:37
- ミキティがかまととぶったキャラの作品て珍しいですね。w
リアルみきよしは基本的にミキティが一方的によっすぃーに甘えるだけの関係なんで
こういう作品でなんとか自分の中で成立させたいと思います。www
ミキティと正面切ってでケンカ出来るのは梨華ちゃんぐらいかな?w
泥沼化していきそうなんでちょっと楽しみに読ませていただきます♪
- 90 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 07:37
- ミキティがかまととぶったキャラの作品て珍しいですね。w
リアルみきよしは基本的にミキティが一方的によっすぃーに甘えるだけの関係なんで
こういう作品でなんとか自分の中で成立させたいと思います。www
ミキティと正面切ってでケンカ出来るのは梨華ちゃんぐらいかな?w
泥沼化していきそうなんでちょっと楽しみに読ませていただきます♪
- 91 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 07:38
- 90はダブりです!すんません!(苦笑
- 92 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/07(金) 21:46
-
- 93 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:30
-
- 94 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:32
-
その狭い部屋は、あまりそのコトをするには適切だとは言えない
なぜなら、いつ人が入ってくるのか分からない。
でも、石川がいる限り、選択肢はかなり少ない。
あの日から、吉澤と藤本の仲はそれまで以上に深くなった。
石川と付き合ったことと、お互いを酷く傷つけて別れてしまったことをも吉澤が話してくれたけれど、
藤本は彼女がまだ何かを隠してることに気づいてた。
でも、今はそのことを気にしたくなかった、
これから、ふたりにはたくさんの時間があって、
そして、その時間の中でお互いを心から信じあえるようになったら、
きっとその時、吉澤は全てを話してくれるだろう。
そう、だから今は、もっと別なことを考えなくてはならない。
- 95 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:33
-
「最近、麻琴に睨まれてるような気がする…たぶん、…みんな… ぁぁ… 知ってる、かも…」
「大丈夫、あれはまこっちゃんだよ
あいつ、あたしが練習してるときのボールにまで睨みそうだから…」
藤本は思わず噴き出した。
吉澤の手が止まらなくて、話すのも難しくなってきた。
「よっちゃん、マジで言ってんの
みんなが美貴たちのことコソコソ話してんのぉイヤなの…」
「美貴がそんなこと気にしないってずっと思ってた…」
「美貴だけなら気にしないけど、今は違うでしょ」
「あやや…?」
- 96 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:35
-
藤本の腰に両手を置いて、吉澤は彼女の返事を待った。
だが、その名前を聞いた藤本の全身から力が抜けそうになって、
それを見た吉澤は、迷いなく次の行動に出た。
「別れる?…これ、別れるって言えるかどうか知らんけど… でも、終わりにしたい?」
その質問にちょっとビックリしたけれど、
藤本は自分の気持ちに素直に従った。
「やだ。今よっちゃんといるのが一番いい、一番落ち着く」
「あややは?」
吉澤に頬を撫でられながら尋ねられたことの返事をどう伝えば良いのか考えて、
藤本は一旦目を伏せてから、何かを決心したようにまた吉澤の大きな瞳を見つめて、
ちょっと恥ずかしそうに答えた。
「もう、わかんない… よっちゃん、美貴たぶん…」
- 97 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:35
-
その時、ドアの開いてる音が藤本の言葉を止めた。
そしてすぐ、部屋の中を覗く中澤裕子の頭が現れた。
「おー、ここにおったんや。ふじもっちゃん、つんくさんがお呼び」
中澤がドアを閉めた後もふたりはまだ凍り付いてたように動けなかった。
でも、やっと息も正常になって来たと思ったら、中澤がまたドアから頭を出してきた。
「後もう一つ… 4階のサービスルーム使った方がいいと思うわ、
いつも空いてるし、向こうなら人に邪魔されへんやで」
「あ、…どうも」
藤本の声が小さく響いて、ドアが閉められた。
突っ立てたふたりは何か言うことも出来ないまま暫らく見つめ合い、
そして他にどうしようもなく噴き出して笑った。
- 98 名前:10 投稿日:2007/09/08(土) 04:36
-
- 99 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:37
-
「はっ?!」
つんくのいる控室に向う途中、藤本がだんだん緊張していき
もしかしたら吉澤とのことがバレたとも思った。
でも、そうだったら吉澤も呼ばれてただろうと考えてる内に目的の場所のドアが目の前。
自分を落ち着かせて、一度深呼吸してからドアノブをまわして入っていった。
ただ、思いもしなかったのは、そこに松浦もいることだった。
- 100 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:37
-
「ね、すごくない?」
松浦は興奮し、つんくに説明されている藤本の手を取って大喜び。
彼女は新しいオモチャをもらった子供みたいに、
これ以上嬉しいことないかのように満面の笑顔だった。
残念なのは、藤本も同じ気持ちでいられなかったこと。
「新ユニット… 亜弥ちゃんと、ですか?」
「そう。ちょっと前から考えてきてるんことで、
今度の映画もあるから、いい機会んじゃないかなぁって思うん」
- 101 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:38
-
前の藤本だったら夢が叶ったみたいな話だったんだろうけど、
今の藤本には、夢より悪夢の方に近いことだった。
松浦とユニットを組むってことは、今まで以上に一緒にいることで、
藤本にとって、とても辛いことでもあった。
それに、吉澤がそのことを知ったらうろたえるのではないかとも藤本は心配していた。
「みきたん、嬉しくないの?」
「ううん、嬉しいよ、ちょっと、ビックリしただけ」
不安そうにしてた松浦を見て、藤本は笑ってそう答えるしかないけれど、
それを聞いて安心した松浦の笑顔を見たら、自分がすごく嫌になってきた。
(…なんで今更なんだよ……)
- 102 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:39
-
*****
- 103 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:40
-
スタジオの廊下を歩いてたら、途中で石川の携帯を嬉しそうに見つめてる姿を見つけて
ちょっとの好奇心に襲われた後藤が声をかけてみた。
「嬉しそうだねぇ、なんかいいことあった?」
声をかけられた石川は携帯をしまって、
目の前に腕組して立っている後藤を見つめ、
ちょっと不気味な笑みを浮かべて、かえした。
「ん、友達にちょっと手を貸しただけ」
「ホントに?…で、その返しで梨華ちゃんなにもらうの?」
「友達の嬉しそうな笑顔かな」
「あぁ、そうだね、つんくさんがホモじゃないと同じくらい信じるよ。
…とぼけないでよ、梨華ちゃん。ほら、言ってみ、本当になにが欲しいの?」
- 104 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:41
-
石川はそのアイドルスマイルを崩して
本能を見せるかのように後藤を睨んだ。
「ごっつぁんと同じだよ。でもごっつぁんと違って、
あたしそれをとり戻すために頑張ってんの」
言い残して、後藤に背中を見せ、去ろうとしたが
後藤の声に足が止まった。
「よっすぃは帰ってこないよ」
石川はそのまま頭だけ振り向いて、短く返した。
「賭ける?」
- 105 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:42
-
後藤はその返答を聞いて、頭に血が上って
乱暴に石川の腕をつかんだ。
「人のことを騙して遊んでるんじゃないよ、これゲームじゃないんだから」
「いや、ゲームだよ」
後藤に掴まれた腕を解いて、
これ以上ないくらいに冷たく続いた。
「だからあたし、絶対に勝つから」
後藤が遠ざかる石川を見つめながら、
そのコが欲しいものを手に入れるために何でもしそうなので
堪らなく心配していた。
石川のあの目を見たのは、初めてじゃなかったから…
- 106 名前:11 投稿日:2007/09/08(土) 04:42
-
- 107 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:43
-
スタジオでの朝、
藤本は明らかに吉澤を避けていた。
最近のふたりは今までより親密になっていたから
入ってからまだ一言も喋っていないのは、当然、普通ではない。
藤本はチラッと吉澤のいる方に向いたとき
不安そうに自分を見つめていた彼女と目が合った。
吉澤が視線や頭の動きで相図を送ったが、
藤本はそれを否定し別の方向へ歩いていった。
そこのドアを開ける前に、誰かに呼び止められた。
- 108 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:44
-
「ちょっと、話そう?」
「え?…あ、うん」
後藤は藤本が完全に振り向いたのを見て、
「でもここじゃダメ」と言いながら石川の方を見て、彼女を外へと誘った。
後藤にその理由を訊かずに目線の先を見ると
勝ち誇った笑みを顔に飾ってる石川がいた。
(そのキレイな顔を殴ったらまだ笑ってられるんだろう…)
- 109 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:44
-
*****
- 110 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:46
-
(どこ行くんだろう…)
吉澤はふたりの出て行く姿を不思議そうに眺めていた。
朝からずっと藤本と話そうとしたが、いつも彼女に避けられてた。
その上に、皆に見られてる気がして、
もしかしたら藤本とのことがバレたんじゃないかなとちょっとパニックっていた。
その可能性がかなり大きかったこと知っていたから。
まず、中澤。でも吉澤は彼女に関して心配じゃなかった。
実際、自分も中澤のその場面を数回、偶然に見たことがあるので、
彼女が秘密を守ってくれることは確かだった。
問題は辻。約束されたけれど、
あのコにそんな秘密を保っていられることが難しいって判っていた。
「なに考えてるの?」
- 111 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:47
-
そう訊いた甘い声と一緒に、
2本の腕が後ろから吉澤を腰辺りに抱きしめてきた。
「何してんの?みんないるよ」
「じゃ2人きりだったらさしてくれる?」
「させねぇよ。放して、みんな見てるんだよ」
メンバー達のコソコソ話してる姿を視界に入って、
吉澤は焦りだした。
「よっちゃん、硬いね。リラックスさせてあげる…」
石川が呟いて、呼吸を吉澤の首に触れさせた。
「石川、放せ!!」
- 112 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:47
-
吉澤が怒鳴って石川から放れたときに、
そこのいた誰もがやっていることを止めて2人を注目した。
石川がスタッフに向って適当にごまかしてから誤ってたけれど、
吉澤はその細い腕を掴まって石川を連れてその場所を去ろうとしたが、
その前に、あ然と2人を見てた後のメンバーに振り向いて
怒りに任せられてもう一度怒鳴ってしまった。
「なに見てんだよ!」
ドアを乱暴に閉めて、音が大きく響いた。
混乱して、誰も一言も発せられないでいた。
- 113 名前:12 投稿日:2007/09/08(土) 04:47
-
- 114 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/08(土) 04:53
- こんな時間までなにやってんだろう…ですね(苦笑
はい、ここまでです。
えっと、今度の更新は来週になると思います。(訳したのは12まででしたので…)
88さん>ありがとうございます。
梨華様ってww
大事な役のメンバーはもうほとんど出てきましたが、あと2人くらいです…
これからはそれぞれの役が見えてきますね
89さん>普段のミキティやみきよしや(ごっちんまでも)イメージが違うんですけど、
正直、私もちょっと違和感感じたりもしますが、
彼女達の外国でのイメージの一部でもありますので面白いと思います
皆さんに共感出来たらなと思ってます
ミキティ様強いんですけど、梨華ちゃんも様が付くくらい怖いんですもんねw
落ちましたので、このままsageってことですね
- 115 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/09(日) 00:48
- うん、キャラは違和感あるかも。
でもコレはコレで新鮮で良いよ、特に梨華ちゃんが。
- 116 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/10(月) 00:23
- 違和感があってとってもおもしろいですよ
ミキティには頑張って欲しいですね。
- 117 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/10(月) 02:31
- こんだけドロドロの娘。小説を見るのは久しぶりですごく面白いです。
石川さんのキャラは初期の頃こんな感じも多かったような気がします。
大変だと思いますが次回の更新楽しみに待ってます。
- 118 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:52
-
- 119 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:54
-
どこか話せる場所探して歩いてる2人の間には会話がなかった。
結局、大きい道具の置き場に使ってる部屋に着いて、
自分達しかいないのかを確認して、
扉を閉めてから後藤が、自分を見つめてる藤本に振り返った。
「んあのね?…今から訊くことがあたしに関係ないって知ってるけど、
でも大事なことだから、ミキティ答えてくれる?」
「うん、いいよ。大丈夫」
「…よっすぃと、は…本気なの?」
(はー?!…はぁ…やっぱりみんな知ってんのか……)
- 120 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:55
-
藤本のちょっと怪訝そうで驚いた表情を見たとき
後藤が誤解がないように早く説明を始めた。
「よっすぃから聞いたんじゃないよ?あたしは2人を見てわかったの
だから、教えてほしいの、ミキティは本気かどうか」
その質問に不快な気分になって、藤本は冷たく答えた。
「美貴はアソんでないよ」
「よかったぁ… でもよっすぃといたいなら、ミキティは強くなくちゃダメだからね」
「なんのこと?」
「梨華ちゃんだよ。…梨華ちゃんに気をつけて」
「……」
- 121 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:55
-
確かに、あの日そうだった。
藤本はガッタスの練習の日ことや吉澤が話したことや、色んなことを思い出して、
ちょっと後ろへさがって、しばらく考え込んでしまった。
我に返った時、後藤との距離を少し縮んで、質問に出た。
「なんで梨華ちゃんがよっちゃんをこんなに…独占っていうか…
あれはやばいよ」
後藤は窓際に座って頭を抱えた。
いくら時間計らったといっても、全部説明するには長い時間が必要。
「あいつらはちょっと、複雑だけどね」
「あら、ほんとー?」
藤本の皮肉なユモアーとオバサンのマネが緊張感を和らいで後藤を笑わせた。
「ははは…うん、そー。…でもね…最初はこんなんじゃなかったの、
梨華ちゃんが本当によっすぃ好きじゃなかったら、あたしは別れてなかったよ」
- 122 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:56
-
*****
- 123 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:56
-
「なんであんなことやったの?」
「よっちゃんが好きだから
傷ついたのとか、嘘ついたのとか、そんなの関係なしによっちゃんのこと好きだよ」
石川に後ろから抱きしめられたまま、
吉澤は何をすればいいのか、何を考えたらいいのかわらなかった。
この腕は、このコは誰なの?
6年前に逢った、自分が好きになったあの石川か、
それとも、自分をもてあそんで傷ついた石川?
自分に問いつめても答えは出なかった。
ただ、わかってることは一つだけ…
- 124 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:57
-
「梨華ちゃんの言ってることは本当だとしても、もうやり直せないよ
元に戻れないから、…傷つきすぎて…
梨華ちゃんだけじゃなくてさ、あたしのやったことも…」
「あれをよっちゃんのセイにしたことないよ…」
石川が背中に顔を寄せ付けたとき
吉澤にシャツから何か湿ってる感覚が伝わった。
(……泣い…てんの……?)
- 125 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:58
-
「美貴ちゃんが亜弥ちゃんといられないからよっちゃんといるんだよ…?」
「知ってる…」
「それでも美貴ちゃんといるの?」
石川の声が涙声に変わっていた。
それは切なさからなのか、それとも怒りからなのか、吉澤にはわからなかった。
「…うん… あたしたぶん、美貴のことs」
「言わないで!」
冷たい自分に戻って、手で涙を拭きながら続いた。
「そんなことさせないから」
つっ立ってて混乱してる吉澤の背中から離れて
石川はその場を去った。
「梨華ちゃん……」
- 126 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:58
-
*****
- 127 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 13:59
-
「…よっちゃんと、梨華ちゃんが……」
「ない。まぁ、それはあくまでもよっすぃ情報だけど」
「それで別れたの?」
「たぶん。でも美勇伝が結成した頃から始まった
梨華ちゃんが忙しくなってきてあんまり会う時間もなかったみたい。
それで、自分がまだあげられないことを
よっすぃが他のコに求めてくんじゃないかって心配になってきて」
「で進化してこんなんになったんだ」
「そぉ」
- 128 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 14:00
-
2人はほぼ一時間話し、
そして今、後藤の知ってる全てが藤本も知るようになって
色んな疑問が消されてしまった。
「どうやって別れちゃったの?」
「わかんない。
何ヶ月前に、よっすぃがあたしんちの前で泣いてて、何も話してくれなかった
だからあたしも何も訊かなかったの。
それから梨華ちゃんがよっすぃに近づいてくる人みんな追い払うの」
「で今度は美貴か…」
- 129 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 14:01
-
「ミキティ、ほんとーに気をつけて
なんかに間違ったら梨華ちゃんがそれを利用してくるから」
「うん、気をつける。ありがとう」
「あぁ、あと… 梨華ちゃんに自分の…愛、する”もの”を、
自分に逆らわせないように…」
- 130 名前:13 投稿日:2007/09/10(月) 14:02
-
- 131 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:03
-
『いいじゃん』
『でもずっと一緒だよ…?』
『いつか向き合わなきゃなんないんだよ』
『たぶん、美貴まだできない…』
『できるよ。ほら、こう考えて
”俺様には誰も敵わない、藤本美貴様だ!”ってさ』
−藤本は笑って吉澤の胸に頭を預けた−
『でも、今みたいに、あんま会えなくなるじゃん…』
『大丈夫、なんかあったらすぐ飛んでくよ』
- 132 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:04
-
(バカだよ!も〜…よっちゃんホントにバカだよ!
何でそんなに優しいんだよ?何で彼女らしく普通に妬いて、
美貴といるのは亜弥ちゃんじゃなくてよっちゃんだって怒ったりしないんだよ!
あ、…そっか、美貴とよっちゃん、付き合ってないんだっけ…
でもさぁ… ちょっとでも妬いててくれてもいいんじゃない?ちょっとだけでもさぁ…
ってか、なんで全部ピンクなんだよ!…あのオヤジ、マジで殺してやる…)
「たん?」
- 133 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:04
-
(そんなにピンクが好きなら、自分でこのピンクのぉ着て撮影来て歌えればいいじゃん…)
「み〜き〜た〜ん」
(そーだよ… あのォヤジんとこ行ってケツ蹴っ飛ばしてて…)
「地球から藤本さんへ、聴こえてますか〜?」
言いながら藤本の前に手を上下に振ってる松浦。
「へ?」
「帰ってきた?」
「あぁ、ごめんね」
「うん、大丈夫、今日はもう終わったよ。着替えてこ?」
- 134 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:05
-
セットを後にしてすぐ松浦が手を握ってきて、藤本はちょっと戸惑っていた。
人とスキンシップは普通で、松浦とは当たり前。
これまで、数え切れない、何度もそうしてきたが、今は何かが違っていた。
言い直して、松浦が違っていた。
撮影中でもいつでも、いつも以上に、チャンスがあれば彼女がそこにいて
そして、その度に満面の笑顔の彼女だった。
(どしたんだろ?)
- 135 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:06
-
2人とも着替え終え、藤本は荷物の準備も済んでたので帰ろうとしたが
松浦が慌てて手を取って止まらせた。
「待っててくれないの?」
「美貴ちょっと急いでるから」
「でも、話したいことあるの…」
「これのこと?」
言って、顎で繋がってる手を指した。
「へ?なに?」
「これだよ」
- 136 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:07
- 今度はその手を松浦の前まであげて軽く振った。
「今日、ずーっとそうだったよ、どしたの?」
「あたしは… 嬉しいだけだよ、またみきたんと2人で仕事できて
でもなんかたんの手を離しちゃダメ気がしてさ離したらまたどっか行きそうで嫌なの」
松浦は喋ってる間ほとんど息もしてなかった。
藤本に「美貴はどこも行かないよ」的な言葉を期待していたけれど、
どんなに待っても、藤本はただ俯いたままで動きそうにない。
何かしなきゃと思って、空いてる手で彼女の頬を優しく撫でて、自分からその沈黙を破った。
- 137 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:09
-
「なんであの夜たんがあんなに変だったか知ってるよ。
あたしすごいバカだった、全然気付いてあげなくて…たんを失うとこだった」
松浦が喋りだしてから、そこで藤本ははじめて頭を上げて彼女の目を見た。
ビックリ、驚き、そんな言葉で表せること出来ないくらい藤本はショックだった。
そして不意に、松浦の唇が自分のと重ねた。
短い、ほんの一瞬でちょっと照れくさかったキスだけど、
藤本の気持ちと頭の中を完全に乱すには充分な口付けだった。
「あたしもたんのこと好きだよ」
藤本の顔との距離は数センチしかなくて、もう一度キスしようとした。
しかし、その前に藤本は松浦から離れて、カバンを取って、
何も言わないまま彼女を残して部屋を出て行った。
「なんっ……?」
- 138 名前:14 投稿日:2007/09/10(月) 14:09
-
- 139 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/10(月) 14:12
- 今日はここまでです。
なんか…つんくさんに申し訳ない気持ちになってきてます…w
115さん>ありますよね〜 梨華ちゃんってこういう役もなんとなく似合うっていうか、人気かな?ww
116さん>これからもまだまだ穴がいっぱいありますけれど、ミキティは頑張ってもらいます!
117さん>あ〜、確かにそうですよね、昔の小説の方がダーク梨華ちゃん見れるかも知れませんね。
大変でもありますが、私もすごく楽しんでますからやる気!it's easy ww(う〜う、さぶっ!)
- 140 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/11(火) 18:57
- 面白いけど誤字が多いような…
- 141 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:04
-
- 142 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:05
-
「なにがあったの?」
「美貴ちゃんにキスしたら、あいつ逃げたのよ」
石川は携帯を握ったまま答えた。
「逃げたのって、どっち?」
「美貴ちゃん。はぁ、信じられない…
何で早く亜弥ちゃんを受け入れてよっちゃんと別れないのよ」
主から取らされ、石川の携帯はベッドの傍にあるテーブルに置かれた。
- 143 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:08
-
「吉澤さん憎んでるからこれ全部続いてるんだよね?
ヤキモチとか、嫉妬って違うんでしょ…」
石川は敢えて声にしなかった。
その代わりにただ頷いて、手を伸ばして部屋の電気を消した。
「吉澤さんにされたコト、忘れてないよね?」
言いながらその手が石川の太腿を撫で回し始めた。
「うん…でも… んん…」
「なら自分の気持ちに負けちゃダメだよ。
アイツ、あんなコトしたんだよ?それで自分だけ幸せになるなんて」
石川はそれ以上何も言えなかった。
その手や指の動きで息が重くなって呼吸も乱されてた。
肌に伝わる感触から快感が走って身体を支配する。
しかし、頭の中に浮かんでくるのは一つだけ…
(よっちゃん……)
- 144 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:09
-
*****
- 145 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:11
-
吉澤はビデオのリモコンを取って映画を再生した。
後藤はお菓子を手にソファに座ってる吉澤の隣に腰を下ろして
特に興味のない画面を眺めた。
「なんで今日ミキティと一緒じゃないの?」
「今日、そんな気じゃないとかなんとか」
後藤の持ってるお菓子を、空いてる手で少しとって、続いた。
「いつも一緒にいるわけじゃないよ」
「あ〜、恋人じゃないってとこか…
も〜いい加減さ、いつ告るつもりなの?」
「…なにを…?」
「なにをって… ”美貴、僕は君がだあああい好きだよ”って」
「ちげぇよ!」
- 146 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:14
-
吉澤の顔はだんだん赤くなり、照れ隠しに再びテレビに目をむくと
隣に勝ち誇ったような笑顔の後藤。
「まぁ… だあああい好きってわけじゃないんかも知んないけど、
よっすぃはもうオチタね」
「そうだったら…?」
吉澤の目に切なさの色を見つけ、空気がいっぺんに変わる。
「ミキティは違うと思うし、で、あたしはまたあんなオモイをしたくないし」
もう何回目のそのセリフに後藤が怒って
吉澤の肩を叩いて、彼女の前に仁王立ちした。
「いってえぇ!!」
「そんな言葉を二度と聞きたくないよ!
あたしはよっすぃをそんな弱い子に育てた覚えゎない!」
「あたしもないんだけどあ〜あ!でも!ほら、でも……
…何をしろっていうんの?あたし、そんなこと…急に言われても…」
後藤の表情が緩んで優しい笑顔に戻った。
(そう、それがあたしの知ってるよっすぃだ…)
- 147 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:16
-
「なんか特別なことやったら?サプライズとかでもいいしさ
よっすぃがミキティを大事に想ってるって伝わること」
優しい表情の後藤を見上げて、
吉澤は目の前のそのコをどれだけ愛してたかを思い出した。
後藤が吉澤の考えてることを理解できて
吉澤自身よりも吉澤のことをよく知っていて、
本当の意味で、ずっと傍にいてくれたたった一人だった。
それは友情で、
真実の愛…
- 148 名前:15 投稿日:2007/09/11(火) 19:16
-
- 149 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:19
-
とにかく落ち着けられない松浦だった。
夜は全然眠れなくて、
昼はアパートのあっちこっち行ったり来たり、片付けてたり。
後悔。
自分がすごくバカに思えてきて、モヤモヤして、し切れなかった。
そんな気持ちなど、何もかも忘れたくて、考えないように大掃除。
アパートのベルを聞いて、
自分を救ってくれる人であるようにと願いながらドアを開いた。
「亜弥ちゃん、顔色悪いよ」
「あぁ、梨華ちゃん…」
「なにがあったの?教えて」
「…たんに、キス、して、好きって言ったら、出ていっちゃったの…」
呟きながら松浦はソファに座って、小さくまるまって膝に顔を埋めた。
「ダメだ…あたし、…バカだよ…」
- 150 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:23
-
松浦に近づいて、石川はこのコを落ち着かせるために
何を言えばいいのか少し考えて、柔らかい声で話した。
「美貴ちゃんはきっと、ビックリしただけ
美貴ちゃんには簡単じゃないと思うよ、ずっと片思いだった人にいきなり好きって言われて」
「でもあたしにも簡単じゃないよ!」
松浦はヒステリックになり、立ち上がって、
喋りながら腕を意味なく動いて、右左行ったり来たりしていた。
「あたし初めてだよ!たんをこんな風に想って…気付いて…どうすればいいかわかんないよ!
あたしに、たんにキスするのって簡単だったと思うの?
心臓がやばいくらいバクバクして、震えも止まらなくって…
だから、わかる?初めてこんな気持ちでキスして、でたんが逃げたんだよ?!」
- 151 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:28
-
そんな松浦を見て、石川は彼女の両手を取って目を合わせた。
「亜弥ちゃん、それ、ただのキスだよ…美貴ちゃんとヤって逃げられたわけじゃないんだから」
そしたら、握ってる松浦の手冷たく感じた。
”美貴ちゃんとヤって”の部分を聞いて、松浦は一気に凍りついた。
そんなことを一度も、一回も、一秒でも、考えたことなかった。
思ったら、藤本のその姿が頭に浮かんできてしまって、顔を真っ赤にした。
「あぁ…それもか…なんとかしなきゃな」
「なに?」
石川の手が自分の腰に触ってるのを感じて松浦が我に返った。
「美貴ちゃんに近づくのぉ怖がったら、美貴ちゃんも怖がるじゃん?」
「それで、何するつもり?」
「あたしを美貴ちゃんだと思って」
「えっ…で、でも、それ、よくないと…思う、よ、梨華ちゃん」
「ちょっと黙って目を閉じなさい」
- 152 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:28
-
*****
- 153 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:29
-
「なに?」
「目ぇ閉じて」
「よっちゃん、美貴今日遊ぶ気じゃないよ
早く家に帰って一週間ずっと寝たいよ、だから…」
「ミキティ、お願いっ!」
可愛い顔をされて、藤本は吉澤の願いを断れなかった。
「…わかった…」
吉澤は目を閉じた藤本の前に手振って、確認して、
そして後ろから彼女の腰に手を置いて別の部屋へと導いた。
- 154 名前:16 投稿日:2007/09/11(火) 19:30
-
- 155 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/11(火) 19:34
- ここまでです。
はぁ〜…なかなか進まないな〜…
2話ずつで大丈夫っすかね…
140さん>そうですよね、後で自分で読んで、すごい恥ずかしい間違えとか…
これからもっと気をつけますm(_ _)m
本当に誤字とかは気を付けてるつもりなんですけど
すいません、まだまだ難しくって…
- 156 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/12(水) 10:14
- 別に日本語が少しおかしいのとかは…
翻訳なので雰囲気が出て良いと思います。
りあぷるさんがやっている事は画期的で、
リアルタイムでこの場に居合わせてラッキーです(^^)v
応援してます!!
黒梨華様に期待大w
よっしーを翻弄して欲しいですww
- 157 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/13(木) 22:05
- 毎日見てます
更新すっごい楽しみです!!!
みきよしが凄い好きなので、どうなるか気になります・・・
頑張ってください!!!
- 158 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/14(金) 18:12
-
>156さん
ありがとうございます!
実は、私の母語って日本語ではないので、難しくて苦労してます…
でも、誤字とかは注意不足です(汗
期待に応えるように頑張ります!
黒梨華様も頑張って、よすぃこを翻弄します!!ww
>157さん
毎日見て下さってありがとうございます!
そして、今回ちょっと遅れて、すいません。
私もみきよし大好きデス!(よしごま派ですけど)
ガッコとバイトで忙しくて、あまり書けなくて…
19まで書こうと思ったんですけど、18で区切がいいので
短いですが、明日は21まで載せる予定です。
- 159 名前:17 投稿日:2007/09/14(金) 18:13
-
- 160 名前:17 投稿日:2007/09/14(金) 18:14
-
「ここどこ?」
「こりゃあサプライズだよ、サプライズ」
藤本を近くのイスに座らせて、サプライズの理由を話し始めた。
「ミキティ、最近疲れてんでしょ?松浦のことあるし、
だから、あたしになんかできんじゃないかなって」
松浦とのキスを思い出して、藤本は罪悪感に襲われた。
吉澤が自分を元気にさせようとしてるから、
あのキスでその優しさを裏切ったように思っていた。
- 161 名前:17 投稿日:2007/09/14(金) 18:15
-
「大丈夫だよ、よっちゃんは何もしなくていいよ」
「あたしがやりたいから…
落ち込んでるときに、これをやると元気が出るの
だから、美貴にもね」
「よっちゃん…」
「そこに座ってこっちを見んなよ」
藤本の耳に吉澤の深呼吸が届いて…
(緊張してんの?)
「なんで見ちゃダメなの?」
目を瞑ったままからかって、小さく笑った。
「人にやるのって初めてだから、あたしそんなに上手くないし…
ああ!あと、これ秘密だからね?誰にも言うなよ?」
「おっけ、おっけ。秘密ね」
- 162 名前:17 投稿日:2007/09/14(金) 18:16
-
暫くシンとしてから吉澤の深呼吸がもう一度聞こえてきた。
そして、部屋に音が響いて、ゆっくりと消えた。
ちょっと外れたピアノの音と、よく解からない、違う言語を喋ってるの吉澤の声。
(ウソでしょ……)
彼女は彼女の思ってることしないでしょ?
何か探してるように藤本が前に手を伸ばして、そしてその何かに触れた。
やっぱり、ピアノだ。
でも、彼女はピアノを弾けない…でしょ?
その疑問に応えるように、数秒後、ピアノの音と
それに合わせて、吉澤の歌声。
藤本の鼓動が速めた。吉澤がこんなことをしてくれると思わなかった。
それはどれだけ彼女自身に大切なことだか、彼女の声を聞いて強く感じた。
藤本が聞いたことない吉澤の歌声だった。
強く、けれど優しい、とても心地好くて、気持ちを落ち着かせる歌声だった。
ずっと感じていた不安が少しずつ溶けていって、
自分の気持ちもハッキリとしてきた。
吉澤が歌の最後の部分を弾き終わったときに
もう悩むことはなかった。
- 163 名前:17 投稿日:2007/09/14(金) 18:17
-
部屋がまた静かになって、頬に暖かい手を感じて、
吉澤は一粒の涙を流してる藤本を見上げた。
「あたしヘタだけどさ、泣くほどでもないっしょ」
藤本は何も言わなかった。
上半身を少し前に傾いて吉澤に優しく口付けるだけ。
藤本の息が肌に触れたとき、小さい呟きが聴こえてきた。
「よっちゃんと一緒にいたい…」
- 164 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:17
-
- 165 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:18
-
『あぁ…そういうことか…なんとかしなきゃな』
『なに?』
-石川の手が自分の腰に触ってると感じて松浦が我に返った-
『美貴ちゃんに近づくのを怖かったら、美貴ちゃんも怖いじゃん?』
『それで、何するつもり?』
『あたしを美貴ちゃんだと思って』
『えっ…で、でも、それ、よくないと…思う、よ、梨華ちゃん』
『ちょっと黙って目を閉じなさい』
- 166 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:18
-
石川の唇を自分のそれに感じたときドキッとしてしまった。
「梨華ちゃん…ダメだよ…」
「美貴ちゃんでしょ?」
「でも…」
松浦がまた何かを言う前に石川はその唇を塞いだ。
自分のしていることも、その状況も、松浦は信じられないでいた。
ちょっと前まで、女の子とそんなことは絶対にありえないことだった、
でも今は、たった2日間でもう女友達2人ともキスした。
何もかもメチャクチャになってしまった。
何もかも、藤本のためだった。
- 167 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:19
-
しかし、松浦は考え直した。
もしかしたら石川のしてることはダメじゃないのかも知れないと思って、
ゆっくりと目を瞑って、想像してみた。
藤本の姿をイメージして
その瞳も、その唇も、自分を包み込むその強い腕も…
そして、いつの間にか、石川は消えた。
口に忍び込んで舌を絡めてくる舌は藤本の、
腰にまわした腕も、頬に軽く当てている髪も、全部藤本だった。
その感覚に松浦の理性が飛ばされ、身体が勝手に動き出す。
松浦が積極的になって口付けを必死に応えてた。
彼女に期待をしてなかった石川は驚いたが、また直ぐに冷静になる。
想像以上に順調だ。
- 168 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:19
-
*****
- 169 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:20
-
数時間後、松浦は目覚めた。全裸で、一人だけ。
石川の訪問の唯一の証拠は近くに置いてあった一枚のメモ。
「”これで準備完了”…」
- 170 名前:18 投稿日:2007/09/14(金) 18:20
-
- 171 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/15(土) 17:35
- 156です。
何かグローバルですね。
スペインにヲタさんがいるってのも初耳でした(*_*)
翻訳と更新頑張って下さい!
楽しみですwww
- 172 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:19
-
- 173 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:20
-
荷物をまとめて帰ろうとした時、誰かに呼ばれて立ち止る。
「後藤さん!ちょっと待って!」
振り返るとモーニング娘。の半分、ゴッキーズ+亀井を認め驚く。
「どうしたの?…」
そのグループのリーダーのように、小川が一歩前踏んで
何の迷いもなく直球で訊いてきた。
「吉澤さんと石川さんになにがあったんですか?」
「ちょ…ちょっと待って、何であたしに訊いてるの?」
「後藤さんなんか知ってるんじゃないかなって、友達ですもんね」
「まいちゃんとアヤカちゃんってよっすぃの親友だよ、訊いてみたら」
- 174 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:21
-
問い詰められて、外に出さなくても内心焦っていた。
なぜこのコたちがそんなことを知ってるのか?
もしかしたら、石川がまた何かを………と思っていた瞬間…
「訊きましたけど、わたしたちみたいに何も知らなかったんです
…でも、後藤さんはそんなに驚いてないですね…なんか知ってますよね?」
新垣の鋭さにビックリしてたが、冷静さを保って訊き返す。
「何でそんなこと知りたいの?よっすぃが何をしようが関係ないじゃん」
「あります。グループに影響を与えることだったら私達とも関係あります」
(…まぁ…そうだよね……)
「だから、なんか知りません?」
紺野の言うことが確かであって、
心配そうな5人に迫られてどう対応したら良いのか分からず、
後藤は密かに助けを求めるだけだった。
- 175 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:22
-
「後藤、ちょっといい?」
「あ、はい!」
(つんくさん!ありがとっ!ホントありがとっ!)
「でも、後藤さん…」
「お、なんや、まだ帰ってなかったんか?遅くなる前に帰ってな」
「は、はぁぃ…」
ちょっと残念そうな後輩達の背中を見送ってからつんくに目を向く。
「どうかしたんですか?」
「あぁ… 音楽室におったんのは後藤か?」
「え?いや、違うんですけど… どうしてですか?」
「向こうら辺歩いてたら、I Wishが聴こえてきて、あれすごかったなぁと思ぅて…
あいつ、あんなに歌えるんやね… でも、後藤はもう知ってたんやろ?」
「うん、知ってました」
- 176 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:23
-
吉澤と一緒にその曲をピアノで習ってた思い出が後藤に笑顔を運んできた。
他の曲を習う気がなかったので、それは吉澤が弾ける唯一の曲。
何度も何度も弾いて、完璧に出来るまで。
そして、つんくのリアクションからすれば、出来たみたい。
(サプライズってあれなんだ〜…
あれを魅せたんなら、ミキティをホントに大切に想ってるんだね…)
笑っていても、心がどうしようもない痛みに締め付けられてた。
後藤は本当に吉澤の幸せを願っていた、それは自分とではなく他の人と一緒だとしても。
それでも、やっぱりその切なさがずっと胸の中にあり続けるだろう…
- 177 名前:19 投稿日:2007/09/16(日) 04:24
-
- 178 名前:20 投稿日:2007/09/16(日) 04:25
-
『よっちゃんと一緒にいたい…』
その言葉が何回も吉澤の頭横ぎる。
仕事の後、食事に行ってから誰もいない公園を手握ったままゆっくりと歩いて帰る。
吉澤にはそれをどうしてもデートとしか思えなかった。ふたりの本当の初デート。
藤本のアパートに付いた頃には気持ちが最高に達していた。
その感触やキスも、全てがはじめてかのように、
興奮と緊張が混じり合って、もっと近くに感じたくて深くお互いを求めていた。
藤本は吉澤に何かが違っていたのを気付いた。
普段よりもひどく丁寧に優しく、少しでも荒い動きをすればすぐに壊れる宝物のように。
自分が愛されてるのを感じて、藤本は愛しさで傷一つ一つが癒されていく。
- 179 名前:20 投稿日:2007/09/16(日) 04:25
-
- 180 名前:20 投稿日:2007/09/16(日) 04:26
-
- 181 名前:20 投稿日:2007/09/16(日) 04:26
-
藤本が果てて、息もまだ乱れてても、
吉澤はもう一度深く口付けて彼女を愛しく見つめる。
藤本が吉澤の頬を撫でながらその顔に汗で張り付いてる髪を整えて、
身体や行動だけでなく、気持ちを直に言葉にした。
「よっちゃん、好きだよ…」
- 182 名前:20 投稿日:2007/09/16(日) 04:27
-
- 183 名前:21 投稿日:2007/09/16(日) 04:27
-
その日もリハーサルだった。
最近の色んな出来事が飽きられない日々にしてた。
5、6期達は吉澤の石川に対しての態度に注意していた。
誰もが吉澤に気を捉えていた。その場にいない人までも捉えていたのだろう。
全員が仕事よりもそっちばかり気にしていて…言い直して、全員ではない。
ある人が藤本を気にしていて、
そして、その親友が嬉しそうに吉澤に微笑んでいるのを見て、全然面白くない。
その2人というと、自分達の世界から抜け出せないでいた。
皆に気持ちを隠すのはそろそろ難しくなってきた。
「よっすぃ、眩しいね〜今日」
後ろから挨拶代わりの言葉に後藤に目を向いた。
その作り笑顔に気付かずに。
「いや〜幸せってこんなもんだったっけなって感じだよねぇ」
吉澤が再び藤本に視線を移って、さらっとそう言う。
- 184 名前:21 投稿日:2007/09/16(日) 04:30
-
「サプライズが大成功ってことだね」
「そうかもね。…っていうか、何で知ってんの?」
「あ〜… 音楽室の近くにいたの、その日。
…でもさ、それ、あたしにやったことないよね…」
「いつも一緒にピアノ弾いてんじゃん」
「そうだけど… あたしに歌ったことないじゃん、ミキティみたいに」
後藤は油断していた。
彼女の声に哀しさを感じ取って、吉澤が何かを勘付いた。
「ごっちん、もしかして…」
しかし、言い終わる前に後藤が言葉を遮った。
「それはもうどうでもいいよ
今はミキティを大事にしなきゃダメだよ?わかった?」
「でも…」
「あたしはだいじょぶ」
そして、去る前に吉澤の頬に短いキスをした。
「じゃね、よっすぃ〜」
- 185 名前:21 投稿日:2007/09/16(日) 04:31
-
*****
- 186 名前:21 投稿日:2007/09/16(日) 04:33
-
そのキスは多くの注目を集められたが、特に3人に。
その中の1人が誰かに呼ばれるまで、あのキスの理由を考えていた。
「みきたん、話したいことあるんだけど、今ちょっといい?」
藤本が振り返って、不安な表情を浮かべて「おねがい」と頼んでいる松浦を認めた。
あの日以来言葉一つも交わしてなくて、
何もなかったように接するのも、きっと、もっと難しくなるだろう。
良い機会を作られて、話すなら今しかない。
お互いに正直になって、長い間ずっと閉じ込められてた全てを打ち明ける時なのかもしれない。
それが親友を失うことになるとしても、
幸せになりたいのならその重い荷物を下ろさなきゃいけない。
覚悟も決めるときだった。
「わかった、話そっ」
- 187 名前:21 投稿日:2007/09/16(日) 04:34
-
- 188 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:36
-
2人きりで、そして全くの沈黙。
松浦も藤本も最初の言葉を発したくなかった。
2人の間でそのような空気を感じたことなかった。
親友なら何でも言い合えるでしょう
だが今は間違った言葉の一つだけでも、色んなことを失える… 友達、親友…心……
「亜弥ちゃん…」
「ごめ……」
藤本がやっとの思いで名前を呼んだが、その親友に止められた。
松浦が言葉を続けられる勇気と力をどうにか集めようとして、ジーっと下を向いていた。
「みきたんに…嫌な思いをさせたんなら…ごめん」
「美貴も、逃げちゃってごめん…」
藤本の顔に笑みを見つけられると思って頭を上げたけれど、
松浦が見たのは、ただ無表情の彼女だった。
「美貴がヤと思って逃げたんじゃなくって…」
藤本が部屋を渡って、そこにあった折り畳みのイスに行って
膝に肘をつけ顔を手で隠すように座った。
「…美貴は…どうしたらいいか、わかんなかった」
- 189 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:41
-
今まで立ち尽くしていた松浦が藤本の前まで歩いて
跪いてその手を取って優しく握った。
「あたし、たんのこと好きだよ、わかることはそれだけ」
藤本が顔を上げて松浦を見つめた。
その顔に涙一つがキレイな線を作って流れていた。
「違うよ、亜弥ちゃん。もう遅いよ」
「みきたんあたしに言ったことないよ、どうやってわかるんだよ」
松浦も涙に襲われて、声が震えていた。
「言ったよ、何回も美貴言ったよ
でも亜弥ちゃんきかなかった。きこうとしたなかった…」
「たん…」
「美貴がどれだけ辛かったか亜弥ちゃんわかる?」
軽く撫でていた松浦の頬の手を離れ、藤本が涙を止めようと再び立ち上がった。
「今、美貴をわかってくれる人を見つかった時、もう忘れられると思った時、
亜弥ちゃんが簡単そうに好きだよって言ってきて…」
「でも、本当のことだよ」
また逃げられないように松浦が立ち上がって藤本に抱きつくと
涙で顔をその胸に埋める。
「ホントだよ、たん…ホントに好きだよ…」
もう一度顔を上げて藤本を見つめる。
でも応えがないと見て、あと出来ることは一つだけ。
「みきたんがほしい…」
- 190 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:45
-
藤本がもう一度松浦に口付けられてる自分に気付いた。
しかし、最初のキスとは違って、それは深く、欲望で満ちていたキスだった。
松浦亜弥に抵抗するのはとても難しくて、数秒の間藤本はどうしようもなく、
そのキスに応えることしか出来なかった。
でも、藤本は信じられなかった。夢にまでも見た松浦とのキスだけど、
頭に浮かんでくるのは吉澤のことだけ。
それは止める合図。それと松浦の手がいけないところを触ってること。
「待って…」
「みきたん?…」
「亜弥ちゃん、美貴今付き合ってるの…」
「知ってるよ、でも今はどうでもいいよ」
「美貴は、よっちゃんのこと好きなの…」
その言葉を聞いて松浦が一瞬固まって、
そして全身の力が脱出したかのように床に崩れ落ちた。
藤本は床に膝をついた。
好きな人が絶望に抱かれて泣いてるのを見て、ひどく切なかった。
「亜弥ちゃん、もう二度とこんなこと言わないから美貴の言うことをちゃんと聞いて」
藤本は両手で松浦の顔を包んで目を合わせた。
「亜弥ちゃんみたいに好きにある人が、一生かけてももうないよ。
でも、今はよっちゃんと一緒にいたい、それだけ」
藤本がそこを出ようとしたが、松浦の手に止められた。
- 191 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:46
-
「よっすぃは、みきたんのこと好きじゃないよ… 梨華ちゃんのこと好きだから」
藤本は驚いて訊き返した。
「何でそれ知ってんの?!」
「梨華ちゃんに聞いた。梨華ちゃん… 梨華ちゃんが助けてたの
あたし、たんが好きでどうしたらいいかわかんなくて…
そしたら梨華ちゃんに言われたの、みきたんがよっすぃに近づいたら辛い思いをするだけだって…」
怒りが込み上げてくるに連れて藤本の表情が変わっていた。
『…梨華ちゃんに自分の愛するものを自分に逆らわせないように…』
松浦が最後に聞いたことは藤本が乱暴にドアを閉める大きい音だった。
- 192 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:47
-
- 193 名前:22 投稿日:2007/09/16(日) 04:47
-
- 194 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/16(日) 04:49
-
こんな時間になっちゃった…
実は、ちょっと、エロとかもあるんだけど、
私、恥ずかしいのと難しさもあるから、どうしても書けないらしくて
すみません…未熟なもんなんで……
えっと、今回は21で止まろうかなと思ったのですが、
23では藤本さんが!…石川さんが!
ってことで、ここまでですww
意地悪でごめんなさいm(_ _)m
>156さん
グローバル…ですかねww(この言葉、ケメ子思い出す)
意外に色んなところにヲタが隠れてますよねww
ありがとうございます、翻訳なんとか頑張ります!
- 195 名前:& ◆PrwWhipQ0w 投稿日:2007/09/16(日) 05:03
-
あ、181のところは「気持ちを素直に言葉にした。」っていうんです。
ごめんなさい
- 196 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/20(木) 09:26
- 更新待ってますよー!
頑張って下さい。
- 197 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:55
-
- 198 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:56
-
「石川さん… あたしたち、ちょっと訊きたいことあります」
「訊きたいこと?」
岡田がもう少し近づいて小さい声で話す。
「あのぉ…噂があるんですけどぉ… 石川さんと吉澤さんのことで…」
「付き合ってるんじゃないかって」
岡田とは対照的に、直球を投げる三好。
「あのね、あたし達が加入した頃からその噂があるけどなにもないのよ?
大丈夫よ、心配なくていいからね?」
そう言われても納得出来なくて、「でも…」と言おうとした岡田の声が
後ろの廊下から聴こえてくる騒音によって塞がられた。
次の瞬間、それは凄い速さで起きた。
なにがなんだか、その状況を理解した時にはもう手遅れだった。
「んのやろーがーーっ!!!」
- 199 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:57
-
全てが突然すぎて、石川は殴られたことさえも分からなかった。
気付いたときには既に倒れていて、鼻から血を流して、
もう一度殴りかかってくる藤本から逃げることしか出来なかった。
しかし、運良く、藤本が背中から誰かに捕まれた。
「ミキティ、やめて!落ち着いてよ!!…ミキっ!!」
後藤の腕の中に冷静さを失った藤本が暴れて怒鳴り続ける。
「ごっちん、離せ!!コイツに遊ばれてもう頭にキてんだよ!!離せえ!!」
「ちょっ、聞いて!ミキティの気持ちわかるよ、
でも、だからってそれで人を殴っちゃダメだよ!落ち着いてって!!」
石川が岡田と三好に支えられて立つ。
ニヤけた顔で。
「そうだよ、ごっつぁんの言ってること聞いたほうがいいんだよ、ね?真希ちゃん」
「梨華ちゃんの言うことなんか気にしないで、ミキティを怒らせようとしてるだけだよ」
「でもコイツが亜弥ちゃんを利用してんだよ!!」
そして、計らったかのように松浦が現れてその場の状況を見た。
石川の鼻に血、怒りで溢れてる藤本、そんな藤本を止めようとしてる後藤。
自分の名前を聞いた時、これ以上悪くなると確信した。
- 200 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:58
-
「あたし、亜弥ちゃんを利用なんてしてない
亜弥ちゃんが自分の気持ちを素直に受け止めるの手伝っただけ」
「り、梨華ちゃん…やめて…」
「最初は恥ずかしかったみたいけど…」
鼻から流れてきた血を拭いて続く。
「…ウィークポイント当てたら大胆になってきたのよね〜」
全員がその目を見開いて石川に向いた。
藤本の身体に緊張が走ってたのを後藤の腕に伝わる。
「可愛い声を聞いてすごく気持ちよさそうだったのよねぇ…」
「うん、いいよ。離してあげる、ミキティ」
後藤が離した時、他の全員が来るであろう攻撃から逃げるように後ろに下がった。
しかし、藤本は動かなかった。
ひどく哀しい目で松浦をジーッと見つめ、何も言わずに去っていった。
松浦がその背中を追おうとしたけれど後藤に止められた。
「追いかけなきゃ…話してちゃんと説明しなきゃ……」
「今追いかけたらミキティに叩かれてもう二度と口聞かなくなるよ…
……あと、…そこのアンタ…」
泣きじゃくる松浦から石川に向く。
「…笑うのにまだ早いよ、アンタが勝ったわけじゃないから」
美勇伝の3人を残して、松浦をつれて後ろの廊下に消えた。
- 201 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:58
-
「今の…なんだったの…?」
三好は、目の前に起きた事件に戸惑ってる岡田から
自分達のリーダーへと視線を移った。
「…行こ、梨華ちゃん。それ、やってあげるよ…」
- 202 名前:23 投稿日:2007/09/22(土) 03:59
-
- 203 名前:24 投稿日:2007/09/22(土) 03:59
-
- 204 名前:24 投稿日:2007/09/22(土) 04:00
-
吉澤は心配してた。
松浦と藤本が出て行ったときから時間が随分経てて、帰ってくる気配無し。
そして、石川も見かけなかったから悪い予感がしてたまらなかった。
通っていた一人のスタッフをちょっと止めて聞いてみた。
「すいません、藤本さん見ました?」
「え、…あぁ、そうですね、先4階にいましたよ」
(4階…?なんであそこにいるん……あっ!)
「ありがとうございます!」
そう聞いて、確信した。やっぱり何かあったんだろう。
普段4階に用事がない彼女達だから藤本が行く理由は一つだけ、
中澤の言ったとおり、一人になりたかったらあそこしかない。
- 205 名前:24 投稿日:2007/09/22(土) 04:00
-
部屋に着いた時ドアは閉じてた、けれど、鍵がかけてなかった。
「美貴?」
尋ねながら電気点けて、そこに彼女がいた。
床に座って膝に顔を埋めたまま右手に氷のうを当ててた。
「どしたの?」
彼女の前に膝をついてもう一度優しく聞いた。
「どしたんだ、この手?」
「アイツの顔に当てた」
「梨華ちゃんを殴っちゃったの?!」
「らしい……っていうか、鼻折れちゃったよ、たぶん」
顔を少し上げて、真っ赤な目で吉澤を見つめると、訊かれる前に自分で進んだ。
「亜弥ちゃんとヤったの…」
「…ぇ……」
何を言えば良いのかわからなかった。
藤本は松浦が好きって知ってるし、それはずっと変わらないこともわかってた。
今の自分に出来ることは彼女の隣に座って慰めること。
「おいで」
後ろから腕をまわして寄せ付けると、藤本が頭を肩に乗せた。
「なんでなの…今よっちゃんといるのに、よっちゃんのこと好きなのに
亜弥ちゃんまた美貴を傷つけるんだよ…美貴が悪いの?…こんなに辛くなくちゃなんないの…?」
「違うよ、そんなこと考えんなよ…あり得ないから」
- 206 名前:24 投稿日:2007/09/22(土) 04:01
-
数分経って、藤本が落ち着いて眠りに落ちた。
疲労も彼女を苦しめてた。
頬に残された涙の後を優しく拭いて
自分の中で膨らんでる罪悪感と責任の重さに耐えていた。
(あたしのセイなのに…なんもしてあげられなくて…ゴメン……)
「好きだよ」
眠ってる彼女の唇の隙間から小さくその返事が返ってきた。
「美貴も好きだよ」
- 207 名前:24 投稿日:2007/09/22(土) 04:02
-
- 208 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:02
-
- 209 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:03
-
「あんなことありえない!」
「落ち着いてよ」
「落ち着けるわけないでしょ!!見てよ、これ!」
「そんなに悪くないよ」
興奮を治まらないリーダーを再びイスに座らせた。
「少なくとも折れてないから」
「病院行った方がいいんじゃないですか?」
「大丈夫だよ、鼻血だけなんだから」
隣でそわそわして不安そうに2人を見つめる岡田に向いて
内心呆れていても優しい表情を作ってしまう三好。
「それより、これもうちょっと持ってきてくれる?できれば氷も」
「うん…わかった」
岡田が部屋を出て行くと、
三好が腕を下ろして石川をジーっと見つめてた。
- 210 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:03
-
「藤本さんにあんなこと言って何考えてんの?それだけで済まなかったかもよ」
「アイツはこれ以上何も出来ないのよ。動物と一緒だから」
「でも傷付けられた動物は一番危ないって。
梨華ちゃんならそれをわかりきってるはずだよね」
- 211 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:04
-
*****
- 212 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:04
-
あれからずっと涙流し続ける松浦が落ち着いて泣き止むのを待って一時間近く。
「大丈夫?」
松浦が頷くだけ。
「うん、じゃぁ教えてよ…なんでアイツに抱かれなきゃなんなかったんだよ!」
「お…怒らないで…」
怖がってる表情を見せられて
後藤は冷静になって、一つ深呼吸をした。
「ごめん…なんであんなことしたのか、話してくれる?」
話し始める前に、一度自分を混乱からなんとか取り戻そうとして少し間を置いた。
全てにいっぱいいっぱいで頭が回らなくて、怒鳴られたら何にもならない。
- 213 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:05
-
「あれは… あれは、たんだったの」
恥ずかしそうに答える松浦。
「え?」
「梨華ちゃんじゃない…みきたんだったの」
「でも…なんで梨華ちゃんがあんなこと言ったの?ウソだったってこと?」
「ううん…」
「ちょっと待って…待っててね…あたしついてけないみたい…」
頭の中で何とか整理しようとしたが、
どうしてもピースとパズルが合わなかったらしい。
「…もっかい話してくれる?あたしホントにわからない…」
松浦がまた取り乱し始めて、目に涙が戻ってきた。
「みきたんに近づくの怖くて、
だから梨華ちゃんがあたしは美貴ちゃんって想像してって言ってて
そしたらキスしてきてあたし本当にたんのこと好きだから何もわかんなくって結局あんなことしちゃってだから今」
「まっつー、息して」
そして、唐突に松浦に抱きしめられた後藤が驚いた。
泣きすする松浦がとても小さく感じて、慰めることしか何も出来なかった。
松浦から少し離れて顔を覗き込んだ。
「…まっつーの気持ちもわかるよ
でも、梨華ちゃんにそれを利用させられちゃダメだよ…」
- 214 名前:25 投稿日:2007/09/22(土) 04:05
-
- 215 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:05
-
- 216 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:06
-
「どう?この作戦でいいんじゃない?」
「ん〜、わかんないよ、まこちゃん…もし見つかられちゃったらどうしよう」
「確かにその可能性もある、でもみんなも何が起きてるのか知りたくないの?
いいか、これはモーニングの安全のためだよ」
全員が小川を見つめたけれど、田中だけがみんなの思ってることを口にした。
「まこちゃん…これはれいな達のためじゃないってみんなわかっとるんよ
まこちゃんはなぜ吉澤さんがまこちゃんのことかまったげないんかを知りたいんだけっちゃろー」
小川が何か言おうとしたが、田中は更に続ける。
「あと、ほんとーにグループを思っとるんなら愛ちゃんとガキさんのことも話そよ」
そして、視線が田中と小川から高橋と新垣へと変わった。
- 217 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:07
-
「へ?!なに?なに言ってんの、田中っち!」
「だって、二日前、ガキさんたちのせいでれいな眠れんかったんよ」
「あーし、れいなの言っとること全然わからんよ」
「あ、そうっすか?じゃ、たぶん”そう、そう!もっと!もっとはよぉ、里沙ぁ!”とか
覚えないんですか?」
指摘された二人が見つめあうと、顔が段々赤くなってくる。
「声出しちゃダメって言ったじゃん!」
「だって、我慢できんもん!」
「今度お仕置きしちゃうぞ?」
「あ、ほんとー?」
いちゃついてる2人を放っとくことにして小川が話を戻した。
「えっと、…じゃあ、この2人は後回しってことで、まずは吉澤さんだよ!」
- 218 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:07
-
*****
- 219 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:08
-
スタジオの反対側で3人がそのコたちを好奇心の目で眺めていた。
「何をあんな真剣に話してるの?」
「よっさんのダークサイドが気になるらしい」
「よっちゃんがそんなの持ってんの?!」
中澤は腕を組んでニヤッとする。
「いや、よっさんのプライベートを知りたいだけ。
最近、ちょっと色々あるみたいんやけど、そんで心配しとるんや」
「裕ちゃんわかるんでしょ?よしこ達のこと」
「恋しとるんや…危ないもんやわ」
「また石川?」
「藤本」
- 220 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:08
-
安倍が話についていこうとして保田と中澤を交換に見てたけれど、
もう既に迷っていた。
「待って、誰が誰に恋してるの?」
「よっさんと藤本。でも、石川と何かしらあったから、ウチも心配してんねん」
「最後にリハーサルに行ったのは三日前だったよ…石川と話した方がいいんじゃない?」
「いや、口出したくないんや…まだ」
実は、言った以上に中澤は心配していた。
石川の最近の行動の裏には何かを感じ取れていていい予感はしなかった。
「よっさんが自分で解決できるといいけど…」
- 221 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:08
-
- 222 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:08
-
- 223 名前:26 投稿日:2007/09/22(土) 04:17
-
>196さん
ありがとうございます!
今週に限って忙しくて、ちょっと遅れちゃいました(汗
今度の更新は日曜日です。
ごっちん誕生日ってことですからスペシャル〜。
まぁ、28までですけどね…
計ってたようにもみえますけど、本当に偶然ですよね〜…
ps。切ないっす!
- 224 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/22(土) 04:22
- psのps。
名前書くの忘れちゃった…はぁ〜
あと、れいな・愛ちゃん・中澤姐さんのなまりがよくわからなくて、
たぶん酷いもんになっちゃったけど、どうかご勘弁を…
- 225 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/22(土) 09:52
- 更新お疲れ様です!
いろんなメンバーが出て来て面白くなって来ましたw
まことが笑えるw
訳とか本当に難しいと思うのですが、
りあぷるさんのセンスで、ニュアンスを表現しても大丈夫だと思います。
日本語の標準語しか知らない自分が偉そうにすいませんm(__)m
- 226 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/22(土) 20:40
- 毎回、読んでます!!!
続きがすごく気になります・・・
私はみきよしが大好きです!!!
1つ教えてもらいたことがあるんですけど・・・
りるあぷさんの ブログってどこにあるんですか???
ぜひぜひ見てみたいんです。
お願いします!!!
- 227 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/22(土) 22:20
-
- 228 名前:27 投稿日:2007/09/23(日) 02:20
-
- 229 名前:27 投稿日:2007/09/23(日) 02:21
-
何回鏡を見てもしようがないことだった。まだそこにあった。
いくらメイクで隠そうとしても、まだ鼻の周りに大きな痣が見えていた。
そして見る度にイライラが増すだけ。
何とかしなければ、早くしなければ…問題は何をすれば良いのか。
今まで何かを起こすと、それは結局吉澤と藤本をより近づかせるという始末。
何をすれば良いのか……
その答えはドアのノックと一緒に訪れてきた。
- 230 名前:27 投稿日:2007/09/23(日) 02:22
-
「何しに来たの?」
「電話に出なかったから」
「怒ってないの?」
その質問の応えは石川の頬に平手打ちだった。
「いったぁ!まだ痛いのよ!」
「自業自得。たんは口聞いてくれないのよ
何であたし達にこんなことしてんの?!」
「これは亜弥ちゃん達の問題じゃない。アイツもただ場違いなだけ」
「よっすぃが欲しいでしょ…」
石川が松浦を見ると、物凄い面白いことを聞いたみたいに笑い出した。
「誰が欲しがらない?よっちゃんはカッコよくて優しくて可愛いし
だからみんなよっちゃんのこと好きになるの。でも、よっちゃんはズルい
それを知ってて自分の都合良く使っちゃうから」
その言い方、石川の語り方は彼女が本当に深く傷ついているとわからせる。
少なくとも、松浦にはそう感じ取れていた。
- 231 名前:27 投稿日:2007/09/23(日) 02:23
-
「だからここにいる」
「なんで?」
「みきたんが傷つくのを見たくないから」
石川は一瞬耳を疑った。
あの松浦亜弥が自分の企みに絡みたいのか?
「嘘を吐かなくちゃなんないかもよ…」
松浦の意思を確かめるため訊き返す。
「わかってる」
「それいいの?」
「たんが一番大切な人だから」
次第に、愛は確かに人をズルくする。
彼女は嘘を吐いた、明らかに彼女を利用していた、なのに、松浦がこっち側に廻したい。
だから恋をするのはとても危険なことでもある。好きな人を手に入るために何でもする。
だが、それは石川にとって良いこと。今は自分のような人が味方に持っていた。
「もう一つだけ」
「なに?」
「梨華ちゃんに協力するけど、その代わり、あたしに正直になって」
「いいでしょう」
「石川梨華の素顔を見せてよ」
二人の距離を一歩縮めて。
「なんでこんなことしてんのか教えて、なんでそんなに憎むの?」
「それは、亜弥ちゃんが知らなくてもいい、長い話だよ…」
- 232 名前:27 投稿日:2007/09/23(日) 02:23
-
- 233 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:24
-
- 234 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:24
-
部屋のドアが後ろでゆっくりと閉めていく。
鞄を床のそこら辺に置いて、電気も点けずに真っ直ぐと寝室に向う。
特に疲れてはいなかった、でも、
最近、色んな思い出を頭から追い出すのを寝るしか方法がないみたい。
忘れたことがなかったけれど、痛みが減っていった…
しかし、最近の出来事があの孤独感を連れ戻してきて、いつもに増して強くなっていた。
……
『なんでいつも1人なの?』
- 235 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:25
-
ーーーーー
- 236 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:26
-
「へ?」
後藤は目の前のコを驚いた表情で見つめた。
「あ…やぁ、すいません…わたしには関係ないですよね」
「あ、…大丈夫。ごとー、そんなこと聞かれたことないから、ちょっとビックリしただけ」
彼女は吉澤ひとみ、新メンバーの1人。
二人きりであまり話したことなかったから、その質問が会話の始まりだったのがちょっと可笑しかった。
今は恥ずかしそうにしてる。ピンクに染まる頬からわかった。
実際、後藤より何ヶ月か年上なのだが、
こうやってされると、何かに怖がってる小さな子供にしか見えなかった。
「たまには、1人でいるの好きなんだ」
後藤は、もし何も言わなければ吉澤が走り去っていって
もう二度と話しかけてこないだろうと確信した。
「よしざーも好きっすね…」
後藤の隣に腰をかけて、
そして二人は長い間何も言わずに、ただ静かに座っていた。
- 237 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:26
-
ーーーーー
- 238 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:27
-
(いつからこんなにキレイになったんだ…)
その夜、そればかり後藤の頭を占めていた。
吉澤に誘われて、前にも何回かみたいに、泊まることになったけど、
変なことを考え出したら、そこに一晩ずっといるのが
あまりいいアイディアじゃなかったかもと思い始めた。
「なんだ?」
後藤の視線を感じて尋ねきた吉澤。
身体が勝手に動き出して吉澤と初めて唇を重ねた。
後藤が自分のしていることに気付く数秒前の出来事だった。
「ごめん!」
後藤が離れようとしたが、
吉澤は腰に腕を廻してもう一度キスした、今度もっと深く。
突然、あのシャイな吉澤がまた顔を出した。
「キス…したことないんだよね」
喋りながら、息が後藤の唇を撫でる。
「ごとーも、はじめて」
吉澤に再び口付けて、今度はためらわずに、そして、その感覚に頭と身体をも任せた。
その夜、あれ以上の言葉は交わされなかった。
- 239 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:27
-
ーーーーー
- 240 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:28
-
「…ごめん……」
「でも、よっすぃのこと好きなんだよね?」
吉澤はただ頷いた。
「じゃ、大丈夫」
吉澤の頬を撫でながら応えた。
「それでよっすぃが幸せなら…」
長身の彼女の顔に一粒の涙が流れ始めた。
「ごっちんを失いたくない」
「大丈夫、失わないよ。ずっと傍にいるよ」
- 241 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:28
-
ーーーーー
- 242 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:29
-
『ずっと傍にいるよ』
ベッドに寝転がって顔を枕に埋める。
そして、すぐ、涙を止めることが出来なくなった。
「…ずっと………」
- 243 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:29
-
- 244 名前:28 投稿日:2007/09/23(日) 02:30
-
- 245 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/23(日) 02:52
-
>225さん
やっぱり、まことがどこでもそんなキャラですかねww
いいえ、いいえ!嬉しい言葉をありがとうございます!
>226さん
お、ありがとうございます!本当に嬉しいです!
みきよしいいですね〜
私のブログですか?恥ずかしいな〜wwあまり何もないし、大したことも書きませんけども(汗
でも、はい、ここです d.hatena.ne.jp/little−up/
いつでも来てください
ごっちん、誕生日おめでとう!22歳ですね〜
ちょっと切ないchapterでごめんなさい…
- 246 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:53
-
- 247 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:54
-
高橋はまるで悪魔に追われてるかのようにビデオルームへと走っていた。
ドアを開いた時メンバー達はもう待っていた。
「出来た?」
「うん…」
例のものを小川に手渡し、なんと回帰を正常に取り戻していた。
小川はテープを取ってビデオに向った。
「まことぉ!あーしにありがとうとかはないの?警備員さんとかはk…っと…」
「大丈夫」
新垣が高橋の首に腕をまわして可愛いフレンチキス。
「あたしがお礼してあげる」
「いやだ〜、キモ〜イ」
声を上げた田中に向って傷付けられた表情をする二人。
「あ、お二人さんじゃないですよ。この二人」
そして、田中はみんなが既に集中してるスクリーンを指差した。
- 248 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:54
-
「こっちが中澤さんなの?」
テレビを見ながら呟く亀井。
「えっ、二人何してん……あぁ……」
「ここ人いっぱいいるのに…な〜んでこのお方さんなんだ〜?!」
不思議そうに、不満そうにする小川。
「まぁ…ほら、…保田さんが、たぶん…なんか特別なところあるんじゃない?…」
とコメントする紺野だが、誰も納得しないそうだ。
「そこはもういいよ、まこっちゃん、とばしてっ」
小川は田中に同意してテープを変えた。
「それ、あたし達じゃん!」
新垣が目を見開いて大きな声を出す。
「あぁ…まこと、それコピーできる?」
「愛ちゃん、ヘンな趣味してるね」
「この仕事ぉする人が楽しいんじゃない?へへへ」
今度は田中が自分でテープを変えて、本来見にきたことを探し始めた。
- 249 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:55
-
「これだ!」
言いながら一時停止ボタンを押した。
みんながスクリーンに目を向く。
藤本が石川を殴った数日前のことだった。
「ほぉ、藤本さんやっぱりケンカ強いね」
「でも、なんでケンカしたんだろう?」
「見て見て!松浦さんもいる!」
と亀井がスクリーンの端にいる松浦を指差した。
「あぁ…そー言えば、亜弥ちゃんも最近ちょっとヘンかも…」
「ん〜…でも、これ、吉澤さんとどういう繋がるってことだよね」
小川は自分に問いかけるように呟いた。
もう、吉澤のことだけじゃない。
先輩達の間に大きな何かが起きてると感じられた。
- 250 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:55
-
「たぶん…吉澤さんと藤本さんがもっと…親密?…になってるから、かも…」
なんだか恥ずかしそうに言う道重に全員が振り返った。
「重さん、なんか知ってんの?」
と問う小川。
「今朝、二人を見たの…本っ当に、仲良いっていうか…」
「どのくらい?」
「あのぉ…き…キス、してたの……」
「ど〜〜してもっと早く私達に教えてくれなかったんだ〜!?」
叫びながら立ち上がった小川から逃げて、道重は亀井の後ろに身を隠そうとした。
新垣も立ち上がって、小川の肩に手を置いて落ち着くようにと座らせた。
「まこちぃがそれに取り付かれすぎて、さゆに言わせる時間もあげなかったから」
小川は道重に謝ると、数秒の間、全員が静かになった。
そして、紺野が話し始めた。
「二人が付き合ってるってことでしょ?」
全員が頷いた。
「…ミキティが石川さんに嫉妬したから殴ったのかも知れない…」
「そうかもね…」
全員がまたスクリーンを見つめた。見るものがまだまだたくさん残ってる…
- 251 名前:29 投稿日:2007/09/26(水) 17:56
-
- 252 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:56
-
- 253 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:57
-
『なんでそんなに憎むの?』
「憎んでなんかない…」
答えたくなかった松浦の質問が意地悪く頭の中にクルクル回る。
問題は憎むか憎まないかじゃない。
彼女をそれをやるようにと導いてるのは憎しみじゃない、
やる必要があるからなのだ。好きな人と愛しあう必要。
怨恨?最初はそうだったのかもしれない、
でも、誰が自分をひどく傷ついた人に対してそうは感じないのか?
- 254 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:57
-
ーーーーー
- 255 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:58
-
「そんなん泣くなよ…トレーニングだよ…」
「でも…」
「笑顔のが似合うよ、ほら」
親指で彼女の涙を拭いて、優しく話す。
「笑って」
彼女は何故か知らなかったが吉澤に触られると心が躍りだす。
彼女に触られるのは初めてのことでもないし、それに、
吉澤が誰にでも優しく接することがよく知っていたし、自分は特別なわけじゃない。
しかし、石川は自分の中に新しい気持ちが生まれるのにどうしようもなかった。
- 256 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:58
-
ーーーーー
- 257 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 17:59
-
「よっすぃ、ちょっといい?」
「あ、うん、いいよ」
暫くの間二人きりだったので、
石川は長い間隠してきた気持ちを伝えられるいい機会と思った。
「よっすぃは…あたしにとって大切な人だって、知ってるでしょ?」
緊張を表に出さないように俯いてゆっくりと話し出した。
「え?あ、あぁ…梨華ちゃんもあたしにとって大切だよ」
「だから、あたしが言いたいのは…最近、よっすぃが他の人よりも大切ってこと…」
彼女を見ながら、吉澤は戸惑っていた。
石川の言ってることと自分の思ってることは同じなわけない。
なので、うたがいを一つも残さないように尋ねた。
「何を言いたいの、梨華ちゃん?」
バカなことや感傷的なことを言いたくなかった、
吉澤はそういう類のことが苦手だと知っていたから。
それが何か別のことをやらなくちゃと思った理由。
この場合、言葉よりも行動の方が伝わりやすい。
吉澤にキスして、身体が間違いじゃないと石川に教えた、
自分は本当にこのコに恋してるんだと。
しかし、吉澤が口付けを止まらせたとき、彼女は遅れてたと知った。
- 258 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:00
-
ーーーーー
- 259 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:00
-
毎日がとても長く感じていた。
吉澤を見る度に、石川はどこかに隠れたい、消えたいと思ってた。
どうして今まであの二人の子と気付いてなかったんだろう?
二人の互いを見つめ合うところや態度…
吉澤は後藤に対して友情以上の気持ちを抱かれていたのは明らかだった。
罪悪感に襲われて、石川は吉澤から逃げて二人きりになるのを避けた。
ある日まで。
石川をホールに見つけて、吉澤は走り出して彼女を壁に押して、
顔の距離が数センチのところで出だした。
「梨華ちゃんのこと、頭から放れられない…」
- 260 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:01
-
ーーーーー
- 261 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:02
-
「何度言ったらわかんだよ!
あたしは梨華ちゃんだけだよ!梨華ちゃん以外誰もいらないって!」
「じゃどうして他のコに手出すのよ?!」
「手ぇなんか出してねーよ!も〜〜!!」
石川は泣いていた。
そのことで初めてのケンカではなかった、けれど、彼女はどうしようもなかった
吉澤が他の人と一緒にいるのを見てヤキモチを抑えられなかった。
それは自分よりも強い。
彼女は不安だった。彼女はまだ出来ないことを吉澤が必要としていたのをわかっていた。
もしかしたら彼女はやりすぎてた、でも、ある人が言ったように、
隠すことがないならどうしてそこまで怒るのか?
「もう疲れたよ…」
言いながら吉澤は玄関へと向った。
「どこ行くの?」
と慌てて訊いた。
「今は…ここにいられない…」
そして、ドアが音をたてて閉まった。
- 262 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:02
-
ーーーーー
- 263 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:03
-
「ほらね?ウソじゃなかったでしょ?」
石川は吉澤が数分前にいた後藤のドアを見つめていた。
「梨華ちゃんを騙してアイツとねてるんだよ」
「いや…」
涙が顔に線を描いて流れてた。
「いや……」
- 264 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:03
-
ーーーーー
- 265 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:04
-
「ごめ…梨華ちゃん、ごめん…」
襲撃すぎてた。泣きながら吉澤を見て、なぜと訊くことしか出来ないでいた。
「…ごめん……」
涙目に再び謝った。
「出てって……」
聞こえないほどの小さな声で呟いた石川。
「…お願い……」
- 266 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:04
-
ーーーーー
- 267 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:05
-
あの夜はまだ心の奥に深く刻み込んでいた。
いくら痛くても、目を瞑ると吉澤が傍にいると感じるから
彼女は忘れたりはしなかった。忘れたくなかった。
- 268 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:05
-
- 269 名前:30 投稿日:2007/09/26(水) 18:05
-
- 270 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/26(水) 18:09
-
今回はごろきーずと梨華ちゃん過去編でした
今度の更新は週末になると思います…訳す時間がなくて困ってます…(汗
- 271 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/27(木) 06:33
- ごめん話の流れが全く解らない。
訳者は日本人ですよね?翻訳ソフトみたいな文章で気持ち悪い。
せっかくのお話なんだから、読者にきちんと伝わるようにしてあげて下さい。
- 272 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/27(木) 12:18
- 今回の更新は分かりませんでした(?_?)
現在の話なのか、過去の話なのか・・・
あと主語?誰と誰が向き合って会話行動をしているのか?
訳者さんは日本語ネイティブではないですよ。
多分原作(スペイン語)が複雑な造りになっていると思われますが、
私は興味があるので応援しています。
まずは、いつどこで、誰が何をしているのか?
が、分かり辛いですね・・・
はっきり表現されても単純になってしまうのですが・・・
次の更新で今回の謎が明かされる事に期待します。
更新の区切りなんかも重要ですね〜
長々とすみませんが頑張って下さい!!
- 273 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/27(木) 13:09
- こんにちわ
えっと…今回の更新と、もしかしたら前回の更新もそうなのかも知れませんけれど、
複雑にしてしまいましたそうで、すみませんでした。
ん〜、やっぱり先に説明すればよかったですよね…
28と30話はごっちんと梨華ちゃんの過去?っていうか、思い出っていうか…
その中に色んな思い出が出てきますけれど、
「ーーーーー」で別れてるんです、ちょっとわかり辛くありますけど…
最初の「ーーーーー」まではまだ”現在形”、
その次の「ーーーーー」までの部分は4期が加入した頃の思い出みたいな、
それから、次から次へとだんだんとその思い出が現在に近づいてく来ます。
これからはそういうのをまだ1か2話もありますが、その時はちゃんと前に説明して、翻訳も努力します。
あと、たまに出る梨華ちゃんと関係のある人ですが、あえてその人は誰だかを書きません。
また何かわからないところありましたらいつでも聞いて下さい、出来るだけ説明とかしますので…
- 274 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/27(木) 16:43
- 翻訳頑張って下さい!!
- 275 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/09/30(日) 10:53
- 272です。
ご説明ありがとうございます!
自分は読解力に欠ける面が多々ありますので^^;
ストーリーを妨げない程度に、最低限で良いので、解説など頂けると
有り難いです・・・
このストーリーには惹かれています!
大変だと思いますが頑張って下さい!
- 276 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:08
-
- 277 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:09
-
外れた音符が後藤の耳に響いて、脳みそを揺する。
「今日、集中してないね〜」
「ハァ〜…」
吉澤は重いため息を吐いて、両手をピアノの鍵盤に落とした。
そんな彼女にやわらかい笑顔を向けながら、
もう既に答えと原因を知っているが、それでも訊いてしまう後藤。
「脳みそに何がつめ込んでるの?」
「ミキティ…」
「相変わらずだねぇ…」
「…梨華ちゃんも……あややも…」
「なに?まっつーのことも好きになったの?」
つまらない冗談を言う後藤を睨むと、
吉澤はまたピアノの鍵に目を向いて正しい音符を思い出そうとする。
- 278 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:10
-
「ばーか…」
「ごめんよ〜」
謝ると吉澤のように鍵盤に目を向く後藤。
「でも、よっすぃの言いたいことわかるよ…あの日の後じゃね〜…」
「今日、GAMの仕事あってさ、ミキティ心配してたし」
吉澤の手が動いて、ピアノから優しいメロディを部屋に響かせる。
後藤も伴おうと思って向き直したが、そこであることに気付き、
思わずその疑問を口したら、吉澤も手を止めた。
「これ、なに?」
「えっ?なにが?」
「I Wishじゃないよ」
二人は少し混乱したまま見つめあって、そして再びピアノを見る…
- 279 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:11
-
*****
- 280 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:12
-
「はい、お疲れ様ー!」
周りのスタッフがあっちこっち動いて、セットを片付いたり、整理したりしてる中、
女のコ二人は並んでいるだけで、無口。
朝から挨拶や最低限必要なことだけ言葉交わされて、それからずっと静かな彼女達。
あの二人のことだから言うまでもなく、何かあったのだ。
「いつまであたしを避けるつもり?」
なんとか勇気を出して、問いつめた松浦。
しかし、藤本は彼女を振り返ろうともせず、そこから去ろうとしたので
松浦が慌てて彼女に手を伸ばす。
「みきたんをこんなに傷つくとは思わなくて…」
「だからアイツとヤったの?」
今度は応えた藤本だったが、
そこにはキツイ目つきの彼女が自分だけに向けるいつもの優しい眼差しじゃなく、
冷たい声とともに、怒りに満ち溢れた目だけがあった。
- 281 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:12
-
「あのキスのことで落ち込んでて…、それで、なんか知らないけど、
梨華ちゃんがそれを使って孤独だって思わせて…」
「言い訳だよ」
「言い訳でもいいから、あたしは大事な親友を失いたくないだけだよ」
硬い表情も守勢の態度も和らいで、
松浦の言葉がどうにか藤本の凍り付いてた心を動かしたみたい。
「今は友達としてしか付き合えないよ、亜弥ちゃんわかってる?」
「わかってる」
「…じゃ、あれはもう、全部忘れよ。これからは今まで通りで」
何も言えずに、松浦は答えとして彼女を強く抱きしめることしか出来なかった。
「うん、もう大丈夫だよ…」
声も息もほとんど出来ずに、小さく小さく呟く藤本。
「はい、着替えよ」
「あ、ちょっと忘れ物しちゃったから、先に行って」
藤本が頷いて、数メートロ後ろにある楽屋に入った。
彼女を見届けてから、松浦はポケットから携帯電話を取り出し、
ある番号を探して、そして通話ボタンを押した。
- 282 名前:31 投稿日:2007/09/30(日) 17:12
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- 283 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:13
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- 284 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:13
-
ダンスレッスンのためメンバー達のいるであろう部屋へと向う途中、
吉澤の前に思い掛けなかった人が唐突に現れた。
しかし、突然の接近でも回避しない。
自分よりいくつか小さい彼女を依然として冷たく見下ろす。
「あたしに逢えて嬉しい?」
「別に」
「冷たいな、よっちゃん」
言いながら吉澤に近づく彼女。
「あなたの可愛い彼女さんに襲われたあたしを
少しでも心配してもいいんじゃないの?」
「いいんじゃねーの?生きてけるみたいだし」
胃に右キックを食らうみたいに石川には痛い返答だった。
だが、そこで諦める彼女ではない。
「何で今日そんなに冷たくしてるの?」
誰もいないことを機に、彼女の首に腕をまわす。
吉澤といえば、髪一本も動かない。
「今日はお前に付き合う暇ないから」
キックをもう一本。
吉澤の態度がそろそろ石川の気に触れ始めてた。
- 285 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:14
-
吉澤は彼女とどうにもならない言い合いに疲れて、
石川の腕から自身を解放して、再びみんなの元へと向おうとした。
そんな彼女を止めるため、石川は最後の手段に出た。
「よっちゃんはさぁ…あたし達の秘密を、もう美貴ちゃんに話したの?」
足音がぴたっと止まった。
吉澤はその展開を予想しなかった。
「まぁ、…美貴ちゃんは自分の恋人の本当の姿を知りたがると思うし、でしょ?」
吉澤が驚いて固まってることを好機に、石川は再び彼女を抱きしめる。
何センチか背の低い彼女の体温が背中に伝うと、鳥肌が立った。
信じられなかった。石川があのことを持ち出してくるなんて、信じられなかった。
「あたし達の……」
「そうよ…だからよっちゃんはあたしのものなのよ」
- 286 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:14
-
*****
- 287 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:14
-
藤本は彼女の態度を喜んでいいかどうかわからないでいた。
朝の出来事から松浦はずっと嬉しそうに笑ってる…フられた人にしては嬉しすぎるほど。
石川事件が起きたことないみたいに。
一緒にご飯食べて、くだらない話もして、そして、前みたいに仲良く手を繋いで歩いてる。
どうしようもなく、違和感を感じる…
(もしかしたら、好きじゃなかったかも…
美貴が避けてたから気になって妬いてただけのかも知んない…)
松浦のこと疑問に思いながら歩いてると、どこか近くから話し声が聴こえてきた。
「…あたし達の秘密を、もう美貴ちゃんに話したの?」
止まった藤本に近づいて、松浦も止まる。
石川の声に引きつった藤本の表情を覗って、内心面白がる。
「あたし達の……」
(…なんなんだ……?)
- 288 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:15
-
- 289 名前:32 投稿日:2007/09/30(日) 17:15
-
- 290 名前:りるあぷ 投稿日:2007/09/30(日) 17:16
-
つづきは後ほど!
- 291 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/01(月) 01:13
- 気になる〜!! 待ってます!! 大変だと思いますけど、頑張ってください!!!
- 292 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/01(月) 01:55
- >>291
多分いつもレスつけてる人だよね?
レスするのはいいけどあなたがあげる度に作者さんが落としてるのに気付こうね
他の人にも迷惑だから案内板を読みましょう
- 293 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:33
-
- 294 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:34
-
「で、…あややと大丈夫だった?」
「まぁ…」
「え、どうした?仲直りしたんじゃないの?」
藤本は電気を消して吉澤の隣に寝た。
「うん、でも…よくわかんない、なんか変だよね」
吉澤の胸に頭を乗せて、腕もその腰にまわして、甘える藤本。
「全部忘れて友達に戻ろうって言ったのは美貴なのに、
でも、あれがあってさ、前みたいに亜弥ちゃんのこと信じらんないと思う。
なんか、…美貴の信じてる人が、実は美貴に嘘吐いてんのとか、秘密持ってんのとか、
…一番嫌なの…」
吉澤は何故かよく分からなかったが、
藤本の言ってることは松浦に向けてだけのことじゃなかったと感じ、
数時間前に石川と話したことを思い出してしまった。
藤本に全てを話すことも考えたけれど、
あれは自分と石川の間のコトで…忘れられないコトで…
いくら忘れようとしたって、あのコトをずっと、いつまでも背負っていくのだろう…
- 295 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:35
-
藤本は吉澤の変化に気付いて、彼女の頬に手を伸ばして
撫でながら、その整った顔を眺めた。
石川の言葉を思い出して、すぐにでも訊きたかったけど、グッと抑えて我慢した。
「どしたの?」
吉澤は頬を撫でられてる手を取って、藤本の目を真剣に見つめた。
「一つ約束して欲しい」
「え?なに?」
「もし、いつか美貴を傷つくような事をしたら、全力であたしを叩いて」
吉澤の願いを聞いて笑ってしまったけれど、藤本は頷いて受け止めた。
「今、よっちゃんが変だよ」
「変なの?」
「うん。なんかあったら美貴に話していいよ…」
しかし、吉澤が少し眉をひそめたのを見て話題を変えようと決めた。
「…それか、全部忘れて美貴とえっちしよ」
- 296 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:36
-
藤本の出した提案に方眉を上げる吉澤。
頭を埋め尽くしてる全てが吉澤の気をそんなことから遠ざかって
寝ることだけを望ませるはずだが、
目の前の彼女の何かが自分を刺激して、抵抗できなくなる。
反応がない様子を見た藤本はもう諦めて寝ようとした時、
吉澤がやっと動き出して、彼女の上に四つんばいになった。
「何でそんなことできるんだろぅ…」
「何が?」
彼女を見上げて、藤本がニヤっとする。
「何でそんな、セリフ一つだけであたしをスイッチオンにできるんだろう?」
- 297 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:36
-
*****
- 298 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:37
-
「あたし達の話を聴こえちゃったの?」
電話の向こう側の相手に聞き返す石川。
『うん、そん時の顔もすごかったよ』
「ちょっと予想外だけど、こっちとしては有利だね。
で、その後美貴ちゃんなんか言った?」
『ううん、話したくなかったし。でも、その秘密のことは結構ショックだったと思う』
石川は何か考えてるのか返事が返って来ず、
会話は数秒間途切れた。
『その秘密を教えてくんないんでしょ?』
「当たり前よ」
『まぁ、別にいいけど。でも、早くなんかしなきゃ…』
「うん、ちょっと考えさせて。それを使えると思うし…」
石川は携帯をしまって、
今夜は眠れそうにないと思いながら、頭を枕に休んだ。
- 299 名前:33 投稿日:2007/10/01(月) 02:37
-
- 300 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:38
-
- 301 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:38
-
「ここに来るんじゃなかった…」
「やめる?」
「ううん…でも、ほら、カメラとかあるし…」
「その方が面白いんやろー?」
言葉のあとに来た口付けが新垣に答えることを許さない。
「嫌やとか言わんでよね…」
「愛ちゃんって本当に変だよ」
高橋の目を愛しく見つめると、口元がニヤっとする。
「ホンマはそこが好きなくせに」
ふたりはいちゃいちゃついて再びキスしようとしたら、
外から近づいてくる足音が聴こえてきた。
新垣は高橋を引っ張って、素早く彼女と一緒に部屋の押入れに入った。
そのドアが完全に閉める前に、新垣は部屋に入ってる二人の女の人影が見えた。
- 302 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:39
-
「あぁ…こんなのしたことないね…」
新垣の髪を撫でて遊びながら、言う高橋。
「シーーーっ…向こうの話を聴きたい」
『どう?最近』
『いつも通りだけど』
『本当に?ここ何日かあたしを避けてる気がして』
『あたし、アンタのことを考えるより
他にやんなきゃいけないこといっぱいあるのよ』
「今のって、石川さんやない?」
既に外の会話に興味を示した高橋が聞いた。
「多分そうだけど…よく聞き取れない…」
「見てみよ…」
二人のいる押入れのドアをほんの少し開いて、
高橋はその隙間から外の状況をうかがう。
- 303 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:40
-
『思い通りにいかないからイライラしてるんでしょ?』
『そんなことないから』
『じゃ、どうしてこの前、吉澤さんと藤本さんがあんなにラブラブだったの?
自分達の関係すら隠す気ないみたいだったし…』
その言葉に石川は傷ついた。
その人が自分のこの状況を見て、楽しんでるように見えてた。
『あたしを手伝うの?それとも、バカにするの?』
『もちろん手伝うよ』
石川を腰から寄せ付けるその人。
『最初からずっと梨華ちゃんの味方でいたのは私だけだよね』
言うと、キスしようとしたが、石川は避けて身体を離した。
『今はダメ、三好ちゃん。もう行かなきゃ…』
「何があったの?愛ちゃん、あたしも見たい」
「ガキさん信じられんよ…」
「へ?…なに?なに?」
そして、石川の去っていく音が二人の耳に届いた。
- 304 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:41
-
『あのバカ…私の全部やったことの後でも、まだ吉澤が好きだなんて…
でも、諦めさせないなぁ、じゃないと全部ダメになっちゃう…』
「なんで1人で喋ってんの?」
「で変なのはあーしやね…」
三好が出て行くと、パタンとドアの音が響いて、
そして、5期の最年長と最年少が再び二人きりになった。
「行こ…」
言いながら、押入れのドアを開く最年少。
「今のまこちぃに伝わなきゃ」
しかし、出て行く前に、高橋が新垣の腕を掴んで、また中に引き戻した。
「待て…」
と彼女の耳元で囁く最年長。
「まだ終わらなきゃあかんことあるんやろー…」
- 305 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:41
-
- 306 名前:34 投稿日:2007/10/01(月) 02:41
-
- 307 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/01(月) 03:01
-
>271さん
えっと、前回でのわからないところを解決できたらなと思います。
翻訳もっと頑張りますので、よかったらこれからよろしくお願いします。
>272さん
いいえいいえ!こちらのミスでしたので…
また何かわかり辛いところや、わからないことありましたら
何でも聞いてください!
応援ありがとうございます!
>274さん、291さん
ありがとうございます!期待に応えるようがんばります!
後、すみません…あの、sageで行きたいと思っておりますんで、よろしくお願いします
>292さん
あ、どうも、すいませんね…落としてくれてありがとうございます
はい、ちょっと遅くなっちゃったなぁ…
で、”あのひと”はあの人でした〜〜!!ww
次回の更新で新登場者あります(←なんか変な文…
- 308 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/01(月) 07:08
- 上げる前に一度読み返したらどうでしょう?
誤字が多すぎて時々「はぁ〜??」ってなるので
- 309 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/01(月) 10:14
- すっきりしました!
やっぱり三好ちゃんでしたかw
本当に悪いのは・・・梨華ちゃんじゃなくてよっしー?
- 310 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/02(火) 05:25
- ひどいよ
日本語おかしすぎ
- 311 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/04(木) 12:50
- いくら謝っても嫌な文を書き続けるとすみませんじゃ済ませないと思って、
原作の作者さんにも失礼ですし、私もこのままじゃ嫌です…
なので、えーっと、なんとかします!更新のペースは…遅くなりますけれども…
では、しばらくの間、失礼します
- 312 名前:残念 投稿日:2007/10/05(金) 05:37
- 誤字くらいいいじゃないですか別に
楽しみにしてたのになあ
- 313 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/05(金) 22:18
-
- 314 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 00:59
-
何か起きそう…今日は無事に帰れなさそう…
スタジオを出てってると、そんな予感がした。
そして、目の前に現れた見覚えのある二人の女性の姿を見て
恐れたことが現実になるとわかった。
「ふ〜じ〜も〜〜っちゃ〜ん!おいで〜!飲みぃくぞ〜!」
それは普段の誘いではなかった。
後輩の都合や意思をすべて無視して、中澤は藤本を車に押し込んだ。
「よしこを待った方がいいんじゃない?」
と笑いながら尋ねてみた保田。
「このまま藤本を連れてったらアイツ怒るよ?」
「いやっ!今日は美貴ちゃんと話しがあるんや」
藤本は恐れながらも中澤を見上げて、
既に答えを知っている質問だったが、なんとなく尋ねてみた。
「あのぉ…酔ってるんですか?」
- 315 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:00
-
*****
- 316 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:00
-
「ったく、どこいったんだよ」
もう一度電話してみる。
吉澤が掛けても電話に出ない藤本。これで4回目。
吉澤は怒るべきか心配すべきかわからないでいた。
特に約束はなかったけれど、帰りはお互いを待つことが習慣になっていったのだ。
しかし、藤本はそれよりも別のことに気を取られていた。
そんなこともなにも知らずに吉澤は5回目のコールをしようとしたが、
横から誰かが話かけてきた。
「お姫様見つからないの?」
松浦の低い声を聞いて吉澤はゾクゾクした。
それはきっと、友好的な会話の始まりではないでしょう。
「ミキティならもう帰ってると思うよ」
松浦と目を合わせるのを避けて答える吉澤。
- 317 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:01
-
「よっすぃはさ…みきたんに相応しくないよ」
「じゃ誰が相応しいと思う?何年間もずっと美貴の気持ちを無視してきたヤツがいいのか?」
言い合いは松浦の得意分野ではないと吉澤も知っていた。
でも、今日の彼女はそう簡単に諦めてくれそうにない。
「あたしはアンタのことをよくわかってるよ?ヒーローを演じたがるけど、本当は…」
「お前はあたしのなんも知らねーんだよ」
その話の先をよんで、すでに疲れて彼女の言葉を遮った。
「美貴があたしを選んだ。おまぇは自分のチャンスを失った。受け止めろよ」
吉澤は携帯をジャケットのポケットに突っ込んで、
何も言い返せない松浦を残してそこを去った。
- 318 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:01
-
*****
- 319 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:02
-
「…もう公認なの?」
「まぁ、何人かは知ってるんですけど、公認って言えるかどうかはわかんないです」
中澤はずっと訳のわからない質問を繰り返してきたが、
酔いがひどくなるにつれて真剣さも増してくるみたいだった。
「…〜とは、あれや…オレはよっさんこと好きや…違う、みんなよっさんこと好きなんや」
自分の発言を正すと、言ってることを主張するかのように保田を抱き寄せる酔っ払い。
「よっさんを傷つかせへんよ〜、みんなの大好きなよっさんを〜」
「わかってます」
藤本は中澤の目つきに怯えながら応えた。
中澤は保田を解放すると、珍しく接近遠慮気味な藤本に近づいた。
「じゃ〜、本気ならつんくさんに伝えといた方がえ〜んやで〜
他人から知られるよりはな」
- 320 名前:35 投稿日:2007/10/11(木) 01:02
-
- 321 名前:36 投稿日:2007/10/11(木) 01:03
-
- 322 名前:36 投稿日:2007/10/11(木) 01:03
-
吉澤は藤本の先輩2人組との”飲み会”のことを聞いて笑い止めれない。
「冗談じゃないよ」
藤本は真剣に言い放した。
「うん、そうだね」
それに気付いて吉澤も真剣に応えようとする。
「せめてあたしに言えばよかったよ、心配してt…」
「つんくの話だよ!」
「あ〜」
他人から見たら、藤本の機嫌が危うくなってると思われるが、
吉澤はちゃんと彼女のことを把握できていて、あまり気にしない。
「そんなバカっぽくあ〜とか言うな。どうしようよ!」
「わかったから、まず落ち着いて」
藤本の肩に両手を置いて、彼女を軽く揺する。
「それから、動揺しすぎ」
「動揺しすgん〜…」
背の高い彼女からの思いがけない口付けが
だんだんとそんな心配事を吹き飛ばせそうにも思えてきた。
- 323 名前:36 投稿日:2007/10/11(木) 01:04
-
「もう大丈夫?」
「んー…もうっかいキスしたら大丈夫かも…」
藤本がまだ目を瞑ったまま囁いた。
吉澤は彼女のリクエストに応えて、もう一度口付ける。短く、短すぎる。
意地悪くして彼女をせがませる。何も考えられなくなるまで欲望を刺激する。
藤本が全てを忘れてくれる方法。
しかし、今回はどうも効いてくれなかったみたい。
「よっちゃん…どうしよぉ…?」
止まって、吉澤は藤本を見つめた。
「伝えよう」
と真剣にこたえた。
「本当n…」
「今じゃないけど」
藤本の言葉を遮って説明を続く。
「報告に行く前に色んな問題を解決しないと」
- 324 名前:36 投稿日:2007/10/11(木) 01:05
-
藤本は少し離れて考え込んだ。
つんくに自分達のことを伝える案に抵抗あって、心地悪く感じてた。
「美貴達に…なんかしてくるとか、思わない?…」
「あたしが言えるのは、あたし達は初めての件じゃないんだよ
誰のこと言ってんのかわかるだろ?」
「つんくさん知ってんの?」
「何年か前に中澤さんが話した」
「で、何もなかったの?」
「中澤さんが教えてくれたことしか知らないけど、ちょっとは叱られたみたい
こう…同性ってのもあるんだけどね、あのぉ、メンバー同士だとか、バレたら大変なことになるとか、
いろいろ言われたけど、最後は、ね、認めたよ」
それを知って、藤本は落ち着いたみたいで、
自然に吉澤に抱きついた。
「とりあえず、そんなの心配しなくていいよ、オッケー?」
「んふふ、おっけー」
「んじゃあ、また中澤さん達との楽しい夜を話してくれないか?」
言いながら、ニヤけた顔をみせると、
藤本に殺される前に部屋中を走って逃げていった。
- 325 名前:36 投稿日:2007/10/11(木) 01:05
-
- 326 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:05
-
- 327 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:07
-
まだ誰もいないビル内の喫茶店に座って早めに食事をとっている辻。
誰もいなくて邪魔されずにゆっくりと美味しそうなご飯を味わえる。
そして、やっとデザートのケーキを食べようと思ったら、あのコ達がやってきた。
「のんつあんに…ハァハァ…聞きたいこと、あるんだけど…」
走ってきたせいで息を切らしながら新垣が始めた。
「なに?」
「昨日、いしかーさんのこと、ちょっと知ってもーたことがあるんやけど、
のんちゃん、力になってくれんかなぁ?」
辻の5感が全てケーキに向けられて話も何も聞こえてなかった。
「のんつぁん、聞いてる?」
大好きなケーキとの時間を邪魔されて、
辻は頭を上げると、藤本に比べたらまだまだ甘いが、
ちょっと不機嫌の時の田中の目つき並みにキーっと全員を睨んだ。
「いむぁいほがひんはひょ!ひぃふぁひゃんにぃきいへ」
言いながら喫茶店に入ってきたメロンのメンバー達を指した。
辻の言ったことを理解できないまま、小川達は彼女を見つめるだけだった。
食べてる時の辻の言うことが解かるのは数人しかいなくて、
そして、そこにいたみんなの中にそんな1人もいなかった。
しようがなく、辻はケーキの残りをちゃんと食べて、
言ってたことを再び言う前に、満足そうにため息ひとつをついた。
- 328 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:08
-
「柴ちゃんだよ。梨華ちゃんの親友と言えば、柴ちゃんでしょ?なんか聞きたかっt…」
「亀ちゃん!」
アドバイス中の辻を遮って、小川は亀井に向いて命令を出す。
「柴田さん呼んできて」
「なぁんであたし?」
「はやく!」
ブツブツ言いながらも従う亀井は別のテーブルに座った4人のところまで向った。
柴田に何かを呟いてる亀井を満腹の辻も眺めていた。
亀井に微笑むと、メロンの3人に何か言って、柴田は亀井のあとに辻達のテーブルへと向った。
「みんながあたしになんか聞きたいって亀井ちゃん言ってたけど、どうしたの?」
言いながら、柴田は辻の隣に腰をかける。
小川は席を変えて柴田の真正面に座って、積極的に始めようとした。
が、何かを言える前に辻は小川が積極的過ぎる何かを言い出さないように黙らせてと
新垣に頼んで、自分から話し出した。
「梨華ちゃんのことで、みんながなんかわかったみたいで柴ちゃんにききたいんだって」
「あぁ…」
話に興味を持ったが、柴田はちょっと引き気味に応えた。
「答えられるかどうかは分からないけど、うん、いいよ、聞いて」
小川はもう一度聞こうとしたが、今度は高橋が先に口を開いた。
「昨日、いかわーさんと…」
高橋が言い終わらない内に、突然、地面が揺れだした。
全員が怯えた顔で見合ったけれど、大きな揺れではないと分かって少し安心する。
「大丈夫、弱いのだけだった。」
柴田は両腕を少し広げて、後輩達を落ち着かせようとした。
「で、何を聞きたかっ…」
そして、再び話の途中で”本物”が来た。
- 329 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:09
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*****
- 330 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:09
-
「今日よっすぃと約束あるの?」
「ううん。よっちゃんは家族とご飯だから」
「じゃ〜、予定なし?」
目を輝かせて、松浦は嬉しそうに確かめる。
「うん、でも、今日は家に帰って休もうかなぁって思ってた。
最近、本当に疲れててさ…」
藤本は松浦の目からあのキラキラが消えてしまったのが見えた。
彼女ともっと時間を過ごすのもいいかも知れない、普通に、前みたいに。
そんなに難しいことじゃないんでしょ…
「なんもなかったら、亜弥ちゃんも家来てよ」
「いいよ!DVDいっぱい持ってってm…」
二人は床が揺れたのを感じて、
そして、藤本が思わず松浦の手を握った。
「たん、大丈夫」
松浦は優しく言うと藤本の手を握り返した。
「今のちい…」
次の瞬間、松浦が感じたのは大きな揺れと、
藤本が自分に強く抱きついてることだけだった。
- 331 名前:37 投稿日:2007/10/11(木) 01:09
-
- 332 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/11(木) 01:22
- 一週間ぶりです。
あまり長くは引っ張りたくなかったから、多分、このペースで行きたいと思います。
文章に関しては、やっぱり難しいですねぇ…
まだ酷いところありますが、どうか、無視でも、なんでも、目を瞑っても(無理)して下さい
- 333 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/11(木) 10:47
- りあぷるさんの頑張りが伝わりますし、
作品自体、非常に面白いです。
自分にはきちんと伝わりますよ(^^)v
また分からない事がありましたら、質問しますね!
中澤姐さんいいですね〜
みんな実は悪い人なんていないっぽい…
りあぷるさんのペースで、無理せずに頑張って下さい。
自分はこの作品、楽しませてもらっています。
- 334 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/12(金) 00:46
-
あやみき希望
作者さんガンバ
- 335 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/13(土) 04:41
- 愛の無い小説を翻訳してて楽しいですか?
- 336 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:45
-
- 337 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:45
-
「みんな大丈夫?ケガした人いないか?」
スタッフの1人が全員に聞こえるよう大きな声を出した。
石川は立ち上がった。まだどこかぼう然としてて、体が思うように動かない。
地震が来た時、何が起きたのかを良くわからなくて、
大きな揺れと周りのものが全部落ちてるような記憶が曖昧に残っていた。
そして、誰かが自分を引っ張ってる感覚。
ホールを見まわすと、壁に飾っていた絵画が地面に落ちてることに気付いた。
- 338 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:46
-
「吉澤さん、大丈夫ですか?」
(よっすぃ?ここにいたの?)
「あ、はい、大丈夫です」
「本当に?」
心配していたスタッフがもう一度尋ねる。
「すごい怪我するところだったんですよ」
石川は声のした方に視線を移って、
右腕をおさえながら壁に寄りかかって平気そうな顔を作っている吉澤がいた。
彼女と何年間も一緒にいて、吉澤が何かを隠そうとしても無駄だ。
石川にはバレバレだった。
「あの、本人が言ってるほど大丈夫じゃないと思うので、誰か呼んでくれますか?
マネージャーでも、先生でも。楽屋に連れて行きますので、すみません、お願いします」
「はい、今呼んできます」
- 339 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:46
-
スタッフが小走りで出て行くと、
石川は自分をジーっと見てる吉澤に目を向いてその手を取った。
「はい、行くよ」
「待ってよ!どういうつもりなの?」
「楽屋に連れて行くつもり」
「どこにも行かないよ。美貴探しに行くから」
「美貴ちゃんなら待てる、今はそれを診てもらわなくちゃ」
「平気だから行かない。あたしは美貴を探しに行くっ」
そう言うと石川の手を払った。
石川は吉澤が自分の言う事を聞かないとわかって、
しかたなく、彼女の怪我してるところを叩いた。
その肩から痛みが走って、吉澤は思わず声を上げてしまった。
「ほらね?平気じゃないでしょ?行こ」
もう一度吉澤の手を取って歩き始めた。
今度は吉澤も静かに彼女について行って、痛みで出てきそう涙をなんとか我慢した。
- 340 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:47
-
*****
- 341 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:47
-
目を開きたくなかった。
藤本は松浦が声をかけるまで目を瞑ってて、
自分を抱きしめてる人でさえ忘れるほど怖かった。
「みきたん、終わったよ」
「…本当に…?」
「うん、もう大丈夫だよ」
ゆっくりと目を開いて周りを確かめる。無事だ。
部屋はまだそこにあって、世界も崩れてなくて、松浦の腕の中に…
(待って…)
藤本は自分の状況に気付いて彼女から離れようとしたが、
松浦が腕の力を緩めようとしない。
「亜弥ちゃん、もう…美貴もう大丈夫だから」
「…ずっとこうしたいなぁ…」
松浦はそう言って、腕に力を込めて藤本の肩に頭を乗せた。
「今は、あまり、それを話すいいタイミングじゃないと思う…」
「うん…ごめんね」
謝ると松浦は藤本を放した。
「じゃぁ…みんなも大丈夫か見にいこう?」
藤本は軽く頷いた。
思ったより悪くなかったから少し安心した。もちろん、地震のことについてだけじゃなく。
もし松浦が進もうとしてたら、自分が彼女を止められないことわかっていたし。
だから地震が嫌だった…
藤本を弱くさせるのは地震と、目の前のそのコだけ。
- 342 名前:38 投稿日:2007/10/18(木) 16:48
-
- 343 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:48
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- 344 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:48
-
「脱臼じゃなくてよかったなぁ。もう大丈夫ですよ、今日はもう休んで、
明日病院に行きましょ。確認のためだけで心配しなくていいですよ」
プロデューサーと確認して伝えにきたマネージャーが少し心配そうに言った。
「はい、わかりました」
先生に診てもらい、大きな怪我ではないとわかって一安心。
まだ何日かは痛みを感じるだろうけれど、全く動けない訳でもない。
- 345 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:49
-
待っていた石川と楽屋を出て、
吉澤は彼女にお礼を述べるとエレベーターへと歩き出した。
「よかったね、ヒドイ怪我じゃなくて」
隣に歩いてくる石川に気付いて、吉澤は足を止めて振り返った。
「向こう戻らないの?あたしはもう平気だからいいよ」
「よくないよ、本当に心配したんだから…もしよっちゃんに何かあったら…」
石川の言葉の後に沈黙が流れた。
二人とも何を言えば良いのかわからなくて、ただ静かに互いを見つめてた。
石川がそれを破るまで。
「なんであんなことしたの?」
言いながら、片手を吉澤の怪我してる肩に慎重に触って
ゆっくりとその腕を優しく撫でるように下へと滑らせた。
「梨華ちゃんだけじゃないよ、誰にでも同じことやってたから」
「でも……」
「梨華ちゃんとこうなったからって傷ついて欲しいと思わないよ」
「まぁ、無関心よりはいい…」
- 346 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:50
-
疲れが体を重く感じさせ、吉澤ははやく帰りたくてもう一度行こうとしたけれど、
石川の手が放そうとしない。
「梨華ちゃん、放してよ」
しかし、頼まれたこととは逆の行動を取って、
石川は吉澤との距離を縮めると、彼女を包むように腰に腕をまわして抱きしめた。
「ありがとう」
吉澤の胸に顔を埋めてそっと呟いた。
その時、吉澤はこの瞬間だけ全部忘れてもいいんじゃないか、
彼女を抱き返してもいいんじゃないか、と思った。
あの地震は衝撃的だったし、石川も本当はまだどこかで弱ってるのかも。
他意のない抱擁に問題はないだろう。
少なくとも、石川が本来の意味でその行為を保ち何もして来なかったらの話だけど…
「よっちゃんにまたこんな風に抱かれて、本当に、気持ちいい…」
内心、吉澤も石川と同意だった。
本当に、素直に、彼女の温もりが気持ちよくて…
彼女を嫌っていたとしても、それでも心地好い温もり…
でも、それは違うとわかっていた。
嫌っていたとしても…そんな病的な…
二度とあんな自分になりたくなくて…自分のためだけじゃなく、彼女のためにも。
「勘違いすんなよ、梨華ちゃん…」
言いながら抱擁を解こうとする。
吉澤の怪我を乗じて、石川は彼女を放そうとしない。
そして、よく知ってる二つのシルエットを見つけて、この機会を逃すわけにはいかなかった。
何も言わずに顔を上げると、吉澤の唇に自分のそれを重ねた。
まったく予想外のことで、しばらくの間、吉澤はなんのリアクションも取れないでいた。
やっと我に返った瞬間、健康な腕で石川を押しのけた。
「何してんだよ?!」
「その質問、そのままよっちゃんにするよ」
と後ろから冷たい声が響いた。
- 347 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:50
-
その声の主を知るには振り返る必要なんてない。
吉澤は知ってた。同時に、空気にのまれて弱ったことをもひどく後悔するとわかった。
「みんなよっちゃんがケガしたって言ってたけど、そんなに悪くないみたいだね」
「そんな風に言わないでよ。本当は違うんだってわかってんでしょ?」
吉澤のその言葉に藤本は何も言い返さなかった。
彼女の手を取って、その大きな目を見つめただけ。
「帰ろ、家までつれてく」
二人の姿が見えなくなった時、松浦はニヤニヤしてる石川を見た。
「無理だって知らなかったら、これ全部梨華ちゃんが仕込んだって思ってたよ」
「私がよっちゃんに怪我までさせられるって言いたいの?」
気にさわったらしく、石川の顔からあのニヤニヤが一瞬にして消えた。
「いや、もちろんそんなことないけど…でも、
どうやっていっつも、そのぉ、都合のいいときに、場所に居合わせるのかはわからない」
「運じゃないの?」
石川は再びニヤけた表情をみせると、考え込んでる松浦を残してその場を去った。
- 348 名前:39 投稿日:2007/10/18(木) 16:51
-
- 349 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/18(木) 17:08
- 少ないんですが、更新です
>333さん
嬉しい言葉を本当にありがとうございます!
またわからないところあったら、はい、いつでも聞いて下さい!
でも、再びそのことがないように頑張ります。
悪い人は、実はいませんね。
勘違いや思い込みとかが…っと!あまり語るとやばいですww
応援をありがとうございます!そして、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
>334さん
あやみきは……難しいですね(汗)
ちょくちょく出てきますけれど、違う意味で…(苦笑)
はい、頑張ります!ありがとうございます
>335さん
335さんの意見と自分のが異なって、正直、結構答えづらいんです。
でも、自分は愛のない小説だと思いませんし、一生懸命やっているつもりなんです…
335さんにその考えをもたらせて、ごめんなさい。
- 350 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/19(金) 10:42
- いしよしがいい感じ〜^^LOVE×LOVE
梨華ちゃん高感度upです↑
えと...中傷みたいなスレは、作者さんに対するヒガミ
みたいなのもあるんじゃないかな???と感じたりする…
Japanese only speaking peopleには、やっぱりハードル高い
作品ですよ。
すみません(汗)このレス事態不適切で御座いましたら処理しちゃってください。
- 351 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/10/19(金) 10:55
- >>350さんのレスもちょこちょこおかしい☆カナ
作者さんは母語じゃないのにここまで日本語使いこなせてすごいと思いますよ
尊敬すべきであって中傷なんてもってのほかかと。
がんがってください
- 352 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/28(日) 05:06
- 42話に注意です。
28と30話と同じパタンなのです。
- 353 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:07
-
- 354 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:08
-
21:07…
藤本が帰ってから約4時間。
『いいよ、説明しなくても。わかってるから』
『…怒ってないの?』
藤本を支配していた気持ちは怒りではなく、
悔しい気持ちとほんの少しの裏切られた気分だった。
そう、確かに、吉澤にもバカ正直な彼女の顔にその複雑な思いが読めてた。
決して藤本に言い訳や抗議の言葉を口にしなかった。実際、自分も同じ気持ちだったし。
石川の”攻撃”に抵抗しきれなくて。
そんな弱い自分自身に裏切られて…
そんな弱い自分自身に悔やんで…
『帰るの?』
『うん…まだ用事があるし、よっちゃんも休まなきゃ』
あれ以上の言葉も行動もなく、藤本の後ろにドアが閉じた。
- 355 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:09
-
吉澤は再び時計に目をする。
21:11。
ベッドから起き上がってジャケットを取って、
携帯と財布をポケットに突っ込むと部屋を後にした。
そろそろ何かしなきゃいけない時だ。
- 356 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:09
-
*****
- 357 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:09
-
小さな箱を両手で持ってテーブルの上において、床に座った石川はそれを暫く見つめた。
その箱を最後に開けたのは遠く大昔のことに思えた。
上半身を少し前に傾いて、ゆっくりとふたを取った。
そこにはたくさんの思い出がつまっていた。
恋人と呼び合える付き合いのほぼ3年間に集まっていった写真とプレゼントと手紙…
…そして、一枚の破れた生地。それを取り出して、思い出に沈むように大事そうに撫でた。
その箱に入れた最後のもの。背負った傷の証と、屈辱や恥を思い出させるもの。
- 358 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:10
-
何の前触れもなく、突然鳴り出したチャイム。
素早くその箱をテーブルの下に隠して、
先食事を断られて家までにせがみに来た柴田だろうと思いながら石川は玄関に向った。
しかし、ドアを開けたらそこにいた人は柴田ではなく、全く予想外の人だった。
「あがってもいい?」
何も言わずに石川は頷いて彼女を中に入らせた。
なぜ彼女がここにいるんだろう?そして、なぜ彼女がそんなに優しく接してるんだろう?
「考えたんだけどね…」
石川が何かを聞く前に彼女が話し出した。
「…なんで自分自身を危険にさらしてまで憎んでる人間を助けたんだろうと…」
「よっすぃ…」
「たぶん、あたしが思ったより憎んでなかったからなのかなぁ?」
石川は何を言えばいいのかわからなかった。吉澤が怒ってるはず。
藤本に自分とキスしてるところを見つかって喧嘩したんだろう。
でも、それじゃあ、どうして彼女が物を壊して怒鳴ったりしてないんだろう?
- 359 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:11
-
「梨華ちゃんの思ってることわかるよ」
言いながら微笑んで石川に近づいた。
「美貴怒ってなかったよ。梨華ちゃんがキスしてきたってわかってたから」
「じゃ何しに来たの?」
吉澤は再び石川との距離を縮めると、
質問に答える前に彼女の髪に手を伸ばして軽く撫でた。
「美貴が怒ってるかどうかかまわないって気付いたから」
言いながら、その手を下へと滑らせて石川の顔に止まった。
「かまうのは、梨華ちゃんが無事だったことだけ」
彼女の手の感触が石川をゾクゾクさせた。
最後に吉澤にこんな風にされたのはいつだったんだろう?
身体までもその感触を忘れてるようだ…
「よっちゃん…」
自然と吉澤の唇と重ねるように前に傾いていった。
「…好きょ…」
「じゃぁ、教えて…」
吉澤は石川の目を見ながらそっと囁く。
「感じられる?」
口付けの代わりに石川が感じたのは吉澤のぬくもりが遠くなることだけ。
- 360 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:11
-
「なに…?」
と戸惑いながら尋ねた石川。
「痛みだよ、梨華ちゃん…」
そして、現実が再び石川を叩いた。
「傷つくでしょ?」
優しいトンが消え、吉澤の声はひどく冷たく響いてた。
「…騙されてるって気付いて……」
「どうして?」
石川は目にたまってきた涙を抑えて、答えを求めた。
「お前のこのくだらないゲームにいい加減疲れてきたから。
あたしの人生を返してよ」
「じゃ、わたしにあんなことをする前にそれをちゃんと考えるべきだったんだよ!」
その言葉は絶望に近かった。石川はそれを知ってた。
知ってたけれど、それは吉澤といられる唯一の方法だった。
そして、突然に彼女の腕に抱かれた時、一瞬の間効いたと思った。
でも、それは優しい抱擁じゃないとわかった。
吉澤の指が震えていて、石川の骨を折れるかのように力を込めていた。
- 361 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:12
-
「そんな風にあたしが欲しい?」
「そうだよ」
石川は怖がるよりも挑発的に応えた。
「よっちゃんをあたしのものにする方法がそれしかなかったら…」
「お前、おかしいよ」
「よっすぃが押し付けたんでしょ?誰がおかしいっていうの?」
先のないその会話に疲れきって、吉澤は石川を押しのけた。
「アレがあったからあたしはお前のものだってお前がいつも言ってるけど、
本当のこと知りたい?あたしがお前といられない一番の理由はあの夜のことだよ。
お前に触れられるとあたしがどれだけ弱かったか思い出す…
自分も全部も気持ち悪くなるんだよ」
そこを出る前の吉澤の最後の言葉だった。
石川は何も言えなかった。
ただそこにいて、吉澤が出て行ってる間に、静かにいた。
はじめて完全に負けたと感じながら。
そして、あの孤独が再び訪れてきた。
- 362 名前:40 投稿日:2007/10/28(日) 05:12
-
- 363 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:12
-
- 364 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:13
-
「嫌だったら帰ってもいいよ?大丈夫」
松浦が自分の頭の中をずっと読んでるみたいだった。
正確に言えば、親友の彼女と一緒にいたくなかった訳じゃなくて、
本当は、あの状態の吉澤をひとりにして罪悪感を感じてた。
もしかしたら彼女が自分が怒ってると思い込んでるのかもしれない。
「よっすぃとケンカしたの?」
「ううん…」
「じゃなんでみきたんが”傷ついた騎士”と一緒じゃないの?」
「また始まんのかよ」
「なに?あたし聞いてただけ」
「その口調が嫌なんだよ」
松浦は座り直して、両腕を組むと真剣な表情をした。
- 365 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:14
-
「でも、よっすぃがあんた達を別れさせようとしてる人を助けてさ
あんなケガまでしてさ、おかしいと思うんだよね。あぁ!あとキスとかもして…」
「亜弥ちゃん、やめて」
「あれを見て、たんが何も思わなかったって言ったら信じらんn」
「やめろっつってんだよ!」
その怒鳴りに松浦が後退った。
一瞬、藤本に殴られるんじゃないかとまでも思った。
「ぁ…亜弥ちゃん…ごめん」
松浦の怯えた表情を見た藤本は素直に謝った。
「あれね…まぁ、何も思わない訳ないじゃん…でも、よっちゃんを責めらんないよ
美貴だって亜弥ちゃんとこう、よっちゃんと梨華ちゃんと同じように色々複雑だし…」
「おい!あたしをあのお方と比べないでくれる?」
藤本の発言が気にさわったみたいで、
松浦はそれらしいポーズを作って彼女に背を向けた。
- 366 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:14
-
そんな彼女に藤本は笑うしかなかった。
両手を腰に当て、目を閉じたまま顎を上げている松浦の姿勢はなんともベタで、
その場の空気を換えるには十分すぎた。
「何が面白いの?」
薄く開けた目の端で笑ってる藤本を見て尋ねる松浦だけど、
やはりそれ以上振り向いてはくれなかった。
「あぁ…ごめん。今、美貴思ったんだよね
亜弥ちゃんが梨華ちゃんと同じじゃなくてよかったなって」
ソファに座っていた松浦が床に座ると、藤本がもっと近くに来るようその手を取った。
その合図に従うように、藤本は松浦の肩に頭を乗せ目を閉じた。
「みきたんを傷つくようなことしないよ」
「うん、知ってる」
- 367 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:14
-
*****
- 368 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:15
-
「起こしてごめんね」
「ううん、大丈夫。今帰ったとこで、まだお風呂に入るし」
後藤は彼女を中に入れてドアを閉めた。
夜中にひどい顔をしてる吉澤に訪ねられるってことはあれしかない。
石川梨華だ。
「地震でケガしたって聞いたんだけど、家で休んでるんじゃなかったの?」
「もう平気だよ」
「今日泊まってく?」
吉澤が頷くと、後藤はもう何も要らなかった。
何があったのかも、どうして藤本と一緒じゃないのかも、何も聞かなかった。
彼女はただいつもと同じ事をするだけだった。
余計なことも何も考えずに、好きな人に尽くして慰めるだけだった。
- 369 名前:41 投稿日:2007/10/28(日) 05:15
-
- 370 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:16
-
- 371 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:16
-
吉澤は穏やかに眠っている隣のコに目を向けた。
ステージの上に立つ時の彼女とはまるで別人に思った。
彼女が眠っている時、数年前に初めてあった頃の後藤に戻ったように見えてた。
このように、夜遅くまで起きていて、ベッドに寝ながら色んな話をしたり、
不安や悩みを打ち明けたり、くだらない話も深い話もしたり、
バカなことを言って笑い合って騒いだり。
たまに朝まで起きていたりして。時々疲れすぎてすぐに眠ってしまったりもして。
何分かも何時間かも関係なく、吉澤には後藤と過ごす時間はいつでも心地よかった。
でも、今は眠たくもなかった。
数時間前の石川との話し合いが色んな思い出を掘り出して、
目を閉じればあの痛みが襲ってくる。
あの夜、初めて石川に触った時のような重い、苦しい痛み。
- 372 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:16
-
ーーーーー
- 373 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:17
-
『吉澤さんはもう必要ないんですよ』
石川に電話をした時、聞いたことにも、電話に出た人にも驚いた。
石川とケンカした後、吉澤は後藤を訪ねて相談に乗ってもらった。
そして、後藤の家を出て一番最初にしたことは石川に電話。
自分のしたことを謝って、ちゃんと話をしたかった。
でも、石川の携帯に出るのは三好だと思いもしなかった。
- 374 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:17
-
訳分からぬまま、疑問でいっぱいの頭を抱えて石川のドアに辿り着いた。
「もう遅いですよ?梨華ちゃんが吉澤さんに会いたくないんです」
再び三好。ドアを開けたのも三好で、
そして、その披露の多い格好もまた吉澤をもっと心地悪くさせていた。
「入らせて」
「諦めて下さいよ、吉澤さん。
梨華ちゃんはもうあの純潔な梨華ちゃんじゃないから」
(もう…純潔…じゃない……?…)
三好は何が言いたかった?
でも、パズルのピースとピースが合った時、吉澤は悟った。
石川を完全に失った…
- 375 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:18
-
ーーーーー
- 376 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:18
-
「どうしたんですか?」
心配そうな顔で小川は尋ねた。
「小春があんなだから怒るのわかるけど、小春も一生懸命やってますから」
「子守に疲れたよ…」
その冷たい返事が小川をより心配させた。
3日前から、吉澤は人がかわったように冷たくて、時に恐かった。
普段、全てを自分の中に抑え込む吉澤だが、
今回、その何かが溢れ出しちゃって、抑え切れなくなって常にイライラしていた。
小川は確信した。大きな何かが自分達のリーダーを取り乱されてた。
- 377 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:18
-
ーーーーー
- 378 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:20
-
「何しに来たの?」
石川は本当に、本当に怯えてた。吉澤のその目を見たことがなかったから。
絶望に近い怒りや悲しさ… でも、どうして彼女がこんな状態なの?
傷ついてるのは自分なんだから。
「一週間くらい会ってなかったから、寂しかったよ」
言ってることと吉澤の冷たい声のギャップが大きくなるだけだった。
状況が更に悪くなったのは石川が腰にまわした吉澤の腕を感じた時だった。
「酔ってるの?」
吉澤の息が唇を撫でた時、石川は疑問を口にした。
その先のことが一瞬にして頭を襲って、感じ悪い寒気が全身に走り渡った。
でも、恐すぎて、石川は何も出来なかった。
「よっすぃ…やめt…」
腰から離れてパジャマの中に滑り込みはじめた手に気付いた時
何かを言おうとしたが、吉澤が乱暴なキスで石川の口を塞いだ。
そこには愛しさではなく、怒りだけがあった。
「やめて…お願い…」
- 379 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:20
-
ーーーーー
- 380 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:21
-
ひとつぶの涙が吉澤のほほを伝った。
あの夜のことを深く後悔をしない日がなかった…
『ごめ…梨華ちゃん、ごめん…』
-襲撃すぎてた。泣きながら吉澤を見て、なぜと訊くことしか出来ないでいた。-
『…ごめん……』
-吉澤も涙がたまった目で再び謝った。-
『出てって……』
-聞こえないほどの小さな声で呟いた石川。-
『…お願い……』
昇り始めてきた陽の光が部屋を照らして、吉澤は隣にまだ眠ってるコを見た。
「ありがと…」
そっと囁くと、後藤の顔にかかってた髪を優しく退かした。
「ごっちんがいなかったら、あたしきっと、何もできてなかったね…」
- 381 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:22
-
- 382 名前:42 投稿日:2007/10/28(日) 05:22
-
- 383 名前:りるあぷ 投稿日:2007/10/28(日) 05:31
-
今回、重かった…とにかくヤバイ…自信がないです(いつものことだけど)
内容もアレだから、文章がすごく難しくて、いつもより時間がかかりました。スミマセン
42話に注意です。28と30話と同じく、”過去/思い出編”なのです。
…42を書いてた時、思わず泣きそうになりましたね……
次回、あの人が再登場ですww
ちなみに、ここの梨華ちゃんはあややのスケバンデカの梨華ちゃんにかなり影響されたそうですww
PS。もし誰かに気分を悪くさせてしまいましたなら、ごめんなさい。
>350さん
いしよしは…痛い(泣)
ブラック梨華ちゃん好感度UPですか?
個人的に、私も黒梨華ちゃん結構好きですね〜ww
でも、本当は彼女も何も悪くないんですけどね…
初めて書いてるのに、しかも最初から結構難しい作品を選んでしまいました(苦笑)
ある意味私のバカですよね〜(笑)
そんなことないですよ。レスを貰ってすごく嬉しく思ってます。
これからもよろしくお願いします。
>351さん
あぁ…(照)
こんな私にもったないお言葉を…でも、本当に嬉しいです!ありがとうございます
日本語もまだまだですけど、今よりももっといい訳できるように、
(少なくともちゃんと完成できますように)今後も頑張ります!
応援ありがとうございます。
- 384 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/23(金) 18:43
- どうしたんですか!?
最近、更新してないじゃないですか・・・
心配です。
続きが読みたいです。
これからも頑張ってください。
- 385 名前:りるあっぷ 投稿日:2007/11/24(土) 05:30
-
こんな時間になっちゃったけど、やーーっと出来た!
でも、レスがあってビックリしました…
>384さん
すみません、心配かけてしまって…
最初は後藤さんのことでちょっと落ち込んでたんで…
でも、ちょっと空気が重くて、訳すだけって言っても
中々落ち着いて書けない状態でいて、
申し訳ありません、遅れてしまいました。
今やっと更新できる量になりましたので
早速ですが、続きをどうぞ
- 386 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:32
-
スタジオの廊下を走り渡っていた藤本が
遅刻させたタクシーの運転手を恨みながら楽屋に向かってた。
「遅刻しちゃってすいません、来る途中でちょっ、と……あれ?みんなは?」
勢いよく謝りながら楽屋に入ったが
部屋を見渡してメンバー2、3人と数人のスタッフしかいなかった。
「あ、藤本さん、今日の収録なくなったそうですよ。休みなんですって」
「え?なんで?」
「ん、なんかね、昨日の地震あったじゃないですか?
それで、なんかカメラにダメージとか言って、壊れたんですかね?」
「はぁ…すごい焦ってたのに…連絡くらいくれれば良いよね?」
「そうですよね。愛ちゃん達はもう帰っちゃって、で今絵里とさゆも帰るとこです」
「ん、そう」
「じゃ、お疲れ様でぇす」
「あっ亀ちゃん、ちょっと…」
外で待っているであろう道重と会うため楽屋を出て行こうとしてた亀井を止めて、
藤本は朝から一番知りたかったことをちょっとの期待を抱いて聞いてみた。
「…よっちゃん見なかった?」
しかしその期待は亀井の首と頭の動きによって簡単に消されてしまった。
「んん、でもケガしてるから今日休みなんじゃないですか?」
「あぁ、そうかもね…」
「あ、電話すればいいんですよ!で、早く戻って来て下さいって言っといて
さゆが王子様がぁ…とか言ってウザいんですよ」
「うん、わかった」
「じゃ、お疲れ様でしたー」
「お疲れー」
- 387 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:33
-
亀井が出て行った後、彼女はポケットから携帯を出したけど、
吉澤に電話するためではなく、彼女から着信か受信メールがないかを確認するだけだった。
藤本は亀井に言わなかったが、実際、起きた時から吉澤に電話した。
しかし何回しても家の方に出なくて、携帯も電源消してたみたい。
携帯を片手に歩き出した。吉澤の家に行けばいいと。
もしかしたらまだ寝ていて電話を聞いてなかっただけのかも。
「藤本!」
突然名前を呼ばれて、後ろから聞こえるその声に鳥肌が立った。
「自分の彼女に何したの?あいつ死んだ顔してたよ」
「いや、美貴は別になん…へっ?!ちょっと待って!中澤さん、よっちゃん見かけたんですか?」
「よっちゃんいるんですか?」としつこく繰り返しながら目を見開いてる藤本のその姿に
中澤もビックリした表情をする。
「そうだけど…朝早くからいて、”音楽室”にこもって誰とも話さんし…
あたし、藤本とな…」
でも言い終える前に藤本はもう”音楽室”と呼ばれるピアノの置いてある控室に向かって走って行った。
「なんや、今の……消えるなら、その前に礼くらい言ってもらいたいな…」
- 388 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:33
-
*****
- 389 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:34
-
「今日早く出て行ったんだね」
自分の気配に気付かないほど
ピアノの前に座って、していることに集中してた親友の肩にそっと手をのせる後藤。
「へ?」
「よっすぃ全然寝れなかったんでしょ?」
「そんなに顔がひどい?」
吉澤は隣に立っている後藤を見上げると
再び前を向いて手に持ってた紙をピアノの上に置いた。
「けっこーね」
と少し苦笑いしながら答えて、吉澤の肩からピアノへと手を持っていき
さっき置かれた紙を掴む。その内容を見ると笑顔を漏らす。
「でもまー、よっすぃを悩ませてること知らないけど、創造力を刺激したみたいだね。
これ・・・」
「これはなーんでもなーいよ?」
後藤の手からその紙を取り、照れ隠しにそれをクシャクシャにした。
「落書きだよ、落書き」
後藤は何かを言い返そうと口を開いたけれど、
走って入ってきた藤本の登場で部屋がシンと静まった。
「じゃぁ…二人きりにさせた方がいいよね」
そう言いながら出て行くと、その前に何故か静かにドアを閉めた。
- 390 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:34
-
藤本の表情からすると、彼女は心配してくれてると
昨日のことでまだ気まずい空気を感じてることを吉澤は痛いほど読み取れていた。
「…よっちゃん、ごめん…」
そう言って、藤本はゆっくりと吉澤に近づいてく。
「昨日、よっちゃんをひとりにするんじゃなかった…」
「大丈夫。わかってるから」
「美貴、よっちゃんこと信じてるよ?」
吉澤の目の前まで行ってその白い手を握った。
「うん」
「じゃ、昨日のことはもう忘れよ」
優しい笑顔を見せたと思ったら、
二人用のピアノのイスにいきなり腰をかけた藤本を見て、戸惑う吉澤。
「…何してんの?」
ピアノのキーを適当に2,3回押してる彼女に
吉澤はおそるおそる声をかけてみた。
「よっちゃんと一緒にピアノ弾きたいから…教えて」
- 391 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:35
-
*****
- 392 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:35
-
ちょっと心配して中から見られない角度で部屋の中の二人を暫く見守っていたけれど、
仲良く笑い合ってるその姿に安心して、ドアのガラスの部分から右手に視線を移した。
後藤の右手が持ってたそれは、控室を出て行く前に吉澤に気付かずに拾ったものだった。
そして、ポケットにそれを突っ込んで、ある案を頭に膨らませながら廊下を歩き始めた。
- 393 名前:43 投稿日:2007/11/24(土) 05:35
-
- 394 名前:44 投稿日:2007/11/24(土) 05:36
-
- 395 名前:44 投稿日:2007/11/24(土) 05:37
-
石川は喫茶店の窓の外を眺めていた。
両手の中にあるお茶がすでに冷めてたけれど、気にしなかった。
前に座っている親友の話にも、正直、頭に入ってこなかった。
「梨華ちゃん、どこにいるの?」
「え?どういう意味?」
窓から柴田に頭を向けるとそのまま続いた。
「ここにいるよ?」
「ううん、いないよ。…私の親友は、どこいったの?」
眉毛を妙に動かして、柴田の表情は心配そのものだった。
「私が知ってるあの明るい梨華ちゃんはどうした?」
「あたしもいっつもハッピーでいられないよ」
「三好が入る前にいられたのに」
「柴ちゃんは何もわかんないから」
「じゃ教えてよ」
「関係ないでしょ」
「あんたはあたしの親友だから関係あるでしょーが!」
突然声を上げた柴田に喫茶店にいた客や店員の視線が集まった。
頬をちょっと赤らめて恥ずかしかったけれど、石川が立ち去っていくのを見て
柴田も慌てて立ち上がると彼女の手を掴んだ。
- 396 名前:44 投稿日:2007/11/24(土) 05:37
-
「梨華ちゃん、お願い」
言いながら石川を座らせた。
「心配してんのは私だけじゃないから」
それを聞いて石川の顔が苛立ちから驚きの表情に変わった。
三好のこと他に知ってる人がいるっていうの?
「何人かの子達が梨華ちゃんと三好ちゃん見ててさ、
何が起きてんのか知りたくて私に聞いてきたの。
もしかして、三好ちゃんが梨華ちゃんを騙してるんじゃないかって」
「ありえないよ。どうして三好ちゃんがあたしを騙すわけ?」
「知らないけど、でも一つだけは言えるよ。あいつが入ってきてから梨華ちゃんは変わった。
それはあたしに対してだけじゃないでしょ…よしことどうしたの?
前はよしこと超ラブラブとか言ってたのに、今は…」
「やめて!」
我慢できず石川は柴田の言葉を遮った。
何かを言う前に柴田の言ったことをちゃんと考えなければと
再び窓の外に目を向けた。
「よっちゃんとのことは話さない。あれはあたし達だけの問題だから。
で、三好ちゃんは…たぶん、あたしの方が騙してるかも」
「どういうこと?」
「三好ちゃんはただ、偶然に、都合があったから」
石川の言ってることが柴田の頭を混乱させた。
彼女の言葉は答えになってない上に、全てをより複雑に聞こえていた。
でも、諦めるわけには行かなかった。
「で…三好ちゃんがよしこのこと、なんか手伝ったの?」
返答の代わりに石川は時計を見た。
「もう遅いから、帰るよ」
柴田には石川を止めることが出来なくて、喫茶店を出て行く彼女を眺めるだけだった。
- 397 名前:44 投稿日:2007/11/24(土) 05:37
-
- 398 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:38
-
- 399 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:39
-
コンポから流れてた音楽が突然止まったので、
後藤は鏡越しに曲を止めた人を見つめた。
一時間以上前に帰っていったダンサーの人じゃなかったが、
後ろにいるその人に訪れられることも思わなかった。
部屋の隅に置いてある荷物からタオルとペットボトルを取って、
壁に寄り掛かってるその人に近づいて、首や顔の汗を拭く。
「おぉ…こんな時間まで、こんな可愛い子何してんのかな?」
そう言ってボトルの水を一口飲む。
「梨華ちゃんのことでさ、ごっちんもう知ってんのかなと思って」
「なんか知ってたら教えてるでしょ?約束通りに」
「そう、だけど…最後に、話した時は…」
途切れ途切れに話して、女のコの声には緊張を感じ取れてた。
「…なんか…ヘン、だった?」
「ヘン」に疑問系の言葉を聞いて、それまで我慢していた後藤が抑え切れなくて
タオルとペットボトルの置いてあった隅へと歩きながら大笑いしてた。
そこにあったカバンを持ち上げ、適当に片付いて戻ると
居心地悪そうにしてる年上の彼女に睨まれた。
- 400 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:39
-
「柴ちゃん…そんなに緊張しないでよ〜
あれであたしが気まずくなると思ったの?へーきだよ」
「でも…私はあぁまり…」
「あ、じゃぁ、良かったら別んとこ行こよ、もっと人のいるとことかさ」
「どっか行ける場所知ってる?」
その案に柴田が少し落ち着いて、聞き返す余裕もでてきた。
「ごはんもう食べた?あたしお腹ペコだよね…」
- 401 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:39
-
*****
- 402 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:40
-
テレビには特に面白い番組はなかった。
藤本は床に座っていてつまらなそうにチャンネルを変えて、
キッチンで何かを作ってる吉澤を待っていた。
そして、どこかのチャンネルでドキュメンタリーを見つけて、
変えずにそのままリモコンをテーブルに置いた。
「なに見てんの?」
タイミングよくキッチンから帰ってきた吉澤はサンドイッチの皿を藤本に渡した。
「ライオン」
と答えると、サンドイッチを一口だけ食べた。
「そ」
吉澤が隣に座って胡座をかいた時に
藤本はさりげなく皿とサンドイッチをテーブルに置いて、
甘えるように頭をその肩に乗せると
片手で彼女のシャツの裾を遊んでるような仕草で意味なくいじり始めた。
「よっちゃ〜ん…テレビつまんないし、お腹もそんなに空いてないしさぁ……」
その言葉を待っていたかのように
藤本の空いてた手がスッとシャツの中に入ると吉澤の背中をかるく愛撫し始めた。
しかし、その手が次のステップに行く前に吉澤は丁寧に優しく藤本の腕をもとに戻した。
- 403 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:41
-
「美貴、ごめん…今日はちょっと…」
「どしたの?まだ痛い?」
「うん、ちょっと…ごめんね…」
心配そうに見つめる藤本の瞳をまともに見れなくて、
嘘への罪悪感を感じて、そして、名前も付けられないような酷い感情を抑えられなくて
吉澤は悲しさと切なさの入り混じった苦笑いを見せて視線を逸らしてしまった。
藤本はその嘘に気付いてた。
その一日中をずっと吉澤が藤本に触れることを避けていたし、
時々目も合わせてくれなかった。
もしかしたら、それはただ気にし過ぎて想像に過ぎないのかも…
それか、昨夜よく寝れなかったから疲れてるだけのかも…
それとも…それとも、自分が昨日を彼女とではなく松浦と過ごしたことの後悔を忘れたくて
勝手に思い込んでるだけのかも知れない…
「本当にごめんね、昨日、よっちゃん独りにさせちゃって」
「もういいよ、それはもう過去のことだよ。
過去のことは心配しなくていいから、忘れてよ、な?」
「…うん」
藤本が両腕を吉澤の腰に回して、顔をその胸に寄せて
安心するために、そして、させるために強く彼女を抱きしめた。
(よっちゃんはもう、過去を忘れられたの?)
- 404 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:41
-
*****
- 405 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:42
-
「だからぁ…なんで私達の会話とかっていつもごっちんのベッドで終わるの!?」
「んー……あたしは魅力的すぎだから?」
後藤の返答に腹立った柴田は全裸の体をシーツで口まで隠しながら
ドスの利いた睨みを見せた。
「冗談だよ、ごめん…」
と、もうちょっと柴田の近くに座り直す後藤。
「でも、レストランがもう閉まってたのはあたしのセイじゃないからね
もう遅かったし、それに、柴ちゃんも家にご飯食べるの断らなかったし」
「わかってるけど…」
「じゃあたしを睨むの止めてくれるかなぁ?」
柴田の頭が働いてくれてなかった。後藤のその面のことを知っていても、
彼女に自分の体を支配させてしまった、一回目の時と同じように…
そんな風に自分自身のコントロールを出来なくなることが本当に嫌だったけれど、
彼女の目には何かが惹き付くものがあって、だから柴田は抵抗できなかった。
- 406 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:42
-
「お〜い、柴ちゃ〜ん大丈夫ぅ?」
目の前に後藤の掌が動いてるのを見て
柴田はずっと彼女を見つめながら自分の世界に入ってしまったことに気付いた。
「あ、うん…で…梨華ちゃんだね、どうしよう?」
慌てて本題に入って、裸で同じベッドに寝ていることをどうにか忘れようとする。
「そうだね…梨華ちゃんとよっすぃがなんかすごいことを隠してんのわかったけど、
でも何を隠してんのかまだわかんないんだよねぇ」
難しい顔しながら後藤が頭をかくと背中をベッドに預けた。
「で、今日柴ちゃんが三好ちゃんのこと教えて…なんかもっと複雑んなってきたなぁ」
「質問あるんだけど」
「ん?」
「なんでよっすぃと梨華ちゃんのことそんなに知ってんの?」
「自分の情報源ちゃんとありますからねー…」
「え?あたしに教えてくれないの?」
後藤の意味深い返答に反応した柴田はシーツのことも忘れて彼女に近寄っていった。
後藤は目の前の風景に思わずニヤニヤして、
先の間の抜けた喋り方と打って変わって、色っぽい低い声で答えた。
「じゃ、考えさせて…」
- 407 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:42
-
- 408 名前:45 投稿日:2007/11/24(土) 05:43
-
- 409 名前:りるあぷ 投稿日:2007/11/24(土) 05:51
-
はい…遅さの割りにちょっとだけの更新なんですけど…(汗)
あのぉ、相変わらず誤字や脱字や文章の作り方が変だとかあったりするのかも知れませんが、
これはいくらチェックしても、不思議なことにいっつもどっかに何かありますんで
図々しい願いですみませんが、どうかちょっとだけでも勘弁してくれたら…
- 410 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/11/25(日) 05:42
- りるあぷorりるあっぷ?
- 411 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2007/12/01(土) 23:15
- 更新お疲れさまです
きちんと内容わかるので、そんなに気にしなくて大丈夫ですよ。
次の更新も楽しみに待ってます。
- 412 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:53
-
- 413 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:54
-
こんな朝早くからアイツとご対面だけは勘弁してと心の中で呟いて
無意識の内に顔にまで出してしまった藤本だが、
気付いていてもそんなの全部お構い無しにキツイ目付きの彼女に近付いてく石川。
「よっちゃん大丈夫?」
「ん、大丈夫…」
「あぁ、よかったぁ。この前よっちゃんと会った時、本当に顔色悪そうだったから」
「この前って、いつ?」
藤本はわかっていた。
その質問をしたら彼女の思い通りに会話を持ってかれること。
でも、本能が静かに胸と頭の中で暴れだして聞かずにはいられなかった。
- 414 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:54
-
「あの地震の日の夜。よっちゃんが家に来て、
大丈夫だったかを、あたしのこと心配してくれてた」
彼女の表情の僅かな変化に気付いて、石川はニヤけてしまった。
「あれ?よっちゃん言ってなかった?」
何も答えずただ俯いてしまった藤本を見て、
彼女はさらに続いた。
「でも、よっちゃんが家に来てビックリした。美貴ちゃんと一緒にいると思ってたから。
だって、恋人だし、そういう時こそ付いてあげて大事にしなきゃ、ね?」
藤本はもうそれ以上聞いてられなくて、言葉一つも発せられずにその場を去った。
石川を信じちゃいけないとわかっていたけれど、彼女の言ったことがどうしても頭から消えてくれなかった。
その話を聞いた後に、何を考えれば良いのか?何を思ってれば良いのか?
ああいう状態の恋人を独りにさせたことへの後悔?
それとも、その恋人が何も言わないで敵を訪れたことへの怒り?
もう、吉澤と、色んなことについて、真剣に話す時だ。
- 415 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:55
-
*****
- 416 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:56
-
「ねぇ、ほんとに、あたしやらなきゃいけないの?」
「うんっ」
「でも…別の方法あるかも…」
焦りを隠す気もなく不服そうにする後藤。
そんな彼女を見て、柴田は面白そうに微笑んだ。
ここ数年の後藤の子供みたいに嫌がる姿は滅多に見られなかったから。
- 417 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:57
-
「な〜んだ、あの天下の後藤真希があんな子を怖がるとは…」
「怖がってません!…ただ……」
「なに?」
「タイプじゃないから」
柴田は一瞬耳を疑って、そして呆れた。
「ごっちん、これはあんたのいつもの遊びとは違うでしょ?」
「わかってるけど、タイプだったら助かるじゃん?」
柴田に視線を移して腕を組んだ。
「そんなに簡単だったら、なんで柴ちゃんがやらないの?」
予想外な質問に数秒間、柴田の頭が真っ白になった。
「それは…それはぁ…あたしが、そんな、…キャラじゃないから」
言いながら頬を少し赤らめた。
「それに、魅力的すぎなのはごっちんなんでしょ」
- 418 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:58
-
柴田の言葉に反応した後藤はもとの自身を取り戻していたらしい。
「わかった。あたしはやるけど、条件がある」
「条件って、なに…?」
恐れながらも聞いて
何言い出すのかわからない彼女の言葉を待った。
- 419 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:59
-
「柴ちゃん」
「はっ!?あたし?!なんで?!」
先の状況は逆転して、今度は柴田が焦っりだして、
驚き度以上に真っ赤になって声を上げてしまった。
可愛いリアクションにニヤけて、後藤は柴田の顔に数センチまで近づいて
視線を逸らさせないように彼女の目をジーと見つめた。
「だって、柴ちゃんのキャラじゃなくても、充分上手だから」
柴田はもう何を考えていいかわからなかったけど、一つだけは確かだった。
後藤は欲しいものを必ず手に入れる、と。
- 420 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:59
-
- 421 名前:46 投稿日:2007/12/13(木) 17:59
-
- 422 名前:りるあぷ 投稿日:2007/12/13(木) 18:00
-
今回は一話だけで申し訳ないんですが、
これからが本番になってきますんで、区切りとか…難しいなんです…
>410さん
あ、私は、くだらない(苦笑)時間とか適当さとかで「りるあぷ」と書いてますが
どっちでもいいですよ、ご自分の好きなほうでw
>名無し募集中。。。さん
ありがとうございます!m(_ _)m
はい、いつも言ってて、ウザいくらなんですけど(苦笑)
伝わってるとわかって本当にホッとしますね。
楽しみにしていただいてるのに、少ししか載せられてないんですが
次回もっと早く更新したいと思います。
- 423 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2007/12/22(土) 01:35
- いよいよ佳境に入りそうですね。楽しみに待ってます。
- 424 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:22
-
- 425 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:23
-
「よっちゃん、ちょっと待って!」
いつから走ってるのかと聞きたいほど息を切らして走るアヤカを見て、
吉澤は彼女が近付いてくるのを待った。
「ハーイ」
ちゃらけた挨拶をして
いつものように目を細め優しい笑顔を見せた。
「ぁ、ハァ、ハーイ…」
「どーした?そんなに走ってて」
「ちょっと話したかったの、よっちゃんと。また消えてく前にね」
と言って、呼吸も平常に戻っていた。
「なんかあったの?」
彼女の言ってることをよくわかっていないのか、
吉澤は不思議な表情をしながらアヤカに説明してと視線で頼んだ。
- 426 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:24
-
「だって、ここ2,3週間よっちゃんメールの返事はするけど
会ってくれないし、私とも、まいちゃんとも。どっか行ってたの?」
「…ここ…に…?」
「……。まぁ…とにかく、よっちゃん、私達が他の人から
よっちゃんが付き合ってるって知っててさ…」
吉澤は申し訳なく思って苦笑いを浮かべながらアヤカからちょっと視線を逸らした瞬間
廊下の奥に現れた藤本を見つけた。
そして、彼女の表情を見た時、何か嫌な予感がした。
「アヤカ、ごめんね?最近色々あって、今度ちゃんと話すから
またメールするから、ごめんね、ほんとに。今はさ、ちょっと…いかなきゃ」
顔の前に両手を合わせて彼女に謝ると、急ぎ足で去って藤本のもとへと向かった。
そんな慌てた吉澤の言葉に仕方なく頷いて
アヤカは腕時計をチラッと見て吉澤とは逆の方向に歩き出した。
- 427 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:24
-
「今、大丈夫?」
吉澤は去っていくアヤカの方に振り向いて、心の中にもう一度彼女に謝ってから
再び藤本に視線と笑顔を戻した。
「美貴ちゃんにならいつでもおっけーだよ」
「そりゃよかった、話があるから」
- 428 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:25
-
*****
- 429 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:25
-
「ずっと一緒だよね…それじゃ梨華ちゃんに怪しまれないで近づけない…」
「じゃ〜話があるからって梨華ちゃんを別んとこ連れてって」
「だからね、梨華ちゃんはもうあたしの言うことを聞かないから
ごっちんに助けてもらってんの…」
後藤は柴田を見てため息一つをつくと
しょうがないって顔をしてカバンから携帯を出した。
「んじゃこれだね…」
「何してんの?」
「プランBだよ」
「え?なにそれ、プランBって……」
「まぁ…あ、あっちの2人を見張ってね」
- 430 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:26
-
携帯を耳に、構わず背を向き数メートル離れた後藤の後姿を見ながら、
さきの答えにあまり納得のいってない柴田は
誰に電話してるのか、プランBとは何だろう、ごっちんは映画見すぎかもと
必要でない事まで考え出しはじめてた。
「もしもし?今、平気?」
『うん、大丈夫だよ。どうしたの?なんかあった?』
「ううん、まだ。でも、ちょっと手伝って欲しいことあんだけど」
『あーいいよ、教えて』
その後の会話はほとんど聞き取れなくて、柴田には待つしかなかった。
数分後、何か悪戯を企んでる子供のような笑顔を浮かびながら後藤が戻ってきた。
「で…これで、なんか起きるの…?」
「とりあえず待とう、ね?」
すると、少し遠くにいた美勇伝のメンバー2人の方から
着信音らしい歌が聞こえてきてすぐ、石川は携帯を取り出した。
電話でのはやい会話の後、彼女は隣の三好に何かを伝えてから出て行った。
「すごぉ…なんで……?…」
「でしょ?」
後藤は柴田に視線を移してウインクを決めると、
再び目的の人に向いて歩き始めた。
「よしっ。あたしの出番だ」
- 431 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:26
-
- 432 名前:47 投稿日:2007/12/25(火) 05:27
-
- 433 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:27
-
- 434 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:28
-
吉澤は藤本の話は何なのか知らなかったが、
さきから感じてた嫌な予感だけが強くなっていった。
どこか二人だけで話せる所を探してた間も彼女はずっと黙っていた。
結局、その建物にはいつものあの4階の部屋しかなさそうだった。
ドアを開けて最初に入って、座らずにテーブルのそばに行って
どこかジーっと一点だけ見つめてた藤本にあまり近寄れなくて、
吉澤はただ閉まったドアの前に立っていて、何をすれば良いのかわからなかった。
「聞きたいことがあるの、だから、本当のことを教えて」
吉澤に誤魔化される前にそう切り出した。
「わかった」
藤本は彼女の方に目線を向いて、その大きな瞳を真っ直ぐに見つめた。
- 435 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:28
-
「この前、梨華ちゃんちに行ったって本当?」
吉澤の素直で単純すぎるたった2文字の返事が一瞬にして
藤本の不安と胃袋を激しく取り乱した。
でも、その理由を聞くまで必死で吉澤への信用と自分の表情を崩さないでいた。
「なんで?」
今まで藤本に応えるように同じく目を真っ直ぐに見つめてた吉澤だが、
理由を話す前に少し目を伏せて、ため息をついた。
「終わらせるため。もう終わりだってどうにかして、わからせてやりたかった…」
「でも…梨華ちゃんはわからなかったみたいだよ…」
- 436 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:29
-
シーンと心地悪い沈黙が部屋を支配し、
そして、藤本を再びスタートラインに立たされた。
吉澤は石川を訪れたことをあっさりと認めたけれど、
藤本は安心か心配か、どっちを感じれば、どっちを感じてもいいのかわからなかった。
彼女は今、何をすればいいのか?
もう一つのことに頭を悩ませていた。
「ねぇ、よっちゃん…」
いつもの言葉、いつもの呼び名だけど、
いつもの藤本の声ではなかった。
こんなにも低くて真剣で、何よりも切ない声を聞くのは随分と久しぶりな気がした。
「…よっちゃんが、隠し事があるって、美貴知ってるよ……
…梨華ちゃんのことで…大きい、隠し事…」
言いながら、藤本は吉澤の目の前まで行って、ふたりの距離を縮んだ。
一瞬。一瞬だけ吉澤は目を見開いたが、
すぐにもとの表情に戻った。
「隠し事って、梨華ちゃんとなんに」
否定の返事を言い終える前に
左側の頬から心と体の芯まで沁みるような痛みが走った。
「嘘を吐かれるのが一番嫌いなんだよ」
藤本の刺さるような視線と冷たい声が叩かれたままの吉澤の横顔にぶつかった。、
「前に、ふたりがなんかの秘密について喋ってんの、聞いたことある…」
- 437 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:30
-
吉澤はゆっくりと手を頬まで持って行き、赤く染まっているそこを軽く撫でた。
本当に馬鹿で、情けなくて…
数日前から藤本の様子が変なのは、そういうことだったのか、と。
秘密があることを知って、そして、あの地震の後のキス…
石川とはまだ何かがあると思って、藤本がずっと不安を感じていたんだろう。
松浦のことがあったから、彼女を裏切るようなことだけはしないと決めたのに…
つらい思いをさせて、傷付けて、嘘を吐いてまで…
何してんだろう…
- 438 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:30
-
まだ残っている頬の痛みを感じて、
吉澤はその秘密を保つせいで
どれだけ彼女を酷く傷付けているのかをわかった。
ずっと見れなかった藤本の目の奥を見つめ、
どうにか勇気を集めて、口を開いた。
「わかった…」
擦れたがる声を出来るだけ強がらせて、続いた。
「…でも、それから、まだわたしと、付き合ってくれるのかは
…美貴に任せる」
- 439 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:31
-
- 440 名前:48 投稿日:2007/12/25(火) 05:31
-
- 441 名前:りるあぷ 投稿日:2007/12/25(火) 05:32
-
クリスマスなのに
暗い内容で申し訳ありません。。。
(ww)
>名無し募集中。。。さん
いつも、どうもありがとうございますm(_ _)m
そうですね、近付いてきてます。
応えられように頑張っていきますんで、よろしくです!
そして、メリークリスマス!!
- 442 名前:名無飼育さん 投稿日:2007/12/26(水) 10:30
- 最後まで付いて行きますよ!
知りたい知りたいこの先…
頑張って下さい!
良いお年を^^
- 443 名前:りるあぷ 投稿日:2007/12/31(月) 15:25
- >442さん
ありがとうございます!嬉しい言葉を、本当に感謝です!
続きは、来年になりますが。。。汗
本当に頑張りますんで、よろしくお願いしますm(_ _)m
442さんにも、読者の皆さんにも、レスを下さった皆さんにも、原作を書いたlenさん、
まだまだ未熟でミスも多くて、それでも付き合ってくれて
本当にも感謝で一杯です!ありがとうございます!
来年もどうかよろしくお願いしますm(_ _)m
更新もないのに長文ですみません。。。(でもお礼言いたくて…)
それでは、皆さん、よいお年を!
- 444 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/05(土) 00:26
- イッキに読ませて貰いました。
読み辛い所もあるけど、凄く引付けられます。
これからも更新を楽しみに待ってます(^^)
- 445 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/05(土) 18:05
- 凄く複雑になってきましたね...
気合入れて待ってますよー(^^)/~~
- 446 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:42
-
- 447 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:43
-
(はぁ…落ち着け…自然に、いつも通りに……)
どうやって怪しまれずに近付いていけば良いのかを考えながら、
後藤は目的の人と距離を一歩ずつ縮んでいった。
そんな難しくはないはずだ。
ここの子達にアプローチなんて、それは随分と前からしてきたことだし、
”あそぶ”ためにしろ、忘れるためにしろ…
とにかく思うがままに、そして、狙った相手とそうしてきたことにかわりはない。
しかし、今回はちょっと違う。
理由はそのどちらにもあてはまらないし、その子も後藤の好みでもないし。
実を言うと、彼女の何かが苦手であまり心地良いとは言えない。
でも、やらなくては…
- 448 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:43
-
「みーよちゃん?」
「あ、はい?」
呼ばれた方に振り向いた彼女は
後藤だとわかった時、少し驚いた表情を見せた。
(いいスタート…)
「後藤さん?」
「うん。今、1人なの?」
(あぁ…あたし何聞いてんだよ…1人だからここに来たんでしょーが)
「梨華ちゃんと一緒だったんですけど、でもケータイがなって、
でどこか話せるところ行っちゃったんです」
- 449 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:44
-
「ってことはぁ…今フリーなの?」
そんなことを聞かれ、今までのちょっとビックリと意外さが混じった表情から
ニヤリともとれる妙な微笑みに変わった彼女の顔を見て、
何かを悟られたのかと警戒心を高める後藤。
「それは”フリー”の意味次第ですねー」
(へぇー、この子、意外とノリがいいわ…)
その考えが一瞬と過ぎた後、後藤は彼女にいつものポーカーフェイスを見せた。
案外、面白くなりそうな予感がした。
- 450 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:44
-
*****
- 451 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:45
-
藤本は無口で完全に止まっていて、沈黙だけが大きくなっていった。
吉澤が全てを話し終えてから五分以上の時間がすぎても、
どちらからも言葉はまだ一つもなかった。
彼女の話している時の声に、力強さと落ち着きも含めたその低いトーンに、
藤本は”超現実”な感覚に、戸惑っていた。
ただ、頭にずっと繰り返されていたのは
吉澤の最後の放した言葉。
- 452 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:45
-
『今は、美貴の番だよ。
…あたしみたいな……ヤツ、を…まだ、好きでいられるの?…』
- 453 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:46
-
いられるのだろうか?
そして、石川はどうだろう?
彼女が本当に被害者かどうかは藤本にはまだ信じられなかった。
…信じられない、わからないことばかりで…
彼女は、吉澤に…ゴーカン、された……
そんな…
でも、吉澤のことを騙して翻弄してきたのは石川の方だ。
(いや…あんなことに、理由とか言い訳なんて……許されないこと、で……)
- 454 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:47
-
色んな思いや考えに沈んで、頭の中がおかしくなりそうなほど混乱して、
吉澤が近づいて来たことでさえ気付かなかった。
「美貴…」
ためらいもあったが、
それでも吉澤は名前を呼んでゆっくりと腕をのばした。
しかし、声をかけられたことで藤本は驚き
反射的に体をビクッとして、右足が一歩さがった。
自分のしてしまったことに気付いて、すぐに顔をあげて吉澤の目を見たけれど、
もう遅かった…
- 455 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:48
-
「よっちゃ…ご、ごめん……美貴…」
「大丈夫…」
話していた時とは対照的に、
吉澤の声は小さく、消えていきそうで、震えてた。
「わかってる」
藤本が何かを言える前に、吉澤はもう部屋を出て行った。
本当は叫びたかった。彼女を追いかけて、行かないでよと、言いたかった…
でも、できなかった。藤本はそのままひざまずいて、
泣くしか力が残っていなかった。
- 456 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:48
-
- 457 名前:49 投稿日:2008/01/16(水) 16:48
-
- 458 名前:りるあぷ 投稿日:2008/01/16(水) 16:52
- 本っ当に少なくてごめんなさい…
>444さん
こんなダメダメでも読んでくれて、しかもいっきに、
本当にありがとうございます。
期待に応えられるよう、頑張ります!
>445さん
お待たせしました。
そうですねー。でも一部は今回でお分かりになるんじゃないかと思います。
- 459 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/19(土) 10:08
- 待ちます
- 460 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/01/24(木) 11:00
- よっしーが梨華ちゃんをゴーカンですか…
やっと真実が出て来ましたね!
ここまで付いて来て、やっと尻尾を握った感があります…
ゴーカン。いしよしでそんな事あるのかな?
続き楽しみにしてますよ!
ごちみよにも興味ありますw
ゴーカン…
- 461 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:16
-
- 462 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:17
-
「みきたん?」
(梨華ちゃんがなんかしたのかな…)
マンションのドアの前に俯いて目を真っ赤にしてる親友の姿を見て、
彼女を心配すると同時に脳裏に浮かんできた石川。
しかし石川からは何も連絡がなかったため、
藤本が落ち着いて何があったのかを話してくれるまで待つしかない。
とりあえず彼女を落ち着かせようとベッドに寝かせた。
暫くすると、強く瞑ってたその目から力が抜けて涙も少しずつ止んでゆき、
そして松浦は乱れた重い呼吸を聞きながら、混乱しているであろうその頭をやさしく撫でていた。
彼女を安心させるように、傍にいるよと念をこめて。
- 463 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:18
-
「たん… なにがあったの?…」
出来るだけ小さい声で聞いてみても、
徐々にゆっくりとなっていく息遣いが返ってくるだけだった。
「みきたん、お願い… 教えて?」
再び尋ねてみても、何も聞こえてこない。
大きな動きにならないようそっと近づくと、
松浦は自分の予想が当たっていることに気付いた。
(あ…… 寝ちゃった…)
そのまま藤本との距離を保って、疲れた彼女の寝顔を見つめる。
そして髪を撫でていた手をゆっくりと頬に移動させ、
やさしく、起こさないように親指でかるく撫でた。
「…あたし、なんで気づかなかったんだろ……」
目を潤わせて、松浦がそっと呟く。
「…たんも、あたしが寝てた時、こんな気持ちだったのかな…」
「うん…ずっと」
藤本の言葉は消えてゆきそうなほど小さく細い呟きだったが、
松浦の心臓を跳ねさせるには充分だった。
- 464 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:18
-
眠ってたんじゃなかったの?
それとも、質問に答えたくなくて眠っているフリをしてただけ?
あまりの驚きに固まってしまって、松浦は何を言えば良いのかわからなかった。
目を瞑ったままの藤本はもしかしたら、自分の返事を待っているかも知れない。
しかしドキリした胸と、驚きでまわらない思考のせいで次の言葉が出てこない。
ただ、目の前の彼女との距離、そしてこの状況。
松浦の頭には一つのことしか浮かんでこなかった。
(今なら…)
止まっていた指が無意識に動き出して、肌を滑って唇にたどりついた。
柔らかい感触を確かめるように優しく撫でる。
(今なら…わたしから逃げ出さないかなぁ……)
引きよせられるように、松浦はそっと唇を重ねた。
彼女からは何の反応もない。
藤本がそのキスに応えることもなかったし、抵抗することもなかった。
しかし彼女の肩に触れた時、松浦は藤本が僅かに震えていることに気づいた。
- 465 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:19
-
*****
- 466 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:20
-
彼女の家のドアの前に来ても尚、吉澤は迷っていた。
もし彼女が自分に会いたくなかったらと思い、ベルを押せないでいる。
自分に何ができるのか?あんなことがあって、なにを言えば良いのか?
一体なにを言えるのか?
(でも……)
愛してた人に取り返しのないことをしてしまって。
誰かをもう好きなったりしない、出来ないと思ってたのに。
包み込むように心を暖めてくれた藤本に触れた時、もう一度信じてみたくなった。
でも、自分でも自分が許せないのに…
彼女にそんなことを頼む資格もないのだろう。
それでも。それでも、どうしても彼女が必要だと気付いてしまったから…
- 467 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:20
-
意を決した吉澤は大きく一つ深呼吸をつくと、ベルを押した。
待っている間の重い空気が、
今にも崩れてしまいそうなゆるい決意と膝の力を奪っているような気がした。
しかしいくら待っても、もう一度ベルを鳴らしてみても、誰も現れることはなかった。
全身から力が抜けていくようだった。
呆然とした気持ちを切り換えて、勢い任せに藤本の携帯に電話してみても、やはり誰も出ない。
「美貴…」
吉澤はもう一度そのドアに視線を向けて力なくため息を吐くと、
ようやく彼女に会うのを諦めた。
そして切なさを隠すかのように帽子を深くかぶりなおし、
少し曇った夜空の下、携帯を片手に歩き始める。
こんな遅い時間に掛けてはいけないとわかっていても、
ただ黙って温かく迎えてくれるあの人の優しい声が聞きたかった。
しかし、再び聞こえてくるのはメッセージセンターの音声だけ。
「こっちもか…」
携帯をたたんでポケットしまうと、吉澤は情けない薄い笑みを言葉と一緒に零した。
「…これって、バツなんかな…」
- 468 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:20
-
*****
- 469 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:21
-
後藤のバッグの中にある携帯の着信音が止んだ。
しかし持ち主がそれを気にする気配は一向にない。
「きょぉ…向こうに泊ま、る…と思、てた…」
「三好のことはいいじゃん、もう…」
高ぶる鼓動と興奮を連れてくる後藤のキスが、またも柴田を支配していた。
しかしハッと我に返った時、柴田はその手を掴んで止めさせた。
何してるんだ?
彼女が突然夜中に家に現れたって、こんな風に軽くノせられて寝るはずじゃ…
(あたし、どうしたんだろう?)
- 470 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:21
-
「楽しんでるんじゃなかったの…?」
さきほどの後藤の言葉にそう返した。
しかし柴田は自分自身の声のトーンに気付かなかった。
後藤の反応を見るまで。
口の端を上げ、後藤は微笑む。
「妬いてるの?」
その質問に、答えなど要らなかった。
後藤は柴田の返事を深い口付けで遮って、彼女が抵抗する前に再びその行為へと戻った。
- 471 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:22
-
- 472 名前:50 投稿日:2008/01/29(火) 00:22
-
- 473 名前:りるあぷ 投稿日:2008/01/29(火) 00:23
-
残り10話です。長いような短いような…
>459さん
あ、お待たせしました。
>460さん
どう訳せばいいのかなってずっと悩んでましたね。
どうでしょう…
ありがとうございます。
ごちみよって、初めて聞きました!w
- 474 名前:460 投稿日:2008/01/30(水) 10:13
- 悩んでたんですか??
ゴーカン…
いしよしに限っては、とても興味深いですw
出来たら詳細を…ww
ごちみよって勝手に私がつけました(汗)
初めて聞きます!w
何かよっしーが黒く見えて来ます…
更新待ってます♪
- 475 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/12(火) 11:55
- 試験シーズンですが(汗)
更新楽しみに待ってまーす!
- 476 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:46
-
- 477 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:47
-
廊下に響く藤本の足音の速さは、彼女の思考のめまぐるしい動きと一致していた。
無意識に歩みのペースを少し早めながらここ数日のことを考える。
あの日以来吉澤とは仕事のことを話すだけで、
その寂しさや苛立ちが複雑に絡みあって、焦りを生み出していた。
本当は今すぐにでも彼女のところまで走って行って大丈夫だよと、
何があってもそばにいると、そんな照れくさいセリフさえ言いたい。
でも、出来なかった。してみようとするところからダメだった。
ふたりきりになり近づいて話そうとすると
いつも吉澤が何か言い訳を作って逃げていくからだ。
ちょうど今のように…。
- 478 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:48
-
廊下の向こう側から歩み寄ってくる吉澤は、
藤本を避けるかのように目を伏せて地面ばかりを見つめていた。
「よっちゃん」
声を掛けた時、彼女の身体に一層力が入ったのが空気でわかった。
そして彼女はそのまま歩きながら、
作った笑顔で「おぅ」と短く返すとスッと消えてしまった。
- 479 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:48
-
*****
- 480 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:49
-
「ガキさん、あれ見た?」
「なに?」
「吉澤さんと美貴ちゃん、ふたりだけで全然話してないよ」
新垣は読んでた雑誌の記事から上に視線を移して
数メートル離れた場所にいる藤本を確認すると、再びすぐに視線を雑誌に戻す。
「ケンカでもしたんじゃない?」
目線を雑誌に向けたまま続ける。
「吉澤さんがいくらサバサバしてるって言っても、アレあったじゃんGAMの。
それでやきもち焼いてても別におかしくないし」
「え、アレって?」
頭を少し横に傾けて、ん?と疑問を顔に出す高橋に驚いて新垣が振り向いた。
彼女のその姿は素直に可愛いなぁと思うが、
その質問にツッコまずにはいられなかった。
- 481 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:49
-
「愛ちゃんあんた本当に地球に住んでるの?
っていうか、本当にモーニング娘。のメンバーなの?
ありえない!みーんなみーーんな知ってるよ、あのキスのこと」
「へ?ちょ、待って。…キス、したの?いつ?」
疲れてるのか呆れてるのか、それとも両方か、
新垣はため息をつき雑誌を閉じた。
「愛ちゃん、これからは本当にちゃーんと人の話を聞こうね」
「今聞いてるから、教えて」
「いいけど、ちゃんと聞いてよね。あのぉ、GAMの新曲あるじゃん?
あれのPVの最後のシーンで藤本さんと松浦さんがね、キスしてるのよ。
ま、私はそんな大したことじゃないと思うんだけど、噂になったりしてるって言うか…」
それを聞いた瞬間、高橋がいきなりポケットを探り出して、携帯を取り出した。
「ほ〜らね、また人の話を聞いてない…」
「いや、そやなくて、このこと麻琴に知らせな」
- 482 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:50
-
諦めて、新垣はまた雑誌を開いた。
小川に伝えたらきっとロクなことにならないということ、
そして高橋にそれを理解してもらうことは無理だと新垣はわかっていた。
小川が本気で藤本の尻を蹴っ飛ばすために、
いや、少なくとも蹴ろうと試みて飛んできそうで…あぁ頭が痛い。
しかし、もっと頭が痛くなりそうなのは吉澤だ。
もし小川が首を突っ込んだら絶対状況がややこしくなる。
だがそれを頑固な彼女に言っても無駄だと思い、もう一度ため息を零した。
「はぁ〜…コンコンがいたらなぁ……」
- 483 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:50
-
*****
- 484 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:51
-
行き先もなく、吉澤はただ歩き続けた。
数日前から、リハーサルの休憩に入るとずっとこの繰り返しだ。
彼女のこともメンバーのことも避けて逃げるしか出来ない。
仕事で毎日会ってはいるが、本当はとても藤本にあわす顔がない。
そして今、目の前にいるこの子にも。
「みきたんに何をした?」
低い声と真剣な瞳の色に混じった冷たさと怒りに気付き、
吉澤はここからそう簡単に逃げ切れないことを悟った。
「みきたんのことが本当に好きなら、なんで泣かしたりなんかするの?」
(なんで私は、好きな人をいつも傷つけるんだろう)
「だから今はあたしの番だよ。みきたんにあんたは要らなくなるよ」
(…『吉澤さんはもう必要ないんですよ』……)
- 485 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:52
-
何も言えない。松浦もきっと答えなど期待していないだろう。
去って行く彼女の後姿を見えなくなるまで静かに見送るだけ。
頭の中で松浦の言葉とあの時の三好の言葉が重なり身体から力を奪って、
代わりに痛みと苦しみが襲ってくる。
崩れるように地面に座り込んで、膝に顔を埋めた。
「同じことの繰り返し…」
自分自身を責め続ける吉澤。
「…お前って、ホンットに情けないよ」
疲れきった身体からため息が零れようとしたその時、
突然、携帯の着信音が鳴り出した。
送られてきたのはたった2行のメッセージだった。
- 486 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:52
-
”藤本さんは吉澤さんのこと好きだよ
ガンバレ!”
- 487 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:53
-
本当に短い言葉だった。
けれど、吉澤にこの数日間忘れていた本当の笑顔を戻すには充分だった。
「ありがとう、まこと…」
- 488 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:53
-
- 489 名前:51 投稿日:2008/02/16(土) 02:53
-
- 490 名前:りるあぷ 投稿日:2008/02/16(土) 02:54
-
お待たせしました。51でした。
次回、もう一コの三角(?)が登場です。
>460さん
いつもありがとうございます!
いや〜、そうですねぇ、言葉だけでもすごく…重い、なんで(汗
しかも「いしよし」なので、なおさらって言うかw
詳細は…えぇっと、えーと……えぇーーと……すいません・・・
ごちみよって、なんか響きが可愛くないですか?
結構気に入りましたが。
よっすぃがこう黒く(暗く?)見えるのは
作者さんなりのここのよっちゃんへの天罰?って言うんですか?なんか、そういう感じ(みたい)なんです。
>475さん
実は私も来週から試験なんです…(汗
ありがとうございます!
勉強頑張ってくださ〜い!
- 491 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:48
-
- 492 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:49
-
(あぁ〜、やっぱりダメかもぉ…!出来ないよ、絶対無理っ!
はぁ〜…これ引き受けた時、あたし何考えてたんだろう…
柴ちゃんも柴ちゃんだよね、こんな作戦言い出してさ…
最近、柴ちゃんとばっかりいるバツかなんかなの?
あたし、遊ぶ相手間違えたかもなぁ…
でも、ここまで来て今更後悔してもしょうがない…
とりあえず、絶対に三好に疑われちゃダメ。
よっすぃのためだ、頑張ろう)
「実は、私、ずっとこうしたかったの…」
「ん?」
手を休ませずに尋ねる後藤。
「…後藤さんと、こうして…」
(これって、…いいことだよね?
このまま喋り続ければなんか話してくれるかも…)
- 493 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:50
-
柴田の作戦は簡単だった。
三好に近づき、乱れさせられた彼女を利用して喋らせること。
後藤だったら、きっと上手くやれる。
実は始めは、引き受けたとは言え後藤本人はあまり自信がなかった。
しかし今三好の言葉を聞いて、後藤は柴田のことを信じ始めていた。
「あたしに気があったなんて、知らなかった…」
後藤が三好の首筋に唇を落として、続けた。
「…梨華ちゃんとデキてんのかなって、ずっと思ってたし…」
「とぼけないでくださいよぉ…
梨華ちゃんは吉澤さん、と付き合ってたの、後藤さんも知ってたんでしょ?」
三好を焦らすように後藤の手がゆっくりと彼女のシャツの中に進み始めた。
会話もいいペースで進んでいる。今なら、三好が何か話してくれるかも知れない。
彼女が絶対に関わってるはずだ。
美勇伝が結成した頃に石川と吉澤の間に色んな問題が生じ始めたことはきっと、
ただの偶然じゃないと柴田は思っていた。
「そうだけど、もう1年くらい前にふたりは別れたから…」
緊張感を表に出さないように努めながら、
後藤はこれから言う言葉が当たっていることを祈った。
「…で、なんかわかんないけど、
そのことを三好ちゃんに感謝しなくちゃいけない気がするんだよね…」
- 494 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:50
-
三好の表情が一瞬驚きに支配されたが、
何も否定せずに、彼女は笑って後藤に深くキスした。
「やっぱり…」
後藤の心臓が跳ねた。
見抜かれてた…?
- 495 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:51
-
「後藤さんきっと喜ぶと思って…」
(ハーっ?!)
「吉澤さんのこと許せないんです、後藤さんのことあんな風にフって…」
(ちょっ…ちょっと待って!何、どういうこと?!あたし、聞き間違えてないよね?
ちょっと、冷静に考えよう……だって、あの時、彼女はまだいなかったし…)
「なんでそんなこと知ってるの?」
意外な答えに混乱を隠しきれない後藤。
「後藤さん、喋りすぎですよ」
後藤は抵抗しなかった。
しつこく聞いたら怪しまれることわかっていたからだ。
とりあえず、行為に戻ることにした。
- 496 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:52
-
*****
- 497 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:53
-
「みんなもう忘れてると思った」
そう言った辻は、ケーキをフォークですくって目を輝かせていた。
「…一番興味のあったまことはもういないし…」
「うん…でも今はもっと心配なんだよね。
これはもう梨華ちゃんとよっすぃのことだけじゃなくなったから…」
柴田の声のトーンに気づいた辻は、フォークをテーブルに置き、
背中をイスにもたれさせて腕を組んだ。
「そっか…のんに何か出来ることある?」
「ううん、大丈夫。私達でなんとかするから、任せて」
「私達?」
「そう、あたしとごっ…」
柴田の携帯の着信音が鳴り出して、会話が途切れた。
ポケットからそれを取って発信者を確認した。
(噂をすれば…)
- 498 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:53
-
”こちらは使命完了。
今夜会いに行くから、お茶とベッド用意して待っててね〜!(笑)”
- 499 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:53
-
「どうしたの?」
「ううん…仕事のことだった」
「へぇ〜…そんな風に笑うなんて、仕事が大好きなんだね」
(え?…あたし、笑ってた?)
- 500 名前:52 投稿日:2008/02/23(土) 17:54
-
- 501 名前:りるあぷ 投稿日:2008/02/23(土) 17:55
-
はい、少ないですが更新です。
なんか一話ずつやる方が進むと気づいたら、もうちょっとで終わりですね…
- 502 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/02/24(日) 15:26
- ええ!?
終わりなんですか!?
更新お疲れ様です。
ビビるごっちんって新鮮で面白かったですw
- 503 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:52
-
- 504 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:53
-
昨日の夜一睡もできなかったことが嘘かのように、
一歩一歩力強く踏み出す自身の身体にダルさはなかった。
取れなかった疲れはやはり顔に出てくるものだが、
吉澤のその目さえもが強い決意で固めた力を伝えていた。
もしかしたらこれが最後のチャンス。もう、そう簡単に諦めたりしない。
一度、絶望の闇に溺れ理性を失い、取り返しのつかないことをしてしまった。
が、そんなことはもう二度と犯さない。絶対に。
- 505 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:54
-
ホールの十数メートル先、少し端の方に辻、新垣、そして松浦と話していた彼女がいた。
自分にとって状況がいいとはとても言えなかったが、そんなことはどうでもよかった。
何も言わずに藤本の腕をつかんで振り向かせたと思うと次の瞬間、
反応をする隙もあたえないで彼女の唇に自分のそれを重ねた。
もちろん、その場にいた3人の目の前で。
「好きだよ。だから、美貴のこと諦めない」
一緒にいることが決して簡単なことじゃないと知っていても、
自分の気持ちをちゃんと伝えよう、絶対に説得してみせる。
そう思って吉澤は話そうとしたが、藤本がそうはさせなかった。
両腕を吉澤の首にまわしてきつく抱きしめた。
吉澤は思わず尋ねる。
「これって、許してくれるってこと…?」
「バカ…あれは違うんだよ。あんな話だと思わなくてビックリしただけで、
よっちゃんと別れたいとかそういうんじゃないの」
話していく内に涙がこみ上げてきて、声が弱く小さくなる。
「ちゃんと言おうとしたけど、よっちゃん逃げるんだもん……」
- 506 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:55
-
吉澤は腕の力を緩めて、藤本の目を見れるように二人の間の距離を少しだけ広げた。
「ちょっとついて来て」
手をつかまれて、返答を待たずに歩き出した吉澤にただ引っ張られていく藤本。
ホールに残された3人は去って行くふたりの背中を見送りながら、
自分たちの存在を空気のように感じていた。
「何なんだ、あれ?」
「さ、さぁ…仲直り?…松浦さん何か知ってるんですか?」
呆気にとられた二人が松浦に尋ねようと振り向いたが、
そこにはもう誰もいなかった。
- 507 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:55
-
*****
- 508 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:57
-
「まだ信じられないんだけど」
「信じられないって?
じゃ、お前の所為でこんなことが起こってるんだって言われたあたしの身にもなってみ」
「自分を責めないで、ね?ごっちんの所為じゃないんだから」
「でも、あたしのためにって…」
「それは三好の思い込みだよ。
だからそんなこと気にしないでこれからどうするのか考えよう?」
「まぁ……どうするって…もちろんよっすぃと梨華ちゃんに話すよ。
本当は梨華ちゃんが悪いわけじゃないし、こんな風に終わらせちゃいけないし」
「でもごっちんさ、本当のことを知って
嬉しいって言うのも変だけどあんまり顔は晴れてないよね」
「…ズルイだろうけど、悪者は梨華ちゃんだって思ってた方がマシだったから」
壁に背中を預けて深いため息とともに目を閉じる後藤の姿を見て、柴田は気づいた。
この子はただの遊び人じゃなくて、本当はもう傷つきたくないだけなんだと。
「柴ちゃん、本気の恋はしない方がいいよ、傷つけ合うだけだから」
(そんなこと言われたって…もう遅いよ……)
柴田は後藤のその臆病な発言に反論しようとも思ったが、
彼女の口元に現れた小さく寂しそうな笑みを見てやめた。
- 509 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:58
-
数秒の沈黙の後、どこかから段々近づいて来る声と足音が二人の耳に届き、
後藤は目を開いた。
「よっちゃん、ちょっと待って!」
そう言いながらも、藤本は吉澤のペースに合わせようと努める。
「なんで走って行くのよ?!よっちゃん!!」
モーニング娘。のリーダーと、そのリーダーに手を引っ張られたサブリーダーが
走りながら目の前を通り過ぎる。
驚いた後藤と柴田が顔を見合わせると、後藤が口を開いた。
「嫌な予感がしてきた」
柴田も何か言おうとしたが、去って行ったふたりの後を追うように突然現れた、
これもまた走っているサブリーダーの親友によってその言葉は遮られた。
何かが起こると察した後藤はとっさに柴田の手をつかみ、
そして何も言わずに走り出した。
- 510 名前:53 投稿日:2008/05/02(金) 01:59
-
- 511 名前:りるあぷ 投稿日:2008/05/02(金) 02:01
-
53話でした。
前回の更新から大分間があけてしまって申し訳ありませんでしたm(_ _)m
>>502さん
そうです、この話は60話で終わりなんです。
感想とか貰うと本当に力の源になります!ありがとうございます!
実は、この話のごっちんが本人を好きになるきっかけでもありますんで、
楽しんでもらえて本当に嬉しいです!
- 512 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/02(金) 15:33
- 更新待ってますよ(^-^)/~~
色々ありましたがもうすぐ完結なんですね。
誰かには幸せになって欲しいです。
本当は皆に...
りるあぷさんのペースで頑張って下さい!
- 513 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/05/26(月) 12:45
- 続き楽しみにしてますw
- 514 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/08/07(木) 21:18
- まってます(≧-≦ゞ
- 515 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/08/21(木) 12:43
- 作者さんもし原文がもう完成されているのならどうか完結まで頑張ってください。待ってます!
- 516 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 22:58
-
- 517 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:00
-
石川は疲れていた。
でも、どうしてなのかわからなかった。
吉澤と藤本が話をしていないことを先日知った。
考えられる理由は、二人が喧嘩して、
そしておそらく、別れてしまったんだろうという事。
石川にとって嬉しい事なのに、自分の勝利を喜べる瞬間のはずなのに、
どこか虚ろな気持ちになる。
何を期待していたんだろう?
吉澤が、何もなかったかのように自分の下に戻るとでも思ったのか?
石川はその答えを一番わかっていた。
けれど、その他にも石川には心配なことがあった。
ここ数日、三好と岡田の様子が変だった。
いつも笑顔を絶やすことのないお喋りな岡田は静かでどこか張り詰めた空気を発している。
そして三好。この頃二人でいることは無くなったが、石川は彼女に何かが起きてることを察してた。
彼女がいきいきしていて。そう、彼女のような人にしてはいきいきしすぎだ…。
- 518 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:01
-
石川は三好にそのことを尋ねようと思った時
突然、自身の存在感を荒らげた吉澤が現れた。
その片手には息を上げている藤本。
「梨華ちゃん?」
吉澤にやわらかい声色で名前を呼ばれて怪しむ石川。
「はい?」
躊躇いながら返事をしてみてもやはり吉澤の自分を呼ぶ声のトーンが気に障った。
心がそれを脳に伝える前に、吉澤は体ごと藤本に振り向いて深く口付け、
その場にいた美勇伝の3人を唖然とさせた。
三好の表情から緩みが無くなり、
岡田はこれでもかと言うほど目を見開き口をポカッと開け、
そして石川は、混乱して何も考えられなかった。
しかし、訳が分からなかったのはその3人だけじゃなかった。
吉澤の突然の口付けに藤本も驚いていた。
彼女が何を考えているのか掴めずに最初は戸惑っていたが、
走っていたせいで乱れた呼吸と鼓動、それにに熱も加わり、
もうどうでもよくなった。
そしてそれが松浦、後藤と柴田がその場に着いた時に見た光景だった。
- 519 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:02
-
「えーっと…まぁ無駄だろうけど一応聞くね。…何あれ?」
松浦に近づいて小声で聞く後藤。
「わかんない」
数分前に同じ様なシーンを見せ付けられたため、
松浦は隣の二人とは違ってそんなに驚いてはいなかった。
だからと言ってその状況に決して慣れる訳がない。
何よりも、吉澤の首にまわされた藤本の腕は
吉澤を受け入れそしてもっと強く求めている事を伝えていて、
松浦の心を締め付けた。
強がっていてもやはり耐えられなくなり、目を逸らして隣に目を向けると、
無表情にも見える顔をしていた後藤が二人を眺めてた。
普段ならそれは冷ややかで、時に怖いイメージをもたらすけれど、
その時の彼女の”無表情”は切なくて痛々しい、悲しげな色をしていた。
後藤はずっとその気持ちと歩いてきたのだろうか…
これから自分もその気持ちとずっと生きていくのだろうか…
- 520 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:03
-
「もういい!」
怒りに満ちた石川の声を聞いて二人は体を離すが、
吉澤は藤本の手を握って彼女に振り返って
硬い表情で口を開く。
「これでわかった?あたし、美貴のことが好きだから
お前がどれだけ邪魔しようとしてもあたし達別れないよ」
「じゃぁそれが本当なら、あのコトをはな」
「もう話した」
吉澤は石川の言葉を遮って繋いだ手にそっと力を込めた。
そして藤本の目を見て愛しそうに、柔らかく微笑んだ。
「話して、そして、理解してくれた。
・・・
ゲームオーバー、梨華ちゃん」
それは石川にとって全くの予想外だった。
本当は、吉澤が話したことが信じられなかった。信じたくなかった。
あれは自分達の秘密、ふたりだけのコトで、
唯一ふたりをまだ繋げていたコトで…
- 521 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:04
-
「いいよ、今回は”美貴ちゃん”の勝利だよ」
藤本に鋭い視線と意味のあり気な言葉を送って更に続けた。
「その幸せは今だけだから充分味わってね?」
「それ、どういう意味だよ」
すぐには答えずに、石川は吉澤に再び視線を向けて頬を撫でようとしたが、
吉澤は一歩後ろに引いて接触を避けた。
「すぐ分かるよ?私達の王子がそんなに純粋じゃないこと」
「また騙せると思ってんの?」
「私騙してないよ?疑うならごっちんに聞いてみなよ」
「え?!あたし?!」
「はぁ〜騙してるのはどっちだよ…
あたし知ってるんだから、ふたりがデキてたって」
すると全員が後藤に振り向いたが、明らかに一番驚いていたのは彼女だった。
その表情を見れば、石川が何を話しているのか後藤が理解できていないのは明白だった。
- 522 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:06
-
「もう一度だけ言うよ。梨華ちゃんと付き合ってた時、
あたしは本っっ当に、一度も、他の子に手出さなかったからね」
「本当だよ、梨華ちゃん」
吉澤から石川に目を向けて強く断言した後藤。
「それを信じるほどあたしはバカじゃないのよ」
「信じたくなけりゃそれでいいよ。
でも、あたしはもういい加減梨華ちゃんのこと頭にキてるし、
っていうかそもそもウソつく理由なんてないし、あたし」
何も言い返せなかった。
石川はその色々な情報を頭の中で整理するので精一杯だった。
「しかもさ、一番面白いのは、
お前が被害者みたいなことを言ってるけど、
本当に浮気してたのはお前だったんだよねぇ」
「え?」
「純粋な子を演じて、まだ出来ないとか言ってたけど、
本当はただ三好と一緒にあたしをバカにしてただけだろ」
その時、柴田と後藤の目が合った。二人は事実を知っていた。
そして、今は全てを明かす時だということも。
柴田の合図に頷く後藤。
「よっすぃ、ち」
「違うよ!!」
悲鳴にも似たような声を上げて後藤を遮った石川。
「あたしはただよっちゃんと一緒にいたかった!
よっちゃんに全部をあげたかった!なのに…」
抑え切れなかった涙が溢れ出して、声も弱くなっていった。
「…なのに、よっちゃ…全部、よっちゃんのせい……」
- 523 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:07
-
- 524 名前:54 投稿日:2008/09/08(月) 23:07
-
- 525 名前:りるあぷ 投稿日:2008/09/08(月) 23:36
-
54話でした。
まず、4ヶ月も空いてしまって、本当にすみません!!
でも、必ず完結します!これで残り6話だけですが、
いつになるのか自分でも全くわかりません…orz
でも、頑張りたいと思いますっ!
>>512さん
ありがとうございます!そして、大変お待たせしました!
ごめんなさい、私のペースが遅すぎて……
そうですね、本当にみんな大好きなんで
私も全員に幸せになって欲しいなーって書きながら思います。
>>513さん
楽しみにして頂けるなんて、ありがとうございます!!
>>514さん
お待たせしました!
すみません、本当に、こんな遅すぎるペースで…
>>515さん
こんなにも遅れてしまって本当にごめんなさい!
原作はもう既に完結してます、
更新をこんなに遅くするのは私のセイなんです、すみません。
ありがとうございます!頑張ります!
- 526 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/09/09(火) 04:56
- 更新お疲れ様です!修羅場ですね…
ところで、日本語がとても自然になってきてますね!
とか上から目線ですみません;
- 527 名前:名無飼育さん 投稿日:2008/09/12(金) 10:47
- 作者(訳者?)様、よくぞ復帰して頂き有り難う(^O^)/
楽しみにしてます!
最後まで着いて行きますよ(^^)v
- 528 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:43
-
- 529 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:44
-
ホールに残された二人が
数分前の出来事のショックから未だ抜け出せず、
並んで座ったままそこには沈黙が流れていた。
「なんか……なんていうか…」
「変」
「うん…」
二人は同時にため息をついて腕を組み、
新垣が目を閉じてソファーの背もたれに後頭部を預けた。
「でも私…本当は羨ましいって思うんですよね。
誰かに、あんなに強く愛されて…いいなぁって…」
辻は少し不思議に思って新垣の方を向いた。
気のせいだろうか、口をつぐみ目を瞑った横顔が切ない色に染まって見えた。
「でもガキさんって、愛ちゃんと付き合ってんだよね?」
「まぁ…でも、愛ちゃんはあれですからねぇ」
先輩の視線に気付いて、新垣は座り直して続ける。
「私にも入り込めない世界があるんです、愛ちゃんには。
たまに、一緒にいても独りぼっちみたいな、
私がそこにいるのかいないのかどうでもよさそうに…」
殆どひとり言になってしまった言葉は口から勝手に出ていった。
次第に膨らむ不安に、新垣は段々とネガティブになっていく。
もしかしたら興味がないであろう人にこんな話をして、
迷惑をかけているんだろうなと苦笑した。
「あぁ?、すみません、いきなりこんな話して暗くなって…」
「大丈夫だよ、ガキさん。のんもこう見えて一応先輩なんだから!
いつでも頼ってきていいよ!
でも確かに、そういうことはのんにじゃなくて、
愛ちゃんに話すべきなんじゃないの?」
- 530 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:45
-
「あたしに話ってなにー?」
突然後ろから慣れ親しんだ声がして二人は同時に振り向いた。
胸が高鳴ってどう答えればいいのか分からずに、
新垣は引きつった顔のまま高橋を見つめていた。
言えない。いつかちゃんと話さなきゃいけないんだろう。
限界がすでに目の前に来てる。ということは、その日が近づいてるってこと。
でも、もし嫌われたら…
そう思うと怖くて言えない。もう少しだけ時間が欲しい。
「さっき、すっごいもの見ちゃったんだよ、のん達」
新垣の様子に気付いた辻は助け船を出した。
決して得意とは言えない技だが、勢いだけで言ったことに一人で満足した。
うん、よくやった。
「よっちゃんと美貴ちゃんね、より戻したの。
亜弥ちゃん(とのん達)の前ですんっごいキスをしてさ」
「えー!見逃したわー…まいっか」
驚きから悔しさに移る表情。さり気なく新垣の手を握って、
さらに悪戯っ子のような笑みに変わって、高橋の顔は大忙し。
「後でガキさんに再現してもらうから」
新垣はいつものように、当たり前のように笑い返しただけ。
しかし、辻はそれも全て演技にすぎないと分かった。
思い返せば、何回もこうして笑顔だけを返す新垣を見たことがある。
何も言わず、何の抗議もせず、ただ頷いたり、笑い返すだけ。
そして、一つの結論に辿り着いた。
もしも高橋が新垣に本気で惚れていないのならば、人生は不公平だ。
- 531 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:45
-
*****
- 532 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:46
-
「違うよ!!」
悲鳴にも似たような声を上げて後藤を遮った石川。
「あたしはただよっちゃんと一緒にいたかった!
よっちゃんに全部をあげたかった!なのに…」
抑え切れなかった涙が溢れ出して、声も弱くなっていった。
「…なのに、よっちゃ…全部、よっちゃんのせい……」
「あたしは一生忘れないよ。ずっとここにしまっとく」
吉澤は手を胸に持っていき、力強く握り締める。
「でも、このことで自分の人生を左右されたくないんだ。
お前のことをもう信じ切れないよ」
二人の話してることを分かっていたのは一人だけだった。
彼女は、強い決心をして立ち向かおうとしている恋人を誇りに思っていた。
しかし同時に石川には同情されてならなかった。
石川のせいでも吉澤のせいでもなく、全てが何か大きな誤解に思えたからだ。
突然肩に小さな温もりを感じて吉澤は振り向いた。
右手を自分の肩に乗せながら後藤が困った表情をしていた。
「それ以上何か言う前に、よっすぃは知らなきゃいけないことがあるの…」
- 533 名前:55 投稿日:2009/02/09(月) 16:46
-
- 534 名前:りるあぷ 投稿日:2009/02/09(月) 16:50
-
更新です。…先気付いたんですけど、短いですね(苦笑
ってか、もう09年!激遅!すいません…。
そして、初めてのハロ紺がエルダ卒紺だとか…寂しくなりますね。
現在は、見事にベリにハマってしまってますが、ハロを卒業しても、
大好きなよっちゃん、85年組、エルダークラブを応援していきたいと思います。
と、ちょっと私事も入ってしまいましたが(汗
今、ものすごく暇してますんで、更新を進めていけたらなーと思います。
ならば早くしろっ、ですね(汗
>>526さん
いえいえ、ありがとうございます!
修羅場ですねwでも、これからがh(黙れ
日本語は、実は手伝ってくれてる方がいらっしゃいまして、
もうどんなに感謝してもし切れないんです!。・゜・(ノД`)・゜・。
>>527さん
いつもいつも遅くてめっちゃgdgdなのに
そんな嬉しい言葉を頂くなんて、こちらこそ有り難う御座います!
期待に応えられるよう頑張ります。
- 535 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/02/10(火) 03:18
- やったー☆更新されてるー
そして、更新進める発言もー☆☆
やったー☆
- 536 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/03/02(月) 01:15
- うぉー 更新されてる。
嬉しいです。
- 537 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/03/04(水) 20:04
- 復帰&更新ありがとうございます(^O^)/
やっぱりハロプロの輪は素晴らしいですね!!
完結まで応援してます(^_^)/~
- 538 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/03/06(金) 03:26
- 更新キターッ・・・?
- 539 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:48
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- 540 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:48
-
後藤の言葉の後、沈黙が流れた。
その激しい口論に後藤が口出しをしたことに、誰もが驚いていた。
確かに彼女は二人の問題の一部ではあった。
しかし、口出しをすることは藤本でさえ抑えていたことだった。
「梨華ちゃんは、裏切ることも浮気も、一度もしなかったよ、よっすぃ」
そう言って後藤は、藤本並みの目付きで自分を睨んでいた三好に目を向けた。
どうやら彼女は後藤の自分に対する急な関心と接近の本当の理由を悟ったようだ。
「全部、三好の企みだったんだ。」
後藤は再び吉澤の方を向いた。
「よっすぃと梨華ちゃんが気付かずに傷つけ合うように仕向けたんだよ」
- 541 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:49
-
「どうして…?」
後藤のその言葉に、俯いていた石川が三好に顔を向けた。
目頭に涙をいっぱい溜めながら、信じられないとでも言うように驚いていた。
三好は口の端をあげて妙な笑みを作ったが、
その冷たい眼差しは暗い感情に包まれ、恐怖さえ感じさせた。
「見たかったから。あんた達が傷つけ合うとこ。あー、楽しかった」
「あたし…信じてたのに…」
「だからすごく簡単だったよ。
自分に自信が持てなくって、不安のあまり彼女より私を信じちゃったあんたが悪い」
「酷い。最低だよ」
それまで黙って見ていた藤本が、我慢できなくなって口を開いた。
三好の言葉一つ一つに対する怒りで全身を巡る血液が騒ぐのを感じたが、
まだ少し残っていた理性を引っ張り出して何とか自分を抑えた。
「罰だよ」
浮かべていたその妙な笑みを消すように、
三好は一層強く目の前のふたりを睨みつけた。
- 542 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:50
-
「自分達だけ幸せになろうとして、後藤さんを傷つけて。
同じ痛みを感じてもらわないと、でしょ?
そしたら藤本さんが首を突っ込んできてややこしくなって。
まさかそんなこと思わなかったし、油断してた。
大人しく彼女のことだけを見てれば良かったんだけど、
どうやら鈍感なあやや姫は恋愛に不器用なようですね」
「あんたには関係ないでしょ!」
自分の名前を出された松浦は食ってかかるように大声を上げた。
「あるよ!ふたりが未だに付き合ってんのは、あんたのセイでもあるんだから。
梨華ちゃんが色んなチャンスを与えてやったのに、それを潰すほどバカだとは思わなかったよ」
今度こそ完全に理性を吹っ飛ばした藤本が三好に飛びかかって、
握り締めすぎて白くなった拳で一発あごを殴ってしまった。
しかし驚く者は誰ひとりいなかった。
松浦にそんな口を利いたのだから、藤本の怒りを買って当然だ。
しかし、下唇の端から血を流しながら、
それを物ともせずに三好はまたあの妙な笑みを作った。
「これであたしが傷つくとでも思う?」
三好はブラウスの袖で口元を拭いて、挑発的な笑みで藤本を見た。
「こんな傷なんて、勝利の思い出位にしかならないよ」
- 543 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:50
-
顔を真っ赤にした藤本はもう一度三好を殴ろうとした。
しかし、突然力強い手に腰を掴まれ止められた。
「藤本、落ち着け」
後ろに聞き覚えのある声を聞いた藤本は冷静さを取り戻し、腕の力を緩めた。
「私に任せな」
突然の中澤の登場は、それまで余裕だった三好の表情を崩した。
「三好」
藤本の肩から力が抜いたのを見て、
中澤は三好に鋭い目線を向けた。
「来い」
もし”怒ってる中澤裕子”より怖いものがあるのなら、
それは間違いなく”静かに怒ってる中澤裕子”である。
そして、このたったの2文字をこれ以上ないほど迫力のある言葉にできたのも、
きっと中澤裕子であるからだ。
誰も中澤の行動を予想できなかった。
だから、中澤が三好を連れて去った時、誰も口を開かなかった。
- 544 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:51
-
- 545 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:51
-
暫く、張り詰めた重い空気と沈黙だけがその場を包んだ。
数分後、後藤はやっと隣の親友に目を向けることが出来た。
視界の端に見えた石川は力なく床に崩れ泣いていた。
しかし吉澤は、全てが始まった時に立っていた所に佇んだまま、
どこにも視線を向けず、放心状態にさえ見えた。
後藤は、吉澤が涙を流していなくとも、
あの真実がどれだけ彼女に衝撃を与え、どれだけ彼女の心を乱して、
また泣く力さえも失くさせるほどに深く傷つけたことに気付いた。
そして藤本の方に振り向いた。
こちら側に歩いてきているのを見ると、
一歩前に出て彼女の肩に手を乗せ、止めた。
「ミキティ、今は…。
よっすぃと梨華ちゃんは話し合わなきゃいけないし、ふたりにさせてあげよう」
藤本は吉澤を見つめてから再び後藤を見て、そして頷いた。
彼女も、そしてそこにいた他のメンバーも解かっていた。
今、自分達には待つこと以外何もできないことを。
- 546 名前:56 投稿日:2009/03/26(木) 02:51
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- 547 名前:りるあぷ 投稿日:2009/03/26(木) 02:52
-
まず、更新のペースを上げると言いましたが、
2ヶ月も空いてしまって本当に申し訳ありません。。
一回氏んできましょうか・・・
藤本さんの婚約発表に、この小説続けてもいいのかと
戸惑いもしましたが、一回『必ず完結します』と言いましたので、
更新状況とは違って、しっかり守ります。
そして、三好さんのこと。
正直、自分でも少し躊躇ってましたが、原作に忠実にいきたいので。
もし不愉快な気分になった方がいらっしゃいましたらお詫びします。
すみませんでした。
>>535さん
ありがとうございました。
ペースアップすると言ったのに2ヶ月も空いてしまってorz
本当に申し訳ないです…
こんなんでもよろしければ、今後もよろしくお願いします。
>>536さん
いいえ、こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます。
>>537さん
ありがとうございます。そして、待たせてしまってすみませんでした。
今回の更新はアレなんですがw私も本当に素敵だと思います!
必ず完結すると決めましたので、放置だけは絶対にしません。
ので、これからもよろしくお願いします。
>>538さん
更新きましたぁ…(苦笑
- 548 名前:名無飼育さん 投稿日:2009/05/08(金) 20:50
- 続きが気になる・・・
- 549 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:50
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- 550 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:51
-
「ウソ?!」
亀井は腕を組んで、驚きと疑いの目で新垣を見つめた。
「本当。だから中澤さんが今日メンバー全員を集めたんだってみんな噂してるの」
「で、みよちゃんは?」
「ご想像にお任せします、道重さん」
3人がゆっくりとメンバーの前に立っている女性に振り向いた。
女性の顔は真剣そのもの。
怒ってはいないが、怯えさせるほどのその存在感を遺憾なく発揮して、
部屋中でざわつくメンバーの会話に集中していた。
しかし、そのざわめきにもいい加減苛ついてきたようだ。
「静かに!」
迫力のある声を響かせるとメンバーの会話が一瞬にして止まった。
数人が息をのみ、部屋は静まり返った。
「よし」
彼女は真剣な表情を崩さずに、かつ満足そうに呟いた。
そして、再び引き締まったトーンで話し始めた。
「全員が集まったところで…」
「あのー、吉澤さんいないんですけど」
「みよちゃんと小春とキッズの子達もいませんよ?」
普段とは違ってどこか遠慮がちな田中に次いで、亀井も欠席のメンバーを挙げてみた。
しかし、すぐに周りの視線を感じて頬を赤らめながら俯いた。
「吉澤と三好は来ない」
ため息を一つ入れてから中澤は亀井と田中を見ながら答えた。
そして、少し目をそらして続けた。
「ふたりは…別の用事があって来ない。
で、久住とキッズは…まだ関わらなくても大丈夫、だと思う」
自分でも曖昧な返答だと思ったが、それ以上言うつもりはなかった。
他に質問はないか、一旦部屋を見渡したものの、帰ってくるのは沈黙のみだった。
- 551 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:51
-
「みんなは何が起きたのかもう大体知ってると思いますが、
今回私がみんなを呼び出して集まってもらったのは、
あのような事を2度と起こさせないためです。
こんな大人数だから、もちろん大変なこともいっぱいあると思いますが、
ケンカしてもすれ違いがあっても、お互いを尊敬して支え合うことは大切なことです。
ハロプロのメンバーは仲間であって、家族であることを忘れないで下さい。
もし誰かが私の家族を傷つけるようなことをしたら、
私が直に処理させてもらいます。」
いつの間にか説教じみた話になってしまったことに内心苦笑しながら、
中澤はメンバー一人ひとりの反応を伺った。
多くの真剣な表情が見られる中で、視線に絶えられず顔を俯く数人。
「けれど…どんな家族をも崩してしまえるモノがあります…」
中澤は俯いてる数人の中の一人に視線を止めて、
今までとは違う淋しい声色で続けた。
「”秘密”というモノです」
その言葉に顔を上げた石川と、中澤の目が合った。
「戦争の中でも一番危険な武器は”秘密”。
ライバル意識はいいことだけど、メンバー同士での戦いはここでは要らない」
息をのむような強い声と視線を全員に送った後、
中澤は口の端を僅かに上げ、ニヤけた表情で再び口を開いた。
「なので、今ここで、私は全部、何もかも教えて貰おうと思います。
それじゃあ、誰から始めようか」
中澤から視線を移したメンバー達はただただ互いを見やって、
誰かが何か言うのを待っていた。
しかし、誰もが同じことを考えているのは明白だった。
いやいや、意味わからないでしょ!
ついにイカレたのか…
こりゃー酔っ払ってるのかも知れないね。
さすがにそんな事を口にできる者はいなかったが、
予想通り、誰も全員の前で告白なんてする気はなかった。
そんなメンバー達の反応を見た中澤は一つため息を吐いた。
「まぁ、そんな事を突然言われたら難しいだろうね。
だからこうしよう。私が聞いたら全員一斉に手をあげて答えること。
それならそんなに恥ずかしくないでしょ?」
「…確かに、どうせ答えなきゃなんないなら全員同時の方がいいよね」
ため息と一緒に保田が呟いた。
- 552 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:52
-
「それじゃ問1」
だんだんと諦めていくメンバー達を、
質問の前にしっかりと観察するように見渡した。
「他のメンバーと寝たことがある人」
その言葉に全員が目を見開いて耳を疑った。
ストレートすぎる質問に、恋人である保田までも驚いてた。
「さっさと手挙げんかい!」
痺れを切らした中澤は声を荒げて怒鳴った。
「はいはい、わかったわかった…」
部屋の奥からそう告げた声に続き、ため息と上がっていく手が現れた。
「みんなあたしのこと知ってるんだし、隠す意味ないか…」
開き直った後藤を見て、一人ずつ応えるように手を挙げていった。
中澤はその殆どに納得したが、
中には全く予想外な自白に衝撃を受けるメンバーも。
「こう言ったら変だけど…仲間外れにされたみたいな気分だ」
手を挙げていない数人と周りを見ながら呟いた辻。
「うん、でもわかるよ辻」
辻の隣に立っていた矢口が頷きながら苦笑した。
「なんか怪しいなーって思うこともあるけど…でも、こんなに?!って感じで…
って圭織まで挙げてるよ!あたし知らなかったんだけど!」
「でも、自分と一番仲ええメンバーがこんなことの原因やった私より
矢口さんはまだ全然マシやないですか…」
悲しそうな顔をして、岡田はため息を吐いて俯いた。
「そうだよね。なんか、ごめん…」
岡田はハッと顔を上げ、困らせてしまった先輩に気づいて慌てて頭を横に振った。
視界の端に見えるそんなやり取りに気づいてるのかいないのか、
中澤はだた素直な仲間たちに満足そうな笑顔をしていた。
「ほら、そんなに難しいことでもないでしょ?ちょっとサプライズもあったけど。
この調子で次の質問でも同じように、本当のことを教えて欲しい。」
本心を読もうとするかのように、手を挙げていたメンバー一人ひとりを伺う。
「手を挙げていない人にも聞くけど…メンバーに恋してる人」
- 553 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:52
-
多くのメンバーが手を下げた直後、多くのあごが落ちて口をポカーンと開かせた。
この集会が開かれた以上、藤本と石川は当然であったが、
後藤と松浦の答えに驚かない者は割と少なかった。
高橋と新垣に関しては…
どうやら手を挙げたままの高橋に一番驚いていたのは恋人である新垣だった。
「え?…愛ちゃん、本当に?」
新垣は目を潤ませながら、苦しくなってきた胸を抑えた。
「はー?当たり前やろー、何でガキさん泣いとるん?」
「だって…言って、もらったこと…ない、から…」
「ホンマ?」
「私、愛ちゃんがただ…その……」
「あぁ」
普段なら高橋はもっとわかり易い言葉でなければ
何の事だか理解できないでいたのだろうけれど、
今回は新垣の言わんとする事をすぐに理解した。
そして、ビックリした顔は優しい微笑みになった。
「あーしがエッチのためにガキさんと付き合ってるって思ったの?
なーんだ、それだったら後藤さんいるじゃん」
「そうだよ、ガキさん!」
後輩思いと言わんばかりに胸を張って大声を上げた後藤を、
同じく手を挙げている隣のメンバーが睨んでいた。
「じゃ、言って」
手を下げて、新垣は高橋を見つめた。
「愛ちゃんから聞きたいの」
高橋は周りを見渡した。
自分が言うのを待っているメンバー達の視線に
恥ずかしさがこみ上げ、頬を染めた。
しかし意を決して新垣と向かい合い、全員に聞こえるようにハッキリと言った。
「ガキさんのこと好きやよ」
周りは「かわいい〜」「フ〜フ〜」と二人を冷やかして、一気に盛り上がっている。
顔をくしゃっとさせて照れ笑いする高橋と、首まで真っ赤にさせながらも嬉しさを隠し切れない新垣。
見つめ合って微笑んでいる二人の周りがピンク色に見えた気がした。
- 554 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:53
-
「あの、中澤さん、もういいですか?」
中澤は声の方へ振り向いて、そしてあることに気がついた。
「柴ちゃん…」
上げた眉を下げニヤリと笑った。
「なんでまだ手ぇ挙げてんの?」
それまでに誰も柴田に気づいていなかった。
中澤の発言に今度は柴田が全員の注目を集めてしまった。
緊張が緩んだ部屋についボーっとしてしまった彼女は
躊躇うように手をゆっくりと下げて、頬を赤らめた。
「あ〜ホントだぁ!あたし聞いてないんだけどー!」
隣の後藤が珍しく大きく反応した。
「誰?」
「…〜、バカーっ!」
「へっ?!何?!あたしなんかした?」
「なんで、どうして、そんなに…本当にバカ!」
柴田の大声に思わず一歩引いてしまった後藤。
誰も彼女の怒っている理由がわからなかった。
彼女の本当の気持ちは誰にも想像すら付かなかった。
『どうしてそんなに鈍いの』
- 555 名前:57 投稿日:2009/05/12(火) 19:53
-
- 556 名前:りるあぷ 投稿日:2009/05/12(火) 19:54
-
すみません。申し訳ありません。
もうちょっとペースを上げたいんですが、物事は中々思うようには行きません。でも、頑張ります。
>>548さん
続きです。少しですが。すみません。
- 557 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/02/27(土) 14:48
- 続きが・・・
読みたいよぉ・・・・・
- 558 名前:いしよしLOVE 投稿日:2010/03/01(月) 21:00
-
早く続きを
お願いします。。。
- 559 名前:名無飼育さん 投稿日:2010/03/06(土) 12:12
- つ、続きを・・・
お願いします・・・
- 560 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:23
-
だんだんと膨れ上がる柴田の苛立ちに気づいた村田は、彼女を宥めようとその肩に手を置いた。
きっと先のない関係だし、この際だから全てを言ってしまおう。
でも、そう思ってるのと同時に、無意識に仲間の手を払ってしまった自分に気付いて初めて自覚する。
冷静を偽ってる余裕なんて、もう特に残っていない。
自分の気持ちがここまで溢れてしまっているのなら、あとは感情に身を委ねるしかない。
後藤に振り向いて睨みを利かせる柴田。
「あんたと、関わっちゃいけなかったんだ。こういう関係を持っちゃいけなかった。
あんたは・・・ごっちんとは、ダメだって、全部ぜんぶが間違いでダメだってわかってたのに・・・
わかってるのにごっちんのことばかり考えちゃうの!」
「・・・し、柴ちゃん・・・ぁ、あたし・・・・・・」
- 561 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:26
-
「でも、それ以上に何が一番悔しいかわかる?あんたのその、よっすぃへの執心。
何年も前のことなのに、あんたはいつまで経ってもその思いにすがりついて、近づこうとする人をみんな寄せ付けさせないし」
熱くなってしまった目頭を抑えることなく、柴田の声が震える。
「そうやって、自分で自分を傷つけてるだけだって、わかんないの?私のことも、傷つけてるんだよ?」
沈黙。
柴田はすぐに返事を期待していたわけじゃなかったけれど、少なくとも何かリアクションが欲しかった。
しかし返ってくるのは、口を半開きで瞬きを忘れたみたいに、ただただ自分を見つめる後藤の視線だけ。
そんな彼女を見て、何かから解放されたかのように柴田の全身の緊張が解けていく。
「でも、もういい、忘れて。最初からごっちんのそういうとこをわかってて止めなかった私のせいだし。自業自得だ。」
そう言い終え、中澤を振り向いた。
「中澤さん、すいません。もう帰ってもいいですか」
中澤は頷いて柴田を帰らせた。そして思った。これはもしかしたら、ちょっとやりすぎてしまったんじゃないかと自問自答する。
部屋を後にする柴田の背中に悲しさと切なさが映り、残された後藤はまだ茫然と立ち尽くしていた。
他のメンバーにいたっては驚きを処理するだけで手一杯のようだ。
- 562 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:28
-
「じゃ・・・そろそろ終わりに・・・」
「すみません、ちょっといいですか?」
「ええ、どうぞ」
咳払いをひとつして、松浦は石川の方に歩を進めた。
「梨華ちゃん、私嘘をついてた。梨華ちゃんに手を貸すなんて、最初から嘘だった」
「じゃあ、どうして・・・?」
「あれはごっちんのアイディアだった。もし味方のふりをして信用されたら、梨華ちゃんとよっすぃの秘密がわかるんじゃないかって。
みきたんのことも守れるのかも知れないと思って。
それに、まあ復習じゃないけど、やっぱりちょっと仕返ししてやろうと思っちゃったんだ・・・」
その告白に石川は特に驚きはしなかった。
あの出来事の後、自分に何があっても何を言われても、もう響かないんだろうと。
これ以上に傷つくことが不可能なほど、満身創痍だった。
- 563 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:30
-
「ごっつぁん、なにか言うことはないん?」
尋ねてみた中澤。
そのパスに後藤はその先輩を見つめ返した。
そして、石川に一度視線を移してから、また中澤に戻した。
「ある。」
そう頷いた後藤の瞳には力強い決心のような輝きが見えた。
「あたし、行かなきゃ。」
言い終わるが早いか駆け出して部屋を去った後藤。
誰も口を出さなかったし、止めたりもしなかった。
気の向くままに流され、時に逆風に立ち向かい、まさに“自由”が似合うそんな後藤だからこそ、
縛りつくことが彼女を傷つけてしまうことだってわかる。
「さあ、今度こそ終わりかな。はーい、解散、解散」
ぞろぞろと部屋を出ていくメンバーの中、ポケットから携帯を取り出して吉澤に電話を掛けていた藤本は動かなかった。
呼び出し音を聞きながら暫く待ってみたけれど、誰も出てくれなかった。
- 564 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:32
-
「つんくさんのところだと思うよ」
藤本の自問に答えるかのように声を掛けた中澤。
「つんくさんのところ、ですか?」
自分のせりふをゆっくりと繰り返した藤本の声に不安の色が感じ取られた。
モーニング娘。のメンバーでリーダーである以上、相談やミーティングは特別なことではないが、事態が事態だけあって、心配や不安を感じない方が難しいだろう。
しかし実は、吉澤がつんくを訪ねていったその理由を中澤は知ってた。
あの後、何よりも最初に吉澤に事情を打ち明かされたからだ。
あれから同じ場所をぐるぐる回り、終わりのないサイクルにハマってしまっていた。
何をすべきかわからずにいた吉澤は、何か行動を取る前にまず中澤に相談した。
ただ、それを藤本に話してもいいのかどうか、中澤も悩ましいところだった。
「よっすぃは、大丈夫なんですか?」
中澤の後ろから馴染みのある高めの声がした。
- 565 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:35
-
藤本と石川の視線には、それぞれに異なる複雑な感情も入り交じっていたが、やはり共通するのは不安や心配や、吉澤を想う気持ち。
中澤はその気持ちの強さをよく知っていたから、誤魔化しも曖昧さも通じないことを悟った。
「わかりました、ちゃんと話そう・・・
今朝、吉澤に会ってきた。色々疲れとって戸惑ってたから・・・まあ二人ならわかるやろ、ああ見えてあいつが一番繊細で弱いんやって。
気持ちを整理するためにも時間が欲しいゆって、だから今つんくさんとこに相談に行ってる。
まだ誰ともあっ・・・」
言葉の続きを飲み込んだ中澤。
言い終わらない内に必死に走り出て行くふたりを見送るしかなかった。
「まったく、懲りない娘達やわ・・・」
- 566 名前:58 投稿日:2013/06/10(月) 00:35
-
- 567 名前:りるあぷ 投稿日:2013/06/10(月) 00:41
- 本当にすみません。どういう顔をして続きを載せればいいのか迷ってて1年間過ぎてしまって・・・
そして最後の更新から3年間。続きをというコメントを頂きながらも・・・3年間・・・。本当に申し訳ありません。
もはや需要のないものになってしまいました。最初から最後まで自己満足でしかないことを重々承知してます。
でも、折角いただいたスペースなので、やっぱり完結したいです。
- 568 名前:名無飼育さん 投稿日:2013/06/11(火) 01:44
- 待ってたよwでも若干忘れてるからのんびり読み直します
- 569 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:30
-
私はいつも独りだった。
でも、彼女に出逢ってから、私は知らない内にその孤独を拒否するようになった。
あの温もりに包まれて、独りじゃないと感じられて、笑顔もちゃんと心からできるようになった。
・・・忘れるなんて、きっと無理だ。
- 570 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:34
-
どこに向かえばいいのかわからないまま走っていた。
でも、後藤は自分の勘に頼ってもう暫く足を動かし続けたら、奇跡のように廊下の向こう側にその人影を見つけた。
運動神経の良さをフルに使って全速力で走ると、一瞬にしてその距離を縮めた。
「柴ちゃん待って!!」
柴田の手首を掴んで振り向かせた。
そんな彼女は目の前の肩で息する後藤を唖然として見つめた。
じゃあ、なんでこの子を追いかけたんだろう?どうして引き止めようとしてるんだろう?
柴ちゃんの望んでることは与えられないのに・・・
深呼吸を数回繰り返して息が落ち着いてくるのに反比例して思考が忙しくなる。
答えは簡単には出ないとわかっていても、早く何かしなきゃと思って焦りが募る。
今ここでこの手を振り払われたら・・・。そこまで考えると、口が勝手に喋りだした。
「今すぐに、柴ちゃんの気持ちには、応えられないけど・・・」
何かを躊躇ってるような後藤の目線が柴田の足元を彷徨う。だが、ついに顔を上げて目が合ったら、自分に素直になれた。
「・・・それでも、そばにいてほしい」
今回だけ、手放さない。今回だけ、踏み出してみよう。
- 571 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:37
-
***
ふたりが突然会議室に入った時、つんくが椅子に座ったまま飛び跳ねそうなほどビックリした。
汗ばむ額に必死の形相で現れた藤本と石川は、挨拶とお詫びの言葉を言いながらも部屋をキョロキョロと見ていた。
「お疲れさん。お二人さん、ノックの返事を聞いてからドアを開けて挨拶しましょう。
全部一気に一緒にやったらビックリするわ。それから、吉澤ならもう帰ったで」
手元の資料に視線を戻して呆れたような口調で伝えたプロデューサー。
それを聞いて、石川はお構いなしに長テーブルに身を乗り出した。
「いつですか?」
「30分前くらいかな」
壁時計をチラッと確認したつんく。
「もう追い付けないと思うよ」
「なんで止めなかったんですか」
なにを想像したのか、取り乱してきた石川を見て、藤本はその肩に手を置いて落ち着かせようとした。
今上司に声をあげても吉澤は戻ってこないと、半分自分自身にも言い聞かせた。
- 572 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:39
-
「落ち着いたか?
・・・吉澤を止めたんよ、できる限りにね」
資料をテーブルに置き、ふたりを真っ直ぐに見つめ返した。
「でも、これは難しいのよ。吉澤から何があったか聞いた。
モーニングのリーダーとしても、しっかりせないかんのに、この様じゃアカンって本人もちゃんと理解してるし」
「でも、あれはよっすぃのせいじゃなくて」
と言い返した石川。
「わかってるよ。美勇伝が存続できることを感謝してほしいほどに。」
「よっすぃがちゃんと戻ってこれるなら活動中止でも解散でもなんでもいいです!」
石川の訴えが喉の奥から絞り出したように始まり、最後は声にならずに涙に溺れてしまった。
つんくは厳しい表情を見せて、ふたりから目を逸らすように再び資料に視線を向けた。
「頭を冷やしなさい。もう変えられないことやし、二人とも帰った方がええ。あいつに少し時間をあげたって」
藤本はなにも言わずに石川の腕をとり、帰ろうと彼女を先導していた。
湧き上がる不満や焦りを抑えて上司に反抗しなかったのは、しても無駄だと知っていたからだ。
もし吉澤が姿を消したのなら、何が何でも彼女を探し出すことが今の自分にとって最優先事項だ。プロデューサーへの反抗と抵抗はそれからでもよかった。
- 573 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:42
-
「藤本、ちょっと残っといてくれる」
藤本は既に頭に探すことしかなかったので、つんくの要求が意外だった。そしてもどかしい。
恋人がどこにいるのかわからないこんな時に上司の説教だなんて、これ以上時間を無駄にしたくないと。
しかし、どんなに急ぎたくても藤本は石川をひとりで帰らせて、つんくの向かいの椅子に座った。
「モーニングのことだったら心配要らないです。みんなも協力してくれると思うんで、任せてください」
本題は予想していたので、なるべく早く話を終わらせようと真っ直ぐに核心に触れてみた。
「あぁ、そうやんな。でも、モーニング娘。の話やなくて。
吉澤は君たちふたりの話もしとったんや」
「ふたりって・・・私とよっちゃんのことですか?」
「そう。まあ、正直にね、はいそうですかと言って認められるような話やないし」
つんくは深いため息をついて、更に続けた。
「前例の中澤と保田は当初、中々の頭痛の種やったんやけど、今の君らの状況の方が厳しいんやで。
でも・・・吉澤の真剣さが伝わった」
そう言って彼はブレーザーの内ポケットから藤本の名が書かれた茶色い封筒を取り出して本人に差し出した。
- 574 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:43
-
目の前の封筒に戸惑う。その内容次第ですべてが変わるのかもしれない。
もしそこに別れの手紙が入っていたらと考えて躊躇った。
でも逆に、もしそこに入ってるのが彼女の居場所のヒントか何かのメッセージだったら・・・
眉間に皺を寄せ始めた時、止めた。考えすぎるのは性に合わない。
藤本は一度深呼吸をして、つんくの手からその封筒を受け取りすぐにそれを開けた。
書かれたのは手紙じゃなく、一文でもなかった。
それはたったの一言だった。
- 575 名前:59 投稿日:2013/07/07(日) 13:43
-
- 576 名前:りるあぷ 投稿日:2013/07/07(日) 14:10
- 更新です。
3年前は表現を和らげたり日本のSSに合わせようとしたりしても忠実に翻訳していたんです。
今もできるだけそうしているんですが、自分がこういう風に解釈して、所々補足したりしなかったりしてるので、
原文を知ってる方が読み比べたら色々に気づくと思いますし(汗)
あと、たぶん、日本語の言い回し等とは違う、以前の文章そのものとの違いの違和感が感じられると思います。
読みづらくなっていたらすみません。
次でラストです。
この話が終わったら、現ハロメンの話をオリジナルでなにか書けたら載せたいと思います。
>>568様
大変お待たせしてしまって申し訳ないんです。
そして、待っていてくださってありがとうございます!
私は読み直すより書き直したいですね・・・本当に読み返していくと色んな意味で辛くなります・・・
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